うざガラミも、また愛友達の妹が俺にだけウザい 三河ごーすと 平岡平 トマリ六文銭なんと言いますか、ラノベ的な女性キャラのちょろさと言いますか、なんの労力もなくご都合主義的な流れで惚れてしまう展開とか、わかっちゃいるんですけど・・・ 大好物です!!! ええ、大好物です。もう毎日食べたいくらいです。 本作もそんな感じ。 ご多分にもれず、陰キャな主人公が無条件にモテる。 うざガラミしてくる友人の妹(惚れている)と、ひょんなことで転校してきたが態度が冷たい主人公の幼馴染(惚れている)の3人をメインに、わちゃわちゃするラブコメです。 また主人公は同人ゲーム?を指揮している立場で、友人がプログラマー、その友人の妹が声優、先生がイラストレーター、ツンデレ幼馴染がなんと・・・(ネタバレ回避) ラブコメ的展開と主人公の夢(野望?)が平行してすすみ、その過程で同人仲間との交流が進んでいくという、青春っぽい感じも良いです。 タイトルにあるウザがらみしてくる友人の妹が、とにかくかわいい。 ツンデレは、ツンとデレのギャップが良いことは周知の通りですが、ウザがらみは、普段うっとおしいのに、ふとした瞬間にしおらしくなるギャップが良いのだと認識しました。 安定のラノベ原作ラブコメですが、眼福な1冊でした。もはやわかりみしかない全員くたばれ!大学生 サレンダー橋本六文銭自分は年食って大学入ったタイプで、なんなら真面目に勉強してやろうくらいな勢いでしたので、年齢面でも精神面でもこじらせた学生でした。 なので、この主人公には共感しかなかったです。 (ちなみに、勢いとはウラハラに勉強なんて一切しないまま無為に日々を過ごしました。合掌) 共感というか、もう自分か?と思ったくらい。 何不自由なくストレートで大学きた奴とか、付属が上がりとか、ホント くたばれ! と何度叫んだことか・・・。 彼らが親の金を溶かしながらも、真面目に勉強もせず(お前もな)毎晩チャラついている様や、大二病を発症して下北あたり(大抵ビレバン)を徘徊したり、ファイ○ルファンタジーのキャラみたいな服を着てる様に、虫唾がはしってました。 そして、何より最終的には要領よく超絶ホワイト企業に就職しちゃうとこまでセットで、今思い出してもハラワタが煮えくり返ります。 なんでだよ! 普段、布一枚みたいな服着てるクセに、 スーツじゃなくても良いと言われた就活面接でも、きっちりスーツ着てくんだよ! おかしいだろ!あの布着てこいよ、布! こういう時だけ、TPO弁えるなよ! と、まぁ罵詈雑言ならべたてましたが、学生時代にこんな陰キャな感情を抱いた人は是非読んでいただきたい。 共感とともに、あの日を自分を見ている感覚になります。 そして、当たり前ですけど、こういうところから人生で差がついて、一生陽キャには勝てないんだなと痛感させられます。 現実しかない! 最期は切ないワンダフルワンダーワールド 乾良彦六文銭わたくし ロボットとか人間以外の存在が感情をもつ とか 記憶を亡くしたはずなのになぜか特定の事・人だけ本能で覚えている とか、こういう設定が弱いんですよね。 掛け算されたら、シナジーが発生して号泣必至です。 本作は、まさにそんな作品で、もうドツボでした。 登場人物の1人が、ある日ゾンビになってしまい、そこに家族や最愛の人を前にしてどう行動するのか?をオムニバス形式で描いた作品。 ゾンビになって理性を失い記憶が欠落しても、なくならないものってある。 それは愛なのか、大事なものを失いたくないという本能なのかわからないのですが、ギリギリのラインで耐える瞬間は感動します。 特に#2の父親と娘の話は、何度も読んでもグッときます。 #4の老夫婦の話も好き。 ゾンビ漫画ってだいたいパニックホラーが多いですが、 こんなヒューマン・ドラマな側面とも相性が良くて、また1つゾンビ漫画の奥深さを痛感しました。悲しいけど、現実はこんなものかも今朝もあの子の夢を見た 野原広子六文銭野原広子先生のエッセイが好きで基本全作網羅しているマンですが、本作は父親目線として、特に刺さりました。 主人公は、バツイチの子持ち。 しかし、別れるとき、奥さんが子供と一緒に失踪当然でいなくなったことで、離婚後は子供に会えず、どこに住んでいるかもわからない状況で10年が経過する。 