イースト・プレスマンガの感想・レビュー118件<<12345>>誰よりも冷徹で冷静だったはずの男まんがでわかる ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン トーエ・シンメ 名越健郎starstarstarstarstarウマタロプーチンの生い立ちからソ連崩壊後、大統領に出世するまでの歴史を、マンガで気軽に知ることができる。KGB時代の武勇伝など、読み物として面白い部分も多いが、本の主張がやや親ロシア寄りで、「ロシアは民主主義で自由な国になった」といった、首を傾げざるを得ない主張も見られる。プーチンがネットでアイドル扱いされてた頃が今となっては懐かしい。大家さんの存在の大きさたるや。坂の途中の小鳩荘 曽根愛Pom じんわり、あったかくなるストーリーの数々。 とあるアパート小鳩荘。 大家さん、いい味出してるなぁ。 住人達との程よい距離感も、良き。 特に最初の早川さんの話が私は好きでした。 自分とお友達になるって大家さんの言葉、良いなって。自分も自己啓発本とか読んでたなー笑 そのままで良い。そのままが良い。 1巻完結が勿体無い〜。自分よりも高度な知性をもった狂人に何が言えるっていうんだ?1984年 -まんがで読破- バラエティ・アートワークス ジョージ・オーウェルhysysk↑ほんまこれ という感じで、監視社会やパターナリズムの恐ろしさを思い知ることができる。そしてこのような社会は物語の中だけでなく現実にも存在しているが、対抗する有力な手段は持てていない。 そしてもしかすると人間はこういった形を望んですらいるのかも知れない、ということがこのコロナ禍で明らかになってしまった。2+2=4と言えること、法的根拠のない時短営業要請には従わなくても良いこと、何とか守っていきたい。いい短編集だった空飛ぶくじら スズキスズヒロ作品集 スズキスズヒロ名無し文化庁メディア芸術祭受賞作品ということで気になっていました。「トレインスポッティング」「タクシードライバー」「キッズリターン」の有名映画タイトルから着想を得て描かれた短編シリーズがどれも面白かったです。単行本の表紙で女の子が映画館にいるのはそういう理由だったのか!これはかっこいい!厳選!読んでほしいこのマンガしずかの山著者:松本剛愛英史完結全3巻作品情報はこちらこれを読んでも尚、精神科で働きたいと思うか。精神科ナースになったわけ 水谷緑nyae※ネタバレを含むクチコミです。チベットに魂を奪われた作者が描くチベット仏教ブロマンス月と金のシャングリラ 蔵西たか国や地域に魂を奪われた漫画家が描く作品ってやっぱり最高ですね。中央アジアの森薫先生、中国文明の青木朋先生、そしてチベットの蔵西先生。 マットグロッソで中盤まで連載を追っていて、好きすぎて2人がどうなるのか受け止めきれる自信がなく、2巻がずっと読めなかったのですが……発売から約1年ほど経ったので気合を入れて読みました。 1945年という時代。そして僧院という舞台を鑑みると2人のあの結末は至極妥当な「これしかない」というもので、思ったよりスッと受け入れられました。 雄大な山嶺と、壮麗な寺院、チベットの人々の素朴な暮らしぶり……。 細部までこだわり抜かれた描き込みから「全部漫画の中に描いてやろう」という気迫と愛とリスペクトが伝わってくる素敵な作品です。 1話読んだら絶対好きになるので読んで……! http://matogrosso.jp/saraba-wagaai/01.html信じ難いが概ね事実らしい…ヤング田中K一 田中圭一nyae漫画家の田中圭一がまだヤングだった頃のエピソードを漫画にしたものらしいが、読み初めは「エッセイと見せかけてフィクションだな」と思ってしまうほどにあり得ない事だらけでトンデモな内容であった。しかし玩具メーカーの社員だった頃の同僚や後輩との座談会で当時のことを振り返ったりして「もしかしてこれ、事実なのか…?」と気づいて背筋が凍る思いでした。バブルってこういうものなの!!?? 