KADOKAWAマンガの感想・レビュー2722件<<8081828384>>【祝・書籍化】好きなエピソード・感想を語ろう私のジャンルに「神」がいます 真田つづる名無し※ネタバレを含むクチコミです。スラムの少年が美女と遺跡を攻略するスタイリッシュハードSFアクション!リビルドワールド 綾村切人 ナフセ 吟 わいっしゅ cell天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。主人公になれないはみ出し者の青春物語教室の片隅で青春がはじまる 谷口菜津子nyae※ネタバレを含むクチコミです。士郎正宗のオモロイとこを形にした作品紅殻のパンドラ 六道神士 士郎正宗さいろくギャグとかコメディとかの要素がアップルシードや攻殻機動隊の原作に近いノリで(少し詰めは甘い気がするし強引すぎるとこもあるけど)存分に詰め込まれたSFバトルギャグ漫画、という感じ。 ギャグというか同人的なノリが多いので諸兄らには読みやすいのではないだろうか。 電子版には士郎正宗の設定資料がカラーで数ページずつ載っており、これだけでも買う価値アリと言える。 既存の麻雀のイメージを覆す"麻雀ラブコメ" #1巻応援鳴かせてくれない上家さん 古日向いろは 更伊俊介 内川幸太郎sogor25高校の片隅で1人スマホでネット麻雀を打っていた麻野イサムは、ある日突然、見知らぬ女の子に「一緒に麻雀を打ってください」と声を掛けられます。彼女は麻雀部に所属する後輩・上家(かみや)サクラ。先月麻雀を始めたばかりだという彼女に対し、ネット麻雀をやり込んでいて実力に自信のあった麻野だったのですが、実は彼はリアルでの麻雀は打ったことがなく、いざ打ち始めると上家さんとの会話に惑わされて自分の戦略が全く通用しません。なんとか彼女に勝とうと一生懸命考えを巡らせるうち、いつしか麻野は上家さんのことを意識し始めるようになり…という、「麻雀ラブコメ」という新たなジャンルを開拓しているのがこの作品です。 麻雀マンガといえば、これまでは競技としての戦略性やギャンブル的な表現が中心の作品が多かったのですが、この作品は"コミュニケーションツール"としての麻雀に注目しています。 麻野が得意とするネット麻雀は対戦相手とのコミュニケーションが基本的には一切なく、リアルで麻雀を打つ時の相手との会話や表情、仕草など、相手とのコミュニケーションという要素に惑わされる麻野の様子がコミカルに描かれています。 このネットとリアルの違いという面は麻雀を知らなくても、例えばオンラインでボードゲームや人狼ゲームをやったことがある人には理解しやすいかもしれません。 そして、そんな麻野が勝つために一生懸命に麻雀を打とうとするうちに上家さんや他の麻雀部員との会話が盛り上がっていき、自然とラブコメへと発展していきます。 「バガタウェイ」などで知られる古日向さんの絵柄は可愛くて読みやすく、また、各話の最後にはその話に登場する専門用語を監修の内川さんが丁寧に解説してくれています。連載誌も麻雀とは関係ないフラッパーということもあり、麻雀を知らない人にこそ読んでみてほしい作品です。 また、ネット麻雀のあるあるネタも多く、麻雀の描写自体もすごく丁寧で、麻雀を知ってる人ならさらに面白い要素を見つけられる作品になっています。 ちなみに、監修の内川さん、作中でも「コータロー」というネコとして登場していますが、麻雀界で一二を争うイケメン麻雀プロなので興味があればそちらも調べてみてください。 1巻まで読了幼馴染5人が足を踏み入れてしまう"極限の孤独" #1巻応援カクレガミ 烏丸渡sogor25幼馴染で夏祭りに来ていたヒロ・ツカサ・サキ・マツリ・ユノの5人。 彼らの町の神社には直径メートルぐらいの巨大な球のような石が御神体として祀られているのですが、ヒロとツカサの2人はその意思に大きなヒビが入っているのを見つけます。 興味本位でその石の割れ目の中を見ようと棒を突っ込み割れ目を広げようとするツカサとそれを止めようとしたヒロでしたが、次の瞬間、ヒロはその割れ目から自分にそっくりが何者かが出てくるという幻覚を見ます。 