金星金太
山奥にある小さな村、ドンドロ村に江戸から大横綱、谷風梶之助一行が相撲興行のため、やって来た。骨戸川という力士が素人飛び入り余興相撲で相手を募るが、出てきたのはなんと子供。だが、その金太少年の強さに、谷風は相撲取りにならないかと誘う。反対する金太の父親に、金太の才能を惜しむ谷風は説得する。そして父親の許しを得た金太は江戸へ…
さるとび佐助
豊臣対徳川の大阪冬の陣が終わった慶長19年、東海道を江戸に向かう妙な侍二人がいた。目的は徳川家康が幕府を開いた江戸城を密かに調べること。その二人とは、さるとび佐助と三好清海入道。途中の宿で主から、この地に流れてきたかんべえという男が極悪非道な奴で、なんとか二人に退治してほしいと頼まれて…。
白馬童子
南支那海を航行する南海丸を黒くも党の黒蜘蛛丸が襲い、頼は奴隷に。その後黒くも党の首領、荒波雲衛門は南蛮船をも襲い、長崎の商館長の任命書を手に入れて、船長のカピタンに化けて長崎に乗り込む。荒波の悪企みが成功するかに見えたが、正義の味方、太陽の子である白馬童子が現れ、黒くも党は一網打尽に…。
くりくり投手
第一中学校に転校して来た2年生の栗山栗太郎。愛称くりくりは野球部に入部し、その左腕から投げる豪速球に驚く部員たち。エースの団吾は、くりくりに嫉妬し、柔道部主将の虎熊に襲わせるが、逆にのされてしまう。一方、くりくりの父親で大福寺の住職は、町会議員で虎熊の父親と将棋の勝負から大ゲンカ。そしてくりくりと虎熊は暗黒が谷で決闘をすることに!!
石ノ森の単行本デビュー作となる火の鳥を巡る冒険譚!!3年に一度、黄金の実をつけるリンゴの木。そのリンゴが盗まれた!!怒った殿様は、その犯人捜しを3人の息子たちに命じる。ふたりの兄が失敗するなか、末っ子の風太郎(かぜたろう)は火の鳥が犯人であることをつきとめ、火の鳥を捜す旅に出る──。表題作と、石塚不二太郎名義で発表された赤塚不二夫との共作『その仮面をとれ!』の2作品を収録。
火の山の少年
姉・アマテラスとふたりで暮らすスサノオ。スサノオは、オオカミのタケルとウサギのミミ公とともに、行方不明の父を捜す冒険に出る!!1958年から「幼年クラブ」に連載された表題作他、けな気な姉弟愛を描いた『あんじゅとずしおう』(「たのしい三年生」)、盗賊団に家族を奪われた少女・アリスと白いらくだ・リジイとの信頼を描いた『白いらくだ』(「なかよし」)。低学年向け雑誌に発表された初期作品3作を収録!!
水野英子、赤塚不二夫、石森章太郎の共同名義で描かれたミステリー『くらやみの天使』。不幸を呼ぶダイヤ「死神の目」をめぐる殺人事件が起こる前日、チコちゃんは被害者の山形が言い争いをしているところを偶然目撃し……。警察官のお父さんと新聞記者のお兄さんを味方に、チコちゃんが真相に迫る!他、赤塚不二夫との共同名義で描かれた『そしてミヤはいなくなった』も収録。
まだらのひも
「まだらのひも」という謎の言葉を残して死んだジュリア。窓も扉も中からカギがかかった密室で、彼女はいったいどうやって殺されたのか?コナン=ドイルの名作を石ノ森章太郎がマンガ化!他『蝙蝠屋敷の秘密』『消えた怪人形』『赤いなめくじ』『ミキちゃん』『とべQピッチ号』『きちがいロボット』など、ミステリやSF、ロボットなど石ノ森章太郎らしい初期作品が勢ぞろい!
三つの珠
三つの星が降った夜のあくる朝、竹取りヨヒョウは竹林で女の子の赤ん坊を拾いました。女の子は深雪と名づけて育てられましたが、その子は実は天女だったのでした。宝玉の持ち主・参元食婦人の怒りに触れて、姿を変えられた弟の姿を元に戻すため、その原因である「三つの珠」を下界へ捜しに来たのでした。美しい娘に育った深雪は珠を探すために旅に出ますが……。「少女クラブ」に掲載されたジャパニーズ・ファンタジー。
イナズマ君
山の中で柔道の稽古に励む坂巻八郎と一平。坂巻は戦争で妻子を失い、生きる望みをなくしていた時、崩れた防空壕の中から、この子だけは助けてと一人の女性に頼まれて、その男の子、一平と美しい自然に囲まれた山の中で暮らすようになった。そして一平が15歳になった頃、坂巻はここを離れ、街で暮らすようにと一平を説得するが…。
日の丸テレビで放映されている「カックンでショウ」は、日本中の珍しいものを見せる番組。この番組に出る事になった、ニワトリの鳴声を出すアヒルを飼っている少年・テレちゃん。田舎から東京へ出て来たテレちゃんは、スタジオを気に入ってしまい、勝手に住みつく事に……。テレビマンならぬテレビ小僧となって、働きながら日本一のテレビスターになろうと色々と苦労を重ねるテレちゃん。段々と名前が売れて来たのだが……!?
『三国志』『鉄人28号』『バビル2世』『魔法使いサリー』など数多くの代表作を持ち、幅広いジャンルで活躍した漫画界の巨人・横山光輝。その原点を垣間見る初期作品集、第1弾!少年剣士・高柳又四郎(たかやなぎ・またしろう)は、満願の日、剣の道への開眼を神に祈った直後、辻斬りに襲われる。しかし、本人も気づかぬうちに辻斬りを倒してしまっていた。相手の剣に一度も触れず一撃で相手を倒す必殺の剣“音無しの剣”をあみだした又四郎は、その剣法で次々と有名な剣士を倒していく。ある日、又四郎は武士・村雨次郎(むらさめ・じろう)から真剣による勝負を挑まれるが……。表題作ほか、剣の道を極めんとする少年の活躍を描いた「竜車の剣」「白竜剣士」を同時収録。
そんじょそこらの企画物の合作とは訳が違います。本作の著者は水野英子、石森章太郎(当時)、赤塚不二夫の3人。頭文字のイニシャルを取って、ペンネームはU.マイア。内容は「死神の目」というダイヤにまつわる事件に巻き込まれた少女チコが、愛犬クロとネズミのシロ、そして家族とともに謎を解き明かすミステリーです。幻の作品といわれるだけあり、発表は昭和30年代初頭。さすがに絵柄や設定(パパが警察官、兄が新聞記者)に古臭さを感じるのはしょうがないところですが、テンポよく読めて3人で描いていることを全く感じさせません。これは絵が似ているということではなく、しっかり構成をして、それぞれの長所を生かして漫画にしているということ。秀作になるのは当然です。また何となくですが、楽しみながら描いているふうにも見えるんですよね。冒頭の事件の概略説明パートにチラッとU.マイア先生の自画像を描いているところとかも。これは誰のアイデアなんだろうw 巨匠の3人には失礼ですが、ちょっとほほえましく思います。