就活生は読んだほうがいい銀のアンカー 三田紀房 関達也六文銭社会人になって読んだけど、もっとはやく読みたかったと言える作品。 『ドラゴン桜』の三田紀房が原作というだけあって、日本社会の構造について核心めいた表現が多々あり、うなります。 (余談ですが、絵もかなり寄せられてるので、初見で違う人が作画なの気づかなかったw) 例えば、添付画像のように、大企業って会社の看板だけで仕事がくるから、基本下請け(子会社とか)に依頼するだけ。 子会社や孫会社が受け取る仕事だとスキルアップも当然限定的で、本質的に価値のある課題解決や、そのPM(プロジェクトマネジメン)には関われれない、とか。 こういうのどこも教えてくれないですからね? 学校はもちろん、社会人ですら言及してくれない。 だから就職する先、会社だけでなく業界も超大事ってこと。 それを非常にわかりやすく教えてくれる漫画・・・というか、ビジネス書っていってもいいくらい。 就活生だけでなく、転職したい人も、まず本作を読むことをおすすめします。 どこ行っても同じだろと、会社名をあいうえお順に受けていたような雑な人間だったので、もっとはやくこの情報知りたかった~1話でモヤスカさせてくれるクロエの流儀 今井大輔六文銭ちょっと前SNSで上がっていて作品として認知はありましたが、改めて読んでみました。 非常識な言動した人に対して、論破というか説教というか、正論ぶちかましてくれて、モヤスカ具合が爽快でした。 なかなか、初対面では言いにくいことをズバッといってくれる勇気に感服します。 また、主人公の名前が「クロエ」というように、日本人じゃないのもポイント。 日本の武士に憧れているフランス人という設定で、我々日本人が失った心を思い出させてくれる感じ。 読んでて襟元正す思い出いっぱいになりました。 基本1話完結なのでサクサク読めるの良い。 時々、うっかりしたり、ぎこちない箸の使い方だったり、可愛い、萌えるクロエもみれます。 クロエを見習って同じように行動をする・・・には勇気がいりますが、他人に説法できなくても、自分は間違ったことはしたくないなと強く思える作品でした。これは良いアンソロジー強い女アンソロジー マキヒロチ 西島大介 カワハラ恋 ひるのつき子 伊藤イット 藤松盟 atheko六文銭きれいなお姉さんは好きですか? なんてキャッチコピーありましたが、個人的に 強い女性は好きですか? のほうが、食い気味で反応しそうな私です。 きれいなお姉さんよりも、強い方が好きです。 『無限の住人』の乙橘槇絵しかり、『進撃の巨人』ミカサしかり、強い女性のほうが魅力的なんですよね。(二人共美人だろが!と言われればそうなんですけども!) なので、本作はタイトルからして俺得でした。 軍人、人外、令嬢、色々なバリエーションで肉体的・精神的に強い女性がでてきます。 基本1話完結形式で読みやすく、オチも予想外なものが多くて楽しめました。 そんな中で特に異彩を放ったのは『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチ先生のお話。 これまでの流れが、戦うとか信念のある女性が多く登場していたなかで、この話だけ、彼氏や職場の人間、誰に対しても自分の意見を言えない女性が主人公。一瞬、 これが強い女性なのか? と最初は面食らいましたが、よーく考えると、この我慢ができることも強さであるのかな?と考えてしまいました。 言いたいこと言いたいように言いまくるだけが強さではないんだと、言いたいことをグッとこらえる我慢も強さであるなら、この主人公もまた強い女性なんだと思いなおしました。 真意は不明ですが、自分はそうとらえました。 このような感じで女性の色んな角度の強さを描いた作品で、とても興味深く読めました。 同じテイストで2巻でて欲しい~。魔人が説法していくスタイル#1巻応援願いを叶えてくれない魔人 ナラボン六文銭いわゆる魔法のランプを手にした主人公が、願いを叶えてくれるランプの魔人を呼び出す。 魔人に「マジカルチ○ポ」(どんな女性も行為に及べば好意をもたれるという、ファンタスティックなもの)が欲しいと願うと、 「自分の魅力を上げるほうが建設的だ」 とアドバイスしてくる魔人。 