sogor252019/01/24果たしてこの作品に今後ラブコメの「ラブ」のほうはあるのかそれぞれの趣味を語るときの、腐男子の飛島くん、百合女子の町屋さんのテンションの振り切り方が表紙詐欺レベル。そして明らかに前作より一コマの情報量が多い。完全に物量と圧力で攻めてくるタイプのコメディ。 主人公が腐女子っていう設定の作品だと多いのが同人でBLを描いてるっていうもの。でも今作は美大が舞台。その結果、同人活動よりも性癖バレのインパクトが大きくなるのと、仕事とかいうオタ活動に不要な存在を消し去ることでより趣味に没頭するキャラを描くことができるのが強みかも。 ちなみに、物語の途中、前作「のぼさんとカノジョ?」の主人公らしき人物が登場します。 『宗教論の授業?もしや…やっぱり!のぼせんせぇぇぇ!』と叫んだのは私だけじゃないはず。 1巻まで読了。咲けよ花咲け!モリコロス1わかる
sogor252019/01/23不可思議な世界観を尻目にどんどん進んでいくストーリー死後の世界、殺し屋が裏切りの末に殺したかつての仲間を探して本当の仲間・家族になろうとする。あらすじだけでなんかヤバそうな物語だというのが見て取れるけど、世界設定もかなり謎を残してて全く先が読めない。 死後の世界だけども普通に人が日常生活を送っているという不思議な世界観。それどころか現れる死者に応じて勝手に世界が改変される様子。一応かつての仲間を見つけるというのがメインに置かれてるけど、この死後の世界全体にもっと大きな謎が隠されてるような気がしてならない。 1巻まで読了。殺人プルガトリウム小手川ゆあ4わかる
sogor252019/01/22物語の七変化にワクワクが止まらない表紙を見た瞬間はファンタジー作品なのかなという印象。物語の主人公は変人だが天才の美人天文学者アイラ、それと彼女の助手となることを志願する青年、間宮。凸凹バディものっぽい導入を見せたかと思いきや、話が進むに連れてどんどん深まるSF感、そして突如として現れるミステリー要素。ページを捲るごとにジャンルが変わる様子はまさに七変化。画力の高さもそれを表現するのに充分すぎるほど。更に様々な要素をただばら撒くだけじゃなく、1巻の中で物語の流れと盛り上がるポイントも作っている。何だこれメチャクチャ面白いぞ。 1巻まで読了。異邦のオズワルドおかざきさと乃8わかる
sogor252019/01/21モノクロとフルカラー、2種類の電書版という面白い試み登場人物の会話や行動の可愛らしさと、謎の多い世界観や”顔のない”シャドー一族の造形とのギャップが凄まじい。だがそれがいい。果たしてこれはファンタジーなのかミステリーなのか、もしかしたら異類と暮らす日常系に近い作品なのかもしれない、それくらいまだまだ先の展開は読めない。 電書はモノクロ版とフルカラー版の2種類を販売というのも面白い試み。購入したフルカラー版は着色によって明暗が強調されていて、ページ全体から作中世界の雰囲気が感じ取れる。試し読みでモノクロ版も読んでみたけど、こちらはシャドー一族のベタ塗りでの黒さが異様に際立ってて、別の意味の不気味さがある。正直モノクロ版も別で買ってもいいかなと思う程度にはそれぞれに良さがある。 1巻まで読了。シャドーハウス カラー版ソウマトウ6わかる
sogor252019/01/21見事なまでの"青春恋愛マンガ"開幕からいきなり心を抉ってくる展開。モノローグ、表情、マンガ的な表現、様々な方法で登場人物の心情が描かれる。同性愛というものがテーマにあることは間違いないんだけど、それ以上に"普通の高校生の恋愛マンガ"が描かれているという印象を受けた。 気になっているのは、「弟の夫」では見られたゲイカルチャー然とした男性のイラスト表現があまり見られなかったこと。田亀さんが意図してそう描かれてるのかは分からないけど、「弟の夫」より更に一般層向けを意識してるのかなと感じた。 1巻まで読了。僕らの色彩田亀源五郎3わかる
sogor252019/01/21百合カップルが自然に馴染む良き人間関係恋愛ものとしての2人の空気感だけでも充分愛でられる作品なんだけど、大学やサークルの周囲の人間との関係性の中に自然に溶け込んでて、群像劇のような作品全体の雰囲気に魅力を感じる。遠くからずっと眺めてたい。 穿った見方かもしれないけど、同性愛を公言することに対する葛藤、性に対する温度差、そしていざ一夜を共にした時の距離の詰め方など、BLでは鉄板だけど女性同士の恋愛ではあまり扱われなかった気がする。そういう意味ではかなり女性目線を意識して描かれた作品なのかもしれない。 1巻まで読了。付き合ってあげてもいいかなたみふる10わかる
