『先生の白い嘘』『おんなのいえ』『地獄のガールフレンド』などの作品で現代日本の女性たちの生々しい感情を描いてきた人気マンガ家が、近未来ディストピア設定の世界観に生きる女性たちを描く意欲作。
男が希少になってしまった世界。女は男がいなくても子供をもうけることが出来るようなり、それが常識とされているが、とある一族と一部の人間だけは自然に妊娠して出産すること可能なままであった。月に一度のしるしがある佐奈田は町から逃げ出し、男娼の麗峰と出会い、はずれ者同士ともに暮らしていたが、一族によって麗峰が拉致されてしまう…。 読み終わってすぐは壮大な世界のわりにシンプルなテーマだなという感想だったけど、読み返すとしみじみ深いなと思うようになってきた。女達が自由を得るための戦いってところで「マッドマックス怒りのデスロード」を思い出しました。
鳥飼さんが作家性をそのままにSF要素を加えるとこうなるのか、という作品。最近出たエッセイ「漫画みたいな恋ください」でマンガで伝えたいメッセージ的なことを書いてらっしゃったけど、今までの作品は生々しいほどのリアリティで表現していたのを、今作では暗喩的というか、背景に忍ばせるような形で表現されてるように感じた。といってもリアリティがないわけではなくて、むしろ鳥飼さんの絵柄も相まって現実味のあるフィクション感を感じる作品に仕上がっている。フィクション部分のストーリーがあるので、これまでの作品と比べると入りやすいかもという気がしている。なので、鳥飼さんの作品を勧める際の最初の1冊には一番向いてるような気がする。 上下巻読了済。
男が希少になってしまった世界。女は男がいなくても子供をもうけることが出来るようなり、それが常識とされているが、とある一族と一部の人間だけは自然に妊娠して出産すること可能なままであった。月に一度のしるしがある佐奈田は町から逃げ出し、男娼の麗峰と出会い、はずれ者同士ともに暮らしていたが、一族によって麗峰が拉致されてしまう…。 読み終わってすぐは壮大な世界のわりにシンプルなテーマだなという感想だったけど、読み返すとしみじみ深いなと思うようになってきた。女達が自由を得るための戦いってところで「マッドマックス怒りのデスロード」を思い出しました。