小学館マンガの感想・レビュー4596件<<156157158159160>>古い友。スローニン 𠮷田聡ナベテツコッセツとラッキューを古い友人だと解説で書いていたのは内藤泰弘先生(大都社版スローニン)ですが、多分ほとんどの読者は彼らを友と感じるだろうし、そんな出会いを持つことが出来たのは人生において幸運なことだと思っています。 少年の読者が全てを理解するには、少しビターな感情もありました。それでも二人の汗と泥にまみれた何でも屋としての日々はずっと輝いていますし、彼らを友として思い出せるのは、どんな財宝よりも大事な宝物だと思います。激アツ料理漫画!バンビ~ノ! せきやてつじナポリタン料理漫画も多くなってきていますが、リアルに働くことを描いているのは、この漫画だと思います。 作者が実際にレストランで働いた経験をもとに描かれているので、それがリアルにつながっているのだと思います。挫折、努力、成功という少年漫画みたいな過程を料理で表現しているのでアツいです。この漫画を読むとイタリアンを食べたくなります、、、。 個人的には、ドルチェ編が好きでした。デザート作りでアツくなっている漫画ってあまりないので新鮮でした。本田圭佑が『ファンタジスタ』に電撃移籍!!ファンタジスタ ステラ 草場道輝 本田圭佑ANAGUMAつまるところ本作は「本田圭佑がファンタジスタの世界に現れた件」であり、本田圭佑の異世界転生ものです。 恥ずかしながら当方ファンタジスタ未読ですが、ファンタジスタのキャラが日本代表になった時系列であること、そこに平然と本田圭佑が紛れ込んでいること、そしてなぜか違和感がないことは一瞬で理解できました。 ちょっと話題になった「ボランチなんてようせんで」など本田ファンのツボを押さえたセリフやエピソードも盛りだくさん。 マンガの中でも本田が世界と渡り合っている姿はグッと来るものがあります。 なにより坂本轍平らマンガのキャラと並んでも遜色ない存在感を発揮しているのがすごい。 きちんと彼らを引き立てて導いていくのは実在の選手ならではのパワーなのかもしれません。 プロフェッショナルことケイスケホンダの活躍がマンガで読めるのはファンタジスタ ステラだけですよ!無職=無色!美少女宇宙人とマイペース青年の爽やかラブコメ春のムショク 井上まい名無しゲッサンに掲載されているのを発見し、気になり読んでみました。 どこか懐かしさも感じる絵柄が特徴的な作家さんですね。 グラフィックデザイナーとして働いていた事務所を退社し、無職(無色)になった春野くんに対し、突然現れた美少女異星人(シッポつき。)にはゴクサイ(極彩)ちゃん。笑 夢があって、それに向けて懸命に走っていたんだけど、 ふとした時に「あ…ダメだ」と気づいてしまった経験がある人には春野くんの心境がとても刺さると思います。 それでも春野くんの周りの人はみんな優しくて、ゴクサイちゃんも神出鬼没だけどいつも邪魔にならないように春野くんのそばにいて、時にはサポート… 悪者が出てこない穏やかな作品です。 そんな中でゴクサイちゃんがなぜ春野くんの所に来て、お嫁さんになりたくて、何の夢を叶えたいのか。ゴクサイちゃんの許嫁も出てきます! 絶妙に挟まってくるSF要素によって、この作品の先の読めなさがあります。 まだ最新刊まで読んでないので読み進めるのが楽しみな作品です。 こじらせ中学生の恋愛模様 #読切応援五月に隕石、六月には京都 安彦晴名無しイケてない中学生男子3人はクラスメイトの仲良し女子3人組をモデルに漫画を描いている。本当は来月の修学旅行も同じ班になりたいのに、なかなか自分たちの恋心を打ち明けられずにいる。思春期のモヤモヤとエネルギーが溢れてる作品です。どのキャラクターも味があって好きなのですが、ちびまる子ちゃんでいう野口さんのような脇役の女の子が登場して、最後にポツリと漫画を褒めるのが特に好きでした。こういった技が全体に決まっててオチまで余すことなく面白いです。前号に掲載されてた読み切りそれが視えたらと同じ作者さんだったのか!マジで早急に連載を始めて欲しい。推しです!「病院訪問教育」が投じる生き方への一石マジスター 見崎先生の病院訪問授業 棚園正一 山本純士兎来栄寿『学校へ行けない僕と9人の先生』でご自身の体験に照らし合わせ教育のエピソードを描いて世に一石を投じた棚園正一さんが、『15メートルの通学路』の山本純士さんを原作に据えてまた新たにこの社会における「教育」のあり方を描いた作品です。 