SF・ファンタジーマンガの感想・レビュー6030件<<1617181920>>頭おかしくなるくらい圧倒的に壮大なSFファンタジーイムリ 三宅乱丈ピサ朗地球とは異なる惑星で暮らす、奴隷民族であるイコル、支配民族であるカーマ、そして先住民にしてタイトルのイムリ、これらの戦争が描かれていくのだが、 三民族それぞれの文化、いわゆる魔法に相当する技術、支配種族の権力闘争、逆転に次ぐ逆転が続く展開、とにかく徹底して「世界」のディテールが細かく濃い。 ハッキリ言ってこのディテールの細かさは間違いなく人を選ぶ。 巻末で登場人物紹介や用語解説が掲載されているが、独自用語で耳慣れない単語が多いもんだから、別ウインドウ表示か小冊子にして読みながら確認させてくれと言いたくなるし、世界設定の説明や大まかな登場人物紹介と序章に当たるストーリーに3巻を費やしていので、ストーリーが動き出すまでも遅く、正直序盤はじれったい。 しかしほとんど説明なのにめちゃくちゃ中身が濃いし、後から見るとこれでも足りないくらいで、スケールのデカさに戦慄する。 最低3巻読まないと殆どストーリーが動かないという展開の遅さなのに、一度物語が動き始めてからは息をもつかせぬ急展開の連続で、疲労感すら漂う重い展開の嵐だが、ある種の絶叫マシンに乗ったような気持ちよさもあり、それぞれの戦いの方法も見応えがあり、胸を打つ場面も多い。 序盤の展開の遅さとオリジナリティの高さ故の入りにくさはあるが、描かれていく世界史と陰謀、英雄譚に和平は非常に読みごたえがあり、間違いなくハマれる人はハマれるタイプの作品。雷に打たれても生きていたのに、宇宙人に連れ去られた恋人果ての星通信 メノタstarstarstarstarstar_borderゆゆゆただひたすらに、彼女のことを思うマルコをみていて、任期を終えたら10年前に戻っているのかなと思った。 むしろ、そう願った。 だって、細胞から入れ替わるかのように転移させられて、モスリにたどり着いたから、また元の世界に戻してくれるんじゃないかと思った。 それは閉じた星に住む生き物だからこその願いだと途中で気付かされた。 開かれた星では時が進んでいて、運が良ければ知り合いにだって任期中に再び会える。(最初は失踪するように消えるのは同じだけど) そして、10年間帰れないというどうにもならない事実がメインに描かれたのは最初だけ。上の人が決めたことは、どうにもならない。 描かれなくなった分、星をつくる仕事と合わせて様々な異星人の暮らしと歴史が描かれる。 『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』のモンスターたちのように設定はとても細かい。 設定だけで読切が作れそうなほど細かい。 次にくるマンガ賞にノミネートされるだけあって、深くて異星人とのやりとりがおもしろい。 所長の10年目はだれがそばにいるんだろう。どうして田舎で平穏に暮らさせてくれないの王太子様、私今度こそあなたに殺されたくないんです! ~聖女に嵌められた貧乏令嬢、二度目は串刺し回避します!~ 岡達英茉 おしばなお 先崎真琴starstarstarstarstar_borderゆゆゆ聖女を害した罪で処刑となり、処刑前に相思相愛と思っていた王太子様に胸を刺されて死んだはずが、子供時代に戻っていた主人公。 生々しい記憶から、王太子とも聖女とも関わりのない生活を故郷の田舎でしようと思っていたのに、なぜかそうはうまくいかないようで。 二度目の人生、王太子の態度が悪すぎる。 聖女はなんだかやっぱり嫌な人。かわいらしいんだけど。 大どんでん返しで、ザマァで、ハッピーエンドになるんだろうなとわかっていても、不遇さがいたたまれない。 原作のほうも読んでみて、狂気の愛だなあと思ってしまった。八咫烏一族が織りなす異世界ファンタジー烏は主を選ばない 松崎夏未 阿部智里名無し※ネタバレを含むクチコミです。 ゲームの最強魔王転生ものラスボス、やめてみた~主人公に倒されたふりして自由に生きてみた~ 坂木持丸 槻山なみき タジマ粒子starstarstarstar_borderstar_border宮っしぃゲームの最強魔王に転生したが、この先の展開を変えるために魔王を辞め、悠々自適な冒険者生活したり勇者助けたり、国救ったりと!