sogor252019/01/20コミカライズが綺麗にハマったミステリー作品一般的にマンガという表現方法はミステリーには不向きだと言われてるけど、登場人物が多くてかつ会話劇がメイン、そして視覚情報自体が状況の理解には一役買うけども事件の伏線を示す上ではそこまで寄与しないということもあって、この作品に関してはコミカライズはかなり合ってたんじゃないかと思う。 登場人物が多いだけに掘り下げる要素も多くて、実は2巻まではかなりスローペースに感じていました。ただ最終3巻、事件の種明かしから幕引きに至るまで一気に転がっていく展開は心地よい。 全3巻読了済。十二人の死にたい子どもたち熊倉隆敏 冲方丁1わかる
sogor252019/01/20これは見事なセルフ翻案前作「ヒル」から比べてサスペンス度合いが強いと共に、巻き込まれた形の主人公のユウキが事件に前のめりに動くので物語の速度感がかなり早く感じる。そして速度感があるからこそ1ページ先の展開を読ませない。 前作の設定をちゃんと活かしつつ、前作とは明確に違う読み口の作品、むしろ1話から大きく事件が動く分、前作未読の方はこちらか先に読んでもらうのもアリかもしれない。 しかし5年以上前の作品が電書で人気になって新編開始、でこれだけの物語を作り上げるあたりは流石の一言。 2巻まで読了。ヒル・ツー今井大輔3わかる
sogor252019/01/20きっとこれは夫婦の日常の物語仲睦まじい夫婦の食卓を覗き見してるような、微笑ましい様子を眺める日常系の作品、私はそのように感じました。ただ物語のアクセントとして奥さんが妖怪をジビエ料理にするとうだけなのです。 個人的には妖怪を食べることをメインに置いた作品じゃないと思ったんですよね。ファンタジー食ならもちろん「ダンジョン飯」という先駆者があるし、変わった食材という意味なら「桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?」「山賊ダイアリー」等もある。ただ、それとは違った魅力をこの作品から感じたのです。 あ、ただ妖怪の調理の時にちょっとしたグロさはあります。その辺りは上に挙げた作品と同様かも。 1巻まで読了正しい妖怪の食べ方むこうやまあつし1わかる
sogor252019/01/20これはいいパラスポーツ作品になりそうテーマはスポ根っぽいけどBE・LOVE連載なだけに文脈は少女マンガ寄り。義足の専門的な話などもありつつ全体的に爽やかな画作り。言ったら幾らでも重い展開に出来るようなテーマなんだけど、例えば骨肉腫で右下腿を失ったっていう設定を説明だけに留めて、画面作りを明るく、かつ純粋に走ることに対する物語を中心に展開。パラリンピックを見据えた企画だろうし、極力ポジティブな物語にしようという描き方には好感が持てる。物語が進む中で主人公の鈴がカッコよく走るようになってくれることを期待。 1巻まで読了。ブレードガール 片脚のランナー重松成美2わかる
sogor252019/01/201945年の日本×異形の怪物 という異色の組み合わせ異形の怪物の出現により第二次大戦が休戦となった世界という設定も然ることながら、戦闘狂に見えてかなり人間味に溢れる主人公の希平のキャラも面白い。司令官の比命や希平の上官の鏡介など、主人公以外の登場人物もキャラが立ってるし、1945年の世界観にアンマッチな怪物のデザインや敵キャラの存在感もエッジが効いてる。 敵キャラの登場で大きく風呂敷を広げた形だが、ここからどう展開するか楽しみ。まだまだ表に出てない設定もありそうだし、じっくり巻数掛けて描ききってもらいたいところ。 1巻まで読了。キヘイ戰記原田ケンタロー1わかる
