ギャグマンガだけど真っ直ぐな熱さも兼ね備えたスポ根ギャグ排球(バレーボール)漫画。表紙の戦国時代の武将にしか見えないオッサンが監督。自らを将軍と名乗り、排球軍(バレーボール部)にとんでもない練習メニューを課してくる。例えば、人間を投げ飛ばしてレシーブさせる「人間レシーブ」や、本物のヤクザにアタックさせて精神力を鍛えさせたり…。主人公はこれらのアホ練習を乗り越え、熱い試合展開を見せてくれるようになるのだが…。とにかく監督だけでなく同級生や先パイもキワモノ揃いなので、マジなのかギャグなのかわからない時もあった。特にクセが強いのは、やはりリベロの「たかし麿先輩」だろう。優雅な平安貴族の装いで、蹴鞠の技術をバレーに活かす姿は一度見たら忘れられない。入学してこれから入部という所で終わってしまい残念だった。
引っ込み思案の主人公が葛藤や苦悩を経てヒーローとして成長していくという王道的アメコミ風ヒーロー漫画のストーリーでありつつ、ヒロアカにもましてや本場のアメコミにも(知る限り)いなかったタイプの女の子主人公ですね! (スーパーヒロインって強くてかっこよくて好戦的なのばっかりな印象) 優しさと勇気で小さな身体を奮い立たせる姿に胸を打たれます。 すごく応援しているのですが、タイトルのググラビリティとエゴサビリティの低さが心配の種ですね。でも良いタイトルだと思います。賞とか獲ってもっと認知されてほしい!
幼女のかいじゅうたん、かんわひぃ〜 なんかもう、東京タワーとかあげるから遊んでな、と言いたくなる こんなふうに日本が壊滅するならそれでいいかな。 かいじゅうたんの虜の総理は最後まで生き残れるのだろうか!?
たまにテレビでやってる大食い番組。人間離れした競技としか思えません。ずっと観てると、驚きとワクワクと恐怖が入り混じった畏敬の念みたいな気持ちが起きてきます。特に小柄な女性選手に対しては。この漫画はそんな大食い競技で女子高生たちが奮闘するスポ根漫画です。 たくさん食べることが何より好きな女の子春風天子が主人公で、高校生になってからは大食いをやめようと決意したものの、大食い競技の部活「食い道部」の面々に出会ってしまい、最初は嫌々ながらも次第に大食いの道にのめり込んでいきます。 てんむす(漢字で書いて天娘)という言葉は、その昔、豊穣の神への祭祀として、巫女たちが大食いを競った歴史から、現代の大食い競技として続いている設定になってます。なので参加者は女子のみ。 大食い勝負は一対一だったり団体戦といった形式の試合で、単純にたくさん食べた方が勝ちなんですが、テクニックや基礎体力を必要とする、しっかりとしたスポーツ競技として描かれているので、大食いできる身体づくりも学べます。 かわいい絵柄なので最初はもっとゆるふわなテイストかと思ってましたが、勝負所では荒々しいタッチに変わり、手に汗握る迫真の試合が繰り広げられます。わりと王道のスポ根展開が多くて、少年マンガ好きにはたまらない熱さがあります。 特に、長野女子体育大学付属との試合などは、 多くの「大食いマンガ」の中でも屈指の名勝負になるんじゃないでしょうか?全国出場までの勝ち上がり方やライバルチームの描き方は見事です。 あと、名古屋弁がめっちゃ出てくるのもほっこりします。当然、大食いの料理には名古屋メシが出てきたり、対戦相手のご当地料理だったり地域の特色も楽しめました。 ラストに近づくにつれ話にまとまりがなくなってきて、終局を感じる雰囲気になってきますが、ここまで読んだらぜひ最後まで読んでみて下さいな。わんこそば戦での、天子の突き抜けた表情は忘れられない場面だと思うんですよね。「たのしく、たくさん食べる」って素晴らしい。 自分もわんこそばの大食いにチャレンジしてみたくなりましたよ。