その後、残りの3人に見つかり、非難されたことでその御神体は諦め祭りに戻ることにしたのですが、人混みに戻った時、彼らはある異変に気が付きます。 どうも彼らは祭りに来ている人の誰からも認識されなくなってしまっていたようで、すれ違う人にぶつかっても、金魚すくいの水槽の中に落ちてしまっても、誰も気にも止めません。 そんな彼らが自分たちの「存在」を取り戻すために駆け回るという物語です。 この作品、表紙を見ると楽しそうな夏祭りの風景なのですが、ここから1巻の間で怒涛の展開が繰り広げられます。 自身の存在が認識されなくなること以上に衝撃的な光景を目の当たりにし、なんとか元に戻れるよう奮闘するのですが、この現象の正体が明らかになろうとした瞬間、追い打ちをかけるように彼らに試練が訪れます。 とにかく先へ先へと引き込まれる展開、さらに最後の予告の部分にこの後また大きく物語が展開していくことを予感をさせるページが載せられていて、1話を読んでしまったら最後、次の巻まで読まないと気がすまなくなる、そんな作品です。 1巻まで読了高い画力とボケまくる古代中国妖怪譚千年狐 張六郎さいろく狐を主軸に展開される妖怪ファンタジー古代中国編。 小噺が詰まった本作はめちゃくちゃいっぱいモブが出てくるが、それぞれちゃんと特徴があるのでなんとか憶えられる。 絵も上手いが話もフザケてるとことシリアスなとこと書き分けがしっかりしていて意外な角度で繋がっていく物語が面白い。 好きなものを好きと言える世界 #1巻応援HGに恋するふたり 矢立肇 富野由悠季 矢立肇・富野由悠季 工藤マコトsogor2514歳の頃に初めて見た「機動戦士ガンダムSEED」に心を奪われた主人公の神崎さやか。しかし、周囲の友人がキャラクターの話で盛り上がるなか、彼女が惹かれたのはモビルスーツ。そんな気持ちを同級生にも話せないまま時間は過ぎ気付けば30歳。そんな彼女がある日、ガンプラ好きの女子高生、高宮宇宙(そら)と出会う。 まず心惹かれるのは、30歳のOLであるさやかと16歳の女子高生である宇宙が年齢を超えてて"好き"の気持ちで繋がっていること。「メタモルフォーゼの縁側」にも近い設定ではありますが、作中でも触れられてる通り、"16歳"というのはちょうど「ガンダムSEED」が放送されていた年に生まれた子ということ。つまり、相手が生まれる前から好きだったものを通して生まれる交流、これこそが本当の意味での"世代を超えた交流"なのではないでしょうか。 また、"世代を超えた"という意味でもう1点重要だと思っているのが、2人の"好きなもの=ガンダム"に対する接し方。好きな気持ちの強さは変わらないのですが、周囲にガンダム・モビルスーツが好きなことを話すことを躊躇っていたさやかに対し、宇宙のほうは初対面のさやか相手にさえ『お姉さんもガンプラ好きなんですかっ!?』と臆面もなく言い放ちます。好きなものが少数派だったときにそれを周囲に堂々といえないという気持ちは「トクサツガガガ」などでも描かれていますが、特に30代以上の人なら誰しもが経験しているものだと思います。それが、もちろん人に依るところもありますが、時代が令和に移ってマイノリティでも好きなものを好きと堂々と言えるようになった、そんな世代間の見えないギャップも描いているのではないかと思います。 作者の工藤マコトさんも「ガンダムSEED」から入ってガンダムが好きになった経緯があるとのことで、もしかしたら作者の実体験も多少なりとも入っているのかもしれません。そしてそんな作品をガンダムシリーズの専門誌であるガンダムエースで連載している、そんな奇跡的な繋がりにも感謝しつつ、ガンダム好きだけではなく、幅広く楽しんでもらえる作品だと思います。 1巻まで読了旅を通じて家族と自分を知る物語グッドナイト、アイラブユー たらちねジョンANAGUMA母の遺言をきっかけにイギリスまで旅立つことになった大学生の大空(おおぞら)。着いたかと思えば母が遺した新たなミッションが託され、家族の過去と今を知るための欧州各地を巡る旅に出ることに…というロードムービーなあらすじ。 