エッセイマンガの感想・レビュー1011件<<2223242526>>怪談×清野とおる東京怪奇酒 清野とおるstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)清野とおるさんは元々好きだけど、「怪談×清野とおる」はめちゃくちゃ正解だと思う。 怪談もちゃんと取材対象から聞いた本物だし、現場に行って、古地図も調べて、地域の情報も調べたりしていて素晴らしい。そこに酒を飲むという業が清野とおるさんの業というか日課がまざってきているのがまたいい。 撮れてる写真もカバー裏にちゃんとカラーで載ってて嬉しい。 各話のあとに備考というかプチ情報が詳細に書かれてるのもめちゃくちゃ好き。知られざる傭兵の日常日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし にしかわたく 高部正樹名無しマンガや映画のなかではかっこよく描かれている傭兵たちの実態がコミカルかつリアルに語られているエッセイ。過酷な環境の中で彼らが何を糧に生きて、戦っているのか、格好つけず誇張もしない等身大の姿で描かれるのが読みやすくて興味をそそられます。 意外だったのが日本人の傭兵が結構居るんだっていうこと。高部さんの所属部隊にも日本人の同僚が何人か出てきます。みな個性的な人物で読んでいるとくすっと笑えるのですが、もちろん戦場で命を落としている方のエピソードもあるわけで…。 高部さんが引退を決意した理由が「体がついてこなくなったから」っていうアスリートの言葉みたいなのも衝撃でしたが、その判断が出来るか出来ないかが生死を分けるんだろうなとという説得力がすごかったです。 縁遠いと思っていた世界が少し身近に感じられる一方で、自分の生活のすぐ隣で命のやり取りを行っているひとたちが居ることの重みを考えさせられました。漫画でわかるキャンプ入門書ふたりソロキャンプ 出端祐大六文銭ソロキャンプがお盛んな昨今。疲れ切った現代人に自然の癒やしが必要なんでしょう。 「ゆるきゃん△」を筆頭に、似たような作品が増えましたが、失礼な話、本作もそんな感じかと思っていましたが、意外や意外。 かなり素人向けでかつギアのことも突っ込んで説明してくれる、どちらかというと「漫画でわかるソロキャンプ入門」と言った感じで、非常に興味深く読める。 ベテランの主人公・厳を指導者に、読者と同じ目線で初心者のヒロイン・雫をおいて、丁寧にhow to や道具の説明をしてくれます。 正直いうと、最初は二人の関係必要か?とぶっちゃけ厳のソロキャンプでいいんじゃないか?とか思っていた時期がありましたが、今はこの関係なくして物語はない!とくらいまで言えます。 雫が、ただ教わるだけでなく、健気に努力する姿が一生懸命で良いです。 花夏という厳の昔の女もでてきて関係性にあやしくなってきますが、なぞの安定感のある関係なので、そこまで心配してなかったりしてます。 それにしてもキャンプで食べる、ご飯が美味しそうで、真似したくなりますね。 もっとも、自然の中で食べるから美味しいわけで、家でやってもしょうがないんですけどね。フィクションと現実の違いを全く理解しないまま大人になってしまったけどなんとかなった人恋愛3次元デビュー~30歳オタク漫画家、結婚への道。~ カザマアヤミ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 表紙とは全く違ったナゾ野菜 カレー沢薫starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男名前だけでもオシャレな雰囲気の野菜を調理してめんつゆやマヨネーズで食っていくマンガ。「ルバーブ」「ロマネスコ」「アーティチョーク」あたりはみかけるたびにこんなの誰が食うんだと思ってたけど凝った調理をしないレポートして大変参考になった。初期はちゃんとナゾ野菜の話がメインだけど後半になればなるほど他の話が多い気もした。 サメマチオ結構好きサメマチオ随筆集 そういえば&といえば サメマチオかしこ「はつみ道楽」「三分間のアニミズム」を読んでサメマチオ作品が好きになり、全作を読もうとコツコツ集めています。今作の「サメマチオ随筆集 そういえば&といえば」は珍しく全編エッセイでした。今まで名前的に男性だと思っていましたが女性の方なんですね。あえてエッセイと言わず随筆集というところがサメマチオらしいです。特にお弁当にまつわる話が好き!ふと思い返して何度も読みたくなりそう。やっぱり漫画家さんって面白い人とかエピソードに出会うことが多いんだな。不幸も笑いに変える力はすごい妻と僕の小規模な育児 福満しげゆき六文銭『僕の小規模な生活』以降、福満しげゆき(およびその妻)フリーク化している自分です。 