うさやまじょしこうこうにねんいちくみ
兎山女子高校2年1組!!
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あらすじ

「うちの担任、最高だ!」 ここは埼玉県立兎山女子高校。倫理教師・水戸耕平(31歳)は、2年1組の担任をしている。のびのび過ごす生徒たちとの毎日は、苦労も多いけど… 学校って意外に面白い―――? 「週刊少年マガジン」新人賞出身の若干19歳が描く、明るく楽しい青春女子校コメディ!! 教卓からの景色は毎日同じで毎日違う。教師生活6年目。先生にとっても教室は宇宙だ! 2年1組の教室では、今日も小さな笑いが巻き起こる! 女子校出身の若干19歳が描く、リアルで可愛い青春女子校コメディ!!

女子校のゆるい空気感の良さ #1巻応援

2023年も気付けば折り返していますが、卯年に読みたい作品がまたひとつ登場しました。 今の『週刊少年マガジン』はとにかくラブコメ激戦区なのですが、その中で一際異彩を放っているのがこの作品です。 女子校が舞台といえばお嬢様高校かそうでないかで分かれますが、本作は後者。気取らず飾らず等身大の女子高生たち、そして彼女たちの担任である倫理教師の水戸耕平(31)を中心として、ゆるく楽しく姦しい日常を過ごしていく姿がコミカルに描かれます。 私は、耕平に密かに好意を寄せる生徒・牧田が特に好きです。かわいかったり、少し暴走したりする牧田の言動は程よくラブがコメっていて良いです。それに対して、耕平がとてもフラットな反応なのもまた良い味が出ています。 ただ、特に何も事件が起きていなくても日常の掛け合いだけで面白いのが才能を感じさせます。生徒も教師も個性豊かなキャラクターたちが入り乱れ、10代のころを思い出す仄かなノスタルジーと、たっぷり入った笑いが心地良く毎回楽しみな作品です。 筆者自身が女子校出身で、しかもまだ10代ということでフレッシュな記憶や体験を元に描かれているという部分も大きいのかもしれません。個性的なキャラクターたちにはモデルがいそうです。 『あずまんが大王』から『女の園の星』まで、女子高生たちの若いエネルギーが生み出す笑いが好きな方にお薦めです。

兎来栄寿
兎来栄寿
にーでぃがーるおーばーどーずらんうぃずまいしっく
ニーディガール オーバードーズ ラン ウィズ マイシック
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あらすじ

全世界売上85万本越えの大人気ゲームを盆ノ木至原作で衝撃のコミカライズ! 落ちぶれた元芸能プロデューサーと力を合わせて承認欲求強めの女の子が配信者の頂点を目指すが…!?

原作を知らなくても最高です。 #1巻応援

孤独に寄り添う物語を、いつの世も愛しています。 『アタマのナカの鈴せんぱい』や『ベイビー・ブルー・クラスター』の原作でも知られる、にゃるらさん企画の美少女ゲームが原作で、ネームを『吸血鬼すぐ死ぬ』の盆ノ木至さんがある本コミカライズ。もう、1話目から引き込まれました。 最近は配信者をテーマにした作品も増えていますが、この作品の秀逸な点はヒロインのあめちゃん(配信時は「超絶・最かわ・てんしちゃん」略して「超てんちゃん」)視点ではなく、彼女をプロデュースするプロデューサーのおじさんの視点で描かれていることです。 あめちゃんのキャラクターは非常に破天荒でかなり際どい言動が繰り広げられますが、常識人であるおじさんがツッコミ役、あるいは調整役として挟まることによって多くの人が共感を得やすい作りになっています。 そして、何よりにも物語の根本にあるダウナーさと、切実な感情が最高です。 あめちゃんの、意識低めで社会的に不適合な立ち居振る舞い。そして、その裏にある孤独、それを埋めたいがために生じる承認欲求。 そんな彼女を支えるのは、現代社会の暗部によって貶められ挫折を味わい底辺にいる元アイドルプロデューサー。 何者でもなく社会的弱者であるふたりが出逢い、始められる塵芥のような世の中への反逆。そんなの、応援せずにはいられないじゃあないですか。ふつうに生きていたら接点などないであろう、しかし強烈に結び付いてしまったふたりの関係性がね、良いんですよ。 まさに「今」な物語とキャラクターが描かれており、超てんちゃんが少しずつ人気を博していったときに語られる過去のパートなど、実際読んでいて救われる人も多いのではないでしょうか。 個人的に5話は特に神回だと思っているのですが、単行本では巻末のおまけとしてまさにその部分の盆ノ木さんのネームが7ページ分も掲載されています。ネーム段階でも既にとても良いんですが、やはり大倉ナタさんの絵が乗算されて最高になっているなと感じます。このシーンの表情は、とりわけ大好きです。 私のように原作をまったく知らなくても問題なく楽しめますので、9月のパワープッシュ作品として推したいです。 ここ数年はAVGやりたくてやりたくて我慢して震えている状況なのですが、ルーツとなっている作品群に親しんできた身としては原作にも触れてみたいと強く思います。

