ヒトゴトですから!

二人の百合猛者に学ぶ人事のお仕事

ヒトゴトですから! ユニ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
人事部の先輩後輩である二人の女性。彼女達が偶然出会うのは、ラブホの入口。お互いに「彼女」を連れて。なんてこった……。 □□□□□ 百合作品なのですが、主人公の先輩後輩コンビは、恋愛関係では無い。性格も恋愛感も好みのタイプも全然違う二人ですが、互いの秘密を知って以来、飲んでお話しする関係に。これは……百合同志ですね。 分かり合えたり無かったりだけれども、腹を割って話せる二人の関係が楽しい。そして互いの性格を掴みながら、先輩から次第に人事の仕事をレクチャーされてゆきます。 心理学的テクニックを仕事に活かしていく様子は、納得感が大きい。営業のエースだった後輩が人事の機微を学ぶ成長物語としても、二人が協力して問題解決するバディ物としても面白く、お仕事漫画として充実! そして忙しくお仕事しながら、それぞれの恋愛模様にも変化があり、人心掌握に長けた先輩のドライな恋愛の裏側など、これから話は重くなりそう。 この先輩後輩、恋愛関係では無いのに、その関係性はやはり良い感じで、新しい百合の形かもな……と思ったりします。 (2巻までの感想です。最終第3巻は2021年3月8日発売!)
私は貴兄のオモチャなの

タイトル通りの話ではある

私は貴兄のオモチャなの 岡崎京子
名無し子
主人公の星山星子は空知くんのことが好き。何年も片思いしていて何回も告白してフラレ続けているがそれでも好き。しかし夏休みのある日に空知くんから電話で映画に誘われます。そして失恋で自暴自棄になった空知くんから「俺のペットになれ」と言われてしまいます。タイトル通り『私は貴兄のオモチャなの』というような展開になる訳ですが、ここに別の男達も加わって星子はかなりめちゃくちゃな目に合います。最終的に空知くんが星子に対して「酷いことをしてごめん」と謝って二人は別れるけど、星子は空知くんのことを嫌いにならなかったという話です。 岡崎京子先生の絵じゃなかったら読めないようなバイオレンスなシーンがあるし、あらすじにも「賛否両論の激しい反響を巻き起こした表題作」とありますが、私は好意的に受け取りました。岡崎京子作品は普通だったら犯罪や事件になるような出来事にキャラクター達がよく巻き込まれますが、ラストはおとぎばなしみたいに「めでたしめでたしチャンチャン♪」で終わるのが特徴ですね。『pink』では主人公のユミちゃんがスリルとサスペンスを得る為にワニを飼っていましたが、星子がどんな暴力も愛だと思えたのはそれが一番リアルだったからなのかもと思いました。