最後に、漫画家としていろんな作品を生み出せたのはこの破天荒な玩具メーカー社員時代のおかげだと描いてありましたが、本当にこの方の作風の根底にはこの会社の存在があると言い切れます。この会社がなければ漫画家田中圭一は居ないでしょう。異世界転生?神曲 -まんがで読破- バラエティ・アートワークス ダンテhysysk異世界ものにも古典文学にも詳しくないのでこんな例えが乱暴なのは百も承知なのだが、あまりにもそれっぽくて驚いた。 ダンテは生きたまま死後の世界を見に行く。ゲームや他の漫画などで何となく知っている神話の登場人物や怪物、偉人が出てくるのが面白い。辺獄、地獄、煉獄なども聞いたことはあったが、どういう違いがあるのかは知らなかった。天国って具体的にどういうもの?とか。そういうキリスト教的な世界観についてもイメージが掴める。 話としては納得いかない部分も多いが、想像力は刺激されるし、ダークツーリズム的な旅行気分も楽しめた。自分は煉獄でダッシュさせられそう。変な漫画がいっぱい黒船 黒田硫黄starstarstarstar_borderstar_borderかしこなんか記憶違いだったら申し訳ないんだけど、ちょっと前にマンバの思い出せないマンガの質問の一つに「人魚に精液をくれと頼まれる漫画」を探してる人いなかったっけ…?その時はそんな変な漫画がこの世にあるんだと思ってたんだけど、こないだ久しぶりに「黒船」読み返したらあったよ!そんな変な漫画が!しかも精液の代わりにカルピスをあげるってオチで、人魚も「初恋の味…なるほどね…」って納得してたよ!久しぶりに読んだら変な漫画がいっぱいあって楽しかった。なるほどそういうこと罪と罰 -まんがで読破- ドストエフスキー バラエティ・アートワークスhysysk原作は読んでいないが、どんな話かくらいは知っておこうと思って読んでみた。なるほど傑作と呼ばれる理由が分かるというか、驚くほど現代でも通用する人間の姿が描かれている。読んでいて『僕たちがやりました』を思い出した。嫌ぁ~な思い出満載のエッセイバカ男子 清野とおるstarstarstarstarstarひさぴよこの本は、エッセイ調の文章とイラスト、そして作者・清野とおる氏の当時の生写真を交えた、嫌ぁ〜な思い出の集合体。通常のマンガと構成は違うのですが、意外と読みやすかったです。読んでいても違和感なく、不思議とマンガを読んでいるかのような感覚で読めました。 基本的には、多感な時期の清野とおる氏の身の回りで起こったおバカな事件を紹介していくだけですが、まわりの人間も含め、幼少期から既にクセがすごいです。びっくりしたのは「射精おじさん」などの性犯罪者たちの思い出もカジュアルに語られること。笑って良いのかどうか迷う部分もありましたが、それでも最終的に噴き出してしまうほど面白く笑い飛ばしてます。バカそうな男子でも、意外と大きなトラウマを抱えてたりしますからね。正面から向き合えば『あ゛あ゛あ゛あ゛』となるような体験談のはずですが、こうしてネタとして笑い話にすることも大事なんでしょう。可愛い絵柄でほのぼのする坂の途中の小鳩荘 曽根愛名無し可愛い絵柄でほのぼの。 ちょっとエッセイのような感じで好きですね。 可愛いだけじゃなく、悩みを抱えた人がちょっと前向きになれるような自己肯定感を高めてくれる話があって良いなと思いました。 本当にボロいアパートなんだろうけど中は綺麗にされてて大家さんが優しい魅力的なアパートなんだろうなと思います!それぞれの人生が交差するアパート坂の途中の小鳩荘 曽根愛兎来栄寿じんわりと沁みる作品に触れたくなった時、お薦めしたい作品です。 タイトル通り、坂の途中にあるアパート小鳩荘の住人、そして大家さんを1話完結のオムニバス形式で描いていきます。 101号室のお父さんがいない幸子ちゃん。 103号室の野球でそこそこ有名だった大学生タケシ。 104号室のサーカスで育ったターニャさん。 201号室の駆け出しイラストレーター早川さん。 202号室の宇宙人の山本さん。 204号室の妻に実家に帰られた村上先生。 