兎来栄寿
兎来栄寿
はくちずのらいぜんで
白地図のライゼンデ
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あらすじ

ヤングマガジンが放つ、超本格ファンタジー巨編!魔物が潜む暗黒の地、「未測定領域」が広がる世界。不思議なことにただ“地図を描く”ことだけが、闇を祓い、人の地を開拓するための有効な手段だった。開拓者の若者・ザバはある日、未測定領域の洞窟で獣人の少女・リタと出会う。優れた耳で瞬時に測量し地図を作るその力と、奴隷の身に宿る強い意志に導かれ、ザバは開拓への同行を提案するのだった。魔物と化した人を救う可能性が眠る、「廃都アムステルム」への開拓を…!

大注目の測量士ファンタジー #1巻応援

大昔はRPGをプレイするときに自分で紙にダンジョンのマップを描いて攻略していて、悪質な罠や凶悪な敵に阻まれながらも少しずつ乗り越えていくのが楽しかったなぁと思い出します。 その頃、方向音痴なマッパーを主人公とする大人気ファンタジーライトノベルにハマっていたので、地図を作るという行為に対しては基本的に好意的な思い出しかありません。オープンワールドで少しずつ未開拓の地図を広げていくのも大好きです。 本日1巻発売の『白地図のライゼンデ』は、正にそんな地図作りがキーワードとなる物語。測量士が主軸となる、今年注目のファンタジーです。『ヤングマガジン』で連載されていますが、どちらかというと『シリウス』や『good!アフタヌーン』などに載っていそうなタイプのお話です。系統としては流行りのなろう系ではなく、独自の世界観を作り込んでいる純然たるファンタジーです。個人的には断然好みです。 この世界においては、″未測定領域″と呼ばれる地図の空白部分からは魔物が生まれてくるという大きな設定がまずあります。未確定領域を狭めるために、この世界の住人たちは測量士たちの力によって地図で描かれた場所を拡大していっています。そして、並の測量士と比べてもとんでもない力を持つ少女との突然の出逢いから、この物語の歯車は動き出します。もしこの能力を伊能忠敬が持っていたら日本の測量史も大きく変わっただろうなという詮無い感想はともかく、単に地図を作るというだけでなくその行為自体が戦闘面でも有用というのが独特で面白味を生んでいます。 特にこの作品で好きなのは、ところどころ見開きで描かれる壮大な世界。実際に歩いてみたくなるような豊かな自然の風景もあれば、旅の目的地となる廃都アムステルムのように禍々しくも美しさを感じさせる光景もあり。ここではないどこかであるファンタジーの世界を絵で魅力的に表現してくれる作品は堪りません。作者のパミラさんはpixivで公開されている「モルブスの子供たち」からしてファンタジーに向いた味わいのある絵の上手さを感じましたが、更に研鑽して遂にこの『白地図のライゼンデ』を結実させたのは素晴らしいことです。 旅を進めるごとに新たに個性豊かなキャラクターが加わっていくのも、実にRPG感があります。そんなキャラクターたちにも、そして世界にもさまざまな謎がありそれらが少しずつ解き明かされていくのが楽しみです。 ファンタジーが好きな方、作り込まれた世界観に酔いしれたい方にお薦めします。

