nyae
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2021/01/02
おにぎりを握ると鈍器になっちゃうピアノの先生
こんな面白いと思わなかったー!笑い泣き必至。 ピアノの先生という職業と、見た目の美しさで私生活も優雅でパーフェクトだと思われてしまう主人公・すみれ。その実態は…ピアノ教師は忙しい割に薄給なうえ、なによりも「料理が苦手でやりたくない」。やりたくないならやらなくて良いと思うけど、やたら料理の腕を試される場面が多いのがかわいそう。笑 すみれは地がお人好しなので、その度に努力はしてみるものの結果が全くついてこない様が申し訳ないけど笑えるんです。おにぎりが鈍器と手榴弾になっちゃう。なかでもクッキーを作ろうとする回がいちばん秀逸です。あなたはクッキーが焼けたときに「誰もいないっ…!」って言ったことありますか? 困った時はバズレシピで有名な“キッチンお兄さん”のツイッターに頼るのが今風。 そんな自分を受け入れてくれる料理上手な王子様が現れてくれるのを待ってるところは少しイタいけど、すみれがピアノクラブの講師をしてる幼稚園のイケメン朝日先生(優しい)や、ギャル先生(料理上手い)、料理家である朝日先生の姉など、すみれの今後を左右しそうな良いキャラがたくさん出てきます。3巻がもう待ち遠しくてしょうがない!
nyae
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2020/12/30
暗い、黒い、怖い、面白い。 #1巻応援
とにかくすごい漫画が生まれたなと思います。語彙力ないので、このクチコミ読んでもストーリーは理解できないと思いますが(自分もそんなに分かってないかも)、興味のある方だけ読んでください。 まず、特徴として舞台が深海なので1巻の3分の2ほどのページがほとんど黒くて暗い(内容がではなく)。紙の単行本見ると一目瞭然。あるところから突然紙が白くなるので、ここから何かがガラッと変わるんだなというのがわかる。 いざ読み始めると、前半はひたすら命の危険が伴いながらも目的のために深海の底を行くリビティナとジャック2人の様子が描かれます。ここまでで既にそこそこの長旅をしてきた様子。リビティナは深海で生まれ浅海を知らないので、ここを抜け出したいと思っている。一方ジャックは、浅海で生まれ育ち、とある出来事(これもまだ謎)をきっかけに、深海から故郷への帰還を目指しています。しかし、2人はいつどこでどのように出会ってなぜ共に行動するようになったのかは、1巻には描いてありません。そんなところも含め、謎がとにかく多い。 前述のガラッと変わるところからは、事情がありジャックと別行動になったリビティナの正体が明かされます。その姿が予想外すぎて驚きました!同時に登場人物も一気に増えるとともに、深海の歴史と知られざる秘密も徐々に暴かれるが…と、ざっくりいうとそういう話。 他のコメントにもありますが、常につきまとう不安感・得体の知れない感がメイドインアビスやBLAME!ぽさがある。ダークファンタジー好きにはたまらない内容だと思います。謎が多い分、なにか凄いものが隠されていそうな気がしてとても興奮します!
nyae
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2020/12/27
ネタバレ
谷口ひとみという人がいたこと
マンバ通信の記事を読んで、「エリノア」を読みたいと思っていました。そして運の良いことに手に入れることができ、先ほど読み終わったところです。 この「定本エリノア」には、エリノア本編と、著者である「谷口ひとみ」さんについて書かれた文章が載っていますが、エリノアという作品がどうというよりも彼女がどういう人間でどう生きてどうやって亡くなったかという事実があまりにも衝撃的で、もうそれが頭から離れません。 この本を出版された方が書かれているように、私個人的にはエリノア本編を読んでも大きく心動かされることはなく、こういう漫画があったんだなという程度でしたが(高校生が描いたと考えると単純に力作だとは思う)、これを自分がもっと若くて多感な時期に読み、何を思ったかが大事なんだと思います。初めてエリノアに触れたのがこの「定本」だと、作品に込められた谷口さんの思いを通さずには読めません。 谷口さんが生きていたら…という考えも浮かびますが、(これも著者が書かれてるように)色んな意味で漫画家として長くは続けられないんじゃないかなと思います。 谷口ひとみという人がかつて居たこと、その彼女がたったひとつこの世に残した漫画「エリノア」が生まれたわけ、それが雑誌掲載時に読んだ多くの人の心に残ったこと、そしてそれをまとめて一冊の本として出版されることとなった経緯を、知ることができて良かった。