兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
スマホアプリでマンガを読む時代になってから、一気にサバイバル物やサスペンス物が増えました。この『BMネクタール』は今の時代にスマホ連載されていたならば、当時よりももっと話題になりブレイクしていたのではないか……そう思わせられてならない、パニックホラーの名作です。 タイトルのBMとは「バイオミート」のこと。食糧難に陥った人類が人工的に開発した栄養豊富な食糧です。しかし、その知られざる食糧の真の姿はあらゆる物を捕食し高い再生能力を持つ恐るべき怪物でした。そして、厳重に管理されていたはずのBMが解き放たれ人類に襲い掛かります。 『進撃の巨人』然り、生物の頂点にあるはずの人間が容易く蹂躙され捕食されていく姿には本能的な恐怖を喚起させられます。そしてBMのビジュアルが本当におぞましい!一見しただけで生理的嫌悪感を催すという点で、マンガという媒体の魅力を生かし切っている作品でもあります。 パニックホラー物やサバイバル物でありがちなのは途中が中弛みしてしまったり、あるいは途中までは面白かったものの最後が今ひとつな感じで終わってしまったりという展開です。しかし、この『BMネクタール』は全12巻という程よい巻数の中でテンポ良く終わりまでしっかりまとめてくれています。読み出すと続きが気になって一気読みしてしまうこと請け合い。 電書になったこの機会にぜひ触れてみて欲しい作品です。
名無し
1年以上前
ヤングマガジンでの漫画も凄く良いが、 テレビ東京のドラマ24での実写ドラマも 凄く良かったので是非シーズン2,3と作って欲しい。 でもまったくそんな気配はないみたい。 ドラマ24での「孤独のグルメ」は大ヒットで この時間帯としては異例の視聴率3.5%前後を コンスタントにたたき出してシーズン7まで作っている。 また、同じグルメ系漫画のドラマ化として 孤独のグルメと同じようにシリーズ化を期待された (らしい)「忘却のサチコ」は 平均視聴率で2%で、TV局側としては 期待はずれだったとかネット記事などでは評されている。 あと、視聴率は不明だが「ワカコ酒」も BSテレ東でシリーズ化されている。 一方、ドラマ24での侠飯の視聴率は 平均で2.4か2.5だったはず。 忘却のサチコより上だし、他のドラマ24作品よりも いい数字のはず。 しかも原作小説は既に存在するのだから ドラマのシーズン化のハードルは低いと思うのに なぜにシリーズ化されない? 邪推かもしれないが、 「孤独のグルメ」「忘却のサチコ」 「ワカコ酒」っていずれもが 外食・外飲みが舞台になる作品なんだよね。 一方で「侠飯」はほとんど家庭内での手料理。 あるいは宅飲みが舞台になっている。 何か、この辺にシーズン化が されない理由がありそうな気が・・・ 家庭用調味料メーカーとかとうまいこと タイアップできないもんかねえ。
名無し
1年以上前
釣り漫画の名作「釣りキチ三平」で、 三平君のカッコイイ頼れるアニキ分として 人気キャラだった魚紳さんが時代を越えて登場。 第一巻では三平君のサの字も出てこないので もしかしたら三平くんは存在しない世界の設定なのかもしれないが。 けれど題名がバーサス魚紳さん!(以下、VSG)だし、 話が進めば対戦相手に三平君が登場するかも。 自分も「釣りキチ三平」はリアルタイムで読んだので 魚紳さんが主人公のスピンオフにはとても興味を持った。 ただ、本作品VSGを読む前には 「魚紳さんって、それほど勝負師ではないだろ。  なのに勝負中心の釣り漫画ってどうかなあ」 という違和感を感じていた。 もちろん釣りキチ三平では各種の釣り勝負が行われて いて魚紳さんも何度も釣り勝負をしている。 だが釣りキチ三平の本質は大自然との触れあいだった、と思う。 必ずしも勝負とか勝ち負けがキモではなかった、と思う。 なので「設定を間違えた漫画なのでは」と 勝手に危惧していた。 だが、第三話あたりまで読んで納得した。 魚紳さんは釣りを一生追い続けるつもりだが、 だからといって、 次もあるだろうから今回はまあ良いや、 とは、できない・なれない。一期一会。 いつだって本気でやらなければ追い続ける意味がない。 本気でやらなきゃわからないものがある。 だからいつだって真剣勝負だ。 多分、魚紳さんの釣り哲学は、そんな感じではないだろうか。 と、グダグダ述べたが実は単純に魚紳さん、 根っからの勝負師だったのかもな、とも思った(笑)。 釣りキチ三平での初登場時でも ガキンチョの三平君に本気で釣り勝負を挑んでいるし。 どっちにしろ魚紳さんはやはりカッコイイ。
釣り漫画の名作「釣りキチ三平」で、
三平君のカッコイイ頼れるアニキ分として
人気キャラだっ...