兎来栄寿
兎来栄寿
きらぼしおじょうさまのきゅうこん
きらぼしお嬢様の求婚
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あらすじ

『男子高校生を養いたいお姉さんの話』『1年A組のモンスター』英貴、最新作! 超一軍女子×地味男子、プロポーズから始まるスクールカースト逆転ラブコメ開幕!! ある日、名前も知らない女の子から突然のプロポーズを受けた沼本よしみ。彼女は三星光。富と権力を兼ね備えた超がつくお嬢様だった。よしみは戸惑いを隠せず、プロポーズを断ろうとする。だが、そこから彼女の権力を駆使した猛烈アプローチが始まる!…何故!? 理由はカンタン、三星光はよしみのことが大好きだから!! 1巻には描き下ろし番外編1話分収録!

カテナチオ
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あらすじ

東條高校サッカー部に所属する嵐木八咫郎の夢は世界最高峰の舞台、欧州(ヨーロッパ)の頂点に立つこと。高校3年の最後の試合 夢への第1歩、プロ入りを目指しスカウトの目に留まるため奮闘をするが―…。勝利への執念が紡ぐ焦熱フットボール譚 キックオフ!!

凡才が醜く天才を屠る異色サッカー譚 #1巻応援

『ヤンジャン』で最近始まった2つのスポーツマンガが「天才」と「凡才」を描いた物語として対をなしており、どちらも非常に面白いです。 片方は『ダイヤモンドの功罪』。そして、もう片方が昨日1巻発売となったこの『カテナチオ』です。『ダイヤモンドの功罪』は既にSNSでもかなりバズっていますが、『カテナチオ』も単行本発売を機にもっともっと盛り上がって行って欲しい作品です。 圧倒的な天才を描く『ダイヤモンドの功罪』に対して、『カテナチオ』の主人公・嵐木八咫郎(あらきやたろう)は1P目から ″才能とは、美しさだ 才能のない俺は、醜い それでいい″ と吐露する圧倒的な凡才です。いくら努力しても、「天才」と呼ばれる人種には届かないと自覚しています。それでも、八咫郎は尋常ではない勝利への執着心と「10年以内に欧州のビッグクラブに移籍して欧州の頂点を獲るために人生を捧げる」という高過ぎる目標を持っており、またそれを実現するために1秒も無駄にしないように必要なすべての努力を断行する狂気的な精神力も持っていました。 そんな彼が、元々のポジションであるトップ下から ″CB(センターバック)とは サッカーの神に愛されなかった凡人が 持てる「すべて」で 才能を握りつぶす場所を言う″ と定義されるセンターバックにコンバートされ、躍動していく物語となっています。 面白いのは、『ダイヤモンドの功罪』では主人公がただ楽しみたいのに天才であるが故に勝利に拘る環境に身を置かせられてしまい周りを狂わせ孤立していくのですが、この『カテナチオ』においては八咫郎は凡才ではあるものの勝利に拘りすぎるあまり周りに理解されず孤立していくという、非常に対照的でありながら相似の構造になっているところです。八咫郎もサッカーセンスは並ではあっても、目標に向かって努力を続ける才能で言えばある意味で突出していて天才的なので軋轢が生じてしまうのは必然ではあります。 ともあれ、弛まぬ努力に加えてダーティな手段をも厭わず天才に抗っていく凡才主人公というのは珍しく、そもそもサッカーマンガで守備的なポジションの選手が主人公である作品も少ないので、数多のサッカーマンガがある中でも新鮮な楽しみを覚えられます。弱者が圧倒的な強者を倒すのは純粋にワクワクしますしね。 また、上手く行う反則はプロの間でも当然のテクニックであることや、観戦を前提としたスポーツとして抱える難点などサッカーという競技の本質的な部分にも肉薄していくところも面白いです。これが他のもう少しクリーンなスポーツだと違うと思うのですが、ある程度のダーティさが第一線でも許容されているサッカーであるからこそ、そこまで主人公へのヘイトも溜まらず成立する内容です。 昨年のワールドカップ開催中から推していたのですが、1巻発売を機に今後ブレイクしていって欲しい作品です。 読切版と1話を読み比べるのも乙です。 https://tonarinoyj.jp/episode/3269754496708401682