なにこの、まともな感じ。 欲望に忠実な人間、そしてその欲望で身を滅ぼす様を上から目線で眺めるのが魔人キャラの様式美だと思ったが、卑劣な願いに対して根本的な解決を提示していく、この感じが新しい。 ドラえもんですら、のび太の願いを叶えるというのに。 なんか魔人のほうが逆に優しいんじゃないかとさえ思ってしまう。 全編通して、 主人公が困る →解決するために魔人に願いをする →正論で返される →結局願いはかなわない の展開だが、大学生活で出会ったサークルの先輩や友人など魔人以上にクセの強いキャラも出てきて飽きない。 特に主人公の幼なじみである、つつみさんがツンデレ可愛い。 主人公にちゃんと好意もっているが素直になれず、けれど裏で嫉妬したりする姿が最高です。 魔人がよいアドバイス役になっているのも面白い。 この関係(主人公とつつみさん、あと魔人も)が、ぜひ続いて欲しいと願います。 個人的に今年1番の期待作大乱 関ヶ原 宮下英樹六文銭仙石秀久を主人公にした名作『センゴク』シリーズ。 その著者宮下英樹が描く関ケ原となれば、否が応でも期待せずにはいられない。 また、歴史的にも最も興味のある関ケ原が舞台となれば、より高まるというもの。 まだ1巻だが、もう面白くなりそうな予兆がある。 特に、家康の描き方。 秀吉も死に、かつての戦国大名がことごとく居なくなったこの時代になると、いよいよ次の天下人へと二心ありな老獪として描かれることが多い家康だが、本作はおっちょこちょいで色々ザルな感じが人間味を感じる。 先手先手へとやっていることが、時局からみると尚早だったりして逆に謀反や野心と捉えられて、家康のうろたえる様が、どっしりしている印象だっただけに面白い。 逆に一層、三成の有能さも光る。 まだ随所にしか出てきませんが、関ケ原において三成贔屓な人間としては、この点も魅力的。 また冒頭にある著者のスタンス 『「天下簒奪の陰謀」「豊臣氏への忠孝」当事者にそんな余裕があったとは思えない その舞台裏を描く』 とある点も興味深いです。 歴史全般的に言えることですが、正直、最終的に天下を統べる人間がどこまで結果を予測できたかってわからないですよね。 というか、自分はそんなわけないと思ってまして。 もちろん向かいたい方向性はあったとは思いますが、すべてが計算による政治的駆け引きの結果とは到底思えなくて、その場その場でうまく時流にのせてしのいだというのが正しい気がしております。 もしそんな絵図が描けるのであれば、家康は、もっと早く天下獲って良いはずだし。 だから、本作がそのある種のどうしようもない時代のドタバタした流れが描かれるのか?と思うと期待しかないです。 願わくば、完結までいってほしいので、ゲキ応援します。嫌いからはじまるグルメ漫画桐切蛍の嫌いな食べもの 木綿八十子六文銭主人公は超がつくほど偏食家のOL・桐切蛍。 パンの耳とブドウ糖とかしか食べない。 偏食を超えてなんかもう色々ヤバイ感じ。 そこに、嫌いな食べ物がない新人の衣袋が現れて、ひょんなことで食べることの楽しさを教えて彼女の偏食を変えていってくれる流れ。 これまでの人生で1度も食べたことがないくら嫌いだったのに、ちょっとしたことで食べてしまう蛍さんのちょろさが一周回って可愛い。 ふだん生真面目なところのギャップも良い。 最初のうちはそう思っていたのですが、嫌いなものはやっぱり嫌いなママだったりするので、そこまでガバガバでもない 食べるも食べないも自分で決める、意志もしっかりもっています。 嫌いだった食べ物が美味しく感じる瞬間の喜び、食べ物を通した人間模様など読み応え十分で、全3巻とすっきり読める作品。 とってつけたような終わり方もしてないのも良かった。 嫌いな食べ物がある人はもちろん、グルメ漫画としても十分も面白いので、おすすめしたい1冊。この作家のギャグは唯一無二女子高生除霊師アカネ! 大武政夫六文銭『ヒナまつり』の独特のテンポのギャグが好きだった人は、この作品も当然好きだと思う。 