主人公の星山星子は空知くんのことが好き。何年も片思いしていて何回も告白してフラレ続けているがそれでも好き。しかし夏休みのある日に空知くんから電話で映画に誘われます。そして失恋で自暴自棄になった空知くんから「俺のペットになれ」と言われてしまいます。タイトル通り『私は貴兄のオモチャなの』というような展開になる訳ですが、ここに別の男達も加わって星子はかなりめちゃくちゃな目に合います。最終的に空知くんが星子に対して「酷いことをしてごめん」と謝って二人は別れるけど、星子は空知くんのことを嫌いにならなかったという話です。
岡崎京子先生の絵じゃなかったら読めないようなバイオレンスなシーンがあるし、あらすじにも「賛否両論の激しい反響を巻き起こした表題作」とありますが、私は好意的に受け取りました。岡崎京子作品は普通だったら犯罪や事件になるような出来事にキャラクター達がよく巻き込まれますが、ラストはおとぎばなしみたいに「めでたしめでたしチャンチャン♪」で終わるのが特徴ですね。『pink』では主人公のユミちゃんがスリルとサスペンスを得る為にワニを飼っていましたが、星子がどんな暴力も愛だと思えたのはそれが一番リアルだったからなのかもと思いました。
愛と暴力…「あたしの体自由に使っていいよ愛とか好きとかいらないっすオモチャにしていいよ犬になってあげるっす」賛否両論の激しい反響を巻き起こした表題作のほかに「でっかい恋のメロディ」「虹の彼方に」「3つ数えろ」のじっくり読ませる異色短編を同時収録。
愛と暴力…「あたしの体自由に使っていいよ愛とか好きとかいらないっすオモチャにしていいよ犬になってあげるっす」賛否両論の激しい反響を巻き起こした表題作のほかに「でっかい恋のメロディ」「虹の彼方に」「3つ数えろ」のじっくり読ませる異色短編を同時収録。