能田達規先生のサッカー漫画は我が家の本棚で10年以上スタメンを張っています。 氏の作品の特徴でもあるのですが「試合としてのサッカー」よりも「サッカーに係る人間のドラマ」に焦点を当てています。 この作品はまだ少年漫画でのサッカー漫画をしていますが、他の作品は中々振り切ったテーマになっています。 オーレ! サッカーチーム経営 サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン~ 芝生の手入れから審判、広報のひとに ぺろり!スタグル旅 スタジアムのグルメ 本作のストーリーは 少年時代の約束を守るために、天才ストライカー ムサシが J2 の存続すら危ぶまれる南予オレンジに加入し J1 昇格を目指す J2 のチームが J1 に上がれるか?とマイナス方向にハラハラさせるのが読んでいて引き込まれます。 結構敵チームをいい味を出していて、どっちも負けてほしくない試合がチラホラと・・・ 以前、友人に勧めたら 「これ、ゴール決まったらすぐ試合終了になるじゃん・・・試合短いじゃん・・・」 と言われてしまったので、サッカー漫画好きには物足りないかもしれませんが、スポーツ漫画と言うよりも人間ドラマとしてみると凄い良き作品だと私は思います。
最強の男は誰か、最強の格闘技は何か、を追求するなら 個々人の資質やセンスや体格や体力や修練度を 最高レベルで均一化したうえで、 打・投・極の全てをいかんなく発揮できるルールを作り、 身分や立場や金銭的なメリットデメリットなどのしがらみを 無くして平均化して、 多数が同時に心身ともにベストコンディションで 戦える場に選手一同を終結さけなければならない。 そんなことは現実には不可能だ。 だからこそ古今東西、漫画・小説・TV・映画という 夢を現実化できる世界で、数え切れないほどに テーマにされて作品化されている。 だがそれでいて、いまだに これが最高、これが究極、これこそがリアルだと 万人を納得させる作品は出現していない。 リアルとドリーミイのバランス取りが難しすぎるのだろう。 ある意味で作品化、描写が不可能レベルな難題で 「最強論漫画」は永遠の夢なのかもしれない。 その最強論漫画への挑戦・証明のための手法として、 リアリティとドリーミイをいい感じにミックスして 凄くいい感じに魅せてくれているのが 原作・夢枕獏、作画・板垣恵介の「餓狼伝」だと思う。 矛盾した言い方になるがリアリティとドリーミイが それぞれに充分に共存した漫画になっている。 空手・柔術・プロレス・ボクシングなどの 各種格闘技の(前記した条件を満たした)精鋭が 一同に会して闘うという 「現実にはありえんだろ」という世界を 小説(原作)や漫画だからドリーミイをある程度まで 魅せてくれている作品は他にも少なからずある。 「餓狼伝」もそういった、漫画だからこそ成立している ドリーミイな面はあるし、その面での描き方も凄く面白いのだが、 それだけではない板垣先生ならではの上手い描き方が 「餓狼伝」では、なされていると思う。 添付画像は第三巻からの抜粋だが、 夜の公園で闘っている二人の攻防のポイントを 的確に判りやすくコマ割りして絵にしている。 そしてそれだけでなく、 「電灯が揺れる」 シーンを間に挿入している。 たった一つのコマではあるが、 普通に格闘場面を描き、そこにリアリティを強調しようと だけ考えたら、なかなか揺れる電灯のコマなんて この流れの中に挿入出来ない、描かない。 だがこの一見、たいした意味のなさそうな一コマで 単純に技に入り決める動作を連続写真的に 絵にするだけの漫画よりも、 投げ、電灯、絶息、手のクラッチという流れにすることで リアルとドリーミイが判りやすく漫画として成立している。 こんな感じの、ただリアルを追求するだけの 絵やコマ割りだけではない、漫画手法としての ドリーミイがあちこちに描かれている。 それはもともとの夢枕獏先生の原作にそれだけの 要素が詰まっていたのだろうけれど それをまた板垣先生が上手く漫画化したんだな、 と感じている。