『アザミの城の魔女』で描かれる異国の表現にビビッときて、こちらも読みました。鮮やかなヨーロッパの雰囲気と、大空の心が揺れ動く旅情の描写が全コマ全ページ本当に美しい…。 旅は人を変えるといいますが、ヨーロッパ各地でさまざまな人に出会い、大空自身も気付いていなかった「自分」を発見していく過程が丁寧で心地良いです。 自分の気持ちを誰にも伝えられなかった大空が断絶状態だった家族と新たな関係を結ぼうとする。この一生懸命な姿に心が熱くなってしまいます。 読んだあと、どこか遠い場所に旅立ちたくなるような素敵な作品でした。己の出自を知った少年の孤独な戦い。イムリ 三宅乱丈名無し三宅乱丈先生の他の作品も読んでいて、最近完結したとのことでイムリも読んでみました。 全26巻でとくに印象深いのは、19巻の奴隷民族が思いもかけない協力者の助けを得て見事脱走を果たすシーンです。 戦争の転換期ホークウッド トミイ大塚ナベテツ騎士が名乗りを上げ、戦場で一騎討ちをしていた時代。中世の戦争は殺伐としていても、どこか牧歌的だったと思われますが、この作品はそんな時代が終わりを告げる転換期を描いています。 野心に燃える傭兵部隊の隊長・ホークウッド。英仏百年戦争のアイコンと言えばジャンヌ・ダルクですが、恐らく彼のように野望を持った人間も恐らく存在したのだろうと思います(洋の東西を問わず、立身出世を成し遂げた英雄と、途半ばに倒れた多数の人間が歴史を動かしてきました)。 戦場の主役が、騎士から無名の兵士へと替わる。それは、戦死者が増大する所謂「殲滅戦」への入口となっていきます。 戦場にロマンはない。「狼の口」と同様、そんな現実を教えてくれる作品です。タヌキに頼まれ!? 小学生の夏休み四国一周の旅!みかんはまだ青い 朋ぺそ※ネタバレを含むクチコミです。人類、フェスを愛せよデイズ・オン・フェス 岡叶ANAGUMA音楽フェスに行くなんて考えたこともないほどインドアかつダウナーな人生を歩んできた私ですが、このマンガを読んで考えが180度変わりました。 行きてぇ、フェスに。 フェス、爆音の中酒を片手に夜通し熱狂する狂乱の宴だと思い込んでおり「近づくまい!」と頑なに距離を取っていたのですが、『デイズ・オン・フェス』のなかには優しく楽しく賑やかなフェスの世界が描かれています。 のんびりキャンプとかしてるんですよみんな。いいなぁ。 登場人物は主人公・奏と音葉のJK初心者コンビと、喫茶店を営む音葉兄(楽さん)とバイトの律留のベテランチーム。計4名のコントラストが小気味いいです。 奏がフェスに魅了されていく新鮮な過程と、律留たちがフェスの“よさ”をじんわり味わっているようす。互いが互いのパートを引き立たせていて、読んでる自分も「早くこうなってこうなりたい」という欲求が湧いてきます。 行かなきゃ味わえない空気感が内包されてるんですよ…。 奏が自身の推しバンド「デイズ・オン・ユース」を起点に、どんどん自分の興味に従って世界を広げていくのも心地良いです。何かにハマるのってそういうことだよな、という原初的な喜びが押し付けがましくなく描かれていて。 そして3巻にはその「デイズ」の結成エピソードが収録されているんですけどこれもまたいいんですよね…。音楽に救われた者がまた音楽で人を救っていくという円環が完成するんです。美しい。 とにかく読んだら絶対にフェスに行きたくなることでしょう!!行きたい!!フェス!! 異世界の「よつばと」を目指して異世界女子寮 使い魔いおりとモン娘たちの365日 あかうめ名無し異世界女子寮というタイトルにはなっているが、読んでみるとこれは**「異世界のよつばと」を目指しているのではないかという気がしている。** 主人公のいおりはホムンクルスであり、とある魔女の使い魔として働いている。 それがちょっとした事故でモン娘たちの住まう女子寮に転送されてくる……という部分が1巻の導入となっている。 しかし何というか、他の女子寮のモン娘といおりでは立場が違う。彼らは住人であるが、いおりは突然の来訪者なのだ。 一緒に生活するという意味では寮らしさはあるが、いおりは使い魔なので家事は得意で進んでやってしまうから、役割分担のような共同生活感はそんなにない(それを逆手に取ったエピソードが1つあり、個人的にはそれが好き)。 