カレー戦争編
本作は味平全5シリーズのうちの4つめの章。デパートの売上競争の代理戦争に巻き込まれた味平が、カレーの味でどれだけ客を集められるか、というものです。ライバルは6000種類のスパイスを嗅ぎわけるカレー将軍・鼻田香作。この恐るべき男を相手に味平の策は?ということでまさに戦争がはじまります。でこの作品、特筆すべきは料理漫画ではあるものの、おいしく見せることを追求しているのではないんですね。ミルクカレーにスパカレー、しょう油入りカレーと一歩間違えばゲテモノです。ただ、これが食べたく思ってしまうんだなあ。そう、この作品の胆はここ。説明などどうでもよく食べてみたいという幻想がここにはあります。最後に出てくるブラックカレーなんてもう、一度は…。あ、でもこれはちょっと禁じ手かぁ。
鼻田が味平カレーの肝となるものを見抜けないわけがないとも思ったが・・スパイス馬鹿には判らない、という論理もアリかな、と思うので、それはそれでイイカナと(笑)。
グルメ漫画の大御所「美味しんぼ」のカレー回でも
「日本人むけカレー」的なストーリーもあったが
味平カレーのほうがよりシンプルに日本人にあったカレーを
描写していると思う。
それでいて「カレーは辛いからこそ美味いんだ」
という至言とも矛盾させずに面白い漫画になっていると思うし。