勤務先のスーパーで、鈴木さんという若い子が入り、彼女と娘を重ねて親密になっていくなかで、物語が少しずつ進んでいく展開。 鈴木さんの行動力と助言で、娘と再会し、そして・・・という感じ。 主人公の立場、奥さんの立場、そして娘の立場で、それぞれ描かれており、読めば読むほど真実はどこにあるのかわからなくなって、まさに 真実は人の数だけある 事実は小説より奇なり とはこのことなんだと痛感します。 というのも、最初は、娘に会えない主人公に同情してました。 しかも、主人公の言い分としては、 「元奥さんが娘を洗脳し、誘拐している」 とか言うし、また娘を思い 「お腹すかせていないか」 「寒くないか」 と夜な夜な考えては眠れなくなっている様子は、子を思う親の気持ちに共感しかなく、読んでいて苦しい気持ちでいっぱいでした。 一方でで、ストーリーがすすむと、奥さん側の言い分もでてきて、そこには、主人公とその家族との不和で一緒にやっていけなくなったこと、弁護士を通してありもしないこと吹聴している主人公の様子が出てきて、どっちもどっちな感じになっていきます。 ただ、一つ言えるのは 夫婦、双方の言い分があるにせよ、一番ツライのは、それに振り回された子供という点は共通していて、それもまた読んでいて胸が苦しくなりました。 最後は仲直りしてみんなハッピー、なんてことは起きない。 壊れた関係は修復なんてされない。 悲しいけどこれが現実。 何が正しくて何が悪いのか一概には言えない、夫婦、親子関係の難しさを実感する、そんな作品でした。 ゲーム感覚でのんびり読める異世界系異世界で 上前はねて 生きていく~再生魔法使いのゆるふわ人材派遣生活~(コミック) 三弥カズトモ こばみそ 岸若まみず六文銭小生、異世界系にそこまで明るくないのですが、俺TUEEEEの無双系ばかり読んでいた時期があり、そこからすると本作は少し毛色が異なって興味深かったです ・回復系でチート能力的なものはある ・自分がバトルをするというよりは、元奴隷を冒険者にして、ボス的な立場でコマンドする ・そこから得られた利益であれこれする商人的な行動がメイン といった感じで、いわゆる領地経営的な側面があったのが個人的に新鮮でした。 上前ハネるというのが言葉はあれですが、元奴隷を冒険者にして生きる意味を与える面もあってなかなか有能な経営者っぽい感じ。 前世が、ブラック企業の社畜だった経験も活かしてます。 元々異世界系ってゲームジャンルと似ている感覚があるので、俺TUEEEE系がRPGとかFPS的なジャンルとすれば、本作はシミュレーションといったところでしょうか。 ゲーム感覚で読めるのが、両方とも好きな人間としては面白く、こういう異世界系もっと読みたい!と思うようになりました。 地味キャラ同士の恋愛に新しい手段君の心を漢字たい 須河篤志六文銭自分も陰キャ無口の地味キャラなんで、こういう登場人物が出てきて恋愛なんかしてしまうものなら、共感とともに 「どうやって発展すんだろ?」 という、疑問に対する解決目線で読んでしまう。 大抵、 お互いモジモジしてうまく伝えられない ↓ 誤解が発生する ↓ コミュニケーションの大事さに気づく ↓ 少しずつ話すようになろうと提案し、関係が一歩すすむ みたいな流れが多いのですが、本作は一味ちがう。 なんと、ヒロインの顔に、今の感情が「漢字一字」で顔に出てくる。 恥ずかしいときは「恥」の字が出てくる、という感じ。 コミュ障な地味キャラに対して、心の中が少し読める設定。 これがすごい面白い。 漢字一文字だけなので、時折よくわからなくなってしまうことも含めて、心の中が読めるようで逆に読めなくなっている感じが、焦れった度が増して良いんです。 ちょっとわかってしまうくらいが逆に、モンモンとするんだなと痛感しました。 付き合いたての2人ですが、もう両思い確定なので、安心して読める点もポイント高いです。フリーターでも人生楽しめる勝ち組フリーター列伝 吉本浩二 大西祥平六文銭タワマン文学なるものが、まことしやかに囁かれている昨今。 つまり、人より良い暮らしを演じる(もしくは目指す)ために、色々犠牲になって自分らしさを失っている人を面白おかしく描いたものだが(たぶん)、本作はその真逆をいっている感じで、たいへん自分好みでした。 