sogor252019/01/20しかしこの女騎士、ちょろい。SNS発マンガの普及で増えてきた1話8ページ前後のマンガ。取っ掛かりのアイデア1本あれば話数を重ねて面白い作品に仕上げられる、というのを体現してる作品。内容はほぼタイトル通りなんだけど、3話くらいで女騎士はもう屈してる。気がする。 面白いなあと思うのは女騎士レオに告白した魔法使いフーリーのキャラ。魔法使いとしての有能さでレオが都合よく好感を持つ理由を出しつつ、少し油断すると下心が見えてレオが反発するきっかけを与える。結果、レオが実質ほぼ落ちてるのに、ツン:デレ=2:8くらいの絶妙なバランスにギリギリ留めている。 1巻まで読了。今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画マツモトケンゴ
sogor252019/01/20すれ違いコメディが好きなら間違いない作品この作品は春夏冬さんの特徴的な目5%、萩好さんの中二病要素5%、雰囲気ホラー5%、唯一の常識人枠崇桐くん5%、そして誤解と勘違い80%でできています。 表紙がなんだかんだホラーっぽさがあるのとシリウスレーベルなので若干重めな感じに見えるけど、中身は思いっきり頭空っぽにして読めるいいコメディ作品。 1巻で春夏冬さんと萩好さんが幸か不幸かお近づきになってしまったので、2巻以降はコメディの手数や種類が増えてもっと加速していきそう。 1巻まで読了。春夏冬さんに呪われるっ!?三ノ咲コノリ
sogor252019/01/20ネタバレあらすじで気になったらとりあえず3巻まで読んで!コールドスリープで同級生になった弥太郎と7歳年下の絃。妹のような目線でしか見ていなかった弥太郎と憧れの気持ちで見ていた絃、2人の気持ちと距離感のアンバランスさが絶妙で、それがどう変化していくのかをドキドキしながら楽しめる作品。 だと思ってました。2巻を読んだ段階では。 3巻で一気に物語が急旋回。こうなってしまったらもう目が離せない。 3巻まで読了。君は春に目を醒ます縞あさと3わかる
sogor252019/01/20悪意のない優しい世界序盤になんかちょっと悪役っぽい人が出てきてた気がするけど、ずっと性格の悪いキャラが出てこなくて、本当に安心して2人の恋路をずっと眺めていられる。 例えばこれを実写でやるとすごい冗長になりそうで、そういう意味ではマンガだからこそ成立しそうな優しい世界。個人的には起伏のある物語が好みではあるけど、そういう作品ばかり読んでて気を休めたいとき、もしくは単純に現実世界に疲れたとき、この作品があるだけで癒やしになる、そういう作品。 6巻まで読了。かわいいひと斎藤けん2わかる
sogor252019/01/20ネタバレ前作を読んでなくても楽しめる。読んでればもっと楽しめる(かもしれない)1話は仁太視点で表紙の女の子、常世との別れまでを描き、2話からは常世視点で3年後を描く。可愛らしい表紙に反してなかなかの鬱展開で、再会後の仁太の豹変ぶりが追い打ちをかける。ただ、常世が仁太のことを信じているということもあるけど、1話が仁太視点で描かれていたからこそ、読者側も仁太を信じて読み進められる。 桐丘さなさんの前作「大正処女御伽話」は読んでなかったんだけど、1巻を読む限りではこちらから入っても問題ない感じ。ただ調べてみると「大正処女御伽話」のほうの登場人物がそのまま年齢を重ねた形で登場してるようなので、これを期にまとめ買いして読もうと思います。 1巻まで読了昭和オトメ御伽話桐丘さな4わかる
sogor252019/01/20異世界のワーカホリック系お仕事マンガ、でも世界観は超ライト中世感のあるファンタジー世界で働く配達人が主人公という独特性もあるが、今巻辺りからより主人公以外へのフォーカス度合が強くなり、群像劇の様相を見せてきた。この作品世界的には割とハードモードっぽい事件がちょこちょこ起こってるんだけど、全体にお気楽な雰囲気で話が進んでいくので、いい意味で軽い気持ちで読んでいける。ファンタジーでも仕事ものでもあるけど日常系のような緩さもあるので、誰にでも薦められるタイプの作品。 4巻まで読了。竜と勇者と配達人グレゴリウス山田
sogor252019/01/20ボードゲームの面白さとキャラの成長の両方をしっかり見せてくれる毎話ボードゲームを1つ紹介して、実際にキャラがプレイすることで「遊んでみたい欲」を駆り立てるというのも作品の特徴としてあるんだけど、長期の連載を通してたくさんのキャラクター達が登場し、それが気付いたら学年や性別を問わず、1人の例外もなくボードゲームで一緒に遊ぶ仲になっているという、その人間関係の広がりを垣間見ることができるというのが最大の魅力だと思っている。 「アニメ化したら絶対人気出るんだけど難しそうだなぁ」とずっと思ってた作品。なのでアニメ化決定は本当に嬉しいし、アニメを通してこの作品に触れる方が増えることが楽しみで仕方がない。 13巻まで読了。放課後さいころ倶楽部中道裕大22わかる