その独特の表現、卑屈なようで、プライドなのか見栄なのか、ささやかに持論を展開して抵抗する感じがたまらないんですよね。 小心者特有の、ちょっと自分に似ていて、共感してしまうんです。 本作では、ついに妻が母になりました。 ずっと読んでいたものとしては感慨深いです。 ただ、その子供が障害だったり、重い病気にかかったり、何気にシビアな状況であるにも関わらず、漫画にして笑いに変える力は、純粋にスゴイと思います。 ともすれば、絶望しかねないのに、父親として、母親として前向きに対応する様は、自身の襟元正す思いでいっぱいです。 五体満足なのに文句ばかり言ってしまう自分が情けなくなりますし、同時に福満一家から勇気をもらえます。 福満ファンはもちろんですが、子育てに悩む人にもおすすめしたい1冊です。 情報だ、情報毒親に育てられました つつみポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。料理は娯楽すきまめし オカヤイヅミ名無し子オカヤイヅミさんの飯漫画めちゃくちゃ好きです。気張ってないのにお洒落で美味そう。この「すきまめし」は自分の為に自分でご飯を作るって楽しいなと思えるような漫画でした。自炊を充実させるコツは色んな調味料と乾物を常備することですね。今年はコロナで帰省もしないし餅をどうするか迷ってましたが雑煮と餅のアレンジメニューも紹介されていてこれは食べるしかないと決心しました。ほんの些細なエールでも打ち切り漫画家(28歳)、パパになる。 富士屋カツヒトナベテツ物凄く個人的な話で恐縮ですが、今年職を失いました。勿論ショックでしたし、コロナや色々な要因があり、個人で出来たことがあったとも思えず、仕方ないところでもありました。ただ、幸か不幸か自分は単身者であり、多少の貯金で繋げる部分もありましたし、気楽なもんでした。 自分以外を守る必要がない状況というのは案外気楽なもんですが、だからこそこの作品の「かっちゃん」に対してエールを送りたくなりました。 Living on the edge.今の日本で生きていくのは、一歩間違えばどこまでも落ちていくこともあり得ますし、だから皆余裕がないのだとも思えます。大変な状況を抱えている人の足を引っ張ったり、嘲笑ったりせずに、エールを送れる人間でありたい。細やかであっても、単行本を買って応援したいと思う作品でした。 町中華探訪コミックエッセイおざわゆき&渡邊博光のおたから町中華 おざわゆき 渡邊博光マンガトリツカレ男「凍りの掌 シベリア抑留記」「あとかたの街」と違って戦争ものではなく、町で見かける中華料理屋にいき料理を食べていくエッセイ。全て実在の店を紹介しているので機会があれば行こうと思っていたが、こんな状況ではいけないのが残念だ。おざわゆきの「築地まんぷく回遊記」や「築地はらぺこ回遊記」のノリが好きな人におすすめ著者の父との思い出と別れ父のなくしもの 松田洋子ぺそ※ネタバレを含むクチコミです。共感とも嘘松とも違う独特の空気感裸一貫! つづ井さん つづ井mampuku元来、自己投影主人公をキモく描いて楽しくいきていますイエーイな自虐半分ルサンチマン半分なマンガはあまり好きではないんですが、このマンガは微笑ましくて割と楽しく読めますね。 「腐女子」や「推し」などの基本的なオタク用語に脚注がついているのが好印象でした 著者が暮らすNYの毎日を描くニューヨークで考え中 近藤聡乃名無し近藤聡乃先生の作品はすべてチェックしています。なかでも好きなのがこの本で、近藤先生の手書きの字のあたたかみを感じられます。 字だけを眺めていても飽きません。今の日本にはない「豊かな生活とは」が詰まった一冊ベルリンうわの空 香山哲名無し下北の遊べる本屋のPOPを見て購入。 知らない人と知らない人が住み、互いに共存するのが社会。見ず知らずの人間同士が協力できる優しさ、豊かさを知ることができる。口コミを見てふたりソロキャンプ 出端祐大名無し結婚するなら できちゃった婚にしてほしい 私にはまだ早かったようだボーイズラブ藪の中概論 横嶋じゃのめnyae好きなもののことをちゃんと言葉にして自分の口で伝えられる人ってすごい。私もBL好きで読むけど、なんで好きなのかとか、どこが好きなのかとか聞かれても、多分何も答えられない。凌辱系がダメとかはあるけど、設定や世界観にこだわりはない。 受(or攻)はこうあるべき、女キャラの存在意義、エロシーンの要不要…そんなに皆さんしっかり自分の意見を持ってるものなんだなぁ。BLを嗜むようになって2年そこらの自分には到底届かないレベルの意識。 あと私は、BLにおいて「二次創作」は全く通っていなかったもので、そこらへんの話になると余計にサッパリだ。 