mampuku
mampuku
1年以上前
 昭和テイストの萌えエロコメ。絵柄や構図などはビームコミックスなどでよく見る(若干食傷気味の)人工的なレトロタッチなんですが、この作者が凡百のレトロ風漫画より全然見れるな、というか良いなと思えるのは、少女漫画ばりのキラキラ感があるからでしょうか。その点は入江亜季にも似てますが、あちらはキャラまでが少女漫画的であるのに対し、こちらはどちらかというと少年漫画的です。昔の少年漫画的なセクシーなお姉さんが、昔の少女漫画ばりのキラキラ絵柄で描かれるとなるほどこうなるのか、と(もちろん、どちらも萌えの文法で今っぽくブラッシュアップされているのは言うまでもないですが。)  まず、頭の悪さ全開のスピード感がシリアスな笑いを誘う冒頭5ページでなんとなくこの作品の楽しみ方がわかります。掴みの強烈さは柴田ヨクサル「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」に近いです。ただしあれと比べると「レイチェル」の方が計算してやっている印象を受けます。色々と展開が雑で無茶苦茶なんですけど、そこが笑えるというか。  また、各話のサブタイトルが「ダイタンな○○」「○○に御用心」など昭和全開なところも芸が細かいというか、コンセプトがわかりやすくていいですね。私は「思ってたのと違う(ので残念)」という考え方が嫌いなんですが、目次と冒頭5ページでしっかり作品紹介ができていてとてもスマートだと感じました。
mampuku
mampuku
1年以上前
 もう7年以上も前になります。32歳という若さもあり、ショッキングな事件でした。  「SWWEEET―スウィート―」「ストロボライト」「チャイナガール」を経て、イブニングで連載されていた本作。徐々に知名度を上げながら着実に階段を駆け上り、「このマン」上位進出も有望視された中での急逝……当然ながらこの「よいこの黙示録」は既刊2巻で未完となりました(厳密には、既に連載されていた分と第6話のネームおよび下絵、設定画などが第2巻としてまとめられ翌年刊行されました。)  内容に関しては、永遠に未完となってしまったことが悔やまれるほど素晴らしいもので、続きが気になる、というより結末が気になる複雑怪奇なストーリーでした。クラスを言葉巧みに操る一人の天才的少年の手によって、新任教師・湯島朝子をも巻き込んだ新興宗教「神童教」が誕生していく様子が描かれている。一人称主人公であり唯一の大人であるはずの朝子が、無意識のうちに取り込まれていくのがとても面白かったのですが、首謀者・伊勢崎少年の素性がこれから明らかになるか……といったタイミングで終了となってしまいました。  宗教という、人類社会の繁栄と密接な関係にある普遍的テーマと、小学校の教室という特殊な閉鎖環境、この奇妙な組み合わせが斬新で、緻密に練られたストーリー展開にワクワクさせられました。  2巻にはその後の展開も含めたプロットが載っていて、これがまためちゃくちゃ面白く、この内容が漫画化される日はこないという残酷な現実に絶望させられます。(プロット案によると朝子は伊勢崎によって完全に手籠めにされてしまうようです。ショタおね大好きなのでこれ是非は見たかった……!!)