なかなかの限界っぷりな夫婦限界夫婦 コミックス版 きづきあきら サトウナンキ六文銭某所の広告につられて読んだが、なかなかの限界っぷり。 一見普通の夫婦っぽいが、中は子育てやレスなど色々不満があって、そんな時にお隣に引っ越してきた夫婦の、旦那側とアレな関係になるという典型的な不倫もの。 だけど、広告映えというのか、読者を煽ってくる思考や言葉の数々が秀逸で、特に添付画像にある、 不倫は味変 ってのは、なかなかのクズっぷりで良かった。 胸糞悪いと感じる方もいるかもだが、自分は、なんとも斬新な考えに面白くなった感じ。 まぁ、こういう人と一緒になってはいけないのかもだが、 人間のように脳みそが発達した生き物にとって、夫婦という同じ人間と関係を続けていくこと自体難しい と、どこかの本で読んだことがあって、それに近しい意見で妙に納得してしまった。 要は、結婚して夫婦になること自体、合理的な判断ではないってことらしいが、その分人間には理性があり、感情があるのでなんとかしていることだと思う。 また、この手の話は、奥さん側が我慢することが多いのだが、結構きついことを旦那に言ってしまうところも良い。 最後の最後まで、結構救われない感じなのだけど、それも含めて夫婦の形を考えてしまう内容でした。恋と地獄 ともにおちるものとは良く言ったもの恋と地獄【コミックス版】 今井大輔六文銭いわゆる既婚者に恋をした女性が主人公で、いいようにもてあそばれて終わる話。 そこに、泣き寝入りせずスカッと感を最後に入れてくるのが本作の特徴。 恋と地獄。さながら、天国と地獄といったところでしょうか。 作者さんが「パッカ」とか「ヒル」とか「クロエの流儀」とか個人的に好きな人だっただけに本作も手に取ったが、やっぱり作者ならでは人物の描き方があっていい。 題材は、あまり好みのジャンルではないのですが、それだけでも読む価値はあったと思う。 ネタバレになるので詳細は割愛しますが、既婚者以外に友人っぽい男性とのやりとりが味があっていいです。 こういうちょっとしたサブキャラにも、細かく人物設計している感じが個人的に好きだったりします。 1巻でこの主人公は終わったように思うのですが、別のキャラで続くのかな? いずれにせよ、恋と地獄、引き続き極端な両面を見せてくれるのを楽しみにしたいです。長瀞、可愛いよ長瀞イジらないで、長瀞さん ナナシ六文銭もはや様式美すら感じるようになった、オタク男子をからかう陽キャ女子の設定。 本作もそれになぞり、漫画を描いていたオタクな主人公が、たまたま後輩の長瀞さんに見られてしまい、ひたすらいじられるという展開。 基本的には 「長瀞~。もー長瀞ー。おい、長瀞!! え、長瀞?ちょ、長瀞!? もー。なーがーとーろー」 みたいな感じで読める。(意味不明) 一味違うのは、結構照れるところと、他の人がからかうと露骨に嫉妬するところ。 先輩をからかいすぎて終わったとしても、幕間で やりすぎた とか やりすぎたかも と照れるところは激萌えだし、長瀞さんの友人が先輩をからかうと、猫みたいに目になったり、遮ったりして先輩を守る。 意外と嫉妬深い感じもまたグッド。 この手の作品って、からかわれる男のほうがヒロイン感があるのですが、本作はきちんと長瀞さんがヒロインしているんですよね。 もはや何があってもオチまで予測できる二人のやりとりですが、 ニヤニヤしながら安心して読めるので、時々食べたくなる定番メニューのように好きな作品です。得も言われぬ恐さがクセになるSUBURBAN HELL 郊外地獄 金風呂タロウ六文銭表紙からしてヤバいのだけど、中身もそのまんまで期待を裏切らずそれ以上にゾッとさせてくれる。 版画チックというか何重にも線を重ねた絵柄が、解像度の悪いテレビをみているかのような感覚で、一見読みにくくもあるけど目をこらすと見えてくる恐怖がハンパない。 これが演出だとしたらすごい。 内容も、郊外で起こる事件をオムニバス形式で展開しており、それぞれ性的にも猟奇的にもなかなかエグくて読み応えがある。 『令和を代表するホラーコミック界を牽引する』と記載あるが、確かに独創的な絵柄と、テーマとする題材の切り口は、これまで読んだことないような斬新さを感じる。 伊藤潤二っぽさもあるが、別物だと思う。 怖いものがみたい人はぜひ、おすすめします。 ウシジマくん好きならぜひ!闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん 真鍋昌平 山崎童々六文銭ウシジマくんのラスボス的存在のヤクザ滑皮を主人公としたスピンオフ作品。 