フリーターといえど高収入な方も登場しますが、いずれにせよ、自分の中の価値を犠牲にしたり、誰かと比較して優劣つけたりなんてせず、たんたんと自分の好きなことを好きなだけして、自由に生活しているさまは読んでいて、学ぶことが多かった。 「〇〇じゃなきゃダメ」 と、〇〇が世間一般の評価だったり、多くの人がその道を通るやり方だったり、いつの間にかそういうもので凝り固まっていた感覚を再認識しました。 本作に出てくる勝ち組フリーターの方のように、もう少し肩の力を抜いていいんだ、それでも生活できるんだと教えてくれます。 個人的に洞窟おじさんの話が、生い立ちが凄まじいのですが(13歳で家出し43年間も山の中で生活した人)その後のエピソード含めて好きですね。六文銭1年以上前『ゆゆゆ』さんをフォローをしました良い意味でよく題材にしたなと思える作品前科者 香川まさひと 月島冬二六文銭過去に犯罪を犯した人間と、彼らが社会更生するためのお手伝いをする保護司との関係を描いた作品。 私、この作品を読むまで、保護司という職があること存じてませんでした。 しかも無給のボランティアという待遇(一定経費でるようですが)にもかかわらず、日本では約4.8万人が従事されていることにも驚きでした。 給料がでなくてもやることもそうですが、何より犯罪を犯した人間と関わる勇気というか、怖くないのかな?と思ってしまった。 本作を読むと、そして主人公の阿川佳代の考えや行動を目の当たりにすると、自分が上記の考えになっていたことが何とも恥ずかしい気持ちになりました。 親のネグレクトのせいで満足に食事を与えらなかった受刑者に対して 「(親から愛されなかった)寂しい思いは記憶としてずっと残る」 とか 「覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか?」のよくあるドラッグのメッセージに対して 「覚醒剤やっても、人間はやめられない」 とか、犯罪にばかり目がいくのではなく、人間讃歌とも言える、犯罪に手を染めなくてはならなくなった人間に対する優しい思いが溢れていて、読んでいて本当に考えさせられます。 もちろん現実は、もっとどうしょうもない人もいるのでしょうが、そればっかりではないことを突きつけてきます。 テレビやネットのニュースでも、犯罪者の逮捕と犯罪の内容のみで、その後どうなったかまでは伝えることがない中で、よく題材にしてくれたなと感動しました。ラブストーリーは突然にその時の彼女が今の妻です 音井れこ丸六文銭タイトル『その時の彼女が今の妻です』とあるように、妻となる女性との最初の出会い描いた作品。 全体通してすばらしく、そしてなんともいえずリアリティがあってよかった。 ドラマチックな出会いもあるんですけど、特に何気ないやりとりのなかでちょっと他の人とは違う引っかかりがあって、そのまま結婚に至る感じ。 他人が聞いたら、 え?そこ? みたいなツッコミをしたくなるようなレベルの出会い方なんですけど、それが何パターンも表現されてても、どれも違和感ないのがすごい。 二人にとっては、特別な瞬間なんだというのが伝わってくる感じ。 時々、メインに描かれていた人物とは無関係な人(モブみたいな人)の出会いも描いているので、そのヌケ感もいい。 鼻の奥ツンとなるような、好きになったその瞬間の甘酸っぱい出会いをご堪能ください。荒手の表紙詐欺鍋に弾丸を受けながら 青木潤太朗 森山慎六文銭二次元の過剰摂取で道行く人が美少女にしか見えないという謎設定で、主人公もなぜか美少女になっているのですが、 内容がスラム街とか、マフィアがいるといった危険地帯のグルメ漫画というコテコテハードなもの。 内容が内容だけに、別におっさんでもよかったのではないかなと思ってしまうのですが、仕方ない。間口は広いほうがいいってことでしょう。 表紙にのっている美少女は、原作者の主人公で、本当はおっさんです。 しかし、その設定もさることながら、グルメ漫画としても一風変わっていて面白いし本格的。 原作者が、きちんと現地にいき、現地で知り合った友人と生の体験を描いているからか、表現される言葉や出てくる料理に謎の説得力がある。 また、どれも美味しそうなんですよね。 