鳥飼さんが作家性をそのままにSF要素を加えるとこうなるのか、という作品
まさにこういう作品だった。鳥飼茜作品を初読でない身としては、鳥飼茜先生の性に対する扱い方が、感情論でない、冷静な視点を担保して創作しているということの分かったのがよかった。
性支配の逆転構造を持つ世界を描くことで、純粋に性の支配から解放された在り方を目指す。鳥飼茜先生の持つ主題のようなものが強く伝わってきた
鳥飼さんが作家性をそのままにSF要素を加えるとこうなるのか、という作品。最近出たエッセイ「漫画みたいな恋ください」でマンガで伝えたいメッセージ的なことを書いてらっしゃったけど、今までの作品は生々しいほどのリアリティで表現していたのを、今作では暗喩的というか、背景に忍ばせるような形で表現されてるように感じた。といってもリアリティがないわけではなくて、むしろ鳥飼さんの絵柄も相まって現実味のあるフィクション感を感じる作品に仕上がっている。フィクション部分のストーリーがあるので、これまでの作品と比べると入りやすいかもという気がしている。なので、鳥飼さんの作品を勧める際の最初の1冊には一番向いてるような気がする。
上下巻読了済。
『先生の白い嘘』『おんなのいえ』『地獄のガールフレンド』などの作品で現代日本の女性たちの生々しい感情を描いてきた人気マンガ家が、近未来ディストピア設定の世界観に生きる女性たちを描く意欲作。
『先生の白い嘘』『おんなのいえ』『地獄のガールフレンド』などの作品で現代日本の女性たちの生々しい感情を描いてきた人気マンガ家が、近未来ディストピア設定の世界観に生きる女性たちを描く意欲作。