これはTwitterにアップされたらめちゃくちゃバズるぞ…と思った傑作。
若手俳優が小劇場で3人芝居をしている。公演2日目、演者である俳優達はステージの上からすべての公演を同じ席で観劇している女の存在に気づいた。B3列12番、ここはファンクラブ限定席で4日間全公演完売している。同じ席に座り続けるなんて不可能なはずだ!しかも服装もいつも同じ…これは幽霊?!劇場の年配の女性スタッフによると古い劇場なので噂はあるとのこと。
ここから怒涛の展開。最初は怖がっていた俳優達だが女を成仏させようとやる気になり最高の舞台が完成する。それを観ていたB3列12番の女は…生きていた!同じ席で推しを観る為にファンクラブアカウントを24個つくり180万円をつぎ込んだ普通じゃない女だった!そして感動のラスト。
B3列12番の女すげぇ!と思ったけど「推し」がある人なら共感しかない話なのかも。作者の竹内佐千子さんはこういう世界に詳しいんだろうな。若手俳優達が本音を語ってる場面も説得力があって読んでておもしろかった。まさかの推しが一番地味なアイツだったのもよかった!人が好きになるツボって分からないから深いですね。
ある小劇場で同じ席に座る女性。その理由とは!?(ビッグコミックオリジナル2020年5号)