そして太極拳教室に通う大家さん。 ジェラートが美味しかったり、友達の何気ない言葉に傷付いたり、相手の気持ちを考えられず傷付けてしまったり、ちょっとした親切が嬉しかったり…… そんな彼らのそれぞれの日常の悲喜交々が穏やかで優しい筆致で彩られ、そして時に交錯します。 それぞれの営みが今日も明日も続いて、変わらぬ速さで回っていくこの世界の不思議さと面白さ。 何の変哲もないけれど、特別な物語です。想像してたよりも友達になれそうな主人公だったわたしはあの子と絶対ちがうの とあるアラ子名無し冬野梅子さんの「普通の人でいいのに!」がバズった時に似ている作品があると話題になったのがこちらです。その時は読んでなかったんですけど急に思い出したので読んでみました。ちゃんと読んでみると全然違うな…。 「普通の人でいいのに!」の主人公はオシャレなサブカルの世界に憧れてるけど現実の自分はただの普通の人だってことが強烈なコンプレックスになっている話ですが、「わたしはあの子と絶対ちがうの」の主人公は定職なし・未婚・アラサーがコンプレックスの本当に普通の人だったんです。サブカルとか興味もないし、それでマウント取ってくる人なんて大嫌いだったんですよ。でも友達に誘われた飲み会で出会ったフリーライターの男の人と付き合い始めてサブカル沼にハマっていくんです…!むしろ逆のタイプなのでは?でも世間っていう大きな尺度で測れば「サブカルチャーに揉まれて承認欲求をこじらせた女」という1つのカテゴリーに入ってしまうのかもしれない…。 身構えて読みましたがサブカルにハマっていく速度とかSNSに翻弄される様子が面白いし、なんとなく憎めない可愛さがあるので友達になりたいなと思えるような主人公でした。ちなみに本屋でもエッセイ漫画の棚に置かれたりしてますが、あとがきには実話を元にしたフィクションだと書いてありました。「君となら、悲しみは…海、のち晴れ 高見奈緒starstarstarstarstarひさぴよ「君となら、悲しみは2等分だ ほら、私たちは共有している!」(冒頭のモノローグより) 冒頭の鮮烈なメッセージに導かれるように、物語のラストまで一気に読みました。 これはとても良い漫画ですから読んで!としか言えないですが、誰しも同じように「良い」と感じるかどうかわからないです。ただ、漫画としては秀でてるのは確かで、その圧倒的な漫画の上手さを超えて、読んでいて情景や感情が迫ってくるような感じがしました。 全体的に暗い物語ではありますが、「海のち、はれ」のタイトルが示す通り、希望の込められた物語で、読後感は良いです。海辺の物語だからかな…?「山」ではこうはならない気もします。 作者の高見奈緒先生は、これが初単行本とのこと(すごい) 早くも映像化の依頼があってもおかしくないですよこれは。 前漢王朝を舞台に実在の人物を新解釈で描くバディストーリー #1巻応援キンとケン しちみ楼sogor25舞台は紀元前、前漢王朝の中国。 皇帝である劉欣は権力の弱まった漢帝国を立て直すため腐心していましたが、 祖母の恭皇太后を筆頭に反発が強く、なかなか政治の腐敗を取り除くことができずにいました。 そんな彼はある日、宮中で働く董賢という男性と出会い、友人として心を通わせるようになります。 この作品は劉欣と後に彼に仕えることになる董賢、つまり"キン(劉欣)"と"ケン(董賢)"の2人を描く作品です 哀帝と呼ばれた劉欣と彼を支えた董賢という、実在した2人の史実に基づいた作品ですが、特徴的な可愛らしい絵柄と 横文字や現代の言葉遣いを多用した台詞回しにより、堅苦しさのない、非常に読みやすい作品になっています また、劉欣は政治の腐敗をなんとか変えようとしている正義感の強い人物として、董賢はそんな彼に忠誠を誓った仁義に厚い人物として描かれており、2人のバディものとしても読み応えのある作品になっています。 1巻まで読了末次由紀先生の帯コメントが全て海、のち晴れ 高見奈緒名無しツイッターでよく見かけるなと思って内容を特に確認せずに買って読んでみました。