はちゃめちゃ最強転生もの 最強無双をしつつ、この世の常識不足な力量ではちゃめちゃに進んでいく物語は飽きずに楽しめました やっぱり最強無双系って難しいこと考えないで読めるからどれも楽しい作品多くて良いですね不思議なゆうなぎ不思議なゆうなぎ 大庭直仁starstarstarstarstar_border寸々ひとコマひとコマが可愛い。 「不思議な日々がなくてもあなたと一緒なら」という帰結はありきたりながら一番良い。天使と悪魔と堕天使みたいな話ブルー・ド・ロワ 天禅桃子starstarstarstarstar_borderるるまずこの作品はまとめて読むことをオススメ☝️ 細切れに時間掛けると分からなくなりそう。 私はそうなる。 いづみが子供の頃に出会ったマナと再会。 マナの当初の塩対応、感情の無さを思うと後半はかなりグズグズに甘えん坊になったなw そして祖父だと思ってた人が実はたまたまいづみを見つけただけの堕天だった。 深く理解したのか自分でも分からないけど、 天使と悪魔が対立してて「特別な天使」ゲットすることをお互い競ってる、で良いのかな。 で、取り合うのではなく特別区に共同で敵対せずに共存していく、そこを特別な天使が統治することに。 魔界衆の感想 #推しを3行で推す魔界衆 横山光輝starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 昔に読んだが「時の行者」と混ざって覚えている気もするが今回読み返してなんで「闇の土鬼」に比べて読み返さないがしっかり思い出した。正直あらすじの時点でもう俺好みなのになぜかというととある登場人物の太一が好きではないからだな ・特に好きなところは? ジャンルを一概に言えないところだな。真田幸村が豊臣家再興を考えるあたりは時代劇要素がだが魔界衆(宇宙人の子孫)あたりはSFだが武器を御神器と呼んだり、天海僧正のあたりが伝奇ともいえそうだしなんとも言えないところ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 好きな漫画であるのは間違いないのだが周りに迷惑をかけまくる太一がどうも好きになれない ショタスローライフ物万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~(コミック) 九頭七尾 イセ川ヤスタカ 蚕堂j1starstarstarstar_borderstar_border宮っしぃ異世界転生したが剣士の家系で期待された長男に転生、しかしもらったスキルが村おこしという謎スキルで辺境の開拓地に追放 そこで出会った人々と村を開拓していくが、もちろんスキルはチートでかなり快適な村になっていく ショタ主人公と周りの村人たちとの掛け合いが楽しく、スローライフマンガとしてもゆっくりまったりと楽しめる ちょっとコメディ色が強いのが個人的には好みではなかったが、総合的にも楽しめた作品でしたまったりゆっくり長規模スローライフ転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました -Highelf with a long life- 成田コウ らる鳥 しあびすstarstarstarstar_borderstar_border宮っしぃ転生物だが転生前の知識を使ってどうこうとかはあまり無く、エルフさんのスローライフを楽しむマンガ 長寿命のハイエルフなので、まったりスローライフも長期に渡り、鍛治など新しい事を学んだら数十年規模で学び、新しい場所への旅もゆっくりまったりと進んで行く 綺麗なイラストで描くキャラと世界観が話しにマッチしていて、まったりした気持ちをしっかり伝えてくれる スローライフ異世界物の中でもクオリティが高い作品なのでオススメです これは...!神作...!平穏世代の韋駄天達 クール教信者 天原starstarstarstarstar宮っしぃめちゃくちゃ面白いです! 物語の主軸はシンプルに神と言われる韋駄天たちと魔王が率いる魔族との戦い かつて800年前に魔族を封じた韋駄天と、弟子になった若い韋駄天たち、現代では魔族の脅威も少なくなり、平穏世代と言われた韋駄天の少年少女たち 魔族との熱いアクションバトル、権力・知力・策略が繰り広げる頭脳戦、クール教信者先生らしいえっちなイラスト、時折入り込むグロ要素もあり、と美味しい所の詰め合わせで個人的にかなり刺さる内容でした 最新刊まで一気読みしたけど、次で最後とのこと...!