兎来栄寿
兎来栄寿
こていのひまわり
湖底のひまわり
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あらすじ

湖底に沈んだ“過去”へ…時空を越える! 猛暑による異常渇水で、湖底に沈んでいたかつての集落、青旗村が姿を現した。その村の出身だった主人公・拓郎は、かつてダム建設による廃村直前に、同級生が行方不明になった事件を思い出し、湖へ向かう。湖に到着した拓郎は懐かしさから干上がった湖へと降りていくのだが、目前に広がるひまわり畑を抜けると… そこは、廃村直前の1995年だった!! 大人の心を持ったまま、1995年当時の子供として過ごすことになっ拓郎は、行方不明になった友達の運命を変えることができるのか…!? 過去と現在が交錯する、ノスタルジック・ファンタジー開幕!!

いせかいさむらい
異世界サムライ
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戦国時代末期、最強の剣豪・ギンコは常に、自分より強いものとの死闘に飢えていた。切って切って切りまくり、ついにこの世に自分以上の強者がいないと絶望した矢先、異世界へ転移! 目の前には――ドラゴン!?

バーサーカー侍少女の無双譚 #1巻応援

齋藤勁吾さんの前作『傷だらけのピアノソナタ』があまりにも早く終わってしまった時は失意に打ち拉がれましたが、新連載の『異世界サムライ』が始まった時は喜びに打ち震えました。 己の師である父親をも斬り捨て、死に場所を求めて関ヶ原の戦いに参戦するも気絶している間に戦が終わり、江戸の泰平の世となっても強敵を渇望しながら気付けば100人以上を斬り伏せていた少女・ギンコ。 「赦しはいらぬ 敵がほしい」 というバーサーカー的発想の彼女の願いを仏様が叶えてくれた結果、彼女は魔物の跋扈する異世界へと飛ばされます。ゴブリン、オーク、ドラゴン……そしてそれら魔物を狩る人間の勇者たちなど未知の強敵の存在に血沸き肉踊りながら、死に場所を与えてくれる相手を探していきます。 異世界ものは言うまでもなく無数にありますが、割と巻き込まれ型や何らかの事故で異世界に飛ばされてしまうタイプの話が多い中で、しっかり現世での生き様を丁寧に描写した上で自分の願いによって異世界に向かうのは少数派であるだけに、異世界ものの中でも新鮮味を感じます。 シスターになってもなかなか攻めた下着を身に着けているルゥちゃんことギブリールや、彼女が助けた少女・ミコ、ドワーフの「爆斧の勇者」ヴォルスなど、サブキャラクターたちも魅力的に躍動して物語の車輪を回していきます。 齋藤勁吾さんの決め絵のカッコ良さはやはり素晴らしく、こうした激しいバトルアクションになるとその魅力は一層引き立ちます。 一方で、 「汝右の頬を叩かれたら私に言いなさい  かわりにボコボコにやりかえしてきます」 というヒスイ教の教えはハンムラビ法典を超えていて好きです。シリアスとギャグの塩梅も好きです。 ところで、くしゃみの「へーちょ」って今どのくらいの人に伝わるのでしょうか。私気になります。

兎来栄寿
兎来栄寿
たまのこしいれあしがーるえど
たまのこしいれ ―アシガールEDO―
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時は令和。月が祖父母と暮らす家にある晩、三百年前から政略結婚前夜の玉姫と幼なじみの勇之進がやってきた。相思相愛なのに結ばれないふたりに同情する月は、タイムマシンの起動スイッチを興味本位で触っているうち、うっかり自分がタイムスリップ。気づけば江戸時代、玉姫の代わりに大名家にお輿入れする羽目となる。初対面の夫は年下のちょっとワケありな美少年で――?