本作はサブタイトルにある通り、長期入院する生徒・児童を対象とした「病院訪問教育」をメインテーマにしています。私もこの本を読むまで病院訪問教育については全くの無知でした。しかし、誰しもがいつどのような形で関わることになるか解らないのでその実情を知るために読んでおいて損はないと思います。 体だけでなく心まで深く傷付いてしまいまともにコミュニーケーションも取れない子供たちに対して奮闘する新米のヒロインの姿を見ながら、「自分だったらどういう対応ができて、どういう結果に繋がっただろうか」と考えずにはいられませんでした。 「健康に生きられることは当たり前ではなく、掛け替えのない時間である」ということ、「一生懸命に、特に誰かのために一生懸命に生きることの尊さ」、「望んだ結果が出なかったとしても自らのなし得る最善を目指して努力する大切さ」などメインテーマ以外のことも強く思わされる内容でした。 教育に関わる方には特に、またそうでない方にも一読してみて欲しい一冊です。頑張れ太郎!茨の道をいざ進め!開口一番! 町田翠nyaeそばかすの男子高校生、佐藤太郎くん。 ひょうきんな性格で、学校ではお笑い担当。友達もたくさんいて、将来はお笑い芸人に!と思っていたら、実は僕って…全然面白くない? そんな時に落語に出会い、一瞬でのめり込み「落語家になる!」と決意したものの…そこには、太郎には想像もつかなかった茨の道がありました。 今のところ、彼に落語の才能や素質はないようですが、とにかく異常な諦めの悪さと情熱を持ち合わせているので、最新話まで読んだ感じ、スポ根落語漫画っぽいです。 思い立ったら即行動、まっすぐな性格の太郎ですが、 親に心配をさせたくなくて正直な気持ちを話せなかったり、 同級生の前では相変わらずひょうきんキャラをやめられなかったりと、いまいち破天荒になりきれない姿がとても人間らしい! 主人公は刑事だけど刑事じゃない…!デカニアラズ はやかわけんじ名無し親父がヤクザな主人公。警察が隠蔽しようとする事件の真実を親父の力を借りて暴いていく!普段はひょうひょうとして掴みどころがない、仲間からも刑事じゃない「何か」だと疑われている、グレーな主人公が正義を追求していく話。信頼できるグルメマンガみつめさんは今日も完食 山崎童々 ツレヅレハナコhysysk食ブログ担当の編集者が色んな店を食べ歩く話。出てくる店は実在するのだけど、これが個人的に好きな店だったり、周りの食通がおすすめしてる店とかなり合致していて、グルメガイドとしても使える。2巻のジョンティは本当に大好きな店。自家製ジンジャエールとデザートもおすすめです。通勤はクリエイティブRAPID COMMUTER UNDERGROUND 座二郎hysysk都市で働く人間にとって、通勤時間てのは苦痛でしかないと思う。作者は通勤中にこのマンガを描いたのだが、話の内容自体も通勤時間を利用してマンガを描く話になっていて、入れ子の構造になっている。 サラリーマンとしては建築関係の仕事をされているそうで、建築物や乗り物などの構造物がすごく魅力的。舞台が地下鉄っていうのがまた想像力を刺激してくれる。こんな風に通勤時間を過ごしてる人がいるんだと思うだけでも、ちょっと考え方が変わるんじゃないかな。 キラキラ絵柄の下から滲む隠し切れない狂気人魚姫のごめんねごはん 野田宏 若松卓宏mampukuグルメ漫画も競争が激しすぎて、行き着く先まで行き着いてしまったかと思わされるストーリーw ただまぁ本人が納得してて満足ならそれでいいかな、と思わせてくれる可愛さ…やはりリアクションは食漫画の華ですね。何回読んでも良い拳児 藤原芳秀 松田隆智霧兵衛良かった点 ・朱 勇徳/李 長典のエピソードは何回読んでも良い 総評 10代で読んだ時よりもずっと楽しめた。10代の時は拳法漫画としてしか楽しめてなかったのかも。今読むと各種エピソードの深さがよりわかって面白い とにかく複雑な気持ちになり考えさせられるスカイフォール ~消し尽くせぬ夏の光~ 三門ジャクソンstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)子供の頃、広島に住んでいて、原爆や戦争に関する授業はたくさん受けてきた。 