ギャグ漫画家自体、唯一無二の個性があるとは思いますが、この作家さんはその中でも異色だと感じてます。 大爆笑ではないのですが、クスリと笑えるというか、クセになる感じ。 本作も、前回はエスパーだったのが今回は除霊師。 ただし、前回のヒナと違い能力はないので、言ってしまえば詐欺まがいのことをして、なんとか凌ぐ感じ。 この口八丁や雰囲気やノリでなんとかしのいでいく様が笑いを誘います。 随所に回想で出てくる強キャラっぽい父親も、言動がぶっ飛んでて面白い。 『ヒナまつり』ではまり、好きな作家さんだっただけに、待望の新シリーズで今後に期待大です。 ハルタからグランドジャンプってのも、なんか面白い。予備校時代に読みまくった冬物語 原秀則六文銭※ネタバレを含むクチコミです。負けヒロインにスポットを当てた意欲作負けヒロインが多すぎる!@comic いみぎむる いたち 雨森たきび六文銭負けヒロインっていいですよね。 リアルでは、恋愛ごとにおいては負ける(惨敗か不戦敗)が多いので、恋愛漫画で主人公が成就されても共感できず、むしろ当て馬とか報われないキャラに同情してしまうタイプ。 本作もそういう読者を主人公にみたてた感じで、冒頭で幼なじみにフラれた負けヒロインこと八奈見杏菜と交流していく流れ。 幼なじみキャラは、典型的な負けフラグですからね。 想い人である幼なじみが恋人とよろしくやっている様を歯噛みしながら、失恋をひきずっていく様を主人公は客観的にみていく。 そんな話。 さらに話数を重ねていくと、別の負けヒロインたちが出てくる。 脳筋っぽいヒロイン、ちょろいヒロイン、などなど、いかにも最初から負け確してそうなヒロインたちで、読んでいてざわつきます。 負けるとわかっていても、つらいもんです。 フラれたからって想いが断ち切れるわけではないのだから。 そんな不憫なヒロインたちを描いた一風変わったラブコメですが、笑いありっちょっと涙ありの、自分好みな作品でした。天野こずえ待望の新シリーズColori Colore Creare 天野こずえ六文銭子供の頃、チャリで40キロ先の大型書店まで短編集を買いに行ったほどの天野こずえファンなんです。 その思い出補正が強すぎて、面白いと面白くないとか判断できないマンなので、その点ご容赦ください。 相変わらずの、この作家にしか出せない唯一無二な、ほのぼのファンタジー。まだ設定などは少なく、雰囲気を味わう程度の内容。 たぶん初見の人とか、今の人が読むと、テンポ悪く感じるし、独特のセリフまわしや、絵で理解しろといわんばかりの読者おいてけぼりの展開や、謎な世界観の嵐は、正直、読んでて疲れると思う。 でもやっぱりこういう絵(添付画像)を見開きでどーんと見せられるとワクワクするし、これから広がる物語に期待しかない。 そして、ワクワクしないなら、やっぱり合わないと思う 何より前作『ARIA』の世界観がつながっているのかと思うと、ファンとしては歓喜しかない。 トレンドというか、マーティングというか、打算というか、そういうのが見え隠れするよりも、 これを描きたいから描いてんだ! という熱量高く、むしろ振り回されるくらいな作品が好きなんだとつくづく思うし、天野こずえはそういう作家なんだと思った。『本の雑誌』立ち上げを描く、出版業界マンガ黒と誠 本の雑誌を創った男たち カミムラ晋作六文銭この手の業界漫画が好きなジャンルなのですが、今度は『本の雑誌』という、いわゆる小説の書評を掲載する雑誌をつくった椎名誠と目黒考二2人を中心に描いた話。 わたくし、これを読むまで、そういう雑誌があることを存じてませんでした。 ネットがない時代、情報はこういう雑誌が担っていたんだと痛感します。 また出版業界もイケイケだから、本は沢山うまれてくるわけで、その中から選定して紹介する、そしてそこにニーズを見出す慧眼はうなります。 最初は、2人で500部から自主制作かつ自腹でスタートして・・・というのもアツい。 何か大きなムーブメントになったものも、最初は小さな、本当に小さな個人の情熱だったりするの好きなんですよね。 ここに打算とかなく、まじりっけなしの純粋な動機だけで人を動かす感じ。 