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恋と地獄【コミックス版】読んだにしました。
編集の一生読んだにしました。
アニメタ!

元アニメーターがアニメ業界を描く、胸アツマンガ

アニメタ! 花村ヤソ
六文銭
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アニメ好きの主人公が高校卒業とともに、とあるアニメーション会社に就職。 他の新卒メンバーよりもうまくない、手が遅いなかで、人生を変えたアニメの感動を情熱に変えて成長していく物語。 端的にいって、めっちゃ胸アツだし、こういうクリエイターなどモノづくりに関わる人間の作品は大好物なので、本作もツボでした。 特に、技術はなくても情熱のある主人公が、上司のアドバイスをもとに、自分のなかで昇華し成長していく過程が応援したくなり、うまくできたときの喜びは共感しかないです。 作者自身が元アニメーターということもあって、新人のつまずきポイントや、ダメな例や良い例などの理由が明瞭で説得力があります。 また、どういうところを意識して描くのかを知れるのも、漫然と絵をみているだけの人間には興味深いです。 また、アニメ業界の闇深さ(原画1枚単価の低さ、時給に換算するとヤバイとか)も、しっかり描いていて、単純な夢物語やサクセスストーリーになっていないのも、個人的にはポイント高いです。 やりがいや情熱ではどうにもならないところもしっかり伝えて、その上でやるのか?やらないのか?の決断をするのは、知らないで決断するそれとは腹のくくりが違いますもんね。 自分はアニメ好きなのですが、同時にプロスポーツ選手同様、技術に差がある世界でもあって、一部のクオリティの高い作品や才能ある人間に寄ってしまう部分はしょーがないと思っています。 『これ描いて死ね』の「☆野 0」の担当編集だった金剛寺さんが言っていた 「同情は創作の敵だと考えます。」 (『これ描いて死ね』2巻参照) という言葉がピッタリあてはまって、アニメーターが食べていけないのにプロである以上同情するつもりはないのですが・・・ 業界の衰退具合も考えると、もう少しなんとかならんもんかね?とは常々思っています。 特に日本の優秀なアニメーターが海外にいってしまうとかのニュースをみると、危機感しかないです。 製作委員会方式のビジネスモデルが悪いのか、アナログで手間がかかりすぎているのか、ちょっと門外漢なのでわかりませんが、本作が、その切り口になってくれることを願ってやみません。 あとは、刊行速度が異様に遅いので(2023年7月時点の最新巻5巻が3年前・・・)、そこもなんとかならんのか?と願ってやみません。

ぼくの奥さんは魔法少女かもしれない

伝説の魔法少女(30)再始動

ぼくの奥さんは魔法少女かもしれない 相川真霜
六文銭
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設定が秀逸なラブコメでした。 主人公の奥さんである「みく」は元魔法少女。 しかも、ただの魔法少女ではなく伝説的にすごかった魔法少女で、「ミラクルみく」とか言われていた存在。 主人公は、そんな魔法少女だった彼女のいわゆる追っかけというか、推し活をしていたオタクで、ひょんなことで大人になった彼女と合コンで出会う。 そして、そのほとばしる情熱で結婚までいってしまう。 順風満帆な夫婦生活をしていた矢先、昨今の魔法少女不足から、引退したはずのみくにも魔法少女として復帰の依頼がきて・・・という流れ。 魔法少女は大人になると魔力がなくなるようなのだが、みくは伝説的な魔法少女だっただけに、30歳でもバリバリ現役。 だけど、年不相応な格好(魔法少女的な露出度高めの服)に恥ずかしがったり、夫に魔法少女の変身をみられたくなかったり、こういったラブコメ要素が、すごくいいです。 わたくし、クールな美人が赤面するのがツボなので最高でした。 夫婦、ラブラブなのもいい。 魔法少女として戦うシーンはないのですけど、ラブコメとして楽しめる作品です。 1巻の終わりもよかったので、続きが気になります。

