兎来栄寿1年以上前『男子の品格』『ノケモノたちの夜』の星野真さんの新作は、根幹の大きな設定に魅力がある和風ファンタジーです。 この世界には龍がいて、それは多くの人にとっては吉祥の象徴。しかし、流刑島で罪人の首を斬る役目に就く主人公イサギに剣を教え込んだ名将・タツナミだけは違いました。ただひとり龍にまつわる「ある仮説」を立てており、そのために龍を殺すという大罪を為したのです。 龍殺しはいわば多くの人にとって信仰の対象となっている神を殺したも同然です。しかし、その真意をイサギとタツナミの息子のチエナミだけが知ることとなり、その真相の確認とそれが本当であるならば龍を殺さねばならないという大業を為しに向かう物語となっています。 恐らくその目的が人々に知られれば、狂人と罵られるような蛮行に映るでしょう。ほとんど誰にも理解されない、けれどその理解してくれない数多の人々を救うために孤立無縁の戦いに挑んでいく。その、哀しくも気高い構図が堪りません。 また、罪人ならまだしも時には裁かれるほどではない者の首も斬り続けてきたであろうイサギ。彼の背負った闇もこの作品の雰囲気を形作っています。望むと望まざるに関わらず斬った相手の持つ記憶を垣間見ることができるという能力を持つイサギは、逃げられない仕事を通じてさまざまなものを見てきたことでしょう。常人では堪えられないほどの重苦を味わってきたイサギから時折覗かせる闇もまた、この作品のポイントです。その闇があるからこそ、緩急をつけたシーンも際立っています。 何よりも星野真さんの絵が良く、ひとつひとつの表情、ひとつひとつの眼の力がとても魅力的です。イサギがタツナミから授けられた剣の腕前を発揮するシーンを始めとして、アクションシーンの迫力も圧巻です。 辰年に相応しく、今年読みたい作品のひとつです。竜送りのイサギ人の首を斬り、龍を殺す覇道の英雄譚 #1巻応援8わかる
sogor251年以上前厳格な父親の元で育った神無愛之助はその父親に反発して高校卒業後に家を飛び出し1人暮らしをしていました。 愛之助が父親に反発した理由、それは彼がゲイだったから。 父親に正しい生き方と認めて貰えなかった彼はとあるアイドルを見て漠然と、 「彼女みたいにかわいくて綺麗な女の子に生まれていたら…」と羨望を抱いていました。 しかし、そんな彼がバイト先のラブホテルで出会い頭に助けを求められたのが 他でもないそのアイドル・朝日奈花恋だったのです。 この作品はそんな出会いから始まる、それぞれの過去と複雑な思いが絡まり合いながら進む、 愛之助と花恋、2人の逃避行の物語です。 上下巻読了偶像エスケープこれは決して“恋”ではない、だけど… #1巻応援4わかる
たか1年以上前大好きな『つまさきおとしと私』のツナミノユウ先生の新連載ということで読んでみたのですが、笑いながら憐憫の情が湧いてくる面白さで、そして歪んだ愛情がすでチラ見えしてて流石でした。 クソッタレな村で虐げながら勇者として育てられた空っぽな少女シュラは、魔王の首を落としたことで全ての生きる意味を失い無気力に。魔王は「俺様を倒した勇者がそんなんでは沽券に関わる」と、シュラを立派な勇者へ鍛えるため帰り道に《背負われて》同行することに(うまぴょいじゃなくて、くびしょい)。 魔王様の人柄と指導力が素晴らしくてこれでカリスマなかったとか嘘だろ…!?という感じ。そんで「こいつになら殺されても良い」という勇者を事前にチェックしてたとかエモすぎてハートがねじ切れそう。 2024年に読んだ初新連載作品だったのですが最高の年明けになりました。続きが楽しみ!!くびしょい勇者アフター勇者物語with魔王(生首)2わかる
天沢聖司1年以上前タイトルだけ読んで下世話なお話なのかな…?と思ったら想像と全然違くて面白かったです! モラハラ夫に3年もセックスを拒まれていた女性が離婚を機に性生活を楽しもうと踏み出す、性にとても前向きなお話でした。 イケメンなうえにモラルも人を諌める老婆心もあるとか塩さんに出会えたのラッキー過ぎる。どうなるんだろう。 セカンドバージン・セカンドライフ~バツのち、セフ活~モラハラ夫を捨て性生活をエンジョイする!!2わかる