※ネタバレを含むクチコミです。
これ以上ない地獄の地獄ぶりが描かれていたけど、普通に考えて天国も嫌だろ…伊浦くんドンマイ…。 ボールみたいな鬼がちょっとかわいいなと思った。
奴が2020年の日本を知っていることは間違いないのだが…。 総理大臣が消えて未来は変わったのか、知りたかった。なんで全裸で走り回っちゃんたんだ。
ウジウジした人物と、この人にしか描けない真っ直ぐな人物の対比がいつも気持ちいい作家さん。少女マンガの良い余白があるし、大好きです。モディリアーニの方も購入しました。これからも痛快な人物が活躍する物語をたのしみにしています!
俳優業で上手くいってバイト生活から抜け出せますように、と初詣に行こうとしたけれど、遠くの国から働きに来てお正月も家族に会えない人のことを考えて「世界平和」を願うことにするというのがジーンときますね。で、結局コロナの影響で役者仕事がなくなり、相変わらずバイト生活のまま、というオチ。今しか描けない「どうしようもなさ」が伝わってきます。 前回の読切「マツザカ」がよく分からなかっただけに、余計に良さが沁みた気がします笑
「東京のお母さん」というモノノ怪かなんかに取り憑かれてしまったのか…ありあまる母性にまんまと甘えて取り返しのつかない事にならないようにしたい。
小さいおじさん、私は見たことないんですけど、都市伝説の中でも目撃情報が多いもののひとつですね。 この漫画にも小さいおじさんが出てくるんですが、なぜかいつも、走っている。 主人公がそれを目撃したあとには必ず車にはねられてしまうという、まさに「嫌なランナー」ということなのです。タイトルの付け方すごいな。 高橋留美子先生ファンの期待は裏切らない面白さです。いろんな人間の言動が絡み合って、主人公の運命がどこへ向かうのか、最後までハラハラさせられる。与田くんみたいな救いようのないアホが「おおっ」という行動を見せてくれるのもいい。
推しとアイドルと僕と僕の世界と。 12pとは思えないほど密度がある。 彼の目を通した彼女がいる景色にはいつも花びらが舞ってるけど、最後に同じ地平に引き上げられ光が差すので救われた気がした。 途中、時間経過や場所移動を表すコマ間に小さい花があってかわいい。
ほのぼのとした中にそれぞれのプロとしての気概を感じられる読切だった。オチが素晴らしい! 結婚して退職したいライターとベテランカメラマン、そして雑用係の新人編集者くん、この3名様もシリーズ化してほしい。
ある朝、夫婦喧嘩したきり橋の崩落に巻き込まれて死んでしまった男が、盆の夜に妻と再会する様子を描いた読切。 短いんだけど、妻が歩んだ人生の長さが感じられるいいお話だった。 こはぜ町ポトガラヒー ~ヒト月三百文晦日払~も読み返したくなりました。 【ビッグコミックオリジナル2019年18号】 https://bigcomicbros.net/magazines/25108/
年間400万件の遺失物を扱う警視庁の遺失物係に勤める主人公の元に、ある日変わった落とし物が届けられる。偶然、持ち主につながる情報が見つかったものの、落とし主は期日までに現れなかった。「それ」は通常通り処分されそうになるが、主人公はそれを自宅に持ち帰えり、妻とともに落とし主を探すことにする。 1ページ目を見たとき、「それ」が何なのか見ただけでは何なのか検討もつかなかったので、頭の中にある知識と繋がったときは本当に驚いた(「それ」を落とし物する、という設定がすごいと思う)。 **その落とし物から様々な人が互いを思い合う姿が見えてきて、愛情深さにジーンときた。**