sogor252019/01/20読み進めることに確実に心のざわつきが増していく体が徐々に変化していき最終的に完全に動物になってしまうという「変身病」というものがある世界。絵柄も含めた軽妙さは作品全体に共通してるけど、そこからは想像できない深い設定とドラマ性。各話ごとは間違いなく面白いんだけど、読み進めることに確実に心のざわつきが増していく。改めて考えるとかなり救いのない設定ではあるのだけど、この絵柄と雰囲気、あと動物園の園長のような軽めのキャラ、この辺りが上手くバランスを取って入り込みやすい作品に仕上がってるのが凄い。 というか冷静になって見ると園長の設定も直視できないよ正直。 1巻まで読了。パンダ探偵社澤江ポンプ3わかる
sogor252018/12/31これを見た人は全員買ってください(懇願)1巻の段階では「お江戸ガールズコメディ」ってコピーだったんですよ。これがたった4巻でこれだけ完成された人間ドラマを見せる時代劇に変容しようとは。3巻の終わりから続くこの展開の盛り上がりはただただ圧巻と言うしかない。1巻でも若干布石っぽいのはあったけど基本コメディ路線、巻が進む毎にドラマ性が強くなってくる、色んな要素が入りすぎてTAGROさんがこれまで培った手法やアイデアを全部ぶつけて描いてらっしゃるのではと思うほど。 3巻発売の辺りからか、売り上げが芳しくないのかTAGROさんがtwitter上で全力の広報活動を行なってらっしゃいました。正直、この作品が売れないと、作者側からのSNSを使った宣伝活動の努力の限界を見せつけられてしまっているような気がするので、何とかして売れてほしいのです。読めばわかります。別式TAGRO12わかる
sogor252018/12/31続きが読めるだけで感謝お互いを大事に思ってるからこそ、告白劇があっても性急に答えを出さずに付かず離れずの関係が続いていく。でもそれぞれの心境にははっきりと変化がある、その様子がとにかく甘酸っぱい。 イケメン女子と女装男子っていう大元の設定が3巻に入ってもちゃんと活きてて、特にあきらの方は自身の性格にも根付いてる部分だから、一挙手一投足が初々しくてずっと見ていられる。 何より1年9ヶ月振りの新刊。大事に読ませて頂きました。 3巻まで読了。おとなりコンプレックス野々村朔6わかる
sogor252018/12/31表紙のポップさに騙されてはいけない(褒め言葉)青の単色刷りで一見爽やかなのに物語の構成が巧みでかつずっしりとした重みのある「セイキマツブルー」、可愛らしい絵柄なのに読み進めるごとに背筋がゾワっとする「怪虫の夏」の2作収録。 表紙で騙され、導入の爽やかな雰囲気に騙され、物語に入り込んでしまったあとにとんでもない爆弾を放り込んでくる。しかもそれぞれの作品で違うタイプの怖さ。これはなかなかの怪作。セイキマツブルーヒロタシンタロウ4わかる
sogor252018/12/31ゆっくりじっくり歩みを進める百合作品大沢さんの絵柄もあるかもだけど、シリアス展開になってもどこか全体に正のオーラが漂ってて、2人が結ばれようが離れようがそれはハッピーエンドなんだろうなと思えた作品。そして爽やかないいエンディング。 最初は社会人の女性2人が同居してはいたけど恋愛の雰囲気がなくて、話が進むにつれてどんどん百合要素が入っていく、時間経過とリアリティを感じられる稀有な百合作品でした。 全8巻読了。2DK、Gペン、目覚まし時計。大沢やよい5わかる
sogor252018/12/25ネタバレ1巻ずつゆっくり噛み締めながら読むべき作品連載誌「楽園 Le Paradis」が季刊誌(年3回発売)ということもあり、登場するカップルそれぞれに対して内面の動きや関係性の変化を丁寧に描いている作品。その分1巻毎に色があるので、1冊ずつ味わいながら読みたい作品。 最新刊の9巻の展開はベタといえばベタな展開。今から一気読みするならそこまで引っ掛かりがないかもしれないけど、足掛け8年を掛けて14歳の1年間を描いてきたこの作品でこんな展開を持ってこられたらもう受け止められない。この感覚は長年この作品を追ってきた私達の特権だと思う。 9巻まで読了。14歳の恋水谷フーカ8わかる