天沢聖司
天沢聖司
1年以上前
どうやったらこんな面白い漫画がかけるの??天才すぎないか? 陰キャ・ルイルイと、彼の前に現れたヘヴィメタが好きということしかわからない謎の美少女・ミンミの物語。白黒がスッキリはっきりしたポップでかわいい作画でメタルを描くとこがまずもうお洒落でエモい…! 最小限の説明で最大限にキャラの魅力を描き出す手腕がすさまじい。ミンミ自身に説明させることなく、周囲の口さがない人間の言葉だけで彼女とおじいちゃんががどれだけ不愉快な狭い世界に生きていたのかが察せられて苦しかった。 ミンミの根無し草感…いつかフラッと居なくなってしそうな感じは、ずっと最初からしてたけどあんなふうに居なくなってしまうなんて酷すぎる。 2人の生き様は面白いことにちょうど逆になっているのがニクい。 ミンミは、おじいちゃんの葬式で願いを叶えられなかったことを通じて、「今生きている人を満足させたい」と行動するようになった。逆にルイルイはミンミの死を通じて、死んだミンミがずっと願っていた「ルイルイに葬式でヘヴィメタを歌ってもらうことで人生勝ち逃げする」という夢を叶えてあげた。 ルイルイがミンミのために書いた曲の冒頭があの有名な「ガチ恋口上」から始まってて、ルイルイがどんな想いでミンミを見ていたかすごく伝わってきてグッときた。 最悪な家族をふっとばして、自分のために書いてもらった大好きなヘヴィメタをルイルイに歌ってもらえて、こんな幸せな葬式ないと思う。 ザシマ先生何者…?マンガの星から来たマンガ星人…?あまりにも面白すぎる…。 ミンミも幸せだったと思うけど、それ以上にこの漫画を読めた自分は幸せです!!!!
どうやったらこんな面白い漫画がかけるの??天才すぎないか?

陰キャ・ルイルイと、彼の前に...
六文銭
六文銭
1年以上前
大河ドラマ『どうする家康』が好きで、武田家の話がメインになったとき、本作にたどりつきました。 武田家の滅亡を武田側の目線で描いた作品。 正直、信玄以後、長篠の戦いで織田・徳川連合にフルボッコにされた後は、どう滅ぼされたのかあまり知らなかっただけに、その点も興味深く読めました。 主人公・レイリは、織田兵に家族を殺され、襲われているところを、武田家家臣・岡部元信に救われる。 武田領で剣技を磨き過ごしていたところ、武田家の嫡男・信勝に似ていることから影武者として教育をうける。 そこから、織田・徳川による甲斐征討に巻き込まれる・・・という展開。 個人的には、歴史モノとしては珍しい、非常に読みやすいのが特徴だと思います。 文章による説明が多くないのにも関わらず、問題なくストーリーが入ってくるのが、巨匠・岩明均だとうなりました。(もちろん背景となる歴史をある程度知っておく必要はありますが・・・) レイリという名前の由来とそこから派生する最後の描写は非常によかったです。 何より、後で調べたのですが、 最終的に家康に士官し、レイリによって育てられた土屋惣蔵(土屋昌恒)の息子、その母親は岡部元信の「娘」だと知って、岡部元信のあのセリフがフラッシュバックしてグッときました。 歴史モノとしてでなく、歴史の流れに翻弄されるヒューマンドラマとしても楽しめる作品でした。
かしこ
かしこ
1年以上前
一攫千金を狙ってインドで劇画漫画を売ろうとしたけど失敗した実話です。お金儲けの参考には全くなりませんが、英語もヒンドゥー語も喋れないのにインドに渡って、部屋を探して、現地で人を探して漫画を翻訳して、日本と同じように製本して、道端で売る…結果として失敗に終わったとしても、この偉業をたった一人で成し遂げたガッツには見所があり過ぎるくらいあります。インドに来てから帰るまで、交渉、交渉、交渉…の日々なんですが、それがスムーズにいかないのが当たり前で、私なんかは読んでるだけで体力を消耗してしまいました(何度も単語が出てくるので「ナヒーン(ダメ)」を覚えてしました)。でも山松ゆうきちさんにはお金を儲けたいのと同じくらいの気持ちで「俺が面白いと思う漫画を面白がってくれる奴がインドにもいるはずだ」と思っているピュアなところがあるので、最後まで見届けたくなるんです。スラム街に住んでいるタフなインド人と対等にやっていけるんだもん、あらゆる面でただ者じゃないです。私は自分のことを感覚的に生きる右脳タイプの人間だな〜と思ってたのですが、山松さんの生き方を見ていて自分はまだまだ理性的だったことを悟らされました…。
なかやま
なかやま
1年以上前
あさりよしとお 氏の代表作品 氏の作品を読んだことのない方に、どの作品をオススメするかと考えたら この 宇宙家族カールビンソン を挙げると思います。 80年代から00年代まで続いた作品で、初期の絵柄は THE 80年代っぽいですが、 あさり氏が80年代の絵柄を作ってきた一人だと私は考えています。 基本的には一話完結のストーリー あらすじにあるように、 宇宙船同士の事故を起してしまった宇宙の旅芸人たち 事故相手の宇宙船で生き残った赤ん坊をコロナと名付け、迎えが来ても自分の星での生活に困らないように、残った資料からその星の「家族を演じ」ます。 コロナの星は「地球っポイ星」なので、どことなくズレた日本っぽいやり取りがクスりときます。 かなり濃ゆいメンバーが出てきますが、やはり「おとうさん」が自分は好きで 彼の「過去の話」は今でも強烈に覚えています。 一話一話、ギャクテイストではありますが、全体を通して少し儚さがあります。 壊れてしまいそうな部分をみんなが必死に支えている感じが、とっても染みます。 全11巻との表記がありますが、明確に終わっているわけでは無い作品です