あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
一人の十代の「女性」の葛藤と自己確立の為の、繊細なドラマである本作。軸が無くフラつく人の苦しみに心寄せたいと思う方には是非、手にとって欲しい作品です。 ★★★★★ アイドルになりたかった主人公・雪乃。彼女が欲しかったのは「皆んなに見られる」事でした。 誰も自分を見てくれない都会で、自分を見つけてくれた節子と恋人になった雪乃。しかし「皆んなに見られたい」欲望、節子が自分以外を見るかもしれない嫉妬、男性への嫌悪と好奇心、はっきりしない性指向と外からの視線……百合好きに嫌われる例の「裏切り」のシーンは、雪乃の歪みと捉えれば、私も心を寄せられる。 全てに好かれたかった雪乃。しかしかつて信頼していた人の心は、ほんの少し時を置き・場所を隔てて全く別物の様に変化し、一瞬で雪乃を裏切る。 一方、例のシーンを含め、雪乃と節子の心も、ほんの数コマで簡単に変化する様子が何度も描かれる。では雪乃を裏切った人達と、節子との違いは何だったのか。危うげな雪乃と節子の関係はどう変わっていくのか。……そこは是非、作品を読んで確かめて下さい。 描かれる人間模様、雪乃の心模様に苦しさを覚える事も多い作品です。しかしそれ故に自己の頼りなさ、どうやって人は心を保って歩き続けるのか、という事を我が事の様に考えさせられる……やっぱり名著だと思います。
名無し
1年以上前
子どもの頃は兄が持っていて借りて読んでいました。 未だになぜなのかわかりませんが、ジャンボが肩車してよつばがセミを取ろうとした時に起きたあのジャンボの顔がツボに入って読むたびに笑っていました。 名前だけは出てくるけど、なかなか登場しないヤンダがどんなやつなのか想像してワクワクしていた時を今でも覚えています。 その後、自分で漫画を集めるようになり周りによつばと!がおもしろいよ!とおすすめしまくっています。 気づけば10体以上のダンボーフィギュアと暮らし、よつばとを知らない人達にもダンボーの写真撮ってる子という認識をされるようになりました。 楽しい日も辛い日もよつばとを読んで眠りにつくと気持ちが落ち着きます。 数え切れないほど読み返して、原画展で書き込みの凄まじさを目の当たりにしてまた違う視点で見えるようになって、ジャンボの顔で涙が出るほど笑っていたあの頃の私はもういないけど、よつばととともに私も成長しているような気がします。 でも、そんなしんみりする話じゃないです。 よつば達に影響受けまくりでいつか気球見に行きたいし、キャンプもしたいし、管理釣り場で釣りがしたいし魚の塩焼き食べたいし、ビーズアクセサリーだって作りたい!! ちなみにビーズアクセサリーは最近叶えました。 友達が遊びに来てくれたので、ビーズやりたいんだけど!と打ち明けたところ、ノリノリで大人2人童心に返ってアナログな遊びをしました。 やんだのせいで無性にバナナジュースが飲みたくなります。 まさかあれが伏線だったとはね。 お正月が読めるのは何年後になるかな。 早めがいいな。 私が30歳になるまでには読みたいな。
ピサ朗
ピサ朗
1年以上前
原作者は昔ネットでエロ小説を発表されていた方なのだが、願望充足全開なご都合主義的なエロ小説と思わせて「どんな凄い力を手に入れたって幸せにはなれない」ようなストーリーが特徴で、そのノリがぶち込まれてる作品。 異世界転移したJKとDKの内、JKハルは男尊女卑の社会制度上娼婦ぐらいしかできないのだが、それもまぁいっかとあっけらかんとドライに現実に生きているのだが、 DKの千葉は異世界転移して凄い力を手にして調子に乗って活躍しているが、魔王を倒すでもなくその力で稼いでちやほやされて満足してるだけでいわば夢に生きている。 千葉はオタクで同じ世界から来てるのも手伝いハルにちょっかいを出すが、顔面もそうだが調子こいた結果の敵も多くてハルにそれをぶつける客もいるしで、ハルは千葉を嫌ってて同じ年代の女性とおしゃべりする方を遥かに楽しんでいる。 正直ハルにせよ千葉にせよ言動・行動のある種の生々しさと醜さが手伝い、ビジュアルはそうでもないのに嫌悪感が強いのだが、原作小説が先に進むとコレがまたまぁ… ハルはハルで社会制度やこの世界の不幸をひっくり返せる、嫌悪している千葉と同じくチート能力の持ち主だが、社会制度の改革なんて男尊女卑のこの世界じゃ男の仕事だろとでも言わんばかりの態度で、 千葉がこの世界のレベル限界なんかの現実に屈した裏で、ハルは現実に生きているが、能力を使用した原因だってこの世界の現実で仕方ない事だが、仕方ない事じゃ無くす事だって出来る力を持つのに、そんな夢を見ようともしていない… とにかくネット小説時代の「どんな凄いチート能力があっても俺たちは幸せになれない」ノリがハルというJKにも適用されているのだが、その能力で好き勝手していたネット小説の男たちに比べると、能力の使用は限定的で日銭稼いで毎日を楽しく過ごせれば良いという、ある種の健全な無欲さがあるのだが、その無欲さが不幸を増やしている現実からは目をそらしている…。 ほとんどのキャラは好感を持つことはできなかったが、そのストーリー自体は何とも強烈な皮肉と生々しさが魅力的で、間違いなく人を選ぶが刺さる人には強烈に刺さる作品だと思う。