昭和の親父にはビンビン響きます。 雑誌や本とか、創り手の思いがこもったものは、それがなんであれいいもんだなとあらためて思いました。 とりあえず、御託はいいから、形にしてみるって大事ですね。 もともとの知名度のある2人に興味ある人はもちろん、出版業界全体の歴史に興味ある人はおすすめします。まさか泣かされるなんてかしこい猫もも太 中田あも六文銭もも太というなぜか喋れる猫と、ギャルのアミの日常系ギャグ漫画。 もも太が突拍子もないことして、失敗しながらも憎めない愛くるしさでまるく収まる感じ。 また、しゃべれるだけでなくスマホとかSNSとか動画撮影とかもするので、猫というよりは、小さい子供みたいな感じ。 と、いった展開で、ゆる~く読めてクスリと笑える内容がメインだったのですが・・・1巻最後の話で、2人(正確には1人と1匹だが)の出会いがあって、これがもう号泣。 また、2巻の最後も同様のシーンを、今度はアミの目線で描かれてこっちも号泣だった。 2人ともまともな環境で育ってないのに、お互いを思いやり大事にしている様子がバシバシ伝わってきて、絆の強さにとにかく感動した。 出会えて救われたのは、お互い様なのだ。 悲惨な環境から抜け出せて、そう思える人に出会えて本当に良かった。 ほのぼの系かと思ったらまさか泣かされるとは、と良い意味で期待を裏切られた作品でした。 2巻完結ですので、サクッと読めるのもおすすめです。 « First ‹ Prev … 11 12 13 14 15 16 17 18 19 … Next › Last » もっとみる
就活生は読んだほうがいい銀のアンカー 三田紀房 関達也六文銭社会人になって読んだけど、もっとはやく読みたかったと言える作品。 『ドラゴン桜』の三田紀房が原作というだけあって、日本社会の構造について核心めいた表現が多々あり、うなります。 (余談ですが、絵もかなり寄せられてるので、初見で違う人が作画なの気づかなかったw) 例えば、添付画像のように、大企業って会社の看板だけで仕事がくるから、基本下請け(子会社とか)に依頼するだけ。 子会社や孫会社が受け取る仕事だとスキルアップも当然限定的で、本質的に価値のある課題解決や、そのPM(プロジェクトマネジメン)には関われれない、とか。 こういうのどこも教えてくれないですからね? 学校はもちろん、社会人ですら言及してくれない。 だから就職する先、会社だけでなく業界も超大事ってこと。 それを非常にわかりやすく教えてくれる漫画・・・というか、ビジネス書っていってもいいくらい。 就活生だけでなく、転職したい人も、まず本作を読むことをおすすめします。 どこ行っても同じだろと、会社名をあいうえお順に受けていたような雑な人間だったので、もっとはやくこの情報知りたかった~1話でモヤスカさせてくれるクロエの流儀 今井大輔六文銭ちょっと前SNSで上がっていて作品として認知はありましたが、改めて読んでみました。 非常識な言動した人に対して、論破というか説教というか、正論ぶちかましてくれて、モヤスカ具合が爽快でした。 なかなか、初対面では言いにくいことをズバッといってくれる勇気に感服します。 また、主人公の名前が「クロエ」というように、日本人じゃないのもポイント。 日本の武士に憧れているフランス人という設定で、我々日本人が失った心を思い出させてくれる感じ。 読んでて襟元正す思い出いっぱいになりました。 基本1話完結なのでサクサク読めるの良い。 時々、うっかりしたり、ぎこちない箸の使い方だったり、可愛い、萌えるクロエもみれます。 クロエを見習って同じように行動をする・・・には勇気がいりますが、他人に説法できなくても、自分は間違ったことはしたくないなと強く思える作品でした。これは良いアンソロジー強い女アンソロジー マキヒロチ 西島大介 カワハラ恋 ひるのつき子 伊藤イット 藤松盟 atheko六文銭きれいなお姉さんは好きですか? なんてキャッチコピーありましたが、個人的に 強い女性は好きですか? のほうが、食い気味で反応しそうな私です。 きれいなお姉さんよりも、強い方が好きです。 