はないけるかわきたこうこうかどうぶ
ハナイケル -川北高校華道部-
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あらすじ

目指せ花の甲子園ーー高校花生け青春譚! 幼い頃より野球少女だった主人公もみじ。だが怪我で挫折、高校入学後も塞ぎこんだ日々を送っていた。そんなある日、華道部の先輩・サクラと出会う。誘われるがまま部室へとやって来たもみじに、サクラが披露した『即興花生け』。想像とはまるで違う、ダイナミックで情熱的な華道の世界に胸の高鳴りを感じ――― 『一度折れても花は咲く!!』 もう一度 心を捧げられる場所へ―― 少女の青春が再び開花する!!

折れた枝でも咲く場所がある #1巻応援

マーチングバンドの次は、華道! 『みかづきマーチ』の山田はまちさんの待望の新作です。 プロットとしては非常に王道中の王道を行っていますが、それで面白いのが流石です。山田はまちさんの青春ものは、安定して良いですね。 華道をメインテーマとして扱う作品は多くなく、知らない世界である人も多い作品でしょう。私もそこまで詳しいわけではないので、本作で解説される内容は興味深く読んでいます。 「即興花生け」という競技のルールもシンプルかつ面白く、またその頂点である花の甲子園を目指すという目標も非常にわかりやすく、素人であるヒロイン・もみじの目線に沿って物語に容易く乗っていけます。 そして、本作の何よりの美点は、画面で華道の素晴らしい魅力を伝えてくれていることです。『みかづきマーチ』の演奏シーンで見せてくれたような表現力を以て、美しく意趣溢れる花々を生ける姿を描いています。作業中も、完成図も、等しく惹きつけられます。白黒なのに、カラーだと錯覚するような鮮やかさです。 一見使えそうにないものや傷ついたものでも、上手く用いることで素晴らしい作品になる様子は、人間の様態にも当てはまるメタファーのよう。もみじの挫折から始まり、華道という新しい道を見つけて再起していく物語ですが、多くの人に強い共感を呼びそうです。 伸び代のあるもみじのこれからの成長を想うと、ワクワクせずにはいられません。周囲のキャラクターたちも魅力的で、その関係性でも見せ場をたくさん作ってくれそうです。 広くお薦めしたい、秀作です。

兎来栄寿
兎来栄寿
すずめの戸締まり
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あらすじ

九州の港町で暮らす17歳の少女・鈴芽は、ある日「扉を探している」という美しい青年と出会う。彼を探して辿り着いた廃墟で見つけた、古びた扉。導かれるように手を伸ばすと、時間も、空間も超越した光景が広がっていた──。大ヒット映画『君の名は。』、『天気の子』ほか、国内外から絶大な支持を得る新海誠監督の最新作を、アフタヌーン四季賞出身の期待の新鋭が完全コミカライズ!

映画すごく良かった。新海誠監督最新作の漫画版

映画を数時間前に観てきて、本当にすごく良かったので漫画版も拝見しました。 漫画版はアニメ映画版より一層細かく丁寧に描かれているなと思いました。背景やキャラクターなどの絵の描き込みはもちろん、主人公の鈴芽や草太さんの台詞・表情などなど、漫画だからこその表現がたくさんあって面白いです。 君の名は。と天気の子と続いて映画館で観てきましたが、今作のすずめの戸締まりが一番好きかもしれません。でも前作天気の子の時も一番好きと言ってたので、新海誠監督は私の中の一番好きを毎回更新してくるほどの良作を生み出していく天才なんだなと思いました。 何を言ってもネタバレになりそうでうまく言えないんですが、すごく心に響きました。小説版も買ったので映画を思い出しながら読もうと思います。映画もまた観に行きたいです。 気になるけどまだ観れてないなって人はぜひ漫画版を読んでみてください。まだ2話なので全然間に合います。 ネタバレにならない程度の映画感想↓ タイトルの出方でもう鳥肌が立って泣いた。 背景ずっと綺麗で見るところが多くて目移りする。 草太さんと芹澤さん顔がいい。 畏みとかお返し申すとか呪文?祝詞?が日本らしくてかっこいい。 もう1回と言わず何度でも観たい。