「らーめん滑皮さん」というくらいだからグルメ漫画かな?と思ったのですが、微妙にちがう。 本編読んだことある人ならご存知かと思いますが、滑皮さんは食べ方が汚いので、とても食レポする感じじゃない。 そして、案の定、しない。 相変わらずズバズバと汚く食べて、味に対しても、まずいとか、食える、くらいしか言わない。 その点は、探偵の戌亥(いぬい)も出てきて、こっちがしっかり食レポしている。 これが、微妙にウケました。 らーめん滑皮さんというか、戌亥だなと。 本編には出て来ない、滑皮さんの意外な一面(部下との関係含)が見れたのがよかったのと、本編に出てきた登場人物の、その後が読めたのが個人的に良かったです。 風俗で稼いだ3000万を盗まれた瑞樹 オサレエンペラーことG10 そして、滑皮に保険金目当てで当たり屋をさせられた愛沢。 皆、最後悲惨な感じで幕引きし、しかもしっかり描くことなく余韻だけ残して終わるものが多かったので、その後どうなったのか?というか、死んだのかな?と思っていただけに、この登場は純粋に嬉しかったです。(パラレルワールド的な解釈かもですが・・・。) 特に、愛沢が再起して、ラーメン屋(しかもそこそこ繁盛している)やっているのが意外で、本作のキーパーソン的な立ち位置まで出世しているのも面白い。 なんにせよ、ウシジマくんに出てきたクセの強いキャラたちが、再登場したり意外な一面を見せたりするので、原作ファンの人は読んで損はないと思いました。 漫画家を目指し集った若者たち※ただし1人除く#1巻応援カスミ荘の漫画家志望達 大野そら うらたにみずき六文銭トキワ荘にもじって、漫画家を目指す若者達を集めて格安シェアハウスを提供する「カスミ荘」 そこに集まった4人の男女+管理人の現役漫画家が住んでいる。 管理人以外は、最大3年か、漫画の連載が決まれば退去しなければならない仕組み。 個人的に期待を裏切るような展開が多々あって、そこが面白かった。 例えば、冒頭でゲームばかりしている2人の男。 漫画家になるのがいかに困難で継続していくことはもっとシンドいかを吐露していたので、いわゆる、夢はあるけど努力はしない自堕落な若者を描くかなと思いきや、実際はそうではない。 同シェアハウスに住む、19歳にしてメジャー雑誌で賞をとるなど夢にむかって着実にすすむ女の子への嫉妬とか、こじらせた恋愛模様かと思いきや、そこもちょっと違う。 何にせよ、少しずつキャラクター達がこちらの先入観を裏切ってくるような動きをするので、妙な魅力がありました。 主人公を軸に、漫画家の卵である他のメンバーとどう関わっていくのか?興味深いです。 また、男:女で2:2なのでラブコメ的な展開も今後あるのかな?などいろいろ幅が出てきそうで面白い。 自分も漫画好きなので、全員漫画に情熱をもっているのも、読んでいて共感したり、グッとくる部分があります。 やっぱ漫画っていいよなぁと素直に思わされます。 今後の展開に期待大な作品です。 なかなかのヤバさヤバマン サレ妻の秘密の離婚準備 えりちん カンバラノリオ六文銭北と南にわかれる大規模マンションで繰り広げられる、住人同士の不倫を描いた作品。 主人公は、旦那の浮気やモラハラ気質に嫌気がさし、パパ活と称して離婚資金を稼ごうとするも、ひょんな時出会った相手が、なんと同じマンションの住人だった。 双方利害が一致したので、そのままズルズルと関係を続けていると、ある日ラブホテルから、同じマンションの住人が出てくるのを目撃して・・・という展開。 しかも、相手の男は、主人公の娘が通っている保育園の保母さんの旦那。 一見優しそうな風貌で、なぜ不倫するのか探りを入れつつ、不倫相手の女性が他の部屋から出てくる(また別の男性か?)のを目撃したりで、このマンションのヤバさに気づく。 旦那だけでなく、住人も何かとヤバいので早く脱出しようと心に決める・・・現段階だとこんな感じ。 不倫関係もヤバいのですが、主人公の旦那が相当ヤバい。 主人公だけでなく娘に対してもあたりが強いのが、読んでいて結構きつい。 休日、うるさいからとクローゼットに入れる(ゴルフクラブで開かないようにして)とか、恐ろしいなと思う。 それでも健気に 「パパ、好き」 という娘の姿に、あぁどんな親でも子供にとっては親なんだなと、主人公以上に切なくなった。 クソみたいな親で一番被害受けるのは子供、って話ですよね。 はやく脱出して、この娘と幸せになって欲しいと強く願います。 狭い世界での男女のドロドロ劇だけでなく、こういう点も見どころだと思います。 