長編探偵漫画版 鉄人28号
東京の街に突然現れた怪ロボット。少年探偵・金田正太郎は、戦争中に日本陸軍が開発したロボット兵器「鉄人28号」の謎に迫る。大ヒット作『鉄人28号』の初単行本を2色カラーページも含めて完全復刻したシリーズ第1弾。※巻末解説は『人造人間夜話』(中野晴行)のみ収録しています。
カッパ・コミクス版 鉄人28号
「アリ事件の巻」『少年』1961年11月号~62年3月号掲載。巨大アリの来襲を利用して、密輸の取引相手殺害を計画した密輸団首領と、彼らを追う少年探偵・金田正太郎の推理対決が冴える、ミステリ色豊かな一篇。巨大生物ものというSF設定も興味深い。刊行当時すでに光文社ハードカバー版に収録された前半部分を省くなど、独自の編集がなされている。※巻末解説は『解題』(中野晴行)のみ収録しています。
単行本未収録傑作集 死神
不動産屋に紹介された低家賃の古い洋館に住み始めた男。2階の物音に気付いてのぞいてみると……。サスペンスミステリ「死神」をはじめ、命を狙われた殺し屋が生き延びるためにある作戦を考えた「殺しの稼業」、馬主でもあった著者が競馬の世界を舞台に描いたサスペンス「汚れた勝負服」など、これまで単行本未収録だった短編9作を収録した傑作短編集。60年代後半から70年にかけて、勃興期の青年コミック誌や青年向け週刊誌に横山光輝が発表した現代もの青年コミックの数々が時代を超えて蘇る。当時一世を風靡した<劇画>の影響を受けながらも、新しい時代の青年コミックを模索したエンタテインメントの巨匠がつくりあげた魅力触れる作品群。
人形少女
著者が貸本恐怖マンガの第一人者として活躍中だった1960年、学年誌「たのしい五年生」「たのしい六年生」に連載した、雑誌連載作で、連載ならではの仕掛けやアイデアが盛り込まれたことでこの時期を代表する長編。当時としては異例ともいえる、貸本出版社から装いをかえて4度も刊行されたことも、当時のこの作品の人気ぶりを物語る。今回は、初出の雑誌を原本とし、カラーページも再現した完全復刻版。物語の主人公は小学6年生にして一家を背負い奉公に出た久美子。主人公が人形をめぐるさまざまな事件に巻き込まれる怪異譚。初出時の「たのしい五年生」連載の3回分はこれまで一度も収録されたことがない貴重な初復刻。また、4色カラー扉、2色カラーページも初めて再現。※電子書籍版に別冊『人形少女研究』は収録されていません。
単行本のタイトルになってるだけあって「死神」が1番面白かったです。こういう主人公が死神になっちゃうオチってよくあるはずなのに上手いことダマされました。好奇心は身を滅ぼすっていうことよりも、前任の死神の消滅の仕方が後味悪いのが大人向けの漫画っぽくていいですね。2番目に好きなのは「汚れた勝負服」かな。ラスト1ページで主人公が極悪人だったことが判明するダイナミックさに驚いた。