にれこスケッチ

現代的かしまし家族マンガとしても面白い! #完結応援

にれこスケッチ 鴨居まさね
かしこ
かしこ
上野にあるブラシ屋の三姉妹の末っ子・にれこちゃんが主人公。20年間も片思いしてた清田くんの傘工房でバイトしてたけど、ブラシ職人のおばあちゃんの体調不良という緊急事態にともない実家のブラシ屋で職人として働くことになった!というお話です。にれこちゃんの恋物語やブラシ職人道としても面白いけど、私は家族マンガとしての魅力が抜群だなと思ってます。 にれこ家はお父さんが単身赴任で長いこと不在だし、かなりの女所帯。ブラシ職人のおばあちゃんとお母さん。すでに独立してるお姉ちゃん2人。そして主人公のにれこちゃん。大集合することはないんですけど、それぞれの繋がりがちゃんと描かれているので、その様子がとってもかしましくて楽しいのです。実際に存在してる人達のような親近感があります。 にれこちゃんの片思い相手の清田くんも、元は一番上のお姉ちゃんの同級生ですからね。家族全員が事情を全部知ってるし、なんならお母さんの方が清田くんと仲がいいし。にれこちゃんの元彼・松谷くんに対しても、とっくに別れてるのにほぼ家族みたいな扱いなのもいいなって思いました。あだ名が「松谷王子」なのも可愛がってる感がめちゃくちゃありますね。でも松谷くんはとてもいい子なので、人も猫も魅力にやられてしまう気持ちが分かります。私も好きになっちゃいました! 全3巻で手に取りやすいし、いっき読みするのすごく楽しかった。ほのぼのマンガを探してるなら、ぜひオススメしたいです!
花のあすか組!

懐かしいです

花のあすか組! 高口里純
名無し
学生時代に夢中で読んでました。 今の学生さんたちには想像できないようないわゆる「スケ番」と呼ばれている女子学生たちの喧嘩に明け暮れた青春時代のお話です。 制服は足首までの長いスカート、何にも入らないようなペッタンコの皮カバンがトレードマーク。 少女たちは筋を通す硬派な集団でそれぞれに組(くみ)がありつつも個人個人が自由に動き回ります。 主人公はタイトルにある「あすか」という黒髪ショートヘアの女子学生で学校にも登校しています。 喧嘩が強くて硬派で頭もいい(成績という意味では無く先を推測して立ち回ることに長けている)。 自分に甘い人間を嫌うので立ち向かわない人間には厳しいけど必死で立ち向かう人間のことは助けます。 当時は少女たちの姿に憧れましたし読んだ後は自分の目が覚めるような感覚を覚えました。 ちなみに喧嘩が強くて硬派な「あすか」のママはまるで少女のような感性の持ち主で、いつも「あすかちゃん」と呼んでケーキやおやつを準備してくれる。 そんなママに対して硬派な「あすか」は邪険な態度をとるけど、決してママのことを嫌うことはないということもこの漫画の素敵な部分だと思います。
私はカレン、日本に恋したフランス人

カレンさんと西先生の2人だからこそ描けた奇跡の1冊  #1巻応援

私はカレン、日本に恋したフランス人 じゃんぽ~る西
nyae
nyae
連載で少し読んでいたけど、1冊通して読むとまたこの本の良さがより沁みますね。 カレンさんが日本に関心を持って、日本に住みたいと思って、日本人と結婚して、そして旦那さんの手によってこの本ができたという事がいかに奇跡的かと思ってホロリとしました。フランス人女性が、ではなく「カレンさんが」というところが大事です。 外国人の目線から日本人も気づかなかった日本の面白さや変なところに気づくと言うパターンはよくあるけど、カレンさんの場合はまず「音響の良さ」から入ったというのが非常に面白いです。 録音した山手線のアナウンスを聞いて、日本を思って泣いたというエピソードは笑いました。でもほとんど家にいる生活をしている今、電車のアナウンスを聞くと出かけている気分になってかいいかもしれない! 世界情勢や戦後日本の歴史など、シリアスな面も含めてフラットな目線で勉強になるし、自分の国なのにまだまだ知らないことだらけだな…と改めて思い知った次第です。たぶんカレンさんの方が日本を知ってます。笑 ちなみに、じゃんぽ〜る西先生はデフォルメした作画が特徴的ですが、この人相当画力が高いんだな…というのがわかり、新たな発見となりました。