高級というよりはB級、丁寧につくられたというよりは野性味のある感じ(切るだけ焼くだけなど)が産地直送って感じで、自分好み。 旅とグルメが一体となって、独特の雰囲気がクセになります。 ちょっと変わったグルメ漫画をお探しの方におすすめしたいです。SNSって怖すぎSNSの怪物 望月美乃六文銭幸せな家庭に、生徒から慕われる教師という仕事。 一見、順風満帆そうにみえる主人公だが、SNSを通して芸能関係者のフリをして、無知な未成年にいかがわしいことをするという話 匿名でやっているはずのSNSだが、主人公の手にかかれば、本名から住所、経歴まで履歴書なるプライベートな情報もあらわになってしまう。 芸能関係者のフリをして、服を脱がしたり、それを録画し、バレたくなければ・・・という脅しにも近い行為もする。 純粋にSNSって怖っと思いました。よくこんなの未成年でやれるな、と。 ネット通して、会ったことない人と会うのも怖いのに。 内容自体は、フィクションなんでしょうけど、 この手のSNSを通して犯罪にあった子供の人数が1年間で2000人で、 毎日5人の子供が事件に遭っているらしいので、結構無視できない数字だなと思いました。 さて上記の主人公ですが、もっとSNS慣れしているやばい女性と遭遇してしまい、今までと逆のパターンで追い詰められていきます。 結構、展開がはやくスルスル読めるので、ちょっとしたモヤスカをしたい人におすすめです。 « First ‹ Prev … 14 15 16 17 18 19 20 21 22 … Next › Last » もっとみる
うざガラミも、また愛友達の妹が俺にだけウザい 三河ごーすと 平岡平 トマリ六文銭なんと言いますか、ラノベ的な女性キャラのちょろさと言いますか、なんの労力もなくご都合主義的な流れで惚れてしまう展開とか、わかっちゃいるんですけど・・・ 大好物です!!! ええ、大好物です。もう毎日食べたいくらいです。 本作もそんな感じ。 ご多分にもれず、陰キャな主人公が無条件にモテる。 うざガラミしてくる友人の妹(惚れている)と、ひょんなことで転校してきたが態度が冷たい主人公の幼馴染(惚れている)の3人をメインに、わちゃわちゃするラブコメです。 また主人公は同人ゲーム?を指揮している立場で、友人がプログラマー、その友人の妹が声優、先生がイラストレーター、ツンデレ幼馴染がなんと・・・(ネタバレ回避) ラブコメ的展開と主人公の夢(野望?)が平行してすすみ、その過程で同人仲間との交流が進んでいくという、青春っぽい感じも良いです。 タイトルにあるウザがらみしてくる友人の妹が、とにかくかわいい。 ツンデレは、ツンとデレのギャップが良いことは周知の通りですが、ウザがらみは、普段うっとおしいのに、ふとした瞬間にしおらしくなるギャップが良いのだと認識しました。 安定のラノベ原作ラブコメですが、眼福な1冊でした。もはやわかりみしかない全員くたばれ!大学生 サレンダー橋本六文銭自分は年食って大学入ったタイプで、なんなら真面目に勉強してやろうくらいな勢いでしたので、年齢面でも精神面でもこじらせた学生でした。 なので、この主人公には共感しかなかったです。 (ちなみに、勢いとはウラハラに勉強なんて一切しないまま無為に日々を過ごしました。合掌) 共感というか、もう自分か?と思ったくらい。 何不自由なくストレートで大学きた奴とか、付属が上がりとか、ホント くたばれ! と何度叫んだことか・・・。 彼らが親の金を溶かしながらも、真面目に勉強もせず(お前もな)毎晩チャラついている様や、大二病を発症して下北あたり(大抵ビレバン)を徘徊したり、ファイ○ルファンタジーのキャラみたいな服を着てる様に、虫唾がはしってました。 そして、何より最終的には要領よく超絶ホワイト企業に就職しちゃうとこまでセットで、今思い出してもハラワタが煮えくり返ります。 なんでだよ! 普段、布一枚みたいな服着てるクセに、 スーツじゃなくても良いと言われた就活面接でも、きっちりスーツ着てくんだよ! おかしいだろ!あの布着てこいよ、布! こういう時だけ、TPO弁えるなよ! と、まぁ罵詈雑言ならべたてましたが、学生時代にこんな陰キャな感情を抱いた人は是非読んでいただきたい。 