荒んだ戦後を義理を通して生きていった女の話
空襲で母を亡くして一人で戦後を生きていかなければならなくなった翔子の幼少期から成人するくらいまでの話。 「受けた恩は倍にして返せ、受けた恨みは三倍にして返せ」というセリフが序盤で出てくるんだけど、これが翔子の人格を象徴していると思う。 特に、娼婦のためにマッチ売り(米兵相手の売春のようなもの)をして金を稼いだ話は結構ジンときた。 梶原一騎の荒々しさがストーリーに結構反映されていたように思うけど、上村一夫の艶やかな絵がうまくバランスを取っていたと思う。
反骨の評論家と柳橋の名妓の間に生まれた美少女・鷹野翔子は、愛する母を特高警察に虐め殺されるという痛ましい経験を胸に激動の昭和を強く生きてゆく。「あしたのジョー」「巨人の星」等の大ヒット作で知られる梶原一騎と、「同棲時代」「修羅雪姫」等の名作を送り出した上村一夫が生涯でただ一度だけタッグを組んだ伝説の作品!!
戦争中から戦後あたり時代で孤児になった鷹野翔子の話。父親は失踪中に母親は特高警察にやられて直後の空襲で亡くなるという最初からかなり重い話。
最初は梶原一騎が原作としらなくて、なんか梶原一騎っぽいなと思いながら読んでて途中で「あしたのジョー」の少年院の新人いびりででてきた「ねじりん棒」と「パラシュート部隊」を見てから、表紙をみたらやはりという気分になった。