利根川もイチサラリーマンだったという話中間管理録トネガワ 福本伸行 萩原天晴 橋本智広 三好智樹六文銭「賭博黙示録カイジ」で実質ラスボスだった利根川のスピンオフ的作品。 個人的に、 「金は命よりも重い」 とか 「一千万二千万稼ぐことの難しさ」 (受験を勝ち抜き、就職戦争でも勝ち抜いて一流企業に内定をもらい、そこでも遅れずサボらずミスもせず毎日律儀に会社に通って10年経ってようやっと手にする額~のような下り) といった、お金に対する金言が多く、大人になった今新たな魅力が再発見されている利根川。 「1日外出録ハンチョウ」は読んでいたのですが、なぜかこちらは少し読んだだけで食指が動かなかったんですよね。 というのも、上記のように「賭博黙示録カイジ」の中で、利根川って魅力的な敵キャラなんですよ。 悪には悪の正義があるを地でいく感じで、負け方も、一言で言えば武士の切腹のような潔さで、むしろ格好良かったんですよね。 そこらへんがハンチョウと異なっていて、スピンオフでコミカルに描かれていることに違和感があり手が出せなかったんです。 が、そんな考えにとらわれているのがアホでした。 結論からいうと、めっちゃ良かったです。 利根川の日々の会社での生活が描かれているのですが、「中間管理録」とあるように、上司(兵藤会長)と部下(黒服)の板挟みに会いながらも仕事をこなす様は、サラリーマンのそれで、学ぶことが多かったです。 仕事のこなし方、会議の進め方、部下の動かし方、上司のご機嫌とり、などなどサラリーマンとしては一度は悩みそうな点を、しっかり描いているので、社畜な方は読めば共感できると思います。 大体頑張って→結局報われない感じで終わるオチも含めて、現実の仕事の辛さを突きつけられて身につまされます。 基本的にはギャグよりなのですが、所々仕事や人生?に役立つエッセンスがあるので、やっぱり利根川は魅力的なキャラだと痛感しました。 色々惜しかった作品絶望集落 蔵石ユウ 白山一也六文銭民俗学とかに出てくる「経立(ふったち)」と呼ばれる、長年生きたことで妖怪や魔物といった怪異になってしまった生き物に、人間が襲われるという話。 本作では、主に猿がそれに該当します。 田舎の限界集落。 突如、崩壊する平和。 容赦なく襲ってくる人外たち。 この設定・展開と「食糧人類」の原作者ということもあれば、否が応でも期待値が上がるものですが、残念ながら3巻で終了。 納得半分、惜しいなと思う気持ちが半分なところ。 納得なところは、登場人物に感情移入できなかった点。 おそらく、女子高生・鶴田がヒロインなのかもですが、正直、彼女の立ち位置がよくわからなかった。 というのも、彼女は、祖父とともに猟師をしていた女子高生で、銃も使える設定。 そうであれば、彼女を軸に経立と戦うのか?と考えてしまうのですが、実際はそうではない。 特に山の中での経験から、冷静な立ち居振る舞いをするのですが、育ててくれた祖父が死んだとわかっても、経立に対し激情に駆られたり復讐心に燃えることもない。 村の人間が次々に殺されても、淡々と逃げることを考えるあたりが、どうにも腑に落ちず、応援したくなるような感情移入もできなった感じ。 (リアリティがあると言えばそうかもしれないですが) それ以外にもよくわからない狂キャラ(頭おかしくなったキャラ)が多く出てきて、そんなキャラに対して真っ当な正義感(この場合だと、経立と戦ったり、弱い人を守る意志のある正義)をもっているワケでもない主人公とヒロインがまざって、全体的にまとまりがない印象をうけました。 皆思い思いの行動している感じ。 ただ一方で、経立の残虐描写がエグいので、限界集落のなかで奴らに大勢で囲まれたり、突如目があったりすると、その緊張感が半端なく、次へ次へと読みたくなる仕掛けは凄かったです。 最後、どう終わるのか気になったのですが、全体的に消化不良で終わります。 もう少し続けて、謎だった部分を掘り下げて欲しかったなぁと思えるので、やはり色々惜しかった作品なんだと思いました。 人類VS人外ものの名作食糧人類-Starving Anonymous- イナベカズ 蔵石ユウ 水谷健吾六文銭個人的な感想で恐縮なのですが、正直コレ系の作品って冒頭からインパクトのあるテーマ・設定とショッキングなシーンがテンコもりなので、後半はダレる傾向にあると思っているんですよ。 最初の期待値を超えてこないというか。 でも、本作は最後まで読めてしまい、最初から最後まで裏切らない感じが面白かった証拠だと思います。 