銀白のパラディン -聖騎士-

「フェンシングは努力でなんとかなる」

銀白のパラディン -聖騎士- 岡啓介 太田雄貴
ひさぴよ
ひさぴよ

フェンシング銀メダリストの太田雄貴さん曰く、「フェンシングは努力でなんとかなる」スポーツなんだそうですが、このマンガではその言葉を体現するかのように、細身でガリ勉メガネの主人公が、ある日フェンシングをはじめて、その魅力に取り憑かれて強くなっていくという王道スポ根マンガです。剣道と似ているのに、汗臭い感じはないし、見た目にも華麗で映える競技だなーという印象ですね。 監修・太田雄貴だけあって、フェンシングをあまり知らない読者でも、読んでいくうちに何となくルールがわかるようになってます。「ガンバ! Fly high」と同じように、メダリストが監修することで、漫画がより面白くなり、読者が増えて競技人口も増えることを狙ってたと思います。人気が振るわず5巻で終わってしまいましたが…。絵はややクセ強ですが、1対1の心理描写だったり、王道の熱い展開を盛り上げるのが上手いです。特に終盤の心と平子のレギュラー争奪戦は、実力下位同士の戦いでありながら、感情を揺さぶられる試合でした。最後まで軸がブレずに走り抜けたことで、自分の中で、記憶に残るスポーツ漫画の一つとなりましたね。少年サンデーの連載で読んだっきりの人も、単行本でもう一度読めばさらに面白い作品だと思いますね。あと、「アイシールド21」みたいなノリが好きな人には特におすすめです。

さよなら私のクラマー

女子サッカーの過去と未来と今を考える #完結応援

さよなら私のクラマー 新川直司
ANAGUMA
ANAGUMA

東京オリンピックが開幕しました。このクチコミを書いている時点で女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」は予選リーグ1分1敗、今夜実施のチリ戦の結果如何でリーグ突破・敗退が決まるという状況です。 『さよなら私のクラマー』の話をする前に少しなでしこジャパンの話をしたいと思います。 2011年にワールドカップを制して以降、翌年のロンドン五輪では銀メダル、2014年はアジアカップ優勝、2015年のワールドカップも準優勝(決勝は大敗でしたが…)と結果を残してきたなでしこ。 ところが2016年リオ五輪の出場権を失うと、2019年ワールドカップではベスト16で敗退(3大会ぶり)と大舞台での近年の成績は10年前を思うと物足りないと言わざるを得ません。男子サッカーの好調とは対照に直近の試合内容についてもかなり批判を浴びています。 『さよなら私のクラマー』は「私達が負けてしまったら 日本女子サッカーが終わってしまう」という能見選手のことばから始まります。 女子サッカーは男子サッカーに比べてまだまだマイナースポーツで、代表の強さがダイレクトに注目度に繋がり、ひいては競技そのものの継続に直結するということが『クラマー』では取り上げられていました。 勝たなければいけない。勝ち続けられる選手にならなければいけない。日本の女子サッカーの未来を背負える選手にならなければいけない。 これが『クラマー』で提示されたひとつのシビアな、そして乗り越えるべきテーマでした。 現実のなでしこジャパンは、10年前の輝きが過去になりつつある状況で今日の予選リーグ最終戦を迎えているわけです。 もしここで敗退となれば、なでしこジャパン、そして今後の女子サッカーを左右するひとつの分水嶺になるのでないか。能見選手のことばが強く心に残っている自分としては、そんな緊張感さえ覚えています。 『クラマー』はまさに女子サッカーのブームの激流の只中にあった作品だと思います。過去の栄光と決して明るくない未来を現実的に見据えながら、本作は爽やかに幕切れをします。いつもどおりの試合の中で。 どれだけ過去に囚われようと、どれだけ未来を憂いても結局は一試合一試合をやっていくしかなくて、それがそのまま女子サッカーの未来になる…というメッセージ。 オリンピックで苦境に立つなでしこを見て、本作を思い、さまざまなことを考えていました。どんな結果であれ女子サッカーの未来が輝いていることを願うばかりです。 長々と書いてしまいましたが今心から何が言いたいかと言うと「勝ってくれなでしこ!!!」ということです。本当頼む!!!