当時の感覚は分からないまでも、広島に住んでいる人から語られる話はとても強く、嫌というほどに擦り込まれてきた。 通っていた小学校は全ての教室の本棚に『はだしのゲン』が置いてあり、雨の日に少しずつ読み進めていた。 読むたびに冬だろうが手汗をかき、夏だろうが血が冷えるようだった。 とにかく恐ろしく、こんなことは二度と繰り返してはならない、誰にも経験させてはならないと強く思った。 そして、この漫画である。 まさか、現代の原爆資料館から原爆投下されるその日にタイムスリップしてしまう主人公。 それを考えただけでもう恐ろしすぎる。 主人公にとってあまりに突然のことでリアリティが希薄なのかわりと平然としていて、ほんとに?と思うが、そうか、生きるのに必死なのかもしれない。 ダメだ、読むのがつらい。 と思うものの、どういう話に落としどころを持っていくのか行く末を見守りたい気持ちとせめぎ合う。 戦争を、原爆の辛さを机上で知っている主人公が現場で何を見出すのか。 現代の人にとっては3.11の記憶がいまだに鮮烈に残っているはずなので、状況が違うとはいえ、その記憶と3.11当時の感覚を上手く利用してその恐ろしさを伝えようとしてくれている。 彼は現代に帰れるのか。 この経験を経て何を志すのか。 我々は、決して忘れてはならない。これが何を意味するのか改めて考え、伝え引き継いでいかなければならないのだ。 風化させてはならない。 デリケートな原爆や3.11のことを扱うことで批判するひとは出てくるだろうけど挫けず最後まで描ききって欲しい。 物語のオチが上手いと思う短編集みえちゃんち 秀良子名作劇場 秀良子名無し表題作「みえちゃんち」は半自伝的ショートストーリーなのですが、自分の子供時代をとても優しい視点で描かれていて素敵だと思いました。どんな大人もみんな子供だったという当たり前だけど忘れがちなことに気づかされました。毎話8Pながら読み応えがあります。他の短編も細やかなキャラクター描写が魅力的です。ファンタジー要素もありつつ思春期の女の子のこじれた青春を描いた「早春狂想曲」が特に好きでした。どの作品もオチが秀逸なので読後の満足度が高かったです。こっわ…卯の眼 兎屋まめ名無し雑誌一冊に一話、こういう怪談があるととてもいいと思います。 ただ14ページは少し短すぎました。 もっとページをめくるのに躊躇するほど怖い話、待ってます。心満たされる優しい読み切り #読切応援13日には花を飾って(読切) 一色まこと名無し調理師として派遣されたのは母親を亡くした大家族。主人公はここで三度の食事の支度と、母親の月命日である13日にお墓参りをする仕事を請け負うことに。お寺の長い階段を登り、初めてのお墓参りをしようとすると、そこに弱った黒猫がいた…。 ほのぼのとした描写ながら人と人が交流を重ねた日々の厚みを感じる作品でした。ちなみに「13日」と「黒猫」というと不吉な感じがしますが、この二つが主人公の行く末を導いてくれることになります。それまで男運が悪かったのも伏線なのかも。演出も素敵だと思いました。 漫画読まない人におすすめBLUE GIANT 石塚真一名無しすごく流行ってたので手にとるのが遅くなったけど、人気でるのがわかる作品でした。漫画の軸としては王道で、読みやすいことこの上なし。それでいてメインテーマに「ジャズ」っていう良い意味でnot popular?なところを選んでるあたり最高だと思った。 若い世代なら新しいものとして素直に頭に入るし、ある程度上の年代なら懐かしく思い出すこともできるテーマじゃない? 漫画なんか読まないっていう人にこういう正統派な漫画を読んでほしいもんです。安定の北海道愛チャンネルはそのまま!【HHTV北海道★(ホシ)テレビ】 佐々木倫子nyae最近ドラマ化されたようですね。 まさかのバカ枠で採用された報道記者の雪丸花子。 安定感ありすぎる破天荒ぶり、周りを巻き込んで事故る力。絶対に裏切りません。 同期や上司達も雪丸に負けないくらい超個性的! ドラマも評判良かったみたいなので、見てみたい。 妄想が膨らむ、ご近所ラブコメスキマスキ 宇仁田ゆみnyae主人公のヘイサクくんのまっすぐな性格が、なんだかからかいたくなるんですよね。体はでかいのに優しくてちょっとボーッとしてるところがヒロインのフミオちゃんはたまらんのでしょう。 