ただ、これだけははっきりと言える。 「心の門番」は、居る。ふたりソロキャンプ52話ふたりソロキャンプ 出端祐大名無し※ネタバレを含むクチコミです。味噌汁漫画はいいぞあやと私、まいにちみそ汁 五郎丸えみ名無しゴラクの連載の中にあるホッと癒し一息味噌汁漫画。 味噌汁、日常と切っても切り離せないもの! 短い漫画の中に毎回具が変わって登場するのが良いです。 続編があったんだ!続 数寄です! 山下和美かしこ文字通り数寄です!の続編になります。数寄屋に住み始めた話、茶室に合う掛け軸を自分で作ろうと思い立った話、ご両親と家にまつわる話など、続編も盛りだくさんでした。現代人が数寄屋に住むことの意外な問題点も面白かったですが、ご両親についての話が心に残りました。柳沢教授のモデルになったお父様はエピソードの宝庫なのですが、お母様の話では泣きそうになってしまいました。 数寄です!ではモーニングの編集長が「100本映画観ないと次の打ち合わせしないから」と言っていましたが(厳しいですね…!)、続 数寄です!では新作のネームを描かれていました。これがランドだったんですね。そういえば漫勉に出演された時のご自宅って数寄屋でしたね。当時は立派な家だな〜としか思ってませんでした…。ますび先生のおさんぽ漫画が戻ってきたおさんぽマスターズ 須藤真澄名無しますび先生もO村編集長(現編集総長)も五十路。というのは良いのですが、初日からぎっくり腰はやばいですよ!笑 副編の青木さんも途中でお腹壊してるし、先が思いやられる感満載で、それでも立派に第1話として成り立ってるのがさすが。 そんな感じなので、浦和がどんな街なのかがほとんど頭に入ってこなかったです。編集者のなんとなくから始まった恋愛ルポ漫画モテ考 緒方波子名無しモテなかった私にどうして彼氏が出来たのかお教えします♡っていう感じではなく、編集者に描いてくれって言われたネタがたまたまモテについてだったから色々やってみたよっていうルポ漫画です。でも最後にはめでたく彼氏が出来ます。彼氏とのお付き合いについてはラブ考を読んでください!正直に言うとラブ考が面白かったのでモテ考を読みました。 モテを深掘りしていくうちに断食修行をすることになり、そこで相部屋だった女の子に「どういう漫画を描いてるの?NANAみたいな?」と聞かれて「ハルタって漫画誌で恋愛をテーマに…A子さんの恋人って漫画を描いてます!」とハッキリした口調でウソをついてたのに笑いました。 銀行員時代から漫画家デビューまでの自伝的作品9で割れ!!―昭和銀行田園支店 矢口高雄hysysk矢口高雄先生が銀行員からキャリアをスタートして漫画家になった話は有名だが、どのような仕事をしていたかはこの作品を読むとよく分かる。タイトルになっている「9で割れ」というのは、桁の間違いを判別するためによく使われていたのだそうで、今でも役に立つ知識だ。 コンピュータの導入、テレビの普及など、時代が変わりゆく中で生まれては消えていったものが描かれていて、人間の営みに対する作者の一貫した態度というか美学に触れたように思う。どうやっても釣り漫画になってしまうのも愛おしい。個人的には下宿先のおじいさんとその兄が重要文化財レベルの美術品をコレクションしていた話がすごく好き。 ペンネームの由来や釣りキチ三平の由来など、「そういうことだったのか!」というエピソードも入っているし、水木しげるの仕事場を見学して池上遼一やつげ義春と出会う話など、歴史的な資料としても重要な作品になっている。 働きながら何かをなそうとする人は元気づけられるんじゃないかな。京都シリーズの第二弾しぶちん京都 グレゴリ青山starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男俺の大好きな「ナマの京都」につづいてのグレゴリ青山の京都マンガ あんまり「しぶちん」という言葉に馴染みはないが、西日本で使われる「けち、しみったれ」などを現す言葉らしい。「ナマの京都」では料亭に働きにいっていたが今回は錦市場のとある商店でのバイトの話が書かれてたが本当この人の描く京都のおばさんは面白い。 作者手書きの京都案内地図を片手に京都をまわってみたいもんだな <<2223242526>>
清野とおるさんは元々好きだけど、「怪談×清野とおる」はめちゃくちゃ正解だと思う。 怪談もちゃんと取材対象から聞いた本物だし、現場に行って、古地図も調べて、地域の情報も調べたりしていて素晴らしい。そこに酒を飲むという業が清野とおるさんの業というか日課がまざってきているのがまたいい。 撮れてる写真もカバー裏にちゃんとカラーで載ってて嬉しい。 各話のあとに備考というかプチ情報が詳細に書かれてるのもめちゃくちゃ好き。