7巻で短くもないですが、長編ほどでもないのも良かった。 さて内容ですが、 とある星からきた虫みたいな異星人の食欲を満たすために、人間が食料になるという設定。 その異星人は、想像にもれず大きくて凶暴。 そこで国が、核処理場と偽って、人間を家畜のように繁殖・飼育できる施設をつくる。 主人公は、その施設に入れられてしまい、現実離れした世界に恐怖し脱出をはかろうとします。 同じように施設から出ようとする、ないしはこの施設と深い関係のある2人の人間、山引とナツメと出会い・・・という流れ。 この2人の人間が、特殊能力があったり色々いわくつきで、そこから展開されるストーリーは、想像の斜め上をいって飽きないんです。 (若干、ご都合主義的な部分もありますが、それはご愛嬌で。) 特に、最終的に上記の異星人と対峙するのですが、その倒し方が秀逸すぎて・・・ 過去こんな残虐な(色んな意味で)倒し方があったのか?と唸りました。 また、虫みたいな異星人のフォルムがキモい上に残虐で、そのグロ表現も本作の魅力です。 文明が高度に発達した星から来たとか言っているけど、腹減りすぎると共食いはじめるとか、その知性のカケラもない行動に不気味さを加速させます。 人外VS人類、パニックホラー、SFにピンときた人はおすすめしたい作品です。 タイムスリップラブコメの定番我妻さんは俺のヨメ 西木田景志 蔵石ユウ六文銭なぜかふとした瞬間(寝たりすると)、未来にタイムスリップする能力が発動してしまう主人公。 その未来は、クラス一の美少女・我妻さんと結婚していて・・・という話。 そこから、現代の行動次第で未来が代わったり、また未来から現代の動きのヒントを得たりする。 モテなさそうな悪友のクラスメイトも混ざってわちゃわちゃした感じが楽しく、また我妻さんを筆頭に、未来に影響を与える美少女たちも続々出てきて(ありていに言うと、現代でその美少女とイイ感じになると未来の嫁も我妻さんから代わってしまう。)、ラブコメとしては純粋に面白い。 バカやって恋して、青春ど真ん中なテンションは読んでいて気持ちいいです。 それだけに、後半の失速具合はちょっと残念だったりするのですが、前半の勢いが抜群なので、それも含めてトータルで本作の魅力かと思います。 予想つかないスリリングな展開にひきこまれる降り積もれ孤独な死よ 伊藤翔太 井龍一六文銭4巻なのですが一瞬でとけました。 ミステリーやサスペンスって、自分はちょっとダレることがあるのですが、(注:内容が悪いのではなく、自分のIQが低いので登場人物が多すぎると覚えられない、展開が理解できないといったことがしばしば起きることによる)本作は、全くそんなことなく、4巻まで一気にいってしまった。 とある別荘の地下で見つかった大量の子どもの遺体。 この別荘の主人である「灰川十三」に対して、児童虐待の容疑で捜索依頼が出される。 しかし、捜査を続けていくと、そもそも彼は身寄りのない子供や、実の親から虐待を受けていた子供を預かり育てていたことが判明。 その証言をしたのは、かつて彼に育てられたという子供たち。 皆一様に、父として慕い、子供を殺すようなことはしないと言う。 では一体だれが、何のために? 別荘の死体 灰川十三の正体 彼をかばう子どもたちの真意 とにかく謎が多いまま進むのですが、息もつかせない怒涛の展開で、 特に、灰川を探す→灰川が出頭してくる→!!(※ネタバレなのでふせます)の流れは、予想もつかなくて、何度もみてしまいます。 毎巻ビビらされますし、終わり方も気になって、とにかく先がきになってしょうがないです。 ついに、灰川の生い立ちまでたどり着き、どことなくクライマックス感が高まってきましたが、展開によってはまだまだ続きそうで、早く真相が知りたいような、終わってほしくないようなもどかしい気持ちで読んでおります。 いずれにせよ続きが気になってしょうがないので、一気読みをおすすめします。 « First ‹ Prev … 16 17 18 19 20 21 22 23 24 … Next › Last » もっとみる