共感とともに、あの日を自分を見ている感覚になります。 そして、当たり前ですけど、こういうところから人生で差がついて、一生陽キャには勝てないんだなと痛感させられます。 現実しかない! 最期は切ないワンダフルワンダーワールド 乾良彦六文銭わたくし ロボットとか人間以外の存在が感情をもつ とか 記憶を亡くしたはずなのになぜか特定の事・人だけ本能で覚えている とか、こういう設定が弱いんですよね。 掛け算されたら、シナジーが発生して号泣必至です。 本作は、まさにそんな作品で、もうドツボでした。 登場人物の1人が、ある日ゾンビになってしまい、そこに家族や最愛の人を前にしてどう行動するのか?をオムニバス形式で描いた作品。 ゾンビになって理性を失い記憶が欠落しても、なくならないものってある。 それは愛なのか、大事なものを失いたくないという本能なのかわからないのですが、ギリギリのラインで耐える瞬間は感動します。 特に#2の父親と娘の話は、何度も読んでもグッときます。 #4の老夫婦の話も好き。 ゾンビ漫画ってだいたいパニックホラーが多いですが、 こんなヒューマン・ドラマな側面とも相性が良くて、また1つゾンビ漫画の奥深さを痛感しました。悲しいけど、現実はこんなものかも今朝もあの子の夢を見た 野原広子六文銭野原広子先生のエッセイが好きで基本全作網羅しているマンですが、本作は父親目線として、特に刺さりました。 主人公は、バツイチの子持ち。 しかし、別れるとき、奥さんが子供と一緒に失踪当然でいなくなったことで、離婚後は子供に会えず、どこに住んでいるかもわからない状況で10年が経過する。 勤務先のスーパーで、鈴木さんという若い子が入り、彼女と娘を重ねて親密になっていくなかで、物語が少しずつ進んでいく展開。 鈴木さんの行動力と助言で、娘と再会し、そして・・・という感じ。 主人公の立場、奥さんの立場、そして娘の立場で、それぞれ描かれており、読めば読むほど真実はどこにあるのかわからなくなって、まさに 真実は人の数だけある 事実は小説より奇なり とはこのことなんだと痛感します。 というのも、最初は、娘に会えない主人公に同情してました。 しかも、主人公の言い分としては、 「元奥さんが娘を洗脳し、誘拐している」 とか言うし、また娘を思い 「お腹すかせていないか」 「寒くないか」 と夜な夜な考えては眠れなくなっている様子は、子を思う親の気持ちに共感しかなく、読んでいて苦しい気持ちでいっぱいでした。 一方でで、ストーリーがすすむと、奥さん側の言い分もでてきて、そこには、主人公とその家族との不和で一緒にやっていけなくなったこと、弁護士を通してありもしないこと吹聴している主人公の様子が出てきて、どっちもどっちな感じになっていきます。 ただ、一つ言えるのは 夫婦、双方の言い分があるにせよ、一番ツライのは、それに振り回された子供という点は共通していて、それもまた読んでいて胸が苦しくなりました。 最後は仲直りしてみんなハッピー、なんてことは起きない。 壊れた関係は修復なんてされない。 悲しいけどこれが現実。 何が正しくて何が悪いのか一概には言えない、夫婦、親子関係の難しさを実感する、そんな作品でした。 ゲーム感覚でのんびり読める異世界系異世界で 上前はねて 生きていく~再生魔法使いのゆるふわ人材派遣生活~(コミック) 三弥カズトモ こばみそ 岸若まみず六文銭小生、異世界系にそこまで明るくないのですが、俺TUEEEEの無双系ばかり読んでいた時期があり、そこからすると本作は少し毛色が異なって興味深かったです ・回復系でチート能力的なものはある ・自分がバトルをするというよりは、元奴隷を冒険者にして、ボス的な立場でコマンドする ・そこから得られた利益であれこれする商人的な行動がメイン といった感じで、いわゆる領地経営的な側面があったのが個人的に新鮮でした。 上前ハネるというのが言葉はあれですが、元奴隷を冒険者にして生きる意味を与える面もあってなかなか有能な経営者っぽい感じ。 前世が、ブラック企業の社畜だった経験も活かしてます。 元々異世界系ってゲームジャンルと似ている感覚があるので、俺TUEEEE系がRPGとかFPS的なジャンルとすれば、本作はシミュレーションといったところでしょうか。 