ナベテツ
1年以上前
伝統や風習、常識というものに囚われてしまうのは社会に生きていると仕方ない部分もあるのですが、この作品はそんな常識に真っ向から立ち向かった一人の医師の物語です。
解剖医ジョン・ハンター。「ドクタードリトル」「ナイフマン」「グール」というおよそ医者として不名誉なあだ名をつけられても、全く意に介せず己の仕事「解剖」で人体という地図を描き続けるハンター。
司馬遼太郎さんの「胡蝶の夢」という作品で、西洋の医学が幕末に受容される過程が描かれるのですが、ハンターのような存在が医学を進めたのだと想像させられました。
医学の歴史に詳しくない自分のような人間でも、楽しく刺激的な名作だと思います。