なかなかの限界っぷりな夫婦限界夫婦 コミックス版 きづきあきら サトウナンキ六文銭某所の広告につられて読んだが、なかなかの限界っぷり。 一見普通の夫婦っぽいが、中は子育てやレスなど色々不満があって、そんな時にお隣に引っ越してきた夫婦の、旦那側とアレな関係になるという典型的な不倫もの。 だけど、広告映えというのか、読者を煽ってくる思考や言葉の数々が秀逸で、特に添付画像にある、 不倫は味変 ってのは、なかなかのクズっぷりで良かった。 胸糞悪いと感じる方もいるかもだが、自分は、なんとも斬新な考えに面白くなった感じ。 まぁ、こういう人と一緒になってはいけないのかもだが、 人間のように脳みそが発達した生き物にとって、夫婦という同じ人間と関係を続けていくこと自体難しい と、どこかの本で読んだことがあって、それに近しい意見で妙に納得してしまった。 要は、結婚して夫婦になること自体、合理的な判断ではないってことらしいが、その分人間には理性があり、感情があるのでなんとかしていることだと思う。 また、この手の話は、奥さん側が我慢することが多いのだが、結構きついことを旦那に言ってしまうところも良い。 最後の最後まで、結構救われない感じなのだけど、それも含めて夫婦の形を考えてしまう内容でした。恋と地獄 ともにおちるものとは良く言ったもの恋と地獄【コミックス版】 今井大輔六文銭いわゆる既婚者に恋をした女性が主人公で、いいようにもてあそばれて終わる話。 そこに、泣き寝入りせずスカッと感を最後に入れてくるのが本作の特徴。 恋と地獄。さながら、天国と地獄といったところでしょうか。 作者さんが「パッカ」とか「ヒル」とか「クロエの流儀」とか個人的に好きな人だっただけに本作も手に取ったが、やっぱり作者ならでは人物の描き方があっていい。 題材は、あまり好みのジャンルではないのですが、それだけでも読む価値はあったと思う。 ネタバレになるので詳細は割愛しますが、既婚者以外に友人っぽい男性とのやりとりが味があっていいです。 こういうちょっとしたサブキャラにも、細かく人物設計している感じが個人的に好きだったりします。 1巻でこの主人公は終わったように思うのですが、別のキャラで続くのかな? いずれにせよ、恋と地獄、引き続き極端な両面を見せてくれるのを楽しみにしたいです。長瀞、可愛いよ長瀞イジらないで、長瀞さん ナナシ六文銭もはや様式美すら感じるようになった、オタク男子をからかう陽キャ女子の設定。 本作もそれになぞり、漫画を描いていたオタクな主人公が、たまたま後輩の長瀞さんに見られてしまい、ひたすらいじられるという展開。 基本的には 「長瀞~。もー長瀞ー。おい、長瀞!! え、長瀞?ちょ、長瀞!? もー。なーがーとーろー」 みたいな感じで読める。(意味不明) 一味違うのは、結構照れるところと、他の人がからかうと露骨に嫉妬するところ。 先輩をからかいすぎて終わったとしても、幕間で やりすぎた とか やりすぎたかも と照れるところは激萌えだし、長瀞さんの友人が先輩をからかうと、猫みたいに目になったり、遮ったりして先輩を守る。 意外と嫉妬深い感じもまたグッド。 この手の作品って、からかわれる男のほうがヒロイン感があるのですが、本作はきちんと長瀞さんがヒロインしているんですよね。 もはや何があってもオチまで予測できる二人のやりとりですが、 ニヤニヤしながら安心して読めるので、時々食べたくなる定番メニューのように好きな作品です。得も言われぬ恐さがクセになるSUBURBAN HELL 郊外地獄 金風呂タロウ六文銭表紙からしてヤバいのだけど、中身もそのまんまで期待を裏切らずそれ以上にゾッとさせてくれる。 版画チックというか何重にも線を重ねた絵柄が、解像度の悪いテレビをみているかのような感覚で、一見読みにくくもあるけど目をこらすと見えてくる恐怖がハンパない。 これが演出だとしたらすごい。 内容も、郊外で起こる事件をオムニバス形式で展開しており、それぞれ性的にも猟奇的にもなかなかエグくて読み応えがある。 『令和を代表するホラーコミック界を牽引する』と記載あるが、確かに独創的な絵柄と、テーマとする題材の切り口は、これまで読んだことないような斬新さを感じる。 伊藤潤二っぽさもあるが、別物だと思う。 怖いものがみたい人はぜひ、おすすめします。 ウシジマくん好きならぜひ!闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん 真鍋昌平 山崎童々六文銭ウシジマくんのラスボス的存在のヤクザ滑皮を主人公としたスピンオフ作品。 「らーめん滑皮さん」というくらいだからグルメ漫画かな?と思ったのですが、微妙にちがう。 本編読んだことある人ならご存知かと思いますが、滑皮さんは食べ方が汚いので、とても食レポする感じじゃない。 そして、案の定、しない。 相変わらずズバズバと汚く食べて、味に対しても、まずいとか、食える、くらいしか言わない。 その点は、探偵の戌亥(いぬい)も出てきて、こっちがしっかり食レポしている。 これが、微妙にウケました。 