異世界ウォーキング

まったり異世界系がちょうどいい

異世界ウォーキング 小川慧 ゆーにっと あるくひと
六文銭
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異世界系漫画というと、スキルを駆使して(たいてい最初は弱かったりするが)なんやかやで最強になっちゃうバトル系が多いのですが、本作はちょっと違う。(3巻時点) 主人公のスキルは「ウォーキング」という、どんなにも歩いても疲れない程度のスキルで、そんなのだから異世界を練り歩いて楽しもうとする感じがまったりして心地良いんですね。 トコトコ歩くだけで、その世界の設定や雰囲気をゆっくりと楽しむ感じが、異世界を旅行しているような気分になります。 メインも「お使い系」(どこどに〇〇を運ぶ的な)のクエストをやっている感じ。(最新刊になると、ちょっとしたバトル要素もありますが、) 歩く歩数で、レベルアップもしているので、気づけば超強くなっているとかあり得そうですが、今のところは、ひょんなことで出会った冒険者の女性2人と料理したり、イチャコラしたりでのんびり旅を続けています。 これが読んでいて、ちょっとした癒やし効果があり、血沸き肉踊るバトル系の異世界モノとは違った楽しさがあるので、異世界ジャンルは好きだけどそういう作品に食傷気味だった人におすすめしたい1作です!

楠木さんは高校デビューに失敗している

陰キャ同士が高校デビューを頑張る話

楠木さんは高校デビューに失敗している みいみつき
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主人公は中学時代、陰キャゆえの不遇をうけて、その悔しさから高校デビューをはかり、結果、高校ではクラスカーストの中位程度(なんだその表現)の友人ができるなどある程度成功する。 そんな中、クラスにいる学年一の美少女が、実は同じ中学で、しかも同じく中学まで陰キャだった楠木さんだったという話。 楠木さんも高校デビューをはかり外見が変わるも、その容姿に惹かれる男性からは一定声がかかるが、中身が昔と変わらず陰キャコミュ障のため、ひとりも友達ができていない状況。 男性にちやほやされているから、女子からは疎まれる始末。 そこで、ある程度高校デビューが成功してそうな主人公に助けを乞うという流れ。 楠木さんのコミュ障解消のため、一緒に昼ごはんをとったり、一緒に帰ったり、夜電話する関係になる。学園一の美少女と。 なんだ、その羨ましい状況! と血涙しそうですが・・・自分自信も高校はそうだったので、誰も知らない環境にいって自分を変えたい願望はよーくわかります。 だから、主人公も楠木さんの気持ちもよくわかるので、血涙までは我慢しました。 しかし、楠木さんが可愛いすぎる。 ちょっとおどおどしている感じも、天然っぽくヌケている感じも、狙っていない小悪魔な発言も!(添付画像参照。夜は電話をしただけです。) この2人の関係なかなかいい感じなので、ずっと眺めていたくなる。 今後どうなるか楽しみな作品です。

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1年以上前
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カリスマ

カルト宗教に翻弄された人々を描く

カリスマ 新堂冬樹 八潮路つとむ 西崎泰正
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カルト宗教である「神の郷」に家族がハマってしまい、その惨劇と洗脳からの復活、そして宗教の崩壊までを描いた作品。 「神の郷」の教祖・神郷宝仙とその餌食になった城山家族を中心に物語がすすむ感じ。 そして、1巻目では、その物語の軸となる教祖・神郷宝仙の過去の話なのですが・・・これがもう衝撃的すぎて、正直、この後の展開でも彼を完全な悪者としてみることができなかったです。 彼自身もまた母親がカルト宗教によって狂わされた人間の1人なわけで、母親に対する愛情の深さや家族を失った悲しみは憐れでもあり、心から憎めなかったんですよね。 この1巻の影響が強すぎて、2巻目以降「神郷宝仙」が、信者に対して行う数々の悪行に対しても、どこかしょうがないとか思ってしまう自分がいました。 自分がツライ思いをしたから、他人を不幸にしてもいいわけではないですけど、それほど1巻が私には衝撃でした。 母親の前で泣き叫ぶシーンは子を持つ親としては胸に刺さり、悪に染まってしまう気持ちもやむ無しとか思ってしまったんですね。 とまぁ、自分はそんな感想でしたが、全体通して飽きさせない展開が多く、最後の最後まで予測がつかない展開は圧巻でした。 4巻とサクッと読めるのも魅力で、アングラ作品が好きな人にはおすすめしたい作品です。