ゲーム感覚で読めるのが、両方とも好きな人間としては面白く、こういう異世界系もっと読みたい!と思うようになりました。 地味キャラ同士の恋愛に新しい手段君の心を漢字たい 須河篤志六文銭自分も陰キャ無口の地味キャラなんで、こういう登場人物が出てきて恋愛なんかしてしまうものなら、共感とともに 「どうやって発展すんだろ?」 という、疑問に対する解決目線で読んでしまう。 大抵、 お互いモジモジしてうまく伝えられない ↓ 誤解が発生する ↓ コミュニケーションの大事さに気づく ↓ 少しずつ話すようになろうと提案し、関係が一歩すすむ みたいな流れが多いのですが、本作は一味ちがう。 なんと、ヒロインの顔に、今の感情が「漢字一字」で顔に出てくる。 恥ずかしいときは「恥」の字が出てくる、という感じ。 コミュ障な地味キャラに対して、心の中が少し読める設定。 これがすごい面白い。 漢字一文字だけなので、時折よくわからなくなってしまうことも含めて、心の中が読めるようで逆に読めなくなっている感じが、焦れった度が増して良いんです。 ちょっとわかってしまうくらいが逆に、モンモンとするんだなと痛感しました。 付き合いたての2人ですが、もう両思い確定なので、安心して読める点もポイント高いです。フリーターでも人生楽しめる勝ち組フリーター列伝 吉本浩二 大西祥平六文銭タワマン文学なるものが、まことしやかに囁かれている昨今。 つまり、人より良い暮らしを演じる(もしくは目指す)ために、色々犠牲になって自分らしさを失っている人を面白おかしく描いたものだが(たぶん)、本作はその真逆をいっている感じで、たいへん自分好みでした。 フリーターといえど高収入な方も登場しますが、いずれにせよ、自分の中の価値を犠牲にしたり、誰かと比較して優劣つけたりなんてせず、たんたんと自分の好きなことを好きなだけして、自由に生活しているさまは読んでいて、学ぶことが多かった。 「〇〇じゃなきゃダメ」 と、〇〇が世間一般の評価だったり、多くの人がその道を通るやり方だったり、いつの間にかそういうもので凝り固まっていた感覚を再認識しました。 本作に出てくる勝ち組フリーターの方のように、もう少し肩の力を抜いていいんだ、それでも生活できるんだと教えてくれます。 個人的に洞窟おじさんの話が、生い立ちが凄まじいのですが(13歳で家出し43年間も山の中で生活した人)その後のエピソード含めて好きですね。六文銭1年以上前『ゆゆゆ』さんをフォローをしました良い意味でよく題材にしたなと思える作品前科者 香川まさひと 月島冬二六文銭過去に犯罪を犯した人間と、彼らが社会更生するためのお手伝いをする保護司との関係を描いた作品。 私、この作品を読むまで、保護司という職があること存じてませんでした。 しかも無給のボランティアという待遇(一定経費でるようですが)にもかかわらず、日本では約4.8万人が従事されていることにも驚きでした。 給料がでなくてもやることもそうですが、何より犯罪を犯した人間と関わる勇気というか、怖くないのかな?と思ってしまった。 本作を読むと、そして主人公の阿川佳代の考えや行動を目の当たりにすると、自分が上記の考えになっていたことが何とも恥ずかしい気持ちになりました。 親のネグレクトのせいで満足に食事を与えらなかった受刑者に対して 「(親から愛されなかった)寂しい思いは記憶としてずっと残る」 とか 「覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか?」のよくあるドラッグのメッセージに対して 「覚醒剤やっても、人間はやめられない」 とか、犯罪にばかり目がいくのではなく、人間讃歌とも言える、犯罪に手を染めなくてはならなくなった人間に対する優しい思いが溢れていて、読んでいて本当に考えさせられます。 もちろん現実は、もっとどうしょうもない人もいるのでしょうが、そればっかりではないことを突きつけてきます。 テレビやネットのニュースでも、犯罪者の逮捕と犯罪の内容のみで、その後どうなったかまでは伝えることがない中で、よく題材にしてくれたなと感動しました。ラブストーリーは突然にその時の彼女が今の妻です 音井れこ丸六文銭タイトル『その時の彼女が今の妻です』とあるように、妻となる女性との最初の出会い描いた作品。 