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懐かしいのに、新しい。団地マンガの新星、デビュー! 舞台は建て替えが進み、新旧入り混じった景色が広がる、とある団地。大人とこども、自由と不自由、孤独とぬくもり。数多の窓、数多のドアの向こうにある、それぞれの生活――。 「今年の花火」結婚を機にこの団地に住まい始めた若い夫婦の、初めての夏、2度目の花火 「夜を歩く」最終電車を降り損ねた若きサラリーマン。団地に帰るまでの、長い長い夜の散歩 「わたしの団地」数年ぶりに訪れた男やもめの父の家。すっかり様変わりした団地の姿に、娘はなにを想う? 他、そこに住む人々のささやかな日常を丁寧に切り取った四季折々の12編。描き下ろし4Pも加えた、オムニバス短編集。
田島列島や入江喜和、今日マチ子に通じる優しい線が特徴の石山さやかさんのデビューコミックス。
あらすじにもあるように、読むとなんだか懐かしい感じに胸がキュッとなります。
子供の頃は家族の垣根を超えてご近所さんと交流があったこととか、当時は鬱陶しかった親のおせっかいの有り難さが今になってわかったりとか、今は空気みたいな存在だけど新婚当時は1分でも1秒でも長く一緒にいたかったな、とか
ささやかだけど記憶の引き出しに入ったままにしている部分を引っ張り出されるような、当たり前のようで当たり前じゃない、人の営み、ドラマが描かれています。
何かでトップを取りたい!成功したい!とか上を目指すことをモチベーションにしてる人ではなく、地球のはじっこで一生懸命生きてる人に読んでほしい本です。