葬儀屋タケコ~あなたの最期、叶えます【電子単行本版】

今の時代にあったテーマ

葬儀屋タケコ~あなたの最期、叶えます【電子単行本版】 高山繭
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主人公は色々あって、祖父母が経営していた仏具屋を受け継ぎ、代わりに「葬儀屋」を始める展開。 「葬儀屋」というあまり馴染みがない分野の経営方法は興味深く、また葬式を通したヒューマンドラマ的な側面もあるのが自分好みでした。 また、題材としても非常に今っぽいなと思いました。 人生100年時代。 長く生きられて健康なうちに死に方を選べるって人によっては重要だし、今後時代的にも生前葬とかその手の話題がでてきそうな予感なんです。 というのも、自分も年を重ねるごとに身内の死を経験することが多くなってきたのですが、ただ「死ぬ」だけで残された人に、結構、不便というか・迷惑がかかるんですよね。(甚だ不謹慎で恐縮なのですが) 本作にも描かれているように、相続やらお布施の仕方やら、細々ながらも決断をしなければならないことって結構負荷だなと。 死んでしまえば、後は知らん! 的な発想ができる豪快な人ならまだしも、自分みたいな小心者は突然死でもない限り 死んだ後くらい、迷惑はかけたくない と思ってしまうので、予め色々やっといたほうがいいなと。 自分だけでなく、世代間格差で苦労してきた世代は、今後そういう考えの人が多くなるんじゃないかなぁと考えます。 下の代に迷惑をかけたくない的な。 一方で、そんなネガティブな側面だけでなく、思い出を残すという意味で予め準備しておくというのも重要だと思います。 本作の主人公も葬式を企画するプランナーとして、訪問客に対して色々提案する感じなのですが、その中で家族間のトラブルなども当然出てくるわけで、主人公のちょっとしたおせっかいや思いやりが重要になってきます。 こうやって第3者が介入して長年のわだかまりが好転し、死を間際にして後悔が減っていく感じが読んでいて心地いいです。 人に歴史ありとはよく言ったもので、その最後が少しでもハッピーエンドになるように尽力する主人公は応援したくなります。 心温まるヒューマンドラマな1冊で、今後も続いてほしいと強く願います!

東京カンナビス特区 大麻王と呼ばれた男

大麻を売って家族を守れ

東京カンナビス特区 大麻王と呼ばれた男 稲井雄人
六文銭
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主人公・千東森生(ちとうもりお)は学生時代に植物を専門していたこともあって花屋を経営するも、あまりうまくいかず家計は火の車状態。 ある日同窓会で、大学時代の友人・加賀山と出会い、金策に苦しんでいる千東をみかねて大麻の栽培を勧めてくる。 当然、犯罪であるから一度は断るも、そんな折に千東の妻が車の事故に会い入院費や壊れた車の買い替えなどで必要な出費に迫られて、ついに大麻の栽培に手を出してしまう。 元々、植物を育てることに才能があった千東は大麻でもその能力を発揮。 抜群の効き目から、高値にも関わらず、どんどん売れる。 しかし、彼のつくった大麻が広まると、今度は反社の人間に目をつけられてしまい・・・という展開。 ただの一般人でも、一度悪に手を出すと、どんどんぬかるみにハマって、抜け出せなくなっていく感じが怖くもあり刺激的です。 特に反社の人間から何をされても、自分も捕まってしまうから警察などの公権力に頼れない感じが絶望そのもの。 だからこそ、自分の力で何とかするしかないのですが、元々気弱だった千東が腹くくって反社の人間たちと対峙する姿にはグッときます。 家族を守るため、父親としてやるべきときはやるんです(まぁ犯罪なんですけど) ずっと反社の連中に追い回されたり、抵抗して殺して?しまったりピンチな状態が続いているんですけど、ここからタイトルにある「大麻王」にどうなっていくのか? 予測ができない感じで、今後が楽しみな作品です。 余談ですが、『銭麻』という作品でも大麻を売っていましたし、捕まっている人も多いし、大麻、密かにブームなのかな。(ダメ、ゼッタイ)

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