全体通してすばらしく、そしてなんともいえずリアリティがあってよかった。 ドラマチックな出会いもあるんですけど、特に何気ないやりとりのなかでちょっと他の人とは違う引っかかりがあって、そのまま結婚に至る感じ。 他人が聞いたら、 え?そこ? みたいなツッコミをしたくなるようなレベルの出会い方なんですけど、それが何パターンも表現されてても、どれも違和感ないのがすごい。 二人にとっては、特別な瞬間なんだというのが伝わってくる感じ。 時々、メインに描かれていた人物とは無関係な人(モブみたいな人)の出会いも描いているので、そのヌケ感もいい。 鼻の奥ツンとなるような、好きになったその瞬間の甘酸っぱい出会いをご堪能ください。荒手の表紙詐欺鍋に弾丸を受けながら 青木潤太朗 森山慎六文銭二次元の過剰摂取で道行く人が美少女にしか見えないという謎設定で、主人公もなぜか美少女になっているのですが、 内容がスラム街とか、マフィアがいるといった危険地帯のグルメ漫画というコテコテハードなもの。 内容が内容だけに、別におっさんでもよかったのではないかなと思ってしまうのですが、仕方ない。間口は広いほうがいいってことでしょう。 表紙にのっている美少女は、原作者の主人公で、本当はおっさんです。 しかし、その設定もさることながら、グルメ漫画としても一風変わっていて面白いし本格的。 原作者が、きちんと現地にいき、現地で知り合った友人と生の体験を描いているからか、表現される言葉や出てくる料理に謎の説得力がある。 また、どれも美味しそうなんですよね。 高級というよりはB級、丁寧につくられたというよりは野性味のある感じ(切るだけ焼くだけなど)が産地直送って感じで、自分好み。 旅とグルメが一体となって、独特の雰囲気がクセになります。 ちょっと変わったグルメ漫画をお探しの方におすすめしたいです。SNSって怖すぎSNSの怪物 望月美乃六文銭幸せな家庭に、生徒から慕われる教師という仕事。 一見、順風満帆そうにみえる主人公だが、SNSを通して芸能関係者のフリをして、無知な未成年にいかがわしいことをするという話 匿名でやっているはずのSNSだが、主人公の手にかかれば、本名から住所、経歴まで履歴書なるプライベートな情報もあらわになってしまう。 芸能関係者のフリをして、服を脱がしたり、それを録画し、バレたくなければ・・・という脅しにも近い行為もする。 純粋にSNSって怖っと思いました。よくこんなの未成年でやれるな、と。 ネット通して、会ったことない人と会うのも怖いのに。 内容自体は、フィクションなんでしょうけど、 この手のSNSを通して犯罪にあった子供の人数が1年間で2000人で、 毎日5人の子供が事件に遭っているらしいので、結構無視できない数字だなと思いました。 さて上記の主人公ですが、もっとSNS慣れしているやばい女性と遭遇してしまい、今までと逆のパターンで追い詰められていきます。 結構、展開がはやくスルスル読めるので、ちょっとしたモヤスカをしたい人におすすめです。
なんと言いますか、ラノベ的な女性キャラのちょろさと言いますか、なんの労力もなくご都合主義的な流れで惚れてしまう展開とか、わかっちゃいるんですけど・・・ 大好物です!!! ええ、大好物です。もう毎日食べたいくらいです。 本作もそんな感じ。 ご多分にもれず、陰キャな主人公が無条件にモテる。 うざガラミしてくる友人の妹(惚れている)と、ひょんなことで転校してきたが態度が冷たい主人公の幼馴染(惚れている)の3人をメインに、わちゃわちゃするラブコメです。 また主人公は同人ゲーム?を指揮している立場で、友人がプログラマー、その友人の妹が声優、先生がイラストレーター、ツンデレ幼馴染がなんと・・・(ネタバレ回避) ラブコメ的展開と主人公の夢(野望?)が平行してすすみ、その過程で同人仲間との交流が進んでいくという、青春っぽい感じも良いです。 タイトルにあるウザがらみしてくる友人の妹が、とにかくかわいい。 ツンデレは、ツンとデレのギャップが良いことは周知の通りですが、ウザがらみは、普段うっとおしいのに、ふとした瞬間にしおらしくなるギャップが良いのだと認識しました。 安定のラノベ原作ラブコメですが、眼福な1冊でした。