機動警察パトレイバー

きみにいかれてメタメタ めちゃメカ狂い

機動警察パトレイバー ゆうきまさみ
ぱにゃにゃんだー

ゆうきまさみが描くパトレイバー は本当によく出来た作品だと思います。週刊連載なのでそれなりの話数にはなるのですが、1話その1のように話が区切られているので、全体としては20数話構成。ストーリーも細かいところへ枝分かれはしますが、基本的には謎のレイバーグリフォンとの戦いに終始しているので、話にブレがありません。一つの話を長く続けてここまで深めていけたのはパトレイバー シリーズの中でも、飛び抜けている点ではないかなと思います。 また、これは作家性の領域、あるいは漫画家という職業の強みかもしれませんが、キャラクターの魅力がずいぶん引き出されてます。特に主人公の野明のかわいさは全パトレイバーの中でピカイチ。そればかりか、あの太田さんまでも時折深みのようなものを見せるのですから、たいしたものです。 個人的に残念だった点をあげるのなら、野明がレイバーのことをイングラムと機体名で呼んでることですかね。アーリーデイズから入った人間としてはアルフォンスと呼んで欲しかった。完全に私の趣味ですが。 パトレイバーはゆうきまさみもTwitterなどで公言しているように、マルチメディア展開を念頭に置いた企画のようで、アニメが先、漫画が先ということはないらしいようです。あるのはどれが好きかでしょう。話として通ずるものも多く、例えばアーリーデイズと漫画には、海に現れた謎の巨大生命体を扱った話がありますが、前者ではハイドロジェンデストロイヤーで撃退しようとする本多猪四郎版ゴジラのパロディとして、後者として人間ドラマを織り交ぜたシリアスなストーリーとして仕上げていたりします。マルチメディア展開が故に楽しめる要素として、それぞれが楽しいですので、漫画共々パトレイバーは読まれ見られ続けて欲しいです。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

これは哲学ではなく人生の指南書

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。 荒木宰 杉基イクラ 原田まりる
sogor25
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ニーチェを始め様々な哲学者が現代に現界し、ごくごく一般的な女子高生であるアリサに哲学の教えを伝授していくという、あらすじだけを書くとかなり突飛な設定の作品のように見えるかもしれません。しかしながら実際に読んでみると、聞き手を普通の女子高生にすることで説明自体もかなり噛み砕かれて解りやすく配慮されており、かつ誰もが生きてて普通に体験する人間関係や自我の悩みに対してアプローチをするので話がすんなり入ってきます。 そして様々な教えを説いた後、最終的にはその教えを押し付けるのではなく、哲学の教えをどのように人生に活かしていくか、アリサを通して読者に優しく問いかけるような構成になっています。つまり、哲学の教えはあくまで道標であり、道標があることを知った上で自らの進む道を自分自身で決めてほしい、この作品はそのように問いかけているように感じました。 読むと思考が整理されて自分の人生に対して前向きになれる、不思議な感覚を味わえる作品。きっとこの作品は単なる哲学ではなく、哲学の教えに沿った人生の指南書になってくれるはずです。 上中下、全3巻読了