空のキャンバス

昭和の懐かしき大味ドラマとギャグが最高 #完結応援

空のキャンバス 今泉伸二
名無し

たんこぶが積み重なったり倒れてきた電灯がキャラの形に凹むようなギャグ世界線で繰り広げられる愛と命を掛けた体操スポーツ漫画。1巻の1ページに昭和が凝縮されすぎてて好きです。 1〜3巻は昨今めっきりお目にかかれないラッキースケベのバーゲンセール。ヒロインの榛名ちゃんがタフで容赦なく太一を殴ってくれるからきっちりギャグになってて嫌な気持ちにならず読める。 とにかく女の子が可愛いくてすごい。 榛名ちゃん、沙織ちゃん、マドンナ麗華さん、エレナ、会長夫人……登場する女の子が全員タイプが違う美人で最高。 体操に詳しくないので作中の技がどれだけ古く難度の低いものになっているのか読みながら気になった。 後半ラブコメギャグ体操漫画がシリアスになってくる過程が面白い。 太一自身が生きてるのが不思議なレベルの怪我人で命を削ってまで真剣に体操に打ち込んでるのに、元はラブコメギャグ世界の住人だから榛名ちゃんに殴られてるのが草 大怪我から復帰した人間にさらに怪我をさせる(歩道橋から落下・ワイヤー衝突)。リハビリ仲間が体操の会場で死ぬ。医者は騒ぐだけでほとんど役に立たない。記憶喪失。いつの間にかフェードアウトするキャラの多さ。 五十嵐はともかく最初いたケンシロウはどこいったんだよマジ。 このライブ感という名の大味さがやはり最高です。 赤いウィンナーはいいものだ……。 太一の死を曖昧に描く最後のお陰でこの漫画は名作になったんじゃないかなと思う。

SK8R’S

祝、スケボー初の金メダリストfrom日本

SK8R’S トジツキハジメ
さいろく
さいろく

たまにはこんな時事ネタも絡めたい。だってもうそんな機会来ないんだもん。 始まりましたね、東京オリンピック。 昨日(7/25)堀米雄斗くんがストリート男子のスケボー金メダルを獲得しました。 スケボー自体が今大会からの競技で、そこで金メダルを獲ったってことは世界初の金メダリストってことです。すごいよ。 そしてついさっき、ストリート女子の金メダルを日本史上最年少13歳で西矢椛さんが獲得。 どうなってんだ日本、スケボー凄すぎませんか。 実際トリックのシーンなんかも観てると金メダルを決めたシーン、決勝相手や準決勝相手のトリックも観てて「イメージが違う」クリーンなものに観えた。これはきっとオリンピック効果なんだと思うけどw この「SK8R’S」は日本のスケボーシーンを描いてくれているんだけど、当然この東京五輪に出場してた日本人選手のみんなはこういうとこの出身なんだよなーってすごく興味深く読めると思います。 才能が〜とか英才教育で〜とか(スケボーで英才教育って言われてもピンと来ないかもだけど)そういうことじゃないっていうのがこのマンガでもわかります。 憧れだけで始めて周りの環境を疎ましく思いながらも世界が広がっていく、もちろんそれは簡単でもなくて、一つ一つの歯車が噛み合うまでの苦悩や勇気、そういう展開がうま〜く描かれてると思います。 スケボーを全く知らない人でも、彼らが競い合ったり魅せあったりしてるシーンと成長していくストーリーは面白く読めるはず。 すごく最新のマンガなんだけど、アラフォー的には昔を思い出させられました。 マンガがきっかけとは言い切れないけど、スラムダンクその他マンガの影響も少なからずあったバスケットシーン。 その頃マンガに憧れた少年たちからプロが生まれたりしてるわけなんですが、五輪競技に認定されるちょっと前から始まってるこの物語、今後のスケボー少年少女達を多く排出するきっかけにもなるんじゃないかな〜って思います。 すでに面白いけど今後にも注目!

ミドリノバショ

意外と少年漫画的ビリヤード漫画

ミドリノバショ 岡Q
六文銭
六文銭

ビリヤード漫画なんで「Mr.FULLSWING 」の鈴木先生が読み切りで書いた「pool shooter」くらいしか読んだことなくて、 そういえば、なんでビリヤード漫画ってないんだろ?と、思わず考えてしまった。 個人的に ・細かいルールがよくわからない ・スポーツよりもやっていることが地味 そして、何より ・おっさんが球ついても面白くない これだ!!!!!!!! って本作読んで思いました。(身も蓋もない) とにかく、本作のミドリちゃんが魅力的。 天才なのに、真面目で素直で、孫娘みたいなポジションなのが、すごくいい。 それでてい、ビリヤードのこととなると、かなりアツく負けず嫌いな感じが、よりよい。 自分も、本作に出てくる、応援している地元のおっさんの一人になった気で見守っております。 ただの可愛い天才女子中学生がビリヤードやっているだけでなく、 成長という変化を描いているのが、少年漫画そのものです。 また、主人公だけでなくにも、全体的にキャラが魅力的なんですよね。 特2巻で明らかになる菅さんと沖田プロの師弟関係とか、読んでいて胸アツでした。 初める動機も続ける情熱も、丁寧に描いていて、作品へのハマリ具合を加速させます。 また、書誌内容に >ビリヤード専門誌で約7年連載していた著者がおくる と記載ありますように、ビリヤードに関してはふんだんに豆知識もあるので、そもそもビリヤードに興味がある人も納得できる内容だと思います。 3巻では、現役プロの女王的な存在と戦うことになりますが、 ここから百合展開になるのかも気になるところです。