この読切の大事なところはそこじゃなかった。 もちろんラップも効果的な要素のひとつではあるけれど、なによりの推しどころは主人公の「オカン」! 明らかな元ヤン風情でありながら得意料理は煮物。煮物を作っておきながら、クリームたっぷりパンケーキ食べたい。 そしていざ食べに行くとなった時の変身ぶり。メイクテクニック高すぎ。かわいい、かわいいよ!!! 甘くないお食事パンケーキも美味しいけどね。煮物に合わせるのはアウト。
※ネタバレを含むクチコミです。
ジュニオール灰谷音屋先生の全3回にわたる新連載。10年前、渡米を目前に控えたベテラン王者・真山は、駆け上がってきた若き天才・手嶋と対戦し敗北。2人は再戦を約束するも、手嶋は路上で凶刃に倒れ夭逝。真山も敗北を受けてアメリカ行きの話が消え、表舞台から引退した。 そして現在、真山は喫茶店で記者から手嶋健壱について取材を受け、あの試合について振り返るが、自分が退いた後の総合格闘技界では新たな動きがあって…というあらすじ。 **いまここに居ない人間について、周囲の人間の証言で振り返るドキュメンタリー風の語り方がとにかくめちゃくちゃエモい…。** https://i.imgur.com/NSGlUTK.png (『Jinx』灰谷音屋 第1話) 昔を思い出して語るシーンは静かな喪失感があって落ち着いてるんだけど、試合シーンは格闘技ならではの迫力があってその対比がすごく好き。 そして真山と手嶋の、**たった一度しか拳を交えていないにも関わらず、お互いについて「三度の飯より人を殴るのが好きな病人」、「初めて見つけた俺と同じ趣味の持ち主」と評し通じ合う関係性がホント良い…。** 最後に登場した現在の格闘技界を担う若手選手に真山がどう絡んでいくのか…続きが楽しみ。 【週刊少年チャンピオン 2019年No.47】 https://www.akitashoten.co.jp/w-champion/2019/47
私が少年のころ、まわりはオカルトに満ちていたように感じます。「オーメン」「ゾンビ」「エクソシスト」「サスペリア」「マニトウ」という映画を劇場で見た記憶がありますし、江戸川乱歩や横溝正史の小説が手に届くところにありました。また、テレビでは夏になると「あなたの知らない世界」を昼間から放送していましたし、漫画も日野日出志に楳図かずお、つのだじろう、古賀新一のホラー作品をよく読んだものです。こうして挙げてみると壮観ですね。ただ、本作はここにあげた中でも別格。恐怖というより得体のしれない未知の世界を教えてくれた存在でもあるのです。主人公は女子中学生。この黒井ミサという主人公が魔女という噂通りの魔性を備えた女。気に入らないものには容赦なく、死かそれと同等のことで罪を償うことになるという妖しげなダークヒロイン。加えて魔術や呪文、黒ミサなど世界の闇を教えてくれる訳ですから、思春期の精神には蠱惑的でした。今読んでもそのころの刺激的な出会いを思い出してしまう貴重な作品です。
ギャグマンガだけど真っ直ぐな熱さも兼ね備えたスポ根ギャグ排球(バレーボール)漫画。表紙の戦国時代の武将にしか見えないオッサンが監督。自らを将軍と名乗り、排球軍(バレーボール部)にとんでもない練習メニューを課してくる。例えば、人間を投げ飛ばしてレシーブさせる「人間レシーブ」や、本物のヤクザにアタックさせて精神力を鍛えさせたり…。主人公はこれらのアホ練習を乗り越え、熱い試合展開を見せてくれるようになるのだが…。とにかく監督だけでなく同級生や先パイもキワモノ揃いなので、マジなのかギャグなのかわからない時もあった。特にクセが強いのは、やはりリベロの「たかし麿先輩」だろう。優雅な平安貴族の装いで、蹴鞠の技術をバレーに活かす姿は一度見たら忘れられない。入学してこれから入部という所で終わってしまい残念だった。