悲しいがものすごく続きが読みたくてしょうがない、ここ最近でもかなり神ってる名作です魔女を裁く魔女と呪われた少年の物語魔女の執行人 紅木春六文銭月からやってくる魔女。 彼女たちの能力によって人類は大いに発展したが、一方で悪事を働く魔女もいて人類と魔女の間で事故が絶えない状況。 そんな、悪事を働く魔女を裁く「執行人」として派遣されたナターシャと、魔女によって呪われてしまった少年・エリオットの話。 呪いをなおすためにナターシャと契約し、基本はいわゆるパシリみたいな生活をしているが、執行人としての依頼をもらえれば2人で解決していくという流れ。 強キャラでもあるクールビューティーな大人の女性と、従順な少年のバディもので、この手の組み合わせ大好物です。 エリオットに呪いをかけた魔女は、ナターシャとも因縁深い関係だったことも1巻内で判明して、なかなか熱くなりそうな展開。 エリオットの成長も垣間みえて、守られる側から守る側へと・・・こうなるといよいよ大好物なシチュエーションになりそうな予感。 今後が楽しみな1冊です。 極道ファウストの感想 #推しを3行で推す極道ファウスト 横尾公敏starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ ちょうどいい感じで終わったと思いたいがそんなことはなくこれからクソ面白くなりそうなところで終わってしまった。なんで最近の横尾公敏のマンガは面白くなりそうなところで終わるんだよ!! ・特に好きなところは? 悪魔の世界でいう8つ目の大罪の概念。こんなに面白いものが出て終わるどういうことだよ!! ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 横尾公敏の描くマンガはどれもものすごく俺好みなのですがすごい好きな人とそうでもない人の落差が激しいので無料などで読んでから購入を決めた方がいいと思います 伝説の作家・岩泉舞さんの新作が読める喜びに震えながら『七つの海』について語ってみた。岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET 岩泉舞兎来栄寿※ネタバレを含むクチコミです。逆境MMOファンタジーレベル1から始まる召喚無双 THE COMIC 七桃りお 白石新 夕薙starstarstarstar_borderstar_border宮っしぃ現実のソシャゲプレイヤーが現実世界に転移させられ、全員課金ユーザーだが、主人公はレベル1からスタート やり込んだゲームの知識を使って最強目指して再スタートな物語 ゲーム世界に転移はよくある話しだが、登場キャラクターも多彩だし、召喚獣(主人公の職業が召喚士なので)もハイレベルな画力で結構迫力もある、バトルもしっかりしてたので、楽しめました まだ巻数も浅いので、今後の盛り上がりに期待できる作品です画力高めファンタジー望まぬ不死の冒険者(ガルドコミックス) 中曽根ハイジ 丘野優 じゃいあんstarstarstarstar_borderstar_border宮っしぃ異世界ファンタジーの中でも画力が高く、しっかりファンタジーしてる作品の1つ ダンジョンの探索中にふとした事件でスケルトンになってしまった主人公、人里にも降りれず魔物を倒して進化を目指し、人としての体を取り戻す為に日々ダンジョン生活を送っていく タイトルの通り不死の身体を得つつも、人と魔物の狭間の葛藤があってなどなど、異世界ファンタジーとして重めで厚めの設定 なんだけど、個人的には途中から盛り上がりに欠けてきたのがちょっと残念... 楽しめはしたので今後の展開に期待したい 農業やらなんやら、現代知識で富国強兵がんばります戦国小町苦労譚 (コミック) 沢田一 夾竹桃 平沢下戸starstarstarstarstar_borderゆゆゆなぜかタイムリープして、たまたま信長に拾われた女子高生が、現代知識&専門知識をもとに無双していく物語。 歴史改変となってしまっても我が命のため仕方ない。 いや、それを含めて歴史なのか。 