『無限の住人』の乙橘槇絵しかり、『進撃の巨人』ミカサしかり、強い女性のほうが魅力的なんですよね。(二人共美人だろが!と言われればそうなんですけども!) なので、本作はタイトルからして俺得でした。 軍人、人外、令嬢、色々なバリエーションで肉体的・精神的に強い女性がでてきます。 基本1話完結形式で読みやすく、オチも予想外なものが多くて楽しめました。 そんな中で特に異彩を放ったのは『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチ先生のお話。 これまでの流れが、戦うとか信念のある女性が多く登場していたなかで、この話だけ、彼氏や職場の人間、誰に対しても自分の意見を言えない女性が主人公。一瞬、 これが強い女性なのか? と最初は面食らいましたが、よーく考えると、この我慢ができることも強さであるのかな?と考えてしまいました。 言いたいこと言いたいように言いまくるだけが強さではないんだと、言いたいことをグッとこらえる我慢も強さであるなら、この主人公もまた強い女性なんだと思いなおしました。 真意は不明ですが、自分はそうとらえました。 このような感じで女性の色んな角度の強さを描いた作品で、とても興味深く読めました。 同じテイストで2巻でて欲しい~。魔人が説法していくスタイル#1巻応援願いを叶えてくれない魔人 ナラボン六文銭いわゆる魔法のランプを手にした主人公が、願いを叶えてくれるランプの魔人を呼び出す。 魔人に「マジカルチ○ポ」(どんな女性も行為に及べば好意をもたれるという、ファンタスティックなもの)が欲しいと願うと、 「自分の魅力を上げるほうが建設的だ」 とアドバイスしてくる魔人。 なにこの、まともな感じ。 欲望に忠実な人間、そしてその欲望で身を滅ぼす様を上から目線で眺めるのが魔人キャラの様式美だと思ったが、卑劣な願いに対して根本的な解決を提示していく、この感じが新しい。 ドラえもんですら、のび太の願いを叶えるというのに。 なんか魔人のほうが逆に優しいんじゃないかとさえ思ってしまう。 全編通して、 主人公が困る →解決するために魔人に願いをする →正論で返される →結局願いはかなわない の展開だが、大学生活で出会ったサークルの先輩や友人など魔人以上にクセの強いキャラも出てきて飽きない。 特に主人公の幼なじみである、つつみさんがツンデレ可愛い。 主人公にちゃんと好意もっているが素直になれず、けれど裏で嫉妬したりする姿が最高です。 魔人がよいアドバイス役になっているのも面白い。 この関係(主人公とつつみさん、あと魔人も)が、ぜひ続いて欲しいと願います。 個人的に今年1番の期待作大乱 関ヶ原 宮下英樹六文銭仙石秀久を主人公にした名作『センゴク』シリーズ。 その著者宮下英樹が描く関ケ原となれば、否が応でも期待せずにはいられない。 また、歴史的にも最も興味のある関ケ原が舞台となれば、より高まるというもの。 まだ1巻だが、もう面白くなりそうな予兆がある。 特に、家康の描き方。 秀吉も死に、かつての戦国大名がことごとく居なくなったこの時代になると、いよいよ次の天下人へと二心ありな老獪として描かれることが多い家康だが、本作はおっちょこちょいで色々ザルな感じが人間味を感じる。 先手先手へとやっていることが、時局からみると尚早だったりして逆に謀反や野心と捉えられて、家康のうろたえる様が、どっしりしている印象だっただけに面白い。 逆に一層、三成の有能さも光る。 まだ随所にしか出てきませんが、関ケ原において三成贔屓な人間としては、この点も魅力的。 また冒頭にある著者のスタンス 『「天下簒奪の陰謀」「豊臣氏への忠孝」当事者にそんな余裕があったとは思えない その舞台裏を描く』 とある点も興味深いです。 歴史全般的に言えることですが、正直、最終的に天下を統べる人間がどこまで結果を予測できたかってわからないですよね。 というか、自分はそんなわけないと思ってまして。 もちろん向かいたい方向性はあったとは思いますが、すべてが計算による政治的駆け引きの結果とは到底思えなくて、その場その場でうまく時流にのせてしのいだというのが正しい気がしております。 