導入から終わりまでの構成、作画、ストーリー、どれもが素晴らしい読切でした。途中辛いシーンがありますが、何より**最後まで読んだときの喪失感とやりきれなさが一番胸に残りました。** この作品は**佐藤まさあき先生ご自身の体験を描いたノンフィクション**だと読後に知り、あらためて戦争の残酷さを突きつけられました。今のサンデー読者にも届いてほしい傑作です。 【ビッグコミックオリジナル第18号】 https://bigcomicbros.net/magazines/25108/ 【あらすじ】 大阪で育った主人公・藤本は兄とともに愛知・祖父江町の祖母の元へ疎開する。小学校では地元の子供達に線を引かれ、意地悪なボスから『ソカイシャ』と呼ばれいじめを受ける。ある日、空襲で両親と片腕を失った少年・西田が名古屋から転校してきて、2人は都会育ちの疎開者同士友情を育んでいく。 やがて大阪は空襲に遭い、藤本の父は黒焦げになって死に、母は全身を油で焼かれ薬もなく与えられぬまま死んだ。 打ちひしがれる藤本に唯一、同じ立場で寄り添うことのできる西田は、丘の松の木を見て「俺たちも運命を呪わず真っ直ぐに生きよう」と鼓舞する。以来2人の仲はさらに深まっていった。 やがて中学を卒業した藤本は、漫画家になるという夢を叶えるため上阪する。週に一度は手紙のやり取りをしていた2人だが、「郵便局に就職した」という便りを最後に西田から連絡が途絶える…。 【扉絵の解説より】 >週刊少年サンデー1970年4・5号合併号に『新春感動大作シリーズ第5談』として掲載された、劇画家・佐藤まさあき氏による読み切り作品。 >1955年4月に上阪するまで、佐藤氏が過ごした愛知県稲沢市祖父江町を舞台に、彼の実体験を基に描かれたノンフィクション。作中に登場する松の木も実在するもので、執筆当時「思い出の松の木は、ちっとも昔と変わっていなかった」と語っている。本作は佐藤氏にとって念願のテーマであり、自身の心の傷に立ち向かった渾身の一作である。
垣根の魔女の1編「御身大事に…」は、おばあさんと介護ヘルパーさんのお話。 「猛烈お婆さん・落合ミドリは、新人介護ヘルパーさんを困らせるためにわざと病弱を装ったり部屋を散らかしたり元気いっぱい。ヘルパーがお世話をしていくうちに、だんだんと2人の距離は縮まり、ミドリは特攻で死んだ息子からの手紙を読んでやってほしいと頼む。すると黒塗りがある手紙を読んだヘルパーは、インク消しで落とすことを思いつく…」というあらすじ。 ミドリさんのパワフルさの陰には辛い過去があり、黒塗りの下には息子のナマの姿があったのだなとジーンとしました。 45年前の読切とのこですが、今週のビッグコミックに載っていても全く違和感のない、色褪せない絵柄で本当に素敵です。
主人公はセールスマンの仕事をしていたが気が弱いので成績が振るわず上司にも嫌われ仕事を辞めることに。再就職したのは高齢者の話し相手となり心のデトックスサービスをする仕事だった。根っからの性格が受け身なので利用者からの評判も上々。まさに天職ともいえる環境で出会ったのが、パワハラ気質の元上司に似ているお得意様の北川様とその娘だった。 読み返すとタイトルが秀逸なことに気づきました。あの絶叫はある意味プロポーズだと思います。笑
調理師として派遣されたのは母親を亡くした大家族。主人公はここで三度の食事の支度と、母親の月命日である13日にお墓参りをする仕事を請け負うことに。お寺の長い階段を登り、初めてのお墓参りをしようとすると、そこに弱った黒猫がいた…。 ほのぼのとした描写ながら人と人が交流を重ねた日々の厚みを感じる作品でした。ちなみに「13日」と「黒猫」というと不吉な感じがしますが、この二つが主人公の行く末を導いてくれることになります。それまで男運が悪かったのも伏線なのかも。演出も素敵だと思いました。