Nano
Nano
きょうもべらんだで
今日もベランダで
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あらすじ

フリーのエディトリアルデザイナー・土岐田旬は、仕事に追われ部屋に籠りっぱなしの毎日。癒やしを求めてベランダガーデニングにハマるように。そんなある日、隣にちょっと変わった天然系の女性が引っ越してきた。ふとした出来事から、お互いの顔も知らぬままベランダの隔壁越しに話をするようになる二人。実は隣の女性は新進俳優・成海游なのだが……。ベランダとグリーンが繋ぐ隔壁越しの二人は?

さいせいのうずめ
再生のウズメ
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【電子限定!雑誌掲載時のカラー扉収録】「なんで私は、こんな生き方しかできないの?」田村ウズメ、元子役の40歳。結婚もせず、働きもせず、部屋にこもり続けて12年。同級生が自立して家庭を持つ中、もはやどう変わればいいのかも分からず自堕落な日々を送っている。そんなウズメを見かねた母は「便利屋」を呼ぶことに。ウズメの汚部屋を片付けにきた興梠は、演技経験のあるウズメを「代行スタッフ」として便利屋にスカウトして…!?引きこもりアラフォー女の人生再生譚!

アラフォー引きこもり女性の再起 #1巻応援

『きみが心に棲みついた』の天堂きりんさんによる最新作です。 28歳のときに、とある事件がきっかけで心を病み身も窶してしまった主人公のウズメ。それから12年間、実家で両親に煙たがられ日々衝突しながらも引きこもり生活を送り続け気付けば40歳。働きもせず、結婚もせず、両親は70歳になりいつ何があるかもわからず未来の見えない日々を生きる彼女が、ひとつの出逢いをきっかけに社会へと復帰していく物語です。 引きこもりというと自由な時間が多くて何でも好きにできて楽しそうに思えるかもしれませんが、当人は常に見えない不安や焦燥感、罪悪感や自己嫌悪など恒常的にストレスに晒され誰からも必要とされずweb上以外では人と出逢ったり話したりする機会もない状態は、むしろ普通に働いて定期的に給料をもらって社会に関わっている方が圧倒的に幸せであったりもします。 また、作中でも8050問題が言及されるように問題は当人にとどまらず家族や周囲の人にも及びます。本作では、その渦中にある母親視点からの想いやエピソードも濃密に描かれることによって、この問題を立体化させて把捉しています。 2022年の内閣府のデータでは日本には広義の引きこもりは75万人ほどいるということで、パーセンテージから見れば僅かではあっても絶対数で考えれば熊本市や新潟市、あるいは浜松市の人口に近いほどの人数がいると考えると社外的に看過はできない課題でしょう。 「容姿の冴えない40歳の引きこもり女性が主人公」というのはいわゆる売れ線作品の特徴からは少し離れており、企画的にも難しさを抱えるテーマだと思います。しかし、だからこそ意義や価値がある作品であり、今の『FEEL YOUNG』が面白い理由の一翼を確実に担っている作品と言えます。 ウズメは引きこもり生活によって鬱屈として多少偏屈になってはいても、根本的に人に対する優しさを持っている人物なので読んでいて清々しさがあります。そんな彼女が、別の現代社会の闇に晒されて歪められてしまった人々との関わり合いを通して、元役者という才覚を活かしながら少しずつ再起していく様は良いものです。物語の始まりや根底のテーマは重いですが、作品全体として見ると暗くなりすぎず前向きに進んでいく雰囲気があります。 巻末のあとがきでは連載が継続するか・3巻か出るかどうかは不透明とのことですが、是非とも続いて欲しい作品です。躓かずに生きていける人の少ない世界に必要な物語です。

兎来栄寿
兎来栄寿