恐らくではあるが、この漫画の魅力は「女子寮」的な要素ではない。 **ホムンクルスとして生まれ、魔女の使い魔として生きたきた幼く純粋ないおりを通して、女子寮を中心とした異世界はどう見えるか……というものを読者に伝えたいのだと思う。** それはよつばというフィルターを通して何気ない日常の魅力を見つけることができる、「よつばと」の世界に近いものがあるだろう。 いおりは飾らず、毎日を全力で生きている。それはもう、読んでいるこちらが「毎日快眠だろうな」と思ってしまうくらいに(精神的に不安定になる日はあるようだが) 真っすぐに、そして素直に生きているいおりだからこそ、ちょっと困っているモン娘たちにシンプルな答えを教えてあげるということが、この漫画では随所に見られ、そこが「良いなあ」と思えるポイントなのだ。 普段ラミアのニア以外はすました顔が多いモン娘たちが、いおりと関わることで普段とは違う顔を見せ始めるのも面白いポイントの1つだろう。 自称エリートのケンタウロスがいおりに名前を呼ばれた直後にツンデレを披露したり、寮の住人から苦手意識を持たれていたアキの秘密を結果として明らかにし、作中1番の赤面顔を引き出したり。 いおりというフィルターを通すことで、異世界の日常もキャラクターもまた輝き出すといったところだろうか。 異世界は非日常ではあるが、これまで数多く描かれてきたところになろう系が流行ったことで、もはや開拓されていない場所はないというくらい異世界は日常化していると感じている。 そういう意味で、**「異世界のよつばと」というコンセプトは、なかなかに面白いと思う。** ……「異世界のよつばと」なんて、この口コミで勝手に書いていると思われるのは心外なので書いておくが、帯はかなりよつばとを意識していると思う。 https://twitter.com/denplaycomic/status/1319841029843947520?s=20 同じ電撃系のコミックスなわけだし、タイトルは無理でも帯で「異世界のよつばと」ってもう書いちゃってもよかったのではないか。 許可はまあ……降りないだろうが。 ここまで書いて、「**でも漫画は結局キャラだよ!**」という人には、イマイチ本作の魅力は伝わっていないかもしれない。 ここでいおり以外のキャラについて書くよりは、画像を見て判断してもらった方が良いだろう。 公式(というか担当?)はモン娘の中でもケンタウロスを推しているようだ。 https://twitter.com/denplaycomic/status/1320198396020355074?s=20 ただこのモン娘、表紙での扱いはなぜか小さい。作中唯一の読者代表的なツッコミキャラで、ポテンシャルはとても高いと思う。個人的には彼女の魅力をもっと引き出して欲しい。 最後に1つ、この作品の謎を書いておく。 彼女たちは学校に通うわけでもなく、どこかに勤めている雰囲気もない。 **一体、何のための「女子寮」なんだ……。** https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM19201437010000_68/富山・逃避の果・仮初の安息さらば、佳き日 茜田千あうしぃ@カワイイマンガ不倫にしろ逃亡犯にしろ、逃避行と〈北〉はよく似合う。後ろめたさを抱える身には、人目のない北の冬はうってつけ、という事だろうか。 『さらば、佳き日』の兄妹は、二人で共に在る事を選び、住み慣れた故郷を捨て、親と友を捨て、雪の降る北陸へと向かう。 故郷が湘南地域であることは、6巻ではっきりする(江ノ島タワーが描かれている等)。きらきら明るい海沿いの道の描写は1巻から印象的だが、同じ様に美しい海が、北陸に来てからの描写にも出てくる。 5巻に出てくる「天晴」は絵から恐らく、雨晴(あまはらし)海岸。富山県高岡市にある、岩の景観が印象的な海岸。他にも古い日本家屋や庄川の花火大会などから、ここは富山県だと分かる。 意外と穏やかで明るい雨晴海岸にて、妹の晃は、自分と不可分な海を想う。