居た世界と変わってしまうアレヤコレヤ、どこまで許容されるのか。いやでも殺されてしまうしという、タイムリープものの、悩みも描かれている。 本作で好きなところは主人公は農業大好き女の子なのに、役職が上がるにつれて現場(農作業)から離れていかざるをえないところ。 まるで現代の会社勤め。世知辛い。 ファンタジーですら、現実的。世知辛い。 ストーリーを追っていても、畑は日に日に遠くなっていく。世知辛い。 タイムリープして織田信長のもとに行く作品は、どのくらいあるんだろう。 あらためて、信長は人気だなと思う。 蛇足だが私が初めて読んだ信長系タイムリープ作品は、コバルト文庫の濃姫夢紀行シリーズ。読んでいたのは四半世紀以上前になる。 みんな好きだなあ、ノッブ。 話がそれてしまったが、戦国時代にタイムリープしてしまった女の子が仲間と出会い、必死に生き抜く本作。 変えてしまった歴史。 炎上してしまうと皆が知る人、織田信長。 どのような結末に至るのでしょうね。感想幽霊さんと不良A 鴉月ルイ名無しヒプマイのコミカライズをしていた作者さんで、絵はきれいでカラーも鮮やかですごく上手い。ストーリーは事件発生→解決まであまり心が揺さぶられる展開がなく、絵は上手いのでうまいこと話を盛り上げればもっと人気出そうなのでもったいない印象。センスオブワンダー未来さん 新谷明弘タキシードは明日に舞う少し不思議系SF、アイデア1発!て感じ。 電子知能と人間で政党が別れてるとことか人口生命体反対のデモとか面白い切り口だなとは思ったけど奥行きがあまりなくて残念。海中で人間のケアする機械の虫が廃棄される話はオチも良かった。 天才トンチキメカニック令嬢レイチェル・ダイアル 皿池篤志starstarstarstarstarhooperレイチェルちゃんはトンチキにして、猪突猛進の天才メカニックお嬢様である。 従えるは2体のアンドロイド。 両方ともテンションが死んでいる。 常に常温。何があってもまぶた全開ならず。 ふつう一人は常識的で心配性、もう一人が怠惰等、変化をつけて配備するでしょうが?? そんな安直なキャラ媚びを蹴散らしての無感動✕2。そのセンスに震撼しかない。 どうしたの?ウミウシの思考ルーチンでも インストールしたの? もっと登場人物増やして、ワチャワチャを見たかったなぁ!!帰ってこないかなぁ!! レイチェル・ダイアル アップライジング(仮)!! まだまだ待ってます!! 絵の面で言うと、 ・レンチやドライバーでメンテする系の描込み ・鉄の重さを感じさせる描写 ・暴走巨大メカ この辺が刺さる人にもおすすめ。環方先生の猫かわいい漫画ねこ、はじめました 環方このみstarstarstarstarstarNano小学生時代ちゃおっ子で環方このみ先生の「干支☆えとせとら」「いっしょにかえろ。」を夢中になって読んでました!懐かしい!当時から絵が可愛くて綺麗で、大人になった今でも思い出深い作家さんです。 そんな環方先生がいまめっちゃねこ可愛い漫画を描いている!!事故に遭った男子高校生が猫になって女子高生に飼われる話、という誰にでもとっつきやすいストーリーでかつめっちゃ面白い!男子高校生の自我をもった猫ニャオの心の声と可愛いけどちょっと変わった女子高生チカちゃんのやりとりがすごくいい。 そして前から思ってたことだけど環方先生の動物の描写がめちゃくちゃ好きです!リアルだし愛くるしいし、絵柄も可愛い!ニャオ(尚くん)は人間に戻れる日がくるのか、みたいなシリアスもいい感じに入ってて続きが気になる!猫と竜と人間とやたら強い熊がいる世界の日常猫と竜 佐々木泉 アマラ 大熊まいstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ猫、猫、猫! 猫がいっぱい。 しかもしっぽで魔法を使う。 ケットシーというらしい。 なにかが始まるような、始まらないような。 毎日のちょっとしたことで、未来は変わっていく感じ。 魔王を倒しに向かう勇者たちではなく、そういう世界に住む竜と猫の話。 ファンタジー世界の日常系というんだろうか。 登場する人たち、みんな猫ラブなかんじがする。 「青野くんに触りたいから死にたい」感想青野くんに触りたいから死にたい 椎名うみニーナホラーと純愛は実に相性が良い。