らーめん滑皮さんというか、戌亥だなと。 本編には出て来ない、滑皮さんの意外な一面(部下との関係含)が見れたのがよかったのと、本編に出てきた登場人物の、その後が読めたのが個人的に良かったです。 風俗で稼いだ3000万を盗まれた瑞樹 オサレエンペラーことG10 そして、滑皮に保険金目当てで当たり屋をさせられた愛沢。 皆、最後悲惨な感じで幕引きし、しかもしっかり描くことなく余韻だけ残して終わるものが多かったので、その後どうなったのか?というか、死んだのかな?と思っていただけに、この登場は純粋に嬉しかったです。(パラレルワールド的な解釈かもですが・・・。) 特に、愛沢が再起して、ラーメン屋(しかもそこそこ繁盛している)やっているのが意外で、本作のキーパーソン的な立ち位置まで出世しているのも面白い。 なんにせよ、ウシジマくんに出てきたクセの強いキャラたちが、再登場したり意外な一面を見せたりするので、原作ファンの人は読んで損はないと思いました。 漫画家を目指し集った若者たち※ただし1人除く#1巻応援カスミ荘の漫画家志望達 大野そら うらたにみずき六文銭トキワ荘にもじって、漫画家を目指す若者達を集めて格安シェアハウスを提供する「カスミ荘」 そこに集まった4人の男女+管理人の現役漫画家が住んでいる。 管理人以外は、最大3年か、漫画の連載が決まれば退去しなければならない仕組み。 個人的に期待を裏切るような展開が多々あって、そこが面白かった。 例えば、冒頭でゲームばかりしている2人の男。 漫画家になるのがいかに困難で継続していくことはもっとシンドいかを吐露していたので、いわゆる、夢はあるけど努力はしない自堕落な若者を描くかなと思いきや、実際はそうではない。 同シェアハウスに住む、19歳にしてメジャー雑誌で賞をとるなど夢にむかって着実にすすむ女の子への嫉妬とか、こじらせた恋愛模様かと思いきや、そこもちょっと違う。 何にせよ、少しずつキャラクター達がこちらの先入観を裏切ってくるような動きをするので、妙な魅力がありました。 主人公を軸に、漫画家の卵である他のメンバーとどう関わっていくのか?興味深いです。 また、男:女で2:2なのでラブコメ的な展開も今後あるのかな?などいろいろ幅が出てきそうで面白い。 自分も漫画好きなので、全員漫画に情熱をもっているのも、読んでいて共感したり、グッとくる部分があります。 やっぱ漫画っていいよなぁと素直に思わされます。 今後の展開に期待大な作品です。 なかなかのヤバさヤバマン サレ妻の秘密の離婚準備 えりちん カンバラノリオ六文銭北と南にわかれる大規模マンションで繰り広げられる、住人同士の不倫を描いた作品。 主人公は、旦那の浮気やモラハラ気質に嫌気がさし、パパ活と称して離婚資金を稼ごうとするも、ひょんな時出会った相手が、なんと同じマンションの住人だった。 双方利害が一致したので、そのままズルズルと関係を続けていると、ある日ラブホテルから、同じマンションの住人が出てくるのを目撃して・・・という展開。 しかも、相手の男は、主人公の娘が通っている保育園の保母さんの旦那。 一見優しそうな風貌で、なぜ不倫するのか探りを入れつつ、不倫相手の女性が他の部屋から出てくる(また別の男性か?)のを目撃したりで、このマンションのヤバさに気づく。 旦那だけでなく、住人も何かとヤバいので早く脱出しようと心に決める・・・現段階だとこんな感じ。 不倫関係もヤバいのですが、主人公の旦那が相当ヤバい。 主人公だけでなく娘に対してもあたりが強いのが、読んでいて結構きつい。 休日、うるさいからとクローゼットに入れる(ゴルフクラブで開かないようにして)とか、恐ろしいなと思う。 それでも健気に 「パパ、好き」 という娘の姿に、あぁどんな親でも子供にとっては親なんだなと、主人公以上に切なくなった。 クソみたいな親で一番被害受けるのは子供、って話ですよね。 はやく脱出して、この娘と幸せになって欲しいと強く願います。 狭い世界での男女のドロドロ劇だけでなく、こういう点も見どころだと思います。 利根川もイチサラリーマンだったという話中間管理録トネガワ 福本伸行 萩原天晴 橋本智広 三好智樹六文銭「賭博黙示録カイジ」で実質ラスボスだった利根川のスピンオフ的作品。 個人的に、 「金は命よりも重い」 とか 「一千万二千万稼ぐことの難しさ」 (受験を勝ち抜き、就職戦争でも勝ち抜いて一流企業に内定をもらい、そこでも遅れずサボらずミスもせず毎日律儀に会社に通って10年経ってようやっと手にする額~のような下り) といった、お金に対する金言が多く、大人になった今新たな魅力が再発見されている利根川。 