まるで隣の兄・桂一の事を想うように。 ここでは冬の厳しい富山を、暗く扱うことはない。光ある穏やかな地で、優しい人々に受け入れられる「夫婦」は幸せそうだ……受け入れられる筈もない二人の秘密を、どこまでも抱えたまま。 (6巻の書誌情報で「富山」とはっきり書かれているので、間違い無いと思います。4巻で桂一が「福井……だったかな」と言うのは、彼のいい加減さのエピソードになっていますね)可愛さはこのぐらいでいい魔々ならぬ ゆーきさいろく魔術師が脳筋(バカ)だったり魔王がロリだったりとか色々ベタな設定も多いものの、ありがちなお色気シーンとかもなくそういうのじゃなくちゃんと話進めようとしているところは00年代初期ぐらいのノリに思える。 電撃での連載作品らしくてこういう設定の部分はRPGやったことある前提なのかもしれない。 女神が出てくるのがちょっと早かったんじゃないかとは思ったけど、何にせよ1巻発売はめでたいことなので電子で買いました。 ヴィーネは絶対領域がなくなった時点で以下略 (部屋着ダメゼッタイ) 売野らしさ満載♬売野機子短篇劇場 売野機子名無しこの短編集は、充実のラインナップ。 売野作品は、心の隙間にスッと入り込んで、『それでいいんだよ。』って言ってくれているよう。 “運命とか信じるきみだから”すごく好き。 せわしない世の中、待つことって・・・。 自分の人生を改めて考えさせられた。大家の娘と小説家のお家賃催促ラブストーリー先生、今月どうですか 高江洲弥名無し※ネタバレを含むクチコミです。働くモチベーションは下心社会人百合アンソロジー 雪子 奥たまむし はるかわ陽 佐喜ハジメ 瀬田せた さつま揚げ くるくる姫 つづら涼 かがちさく 犬井あゆ 鈴木先輩 ぴゃあ 綺月るりyrsk【あの娘と目が合うたび私は】 はるかわ陽先生「マスキングレディ」 漫画が上手い!!!今までチェックしていなかった作家さんに出会えるのがアンソロジーの良いところですね。 テンポよく展開し、両(片)想いの甘々百合。少女漫画系の絵柄もストーリーとマッチしていてとてもよかったです。 瀬田せた先生「メーターストップ」 百合ギャグといえば瀬田せた先生!この作品もかつてのライバルだった同僚と再会するストーリーですが、しっかりギャグ要素があり笑わせてもらいました。 くるくる姫先生「先輩社員をひーひー言わせたいっ!」 “するときは業績が上のほうがする”……社会人百合の良さが詰まったセリフです!!!!!!!天才的アイデアに乾杯……!!!!! 社会人百合ですが中には先輩後輩以上に年齢差があるものもあり、バリエーション豊かな1冊です。 強さと優しさとまっしろけ 竹谷州史ナベテツ他人を思いやり、共に笑ったり涙したり、そんな風に生きられたらなあと憧れたりするのですが、この作品は他人と寄り添って生きる姿が描かれています。 物語の冒頭、主人公の真白は両親を喪います(唐突ですしインパクトがありました)。そこから旅が始まるのですが、世知辛さと他人の優しさと、その両方のバランスが「良い感じ」だなあと思いました。 世の中は天国ではないかもしれないけれど、絶望するほど地獄でもない。弱さに背を向けず、生きることを諦めない。そんなポジティブさを感じる作品でした。売野機子のエッセンスが凝縮された短篇集売野機子短篇劇場 売野機子兎来栄寿売野機子さんは長編ももちろん面白いのですが、改めてこの短篇集に収録されたエッジの利いた短篇たちを読んで、やはり格別だなぁとしみじみ思いました。 最初と最後こそ、連載したかったものの企画をどこにも受け入れられなかったことでコミティアで本にすることとなったという外連味溢れるSF「ロボットシティ・オーフェンズ」でスカッと楽しいです。しかし、その間に挟まれた作品、とりわけ「痴者の街で」や「成人式」などはビターな味わいで、順風満帆でない環境で躓いてしまった人にこそ刺さるであろう作品です。 物語を楽しむ必要がないほど現実が充実している人は幸せです。そのまま、世界に笑顔を増やしていって欲しいと思います。しかし、そうでない、笑えなくなってしまった人。