ある日、墓場から赤ん坊の泣き声がする。どうやら埋葬された若旦那の妻が産んだらしい。よく見ると確かにヘソの緒が繋がっている。死人の腹の中で育った赤ん坊を、後妻は執拗に気味悪がり見向きもしない。実は妾だった後妻が若旦那をそそのかし、意地の悪い妻を殺したのだった。赤ん坊は女中が育て3才になったが、不気味さも増していく。イラつく後妻に何度も折檻され女中は、通夜の晩に見たものを白状し始める…。
日𠮷ゆい子さんの読み切りはほのぼのしてて癒される。 娘から婚約相手を紹介したいと言われたお父さんの話で、お嫁に行っちゃうのが嬉しい反面ちょっぴり寂しいっていう繊細なニュアンスがすごく伝わってきた。 このお父さんが大阪弁でつるっぱげで可愛いんだよなぁ。
何かをしているときやふとした瞬間、ふわっと浮きあがってくる過去の記憶。 想い出。 想い出にふさわしい、ふわっと線が少なくて懐かしくてほがらかでかわいい絵柄。 日常はオチがつくわけでも何が起こるわけでもない、それがいい。 何か起きるかもと期待するから楽しい。 しかし負けた悔しさは忘れない。 それが人生だ。
ゴリラに初恋をしてしまった女性の話。 動物園、ガラス一枚向こうにはゴリさんがいる。 この女性がゴリラに向ける視線は全身をなぞるようにとてもエロティックで、憧れの人に向ける目線のように熱く純粋だ。 そしてそこにゴリさんと気軽に挨拶を交わすライバル(人間の女性)が現れ・・。 すごくかわいらしいお話だった。 でもこの話って何かに置き換えられる気がするなーと思って、ぼんやり考えていたらハッとした。 「のぞき部屋」だ。 利用したことはないが映画などで描かれているのを見たことがある。 「万引き家族」で出てくるのも同じような形態だったかな? まさに、ガラス1枚隔てた向こう側に対象がいて、悶々として熱い視線を向けている。 同じ対象を複数人が見ている、いわばライバルだ。 男たちは目の前の女性の見た目に幻想を投影し、みっともなく泥臭く自分のものだと主張し取り合う。 だが、見られてる側からしたら多少のサービス精神こそあっても、ガラスの向こう側に気持ちがいくことはなく、プライベートでよろしくやっているのだ。 その関係性を男女逆転させ、風俗を動物園という設定に変えたのがこの作品と考えれば、立体的に見えてきて面白い。 女性に変えただけで(それだけではないが)、みっともなさを可愛らしさのオブラートに包むんでこうも可愛らしくなるのかと感動する。 オチなんかはまさに例で出したソレで笑える。 他の作品を読んだこと無いので読んでみたくなった。
小学生にとってプライドを懸けた戦いである「牛乳のいっきのみ」をモチーフにした短編読切。 最強の敵、よっしゃん(男子)を倒すために、ゆりっぺ(女子)があの手この手で挑むけど…。 10pと短い物語の中で、子ども時代の気持ちや、給食での思い出を呼び起こしてくれるような力を持った、良い読切でした。 温かみあるタッチの絵に、活き活きとした関西のしゃべくりがハマってた。
【掲載誌】 ビッグコミックオリジナル2017年第24号(2017年12月5日発売)に掲載 【代表作】 『夫婦フーフー日記』 『君の大声を聞いたことがない』 【受賞歴】 『バウテンダー』 第1回 オリジナル新作賞 大賞 受賞 【公式ページなど】 太陽とえんぴつ http://crayon-company.com/
「モディリアーニにお願い」の相澤いくえの読み切りがビッグコミックオリジナルに掲載されていた。 10pの短い話ながらある日、絵が描けなくなり苦しんでいるイラストレーター志望の女の子が、ゴーギャンの椅子の話を聞いて、よしもう一度頑張ろうってなるシンプルでまとまりのある話で面白かった。
※ネタバレを含むクチコミです。