名無し

一言にバカといっても、松竹梅と様々なレベルがございます。ちょっとしたバカ、うんざりするようなバカ、極めつけのバカ……。実生活では本当に勘弁してほしい所ですが、漫画に出てくるバカからは元気を貰えそうな気がします。『黄金のラフ ~草太のスタンス~』の主人公、藤本草太はそんな、見ているだけで元気がもらえる、そこぬけのバカなのです。
 藤本草太は抜群の身体能力を持つバカ。池のなかにあろうが、グリーン方向に木が生えていようが、どんな状況でもバーディー、イーグルを目指すアグレッシブすぎるゴルフのため、全く勝てません。そんな草太に目をつけたのが、同じく全く勝てないプロゴルファー、谷田部光一と太子治の二人。谷田部光一は、完璧なスイング理論を持ちながら、自分の小さな体格ではそれを発揮できません。コース戦略やグリーンの芝を読むことにかけては誰にも負けない太子治は、ノミの心臓でそれをいかせないでいました。自分たち一人では全く勝てないかもしれないけれど、3人合わされば勝てるようになるかもしれないと思った、谷田部と太子の2人は草太を強引に誘い、世にも珍しいゴルフチーム「チームきりたんぽ」を設立します。谷田部が草太のスイングを完璧にし、実際のコース戦略は太子がたて、実際にクラブを振るのは草太という形です。
 それぞれの突出した能力を合わせれば一人前以上になるかと思いきや、草太の突き抜けたバカっぷりのために、スコアは極端な乱高下を描き、それに合わせてジェットコースターのようにブンブン振り回されるストーリー展開がこの作品の魅力です。
 この無茶目なストーリーを楽しく読めるのは、極端に個性的キャラクターがいるからです。ゴルフエリートの道を歩み、向かう所敵無しなのに、なぜか草太のことが気になってしょうがない花咲司。国内最強のゴルファーで、品性はお下劣なマイト竿崎。見た目はどうみてもジェームズ・ブラウンな、世界ランキング1位のムーベス・ジェラウン。どのキャラクターもクセは強いものの、なぜか愛着が湧いてくるのが不思議です。
 中でも特に良いキャラクターがキャディの太子治。いじけっぽく弱気なのに、草太のバカに影響されて開き直り、急に強気になったりします。試合中の草太のショットに怒ったり泣いたり、一緒に踊ったり…それが妙に可愛いのです。
 そうです。この漫画の魅力はゴルファーとキャディの掛け合いにもあります。実際プレイする人間と、彼らに道筋を示す人間。単純に二人三脚ではないところに、人間関係の面白みがあります。
 奇跡のイーグルが出た次の回は崖下寸前からのショットに…。かと思えば、なんでもないところで一気にスコアを落としたり…。わかっていてもドキドキするし、ワクワクするし、感動する…。決してゴルフの王道ではないけれど、漫画の超王道なような気がします。

読みたい
おうごんのらふそうたのすたんす
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
うっちゃれ五所瓦 粘り腰編

うっちゃれ五所瓦 粘り腰編

相撲漫画の名作、約30年ぶりに続編で復活 「週刊少年サンデー」の連載で大人気を博した伝説のスポーツ漫画『うっちゃれ五所瓦』完結から32年。熱血、友情、感動、ギャグなど面白さはそのままに、待望の続編が登場! 作戦はぶちかまし一本。不器用で口べただが、誰よりも相撲愛あふれる男・五所瓦 角。かつて高校相撲の団体戦で個性豊かなメンバーを集めて頂点を目指した五所瓦が、今度は大相撲の世界で大活躍。新たな家族もでき、かつての仲間たちも見守るなか、変わらぬ相撲への情熱で頂点をめざす!

南風原カーリングストーンズ

南風原カーリングストーンズ

読めばカーリングの醍醐味がわかる! はみ出し者が歴史を作ることもある。女子カーリング選手・二風谷直歩は、曲がったことが大嫌いな性格が災いして、競技の中心地・北海道を追われ、沖縄へ… 南風原町にある沖縄唯一のスケート場に日参し、なんとかこの地にカーリングチームを作ろうとする。そして、地元で燻っていた男たちが集まりはじめ… 沖縄の輝かしいカーリングの歴史が今始まる!!

ライスショルダー

ライスショルダー

身長193cm、体重92kg。秋野おこめ、18歳。目指すは女子ボクシングヘビー級世界チャンピオン!!秋野おこめは身長193cm、体重92kgのヘビー級な18歳。村の相撲大会に出場したおこめは力自慢の男たちを次々となぎ倒し見事優勝を飾った。そんなおこめの姿を偶然目にしたのは、東京のボクシングジムでトレーナーを務めるあかね。あかねは有望な女子ボクサーを求めて全国を歩き回っている途中だった。そして運命はおこめをボクシングへと導いてゆく!

黄金のラフ2~草太の恋~

黄金のラフ2~草太の恋~

運動能力は抜群だが、頭の中身がやや残念なため、勝てないプロゴルファー藤本草太は、仲間たちと組んでアメリカで1勝を上げた後、ケンカ別れ、日本に戻る。その後国内でも一向に予選通過できず腐っていた。一方千葉県のゴルフ場で、働きながら女子プロを目指す張場美波里は、プロライセンスへの狭き門の手前で内に秘めたイケイケ気質を抑えかね悶えていた。そんな時、草太のバイト先・モンキーローンが倒産危機に陥った! その渦中で、運命の偶然により草太と美波里は出逢ってしまった。さてさてどんな化学反応が生まれるか……?

こんこんちきち

こんこんちきち

呑太は落語でイッてしまう.その兆候が現れたのは2,3歳の頃.落語のセリフがそのときよっぽど耳に残ったらしく,それ以来,自分が落語で人を笑わせることで快感を覚えるようになったのである.そんな呑太にとって落語は大切なものであり,廃らすわけにはいかない.しかし,兄弟子の船勝が日本新人演芸コンク-ルにエントリ-されるが,若い世代の落語に対する眼差しというものはあまりにも哀れなものであった.それでも,呑太は落語を理解してもらうため(というより自分がイくため)に孤軍奮闘,「流し」の落語を始めるのである.果たしてその成果は如何に?

うっちゃれ五所瓦

うっちゃれ五所瓦

五所瓦角は伝統ある武蔵山高校相撲部のたった1人の部員。3年生の五所瓦は、高校最後のインターハイ団体戦に出場し、優勝するのが夢だった。だが、団体戦に出場するためにはどうしても5人の選手が必要で…。五所瓦が集めた助っ人は、とんでもない奴らばっかり。気合いと奇策で立ち向かう波乱の土俵!!爆笑と感動の青春スポーツマンガ!!

ゲイン

ゲイン

天下無敵の暴れん坊・夏井球生は、我慢することが何よりも嫌いという、とっても困った男。高校入学早々、「3年間部活を続ければ、父親の残した遺した金を好きにしていい」と母親に言われ、部活探しの毎日。多難のクラブ探しの結果、ラグビー部の一員となるが…!?球生を中心に繰り広げられる熱い男たちの闘球伝説!!

わたるがぴゅん!

わたるがぴゅん!

沖縄から東京の東和台中学校へやってきた野性児・与那覇(よなは)わたる! さっそく野球部の練習に加わり部員をキリキリ舞いさせる。部の勧誘を意外にも断ったわたるだが、マネージャーの若葉に一目惚れして…!? 月刊少年ジャンプにて20年に渡る長期連載となった野球マンガの金字塔! その始まりの第1巻!!

見ているだけで元気がもらえる、そこぬけのバカ。藤本草太。にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。