そういう人に寄り添うのがこうした作品であり、その意義だと感じます。 売野さんには、人生や社会の理不尽に翻弄されて傷を抱えた少女を、その少女が傷を歯を食いしばって堪えたり痛みに喘いだり、克服したり圧倒されたりしながら生きていく時の生々しい息衝きをこれからも作品に宿して欲しいです。 なお、後書きで「〜しか勝たん」という表現を売野さんが使うようになっていたところもまたエモさを感じたところです。紅だァァァァーーーーーーーッ!!!!カラオケ行こ! 和山やま兎来栄寿私は最も好きなアーティストがX JAPANなので、「紅」が物語上でとても大きな役割をもたらすこの物語には一際愛着が湧きました。「紅」は前奏が長いし何ならギターソロも非常に長いんですけど、それも含めて最高なんですよね。 昨年、颯爽と発売されたデビュー単行本『夢中さ、きみに。』でマンガ好きに旋風を巻き起こした和山やまさん。今年も『女の園の星』に加えて、この『カラオケ行こ!』で見事にマンガ読みを熱狂の渦に巻き込み、その勢いは早くも一般層にまで波及しようとしています。 本作は絶対音感を持った組長が開催する恐怖の罰ゲーム付きカラオケ大会でビリにならないために、39歳のヤクザが歌の上手い中学生に教えを請うという設定でまず1オモシロ。 次々と展開されるヤクザエピソードが笑えて2オモシロ。 そこに、コメディだけでなく合唱部部長でコンクールを目前に控えながらも声変わりという難題に直面する聡実のシリアスな葛藤が加わり物語の厚みが増して3オモシロ。 聡実の家族の出番はほんの僅かですが、その少しの時間で見せる人間臭い魅力、4オモシロ。 そして全体を通したストーリーの素晴らしさ、計100オモシロ。本作も最高でした。 「紅」では 「紅に染まったこの俺を慰める奴はもういない」 と歌われますが、狂児には聡実という言葉では表せない関係性を持った人間ができた、紅に染まっても慰めてくれる奴がいる、その尊さ。 単行本ならではの描き下ろしも非常に嬉しいおまけでした。 巻末の狂児のプロフィールにおけるカラオケベスト3で、1位が紅なのはもちろんですが、2位と3位があの曲になったのはとてもエモいですね。狂児が歌う2位の歌も聴いてみたいです。夢花火。 じっくり丁寧に進むのがいい…君には届かない。 みかたかクリスマスにオタクの友人とオススメ漫画を贈りあう遊びをしたのですが、その時にもらったのがこれでした。 「成績優秀な男前と地味で勉強が苦手な主人公の幼馴染」という王道オブ王道、今までの人生で100万回読んでる設定のはずなのに「あぁ〜〜〜…いい…!」と悶えてしまう。 ベタな設定に加え、絵も多く描き込まないシンプルで可愛い感じでそこまで自分の好みじゃないのに面白い…! BLは割と「BL世界にしかいない思考回路の男」が登場することが多い。すぐ惚れて大袈裟にドキドキしたり、何の疑念や羞恥を感じず男同士ベタベタしたり…それで面白いこともあるけど、大半はその「あり得ない都合の良さ」に読んでてしらけてしまう。 一方、「君には届かない。」は、そこんとこがすごくちゃんとしてる。 2人の内面での葛藤や疑念をじっくり描いているからこそ、身体的精神的イチャイチャがなく友達として一緒にいるだけで萌える。そしてほんのちょっとな些細な触れ合いが、とんでもない破壊力を持つのがたまらない…!! ヤマトがカケルを思い、自分の恋心に蓋をしてストイックに幼馴染みの距離を保ち続ける姿が本当にいじらしい。 2巻がメチャクチャいいところで終わってて、まんまとハマりました。「君には届かない。」という切ないタイトルの物語が、今後どう進んでいくのか楽しみです!先生という立場はほむら先生はたぶんモテない せかねこさいろくモテてるやんけ!!!1 と思ってしまうけどほむらくんはモテなそうな要素がいっぱいらしい。 マンガだと伝わりにくいのが否めないけど。 が、本作のいいとこは何も考えずに読めるところ(褒めてるつもり) WEBマンガスタートだったようだけど単行本で読んで割とすんなり読み終わってしまって「次はよ」と思えるところだ。 蓮見ちゃんかわいい。<<8081828384>>
※ネタバレを含むクチコミです。