ドクターメシア

アスリートのメンタルを救え!

ドクターメシア 寺沢大介
ひさぴよ
ひさぴよ

寺沢大介先生初となるスポーツもので、脳科学でメンタルを治療するスポーツドクター“飯合”の仕事を描いた漫画。ゴルフやバレエ、ラグビーなどさまざまな競技のアスリートが抱える心の問題を、メンタリスト飯合先生がそれっぽい言葉で克服させていきます。 ※何名かの顔がアンパンマンのように丸くて、他の人たちは普通に描き分けされてますが、深い意味はないみたいなので気にしないで大丈夫です。途中から慣れます。 若干、胡散臭い感じもありますけど、セリフや構成が非常に巧みで、読み進めるうちに読者をも洗脳…じゃなくて共感できるようになってます。最初は半信半疑のアスリートたちも、ちょっとした言葉ひとつで心が変わり始め、本来のプレーを取り戻していく姿を見るのは本当に爽快で、いつの間にか前向きな気分になれます。 終盤で飯合先生はスポーツの「本質」についても語り始め、なぜ私たちにはスポーツが必要なのか?なぜ社会はスポーツを求めるのか?という話をしてきます。そのシーンが激アツで不覚にも感動しました。まぁ、東京オリンピックの時期に読んだせいもありますが…。自分にとってのスポーツって何だろう…?なんてことを考え直すきっかけになりましたね。

プロレススーパースター列伝

プロレスと一切接点を…

プロレススーパースター列伝 梶原一騎 原田久仁信
名無し

プロレスと一切接点を持たずに生きてきたアラサーの平成生まれが1巻を読みながら思ったことメモです。知り合いが読んでたので気になって読んでみました。 ……… 1話 表紙めくってすぐ出てくる扉絵の猪木の横顔草 タイガーマスクより段違いに読みやすいけど、1話目からデカパンみたいな黒人のずんぐりしたおっさんとは タイガーマスクといい悪役レスラー金的しすぎでは?あぶな 突然の猪木解説草 「わたしがあいたかったのは作家ではなく、空手界の大物としてのミスター・カジワラだった」 いきなりの作者登場すげえ 「ランチをおごっただけで半生を語ってくれた」 「ユーとカラテのめぐりあいを話してくれないか?」 マジで突然何が起こってるんや… 2話 観客が黒人レスラーのブッチャーを平然と「二グロ野郎」呼ばわりするのビビる… 「サンキュー・ベリマッチ!!」ジワジワくるのすこ 「ガマ電話オテナは大山倍達の20年来の親友」 マジどこからどこまで本当で嘘なのか微塵もわからん 3話 「パンチで殴るのは反則だが突きはオーケー」は正しそう 巻き藁で貫手の練習をするブッチャー 「指がくだけてもいいとこみせにゃ……」いきなり弟子力高いムーブをするブッチャーかわE 小石炒飯wwwwスピードがあれば熱さを感じないww 4話 「ああ、人間は信じられねえ!」のブッチャーいい顔してる… 5話 「アトミック・ボムズ・アウェー!!」 「千ドル……ステーキ!」😭 カール・ゴッチさんは実在してそう 今更だけど「レスラーは本物(実在)するけど、ストーリーがフィクション」という解釈であってる?猪木さんが言ってることは本当なんだろうか… 6話 大木さんのパイナップルみたいな帽子なんなの?🍍 「鉄柱に叩きつける頭脳作戦」 いうほど頭脳作戦か…??どちらかというと「頭脳作戦(物理)」じゃねえか 普通にブッチャー死んだかと思って心配しちゃった 7話 奥さんへのお土産に日本人形はセンスねえな…ありがた迷惑 普通にブッチャー可哀想……でも日本人形買うような男だしな… 「こんなにオデコもキズだらけになってるときに」草 8話 白人プロモーターも惚れるブッチャーさんのガッツ 「ゼニになればどこへでもいきますぜ」すこ ケージ・デスマッチからの「おばけカボチャ!! 人間空母、デブ世界一!!」で大草原 275kgはやばい 9話 そのオーバーオール絶対1人で着れないでしょ ブッチャー「頭にくるクソデブめ!!」草 また金的かよ そうか…突きの弱点は分厚い脂肪なんだな 肉弾重爆撃の落下エネルギーを使った首への突き 「ファイトさえありゃ、世のなかなんとかなるもんだぜ〜〜ッ!!」かっけえ… 「ファイト・マネーはヒフティティー・ヒフティーが条件だ!」 ヒフティーは草  ……… タイガーマスクと比べると漫画の技術が進化してて格段に読みやすい。 どこまで本当なのか全く判断できないとこが最高に面白い。 すでに1巻で小石炒飯なんておもしれー修行出てきたんだから続きは絶対面白いじゃん。気になる。

