とても寂しくてすこし甘美な短編
繊細で美しく壊れていく女の子を鮮やかな筆致で描いた作品。 言葉選びが、またいい。ちょっと近かったけど、遠かった憧れの女の子を、漫画家になった冴えない女の子が回想し、語るというのが大筋だが、メタモノローグの過去回想で語るという形式がこの話にはよくマッチしていた。 思考と思考が噛み合ったようで、そんなことはなくて、すれ違って、解けて、知らないうちに彼女はいなくなってしまった。このことを回想する主人公は古傷をそっと触るような切なくて、甘美な気持ちになっただろう。距離も時間も遠さも関係なく、彼女はその時間へ回帰し続ける。そんな気がした
仮にマジだとしても本人にしか分からんことだからスルーがいいのでは…