もしそんな絵図が描けるのであれば、家康は、もっと早く天下獲って良いはずだし。 だから、本作がそのある種のどうしようもない時代のドタバタした流れが描かれるのか?と思うと期待しかないです。 願わくば、完結までいってほしいので、ゲキ応援します。嫌いからはじまるグルメ漫画桐切蛍の嫌いな食べもの 木綿八十子六文銭主人公は超がつくほど偏食家のOL・桐切蛍。 パンの耳とブドウ糖とかしか食べない。 偏食を超えてなんかもう色々ヤバイ感じ。 そこに、嫌いな食べ物がない新人の衣袋が現れて、ひょんなことで食べることの楽しさを教えて彼女の偏食を変えていってくれる流れ。 これまでの人生で1度も食べたことがないくら嫌いだったのに、ちょっとしたことで食べてしまう蛍さんのちょろさが一周回って可愛い。 ふだん生真面目なところのギャップも良い。 最初のうちはそう思っていたのですが、嫌いなものはやっぱり嫌いなママだったりするので、そこまでガバガバでもない 食べるも食べないも自分で決める、意志もしっかりもっています。 嫌いだった食べ物が美味しく感じる瞬間の喜び、食べ物を通した人間模様など読み応え十分で、全3巻とすっきり読める作品。 とってつけたような終わり方もしてないのも良かった。 嫌いな食べ物がある人はもちろん、グルメ漫画としても十分も面白いので、おすすめしたい1冊。この作家のギャグは唯一無二女子高生除霊師アカネ! 大武政夫六文銭『ヒナまつり』の独特のテンポのギャグが好きだった人は、この作品も当然好きだと思う。 ギャグ漫画家自体、唯一無二の個性があるとは思いますが、この作家さんはその中でも異色だと感じてます。 大爆笑ではないのですが、クスリと笑えるというか、クセになる感じ。 本作も、前回はエスパーだったのが今回は除霊師。 ただし、前回のヒナと違い能力はないので、言ってしまえば詐欺まがいのことをして、なんとか凌ぐ感じ。 この口八丁や雰囲気やノリでなんとかしのいでいく様が笑いを誘います。 随所に回想で出てくる強キャラっぽい父親も、言動がぶっ飛んでて面白い。 『ヒナまつり』ではまり、好きな作家さんだっただけに、待望の新シリーズで今後に期待大です。 ハルタからグランドジャンプってのも、なんか面白い。予備校時代に読みまくった冬物語 原秀則六文銭※ネタバレを含むクチコミです。負けヒロインにスポットを当てた意欲作負けヒロインが多すぎる!@comic いみぎむる いたち 雨森たきび六文銭負けヒロインっていいですよね。 リアルでは、恋愛ごとにおいては負ける(惨敗か不戦敗)が多いので、恋愛漫画で主人公が成就されても共感できず、むしろ当て馬とか報われないキャラに同情してしまうタイプ。 本作もそういう読者を主人公にみたてた感じで、冒頭で幼なじみにフラれた負けヒロインこと八奈見杏菜と交流していく流れ。 幼なじみキャラは、典型的な負けフラグですからね。 想い人である幼なじみが恋人とよろしくやっている様を歯噛みしながら、失恋をひきずっていく様を主人公は客観的にみていく。 そんな話。 さらに話数を重ねていくと、別の負けヒロインたちが出てくる。 脳筋っぽいヒロイン、ちょろいヒロイン、などなど、いかにも最初から負け確してそうなヒロインたちで、読んでいてざわつきます。 負けるとわかっていても、つらいもんです。 フラれたからって想いが断ち切れるわけではないのだから。 そんな不憫なヒロインたちを描いた一風変わったラブコメですが、笑いありっちょっと涙ありの、自分好みな作品でした。天野こずえ待望の新シリーズColori Colore Creare 天野こずえ六文銭子供の頃、チャリで40キロ先の大型書店まで短編集を買いに行ったほどの天野こずえファンなんです。 その思い出補正が強すぎて、面白いと面白くないとか判断できないマンなので、その点ご容赦ください。 相変わらずの、この作家にしか出せない唯一無二な、ほのぼのファンタジー。まだ設定などは少なく、雰囲気を味わう程度の内容。 たぶん初見の人とか、今の人が読むと、テンポ悪く感じるし、独特のセリフまわしや、絵で理解しろといわんばかりの読者おいてけぼりの展開や、謎な世界観の嵐は、正直、読んでて疲れると思う。 