「1日外出録ハンチョウ」は読んでいたのですが、なぜかこちらは少し読んだだけで食指が動かなかったんですよね。 というのも、上記のように「賭博黙示録カイジ」の中で、利根川って魅力的な敵キャラなんですよ。 悪には悪の正義があるを地でいく感じで、負け方も、一言で言えば武士の切腹のような潔さで、むしろ格好良かったんですよね。 そこらへんがハンチョウと異なっていて、スピンオフでコミカルに描かれていることに違和感があり手が出せなかったんです。 が、そんな考えにとらわれているのがアホでした。 結論からいうと、めっちゃ良かったです。 利根川の日々の会社での生活が描かれているのですが、「中間管理録」とあるように、上司(兵藤会長)と部下(黒服)の板挟みに会いながらも仕事をこなす様は、サラリーマンのそれで、学ぶことが多かったです。 仕事のこなし方、会議の進め方、部下の動かし方、上司のご機嫌とり、などなどサラリーマンとしては一度は悩みそうな点を、しっかり描いているので、社畜な方は読めば共感できると思います。 大体頑張って→結局報われない感じで終わるオチも含めて、現実の仕事の辛さを突きつけられて身につまされます。 基本的にはギャグよりなのですが、所々仕事や人生?に役立つエッセンスがあるので、やっぱり利根川は魅力的なキャラだと痛感しました。 色々惜しかった作品絶望集落 蔵石ユウ 白山一也六文銭民俗学とかに出てくる「経立(ふったち)」と呼ばれる、長年生きたことで妖怪や魔物といった怪異になってしまった生き物に、人間が襲われるという話。 本作では、主に猿がそれに該当します。 田舎の限界集落。 突如、崩壊する平和。 容赦なく襲ってくる人外たち。 この設定・展開と「食糧人類」の原作者ということもあれば、否が応でも期待値が上がるものですが、残念ながら3巻で終了。 納得半分、惜しいなと思う気持ちが半分なところ。 納得なところは、登場人物に感情移入できなかった点。 おそらく、女子高生・鶴田がヒロインなのかもですが、正直、彼女の立ち位置がよくわからなかった。 というのも、彼女は、祖父とともに猟師をしていた女子高生で、銃も使える設定。 そうであれば、彼女を軸に経立と戦うのか?と考えてしまうのですが、実際はそうではない。 特に山の中での経験から、冷静な立ち居振る舞いをするのですが、育ててくれた祖父が死んだとわかっても、経立に対し激情に駆られたり復讐心に燃えることもない。 村の人間が次々に殺されても、淡々と逃げることを考えるあたりが、どうにも腑に落ちず、応援したくなるような感情移入もできなった感じ。 (リアリティがあると言えばそうかもしれないですが) それ以外にもよくわからない狂キャラ(頭おかしくなったキャラ)が多く出てきて、そんなキャラに対して真っ当な正義感(この場合だと、経立と戦ったり、弱い人を守る意志のある正義)をもっているワケでもない主人公とヒロインがまざって、全体的にまとまりがない印象をうけました。 皆思い思いの行動している感じ。 ただ一方で、経立の残虐描写がエグいので、限界集落のなかで奴らに大勢で囲まれたり、突如目があったりすると、その緊張感が半端なく、次へ次へと読みたくなる仕掛けは凄かったです。 最後、どう終わるのか気になったのですが、全体的に消化不良で終わります。 もう少し続けて、謎だった部分を掘り下げて欲しかったなぁと思えるので、やはり色々惜しかった作品なんだと思いました。 人類VS人外ものの名作食糧人類-Starving Anonymous- イナベカズ 蔵石ユウ 水谷健吾六文銭個人的な感想で恐縮なのですが、正直コレ系の作品って冒頭からインパクトのあるテーマ・設定とショッキングなシーンがテンコもりなので、後半はダレる傾向にあると思っているんですよ。 最初の期待値を超えてこないというか。 でも、本作は最後まで読めてしまい、最初から最後まで裏切らない感じが面白かった証拠だと思います。 7巻で短くもないですが、長編ほどでもないのも良かった。 さて内容ですが、 とある星からきた虫みたいな異星人の食欲を満たすために、人間が食料になるという設定。 その異星人は、想像にもれず大きくて凶暴。 そこで国が、核処理場と偽って、人間を家畜のように繁殖・飼育できる施設をつくる。 主人公は、その施設に入れられてしまい、現実離れした世界に恐怖し脱出をはかろうとします。 同じように施設から出ようとする、ないしはこの施設と深い関係のある2人の人間、山引とナツメと出会い・・・という流れ。 