初めはスキマからしか見れなかったあの子が目の前に現れたら… つ、ついに…と鼻息荒くなってしまいます。 とりあえず一巻読んでみた感想あさドラ! 浦沢直樹名無しちょっとまだこの作品の向かう先というか、主人公のあさちゃんの一代記だとしても、明らかにならない部分が多くてなんとも。 だって最後の足跡って…… ただ、いわゆる朝の連続テレビ小説のヒロインのように、強くたくましく生きてくれそうです。今後の展開が楽しみです。かわいくて切ない兄妹の日常お兄ちゃんは今日も少し浮いてる 梅サト名無しタイトル=ネタバレなのだが、お兄ちゃんがすでに死んでいる状態から始まるほのぼの日常モノ。 幽霊だけど厳しくて優しいお兄ちゃんの言動がけっこうリアル。 そして硬いものを食べるとしかめっ面になる、おっとりでぽっちゃりな妹が可愛い。 ただほのぼのしているだけじゃなく、お兄ちゃんとの別離の寂しさが伝わって、何とも言えない大人向けの味わいになっている。 子どもから大人まで楽しめる漫画はあまりないので、地味に続いて欲しい。鋼鉄の義手を持つ伝説の護り屋「イージスの盾」!!闇のイージス 七月鏡一 藤原芳秀ANAGUMA想像したことはないだろうか。 どこか古びた喫茶店の指定席にいつも座っている謎の少女。 窮地に陥った者のみが彼女を通して秘密の仕事を依頼できる…。 それです。このマンガは。 弾丸すら弾き飛ばす鋼鉄の義手を持つ「イージスの盾」と呼ばれる伝説の「護り屋」が毎話非合法方面の護衛任務に挑む…。 中学生当時このあらすじによだれを垂らしながら食いついたのですが、本作の真のよさは重厚な人間ドラマにあります。 楯の前には毎話さまざまな事情を抱えた依頼人が現れるのですが、プロフェッショナルとしてどんな人間だろうと必ず護り通す。そこの交流が本当にシブいんですよ…。超ハードボイルド。 「護る」というテーマだけでこれほど話のバリエーションが出せるものかと驚きながら読んでました。 基本はオムニバスで短いシリーズがサクサク続いていくのですが、楯の仇敵の存在が明らかになり今までのキャラクターも関わって大きな物語に…という大好きなお約束も付いてきます。 続編の暁のイージスやクロスオーバーしたジーザスも合わせて読むともっと楽しいですよ! 可愛いぷくぷく天然かいらんばん 竜山さゆり大トロ小学生の時にちゃおで読んで、当たり前のように動物が喋っていたので衝撃を受けました。 ルドルフっていう犬がイケメンです。ずっとほのぼのしてるので安心して読めます(?)満身創痍すぎるピュアラブストーリーフライングガール 笠辺哲nyae読めば誰でも、ピュアでまっすぐな(頭がおかしい、とも言えますが)キャラクターたちの虜になり、終わってくれるなと祈るほどになります。正直二巻で終わってしまったのが惜しすぎる。 主人公の山田が磯貝さん(表紙の女性)に恋をすることで、普通の人間であれば一発で命を落とすようなアクシデントに巻き込まれ、包帯まみれがデフォルトとなってしまうのですが、人間離れした純粋な心と鈍感さを持っている山田は、何があっても怒らない、逃げない、辞めない。磯貝さん大好き。狂ったように好き。 この本で描くのは磯貝さんと山田のラブストーリーだけではなく、 人間と山羊、生首とヤクザ、ヤクザと生き別れ森で一人生き抜いた息子との再会など、様々な垣根を超えて人間関係が交錯します。 個人的には、ヒロインの体臭が野生の熊と同じくらい臭いというのがツボでした。 試し読みをしてもらえばわかりますが、コマ割りとタッチが独特です。 時に、笑わせようとしているのか、真剣なのかどっち?と考えてしまいますが、何も考えずに読むのがいいです。 どのカテゴリーにも含まれない、読んだことのない漫画を読みたい!という人にオススメします。<<156157158159160>>
コッセツとラッキューを古い友人だと解説で書いていたのは内藤泰弘先生(大都社版スローニン)ですが、多分ほとんどの読者は彼らを友と感じるだろうし、そんな出会いを持つことが出来たのは人生において幸運なことだと思っています。 少年の読者が全てを理解するには、少しビターな感情もありました。それでも二人の汗と泥にまみれた何でも屋としての日々はずっと輝いていますし、彼らを友として思い出せるのは、どんな財宝よりも大事な宝物だと思います。