でもやっぱりこういう絵(添付画像)を見開きでどーんと見せられるとワクワクするし、これから広がる物語に期待しかない。 そして、ワクワクしないなら、やっぱり合わないと思う 何より前作『ARIA』の世界観がつながっているのかと思うと、ファンとしては歓喜しかない。 トレンドというか、マーティングというか、打算というか、そういうのが見え隠れするよりも、 これを描きたいから描いてんだ! という熱量高く、むしろ振り回されるくらいな作品が好きなんだとつくづく思うし、天野こずえはそういう作家なんだと思った。『本の雑誌』立ち上げを描く、出版業界マンガ黒と誠 本の雑誌を創った男たち カミムラ晋作六文銭この手の業界漫画が好きなジャンルなのですが、今度は『本の雑誌』という、いわゆる小説の書評を掲載する雑誌をつくった椎名誠と目黒考二2人を中心に描いた話。 わたくし、これを読むまで、そういう雑誌があることを存じてませんでした。 ネットがない時代、情報はこういう雑誌が担っていたんだと痛感します。 また出版業界もイケイケだから、本は沢山うまれてくるわけで、その中から選定して紹介する、そしてそこにニーズを見出す慧眼はうなります。 最初は、2人で500部から自主制作かつ自腹でスタートして・・・というのもアツい。 何か大きなムーブメントになったものも、最初は小さな、本当に小さな個人の情熱だったりするの好きなんですよね。 ここに打算とかなく、まじりっけなしの純粋な動機だけで人を動かす感じ。 昭和の親父にはビンビン響きます。 雑誌や本とか、創り手の思いがこもったものは、それがなんであれいいもんだなとあらためて思いました。 とりあえず、御託はいいから、形にしてみるって大事ですね。 もともとの知名度のある2人に興味ある人はもちろん、出版業界全体の歴史に興味ある人はおすすめします。まさか泣かされるなんてかしこい猫もも太 中田あも六文銭もも太というなぜか喋れる猫と、ギャルのアミの日常系ギャグ漫画。 もも太が突拍子もないことして、失敗しながらも憎めない愛くるしさでまるく収まる感じ。 また、しゃべれるだけでなくスマホとかSNSとか動画撮影とかもするので、猫というよりは、小さい子供みたいな感じ。 と、いった展開で、ゆる~く読めてクスリと笑える内容がメインだったのですが・・・1巻最後の話で、2人(正確には1人と1匹だが)の出会いがあって、これがもう号泣。 また、2巻の最後も同様のシーンを、今度はアミの目線で描かれてこっちも号泣だった。 2人ともまともな環境で育ってないのに、お互いを思いやり大事にしている様子がバシバシ伝わってきて、絆の強さにとにかく感動した。 出会えて救われたのは、お互い様なのだ。 悲惨な環境から抜け出せて、そう思える人に出会えて本当に良かった。 ほのぼの系かと思ったらまさか泣かされるとは、と良い意味で期待を裏切られた作品でした。 2巻完結ですので、サクッと読めるのもおすすめです。
社会人になって読んだけど、もっとはやく読みたかったと言える作品。 『ドラゴン桜』の三田紀房が原作というだけあって、日本社会の構造について核心めいた表現が多々あり、うなります。 (余談ですが、絵もかなり寄せられてるので、初見で違う人が作画なの気づかなかったw) 例えば、添付画像のように、大企業って会社の看板だけで仕事がくるから、基本下請け(子会社とか)に依頼するだけ。 子会社や孫会社が受け取る仕事だとスキルアップも当然限定的で、本質的に価値のある課題解決や、そのPM(プロジェクトマネジメン)には関われれない、とか。 こういうのどこも教えてくれないですからね? 学校はもちろん、社会人ですら言及してくれない。 だから就職する先、会社だけでなく業界も超大事ってこと。 それを非常にわかりやすく教えてくれる漫画・・・というか、ビジネス書っていってもいいくらい。 就活生だけでなく、転職したい人も、まず本作を読むことをおすすめします。 どこ行っても同じだろと、会社名をあいうえお順に受けていたような雑な人間だったので、もっとはやくこの情報知りたかった~