この2人の人間が、特殊能力があったり色々いわくつきで、そこから展開されるストーリーは、想像の斜め上をいって飽きないんです。 (若干、ご都合主義的な部分もありますが、それはご愛嬌で。) 特に、最終的に上記の異星人と対峙するのですが、その倒し方が秀逸すぎて・・・ 過去こんな残虐な(色んな意味で)倒し方があったのか?と唸りました。 また、虫みたいな異星人のフォルムがキモい上に残虐で、そのグロ表現も本作の魅力です。 文明が高度に発達した星から来たとか言っているけど、腹減りすぎると共食いはじめるとか、その知性のカケラもない行動に不気味さを加速させます。 人外VS人類、パニックホラー、SFにピンときた人はおすすめしたい作品です。 タイムスリップラブコメの定番我妻さんは俺のヨメ 西木田景志 蔵石ユウ六文銭なぜかふとした瞬間(寝たりすると)、未来にタイムスリップする能力が発動してしまう主人公。 その未来は、クラス一の美少女・我妻さんと結婚していて・・・という話。 そこから、現代の行動次第で未来が代わったり、また未来から現代の動きのヒントを得たりする。 モテなさそうな悪友のクラスメイトも混ざってわちゃわちゃした感じが楽しく、また我妻さんを筆頭に、未来に影響を与える美少女たちも続々出てきて(ありていに言うと、現代でその美少女とイイ感じになると未来の嫁も我妻さんから代わってしまう。)、ラブコメとしては純粋に面白い。 バカやって恋して、青春ど真ん中なテンションは読んでいて気持ちいいです。 それだけに、後半の失速具合はちょっと残念だったりするのですが、前半の勢いが抜群なので、それも含めてトータルで本作の魅力かと思います。 予想つかないスリリングな展開にひきこまれる降り積もれ孤独な死よ 伊藤翔太 井龍一六文銭4巻なのですが一瞬でとけました。 ミステリーやサスペンスって、自分はちょっとダレることがあるのですが、(注:内容が悪いのではなく、自分のIQが低いので登場人物が多すぎると覚えられない、展開が理解できないといったことがしばしば起きることによる)本作は、全くそんなことなく、4巻まで一気にいってしまった。 とある別荘の地下で見つかった大量の子どもの遺体。 この別荘の主人である「灰川十三」に対して、児童虐待の容疑で捜索依頼が出される。 しかし、捜査を続けていくと、そもそも彼は身寄りのない子供や、実の親から虐待を受けていた子供を預かり育てていたことが判明。 その証言をしたのは、かつて彼に育てられたという子供たち。 皆一様に、父として慕い、子供を殺すようなことはしないと言う。 では一体だれが、何のために? 別荘の死体 灰川十三の正体 彼をかばう子どもたちの真意 とにかく謎が多いまま進むのですが、息もつかせない怒涛の展開で、 特に、灰川を探す→灰川が出頭してくる→!!(※ネタバレなのでふせます)の流れは、予想もつかなくて、何度もみてしまいます。 毎巻ビビらされますし、終わり方も気になって、とにかく先がきになってしょうがないです。 ついに、灰川の生い立ちまでたどり着き、どことなくクライマックス感が高まってきましたが、展開によってはまだまだ続きそうで、早く真相が知りたいような、終わってほしくないようなもどかしい気持ちで読んでおります。 いずれにせよ続きが気になってしょうがないので、一気読みをおすすめします。
某所の広告につられて読んだが、なかなかの限界っぷり。 一見普通の夫婦っぽいが、中は子育てやレスなど色々不満があって、そんな時にお隣に引っ越してきた夫婦の、旦那側とアレな関係になるという典型的な不倫もの。 だけど、広告映えというのか、読者を煽ってくる思考や言葉の数々が秀逸で、特に添付画像にある、 不倫は味変 ってのは、なかなかのクズっぷりで良かった。 胸糞悪いと感じる方もいるかもだが、自分は、なんとも斬新な考えに面白くなった感じ。 まぁ、こういう人と一緒になってはいけないのかもだが、 人間のように脳みそが発達した生き物にとって、夫婦という同じ人間と関係を続けていくこと自体難しい と、どこかの本で読んだことがあって、それに近しい意見で妙に納得してしまった。 要は、結婚して夫婦になること自体、合理的な判断ではないってことらしいが、その分人間には理性があり、感情があるのでなんとかしていることだと思う。 また、この手の話は、奥さん側が我慢することが多いのだが、結構きついことを旦那に言ってしまうところも良い。 最後の最後まで、結構救われない感じなのだけど、それも含めて夫婦の形を考えてしまう内容でした。