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ALL NUDE

読めばハイになれる

ALL NUDE すぎむらしんいち
かしこ
かしこ

今まですぎむらしんいち作品をちゃんと読んだことなかったので、まずは短編集から!と思って読んでみました。めっっっっったくそ面白いですね!!!!今日はこれを読むまでイマイチな一日だったのですが、おかげさまで超元気になりました。あらすじにも「気持ちよくなるのに、ヤボなドラッグなんていらねぇ!」とありますが本当に効きますね(笑)。悪寒がしたら葛根湯の代わりにこれを読めば風邪をひかないんじゃないかな? どの短編も面白かったけど「小林君」「少女カメラ」「パパが地球人を辞めた日」が特に好きでした。「小林君」は今までクラスで一度もしゃべったことない小林君が転校するからと言って宝の地図をくれる話なんだけど、子供が上手く描けてる漫画は自分も子供になった気持ちで読めるんだなぁって思いました。「少女カメラ」も子供の話だけど、最後に女の子がその日に撮った写真がズラッと出てくる演出がかっこよくてシビれた…!「パパが地球人を辞めた日」はただただ爆笑です。もしかしたらこれが一番好きかもしれない。 「タクシードライバー」は映画をそのまま現代日本風にオマージュ?していて、なんか読んでて目からウロコって感じだった。令和になってから見なくなったけど漫画に出てくる元日本軍のじいちゃんって面白いですよね。そんなじいちゃんから上京する時に護身用にもらうことでピストルを手に入れるってのは、これぞ日本版「タクシードライバー」の正解だと思いました。 巻末に「RANGAI★バラエティbyけらえいこ先生」と書いてあるけど、これは「BUN BUN BUN」の欄外にあるイラストエッセイのことなのだろうか。言われてみるとけらえいこ先生のタッチな気がする…。意外な交友関係だ。

この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもあえて女性のリアルな部分を描きすぎない選択をしたのは、原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

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