片方だけでももちろん成り立つけど、組み合わさると最高の相乗効果が生まれる。この作品もまさにそんな感じだ。純愛ゆえの暴走はより恐ろしく、ホラーゆえ切なさにも拍車がかかる。そして物語はいよいよクライマックスに突入。この2人は一体どんな結末を向かえるのだろうか。最後まで見届けたい。「弐瓶勉が描くファンタジー」に望む物が満載 #1巻応援タワーダンジョン 弐瓶勉starstarstarstarstar_border兎来栄寿「弐瓶勉が描く迷宮探索ファンタジー」。 男はこういうのを渡しておけば喜ぶんだよフェルン、とフリーレンも言いそうな勢いの作品です。 私は制約と誓約によりここ数年ゲームを死ぬほど我慢し続けているのですが、家族がとても楽しそうに隣で『シレン6』をやり続けているのに遂に負けて3時間だけ遊んでしまいました。最初のダンジョンをクリアして、久々のゲームの″味″にカイジが労働明けに飲んだビールくらい犯罪的に脳に熱く沁みました。 ローグライクであれ、『ドルアーガの塔』であれ、『スペクトラルタワー』であれ、『煉獄』であれ、『メイドインアビス』であれ、未知と危険がひしめく迷宮を一階層ずつ踏破していくものは無条件で堪らなく大好きです。ましてや、それを『BLAME!』や『バイオメガ』の弐瓶勉さんが描くとなれば。 しかし、弐瓶ファンとしては読み始めてすぐに「あれ、画風が違う?」と違和感を抱きました。直近の『大雪海のカイナ』と比べても、主線が非常に太くラフになっています。もしかすると、多くの箇所が一発描きなのかなとも思わせられました。体調的な問題で無理なく描ける画風を模索しているのか、ページ数を描くために作画カロリーを下げているのか、世界観に合わせ敢えてこういう形を取っているのかは解りません。 本音としてはもっと本気で描き込まれていたら更に凄いものになるだろうなとは思いつつも、元々の画力が高いのでラフな画風でも十分に魅力的であることは確かです。そして、何しろ旧来のやや硬派で仄暗いファンタジーとの相性が抜群です。「竜の塔」が見開きでバーンと出てきたときに否応なく高まるテンション。言葉ではなく絵で世界観を叩きつけられるこの感じ、昂ります。 ボス級モンスターの造形なども流石で、それぞれの階層のボスの見開き登場シーンなども根源的な恐怖を呼び覚ますかのように悍ましく、それ故に魅力的です。亜人系のキャラクターの造形センスも流石で、弐瓶勉さんの良さが溢れ出しています。 『タワーダンジョン』という、シンプルでストレートで無骨なタイトル。そこに求められるものが間違いなく詰まっています。 元々ゲーム的な魅力もあった弐瓶さんが描く、ハードな世界観のファンタジー。読んでいる間は非日常的な空間へと誘ってくれます。弐瓶ファンにはもちろんのこと、強大な敵が跋扈するダンジョンでの冒険のワクワク感を味わいたい方にもお薦めです。<<1617181920>>
地球とは異なる惑星で暮らす、奴隷民族であるイコル、支配民族であるカーマ、そして先住民にしてタイトルのイムリ、これらの戦争が描かれていくのだが、 三民族それぞれの文化、いわゆる魔法に相当する技術、支配種族の権力闘争、逆転に次ぐ逆転が続く展開、とにかく徹底して「世界」のディテールが細かく濃い。 ハッキリ言ってこのディテールの細かさは間違いなく人を選ぶ。 巻末で登場人物紹介や用語解説が掲載されているが、独自用語で耳慣れない単語が多いもんだから、別ウインドウ表示か小冊子にして読みながら確認させてくれと言いたくなるし、世界設定の説明や大まかな登場人物紹介と序章に当たるストーリーに3巻を費やしていので、ストーリーが動き出すまでも遅く、正直序盤はじれったい。 しかしほとんど説明なのにめちゃくちゃ中身が濃いし、後から見るとこれでも足りないくらいで、スケールのデカさに戦慄する。 最低3巻読まないと殆どストーリーが動かないという展開の遅さなのに、一度物語が動き始めてからは息をもつかせぬ急展開の連続で、疲労感すら漂う重い展開の嵐だが、ある種の絶叫マシンに乗ったような気持ちよさもあり、それぞれの戦いの方法も見応えがあり、胸を打つ場面も多い。 序盤の展開の遅さとオリジナリティの高さ故の入りにくさはあるが、描かれていく世界史と陰謀、英雄譚に和平は非常に読みごたえがあり、間違いなくハマれる人はハマれるタイプの作品。