ダンベル何キロ持てる?

人生の問題は大体筋肉で片づく

ダンベル何キロ持てる? サンドロビッチ・ヤバ子 MAAM
六文銭
六文銭

筋肉があれば、なんでもできる そう思っていた時期がありました。 否、現在進行形で思っています。 筋肉があれば代謝があがるので太らないし(※諸説あります) 体調だってよくなる。 寝起きも良い。 ストレスもなくなる。 体がしまるからモテるし、重たいものだって持てる。 ※モテるのは、個人差あります 本作は、痩せたい思いでスポーツジムに通う女子高生の話。 イイことである。 思春期の女子は、何かとすぐ食べる量を減らすことで事なきを得ようとしますが、論外である。 そもそも、やせたければ運動すればいいだけの話なのだ。 運動、そう筋トレで良いのである。 なので、本作の主人公は、誠に良い心がけである。 全体的に日常系の部活モノっぽい雰囲気があるが、 部活ではなくジムなので、やっていることはガチなのが良い。 (最新刊では部活をつくっていますが) 筋トレ方法や健康維持のちょっとした豆知識がつくのも魅力。 コロナによって、ステイホーム、ステイハングリーだから、 ノー運動にも関わらずノーリミットで食べまくっている人の処方箋になる作品だと思う。 筋トレだ、筋トレしよう。そういう気になる。 ただ、12巻まで続いていて、結構な運動量をしているのに、キャラたちが全然マッチョにならないのが不思議である。 とまぁ、偉そうに色々言いましたが、私は、ガリガリでもメタボでもない、一番面白みのない中肉中背です。 まずは、これ読みなおして自分が運動しようと思います。

タイガーマスク

プロレスと一切接点を…

タイガーマスク 梶原一騎 辻なおき
名無し

プロレスと一切接点を持たずに生きてきたアラサーの平成生まれが1巻を読みながら思ったことのメモ。タイガーマスクって親世代にとっては常識みたいな作品でどんなんなんだろうとずっと気になってたので読んでみました。 ……… 物語は1967年のアメリカからスタート 子供向けに描いているためかひらがながやたら多く簡単な漢字しか出てこない まだリモコンがない頃のテレビとか割れた窓ガラスをくっつけるテープとかに時代を感じる 「対戦相手の腹の上でゴーゴーを踊る」とか「猪木とのタッグマッチ中に頑張ってる猪木を尻目にロープの上で昼寝」とか最高すぎる タイガーマスクってゴリゴリのヒールだったんだなー 虎の穴の訓練ヤバすぎて大好き ・五年半の間に2/3が死亡 ・コールタールと重油のプールで50メートルの力泳 ・猛獣との格闘 ヘタレを装って同士討ちさせるタイガーマスクさんかっこいい 説明セリフを言いすぎなのが気になる…モノローグですら説明してて違和感。これも子供向けに書いてるせい? 会場に置いてあるテーブルが足まで木製なのなんかすごい 台所のテーブルみたい ブラック=バイソンのビール瓶手刀で切ってワイングラスみたいにして飲むの最高すぎる ブラック=バイソンvsタイガーマスク 【使用した技】 ブラック=バイソン ・急所蹴り ・メリケンサック ・首締め タイガーマスク 噛みつき つま先蹴り 1巻から戦いがダーティすぎる …… 漫画の書き方がとにかく古くて読むのがすごく疲れた。 タイガーマスクが清々しいほどのヒールなのは今読んでも面白い。 けどとにかく疲れたので全部読める気がしない。