ものすごく簡単にいうと、親から適切に愛をもらえない境遇にいる少年と少女が出会い、相手の存在によって自分の存在意義を見出す、そんな話です。 あまりひとに薦めやすい話ではないけど、末次由紀先生の帯コメントに ー この物語が必要な人が必ずいる、その人に届けたい と思いながら一気に読みました。ー とあり、もうここに集約されてるなとこれ以上のことは何も言えねえって感じです。 この高見先生、マトグロッソで新連載がすでに始まってるみたいです。期待ですね。肉じゃがやめろ!黒船 黒田硫黄名無しこれ読んでから肉じゃが喜べなくなってしまった哲学を漫画で解説するのではなく、漫画を哲学的に考察する4コマ哲学教室 相原コージ 南部ヤスヒロhysysk相原コージ『漫歌』に収録されている「生きる意味を探す青年・浩(ひろし)と、食われるために生きていると言い切るブタ」の対話を元に、哲学の歴史や考え方を紹介するという変わった構成の本(なので文章が多い)。南部ヤスヒロは高校の教師で、もともとは倫理の教科書の副読本として使うことを想定に書いたそうだ。 哲学を漫画で解説する作品は結構あるが、漫画からスタートして哲学を解説するものは珍しいのではないだろうか。若干こじつけ感もあるが、その気軽さ含めてこんな読み方、楽しみ方もできるんだ、という発見があり、倫理や哲学を学ぶことに前向きになれると思う。アルコールを飲みすぎて入院したアラサー漫画家のエッセイ現実逃避してたらボロボロになった話 永田カビ名無し作者の「一人交換日記」のファンです。エッセイとして読み応えがあって面白いのですが、初めて外出許可がおりたシーンで筆者の顔が「ねじ式」になっていたのがいちばんツボでした。幸か不幸かは自分が決めること兄帰る 近藤ようこnyaeある日突然、何も言わずに婚約者の功一が失踪。その3年後、主人公のもとに事故で死んだという連絡が来るところから物語が始まります。 なぜ・どこに・なにをしに、が主人公も功一の家族も分からないなか、わずかな遺品を頼りに、彼が失踪してから亡くなるまで何を思い生きていたかを辿る旅に出ます。 面白いのが、神奈川→和歌山→埼玉→沖縄→東京と渡り歩くのに、目的地ごとに主人公含めた家族がバトンタッチしながら行くところ。それぞれに生活があるため、その旅に没頭するわけにはいかないのです。そこがとても現実的で良いのと、その場所に赴いて功一のことを知る人と話をすることで、それぞれがそれぞれの功一に対する思いの変化を見ることができます。 この作品が何を言いたいかは、あとがきにしっかり記されてます。父親が失踪してから自分を犠牲にしてずっと我慢をしながら生きてきたように見える功一の人生が幸か不幸かは、功一にしか、決められないのです。この短編集、ダンジョン飯にはまったひとにおすすめ。竜の学校は山の上 九井諒子二階堂SF、ファンタジー好きなひとは、高まるよね。 龍に乗る学部がある世界、とかディテールがすごい面白い。 読んだひと、好きな短編かたりましょー!不思議な生物プリンタニアプリンタニア・ニッポン 迷子名無し丸っこい柔らかな画風なのに終始SFで不思議な感覚に陥ります。 ニューチノー、new知能! プリントして出てきた生物プリンタニア もちもちしてて可愛い! 不思議な漫画、そうとしか言えません。 癒されるけどたまにシリアスになるのもたまらなく良い。 九井諒子好きな方好きと思うんですがどうでしょう。南Q太さんちは7人家族キキさんち 南Q太名無し子南Q太さんは結婚3回目、旦那さんのオイさんは結婚2回目、それぞれの連れ子さんが3人、新たに産まれたお子さんが2人、計7人の家族エッセイです。ステップファミリーの話よりも南Q太さんに興味があって読みましたが、子供達もみんな個性がバラバラでいつも賑やかで楽しそうでこういう家族もいいなって思いました。本当のところ南さんは結婚に執着しないタイプの方なんだろうと思いますが、この家族の形はとても南さんらしいですね。もう10年前に描かれた話だから子供達もみんな大きくなってるんだろうな〜。続編をぜひ読みたいです。<<12345>>