その他の感想・レビュー3417件<<9091929394>>記憶よりもきつかった幕張 木多康昭hysyskジャンプ+にもないのにKindle Unlimitedで全部読める!となって懐かしさで読んだが、今の感覚からするとかなり厳しいと言わざるを得ない。 連載当時を思い出してみると自分は小学生で、近所の少し年上の友達に『行け!稲中卓球部』を読ませてもらっていたのでそれのパクリだと思っていた。それは小学生ゆえの知識のなさからくるものなのだけど、意外とその感覚は長く引き継がれてしまうものだ。 鈴木智恵子や奈良の母親いじりみたいのは当時もレベル低いと思っていたけど、ああいう毒舌・下ネタ・内輪ネタ、つまりは「ぶっちゃけ」が笑いになる時代だった。今だと事前に摘み取られるか、先鋭化して一部の集団にのみ支持されるようなものになるのだろう。そういう意味で貴重な記録だし、読みながら何が変わって、何が変わらないのかを確認することができる。歪な幸せ家族計画私が姑を殺した、雨の日【単行本版】 弓咲ミサキックス野愛※ネタバレを含むクチコミです。「巨人を殺す」と決めた少女の話I KILL GIANTS ケンニイムラ ジョーケリー 柳亨英ANAGUMAロングアイランドに暮らすバーバラはクラスでも浮いていて、家族とも良好な関係を築けていない小学生。その原因は彼女の言動にあります。バーバラの生きる目的はひとつ。「巨人を殺す」こと。 「中二病女子の成長物語」というコピーが付いていたようですが、バーバラの行動はたしかに「中二病」的です。自分がもし多感な時期に『進撃の巨人』にドハマリしていたら…とか想像してしまった。 誰にも理解されないからと自分の世界に閉じこもり、どこか他者を見下しているかのように振る舞い、挙げ句唯一の友人ソフィアも傷つけてしまいます。はっきり言ってバーバラは感じの良いキャラクターではありません。 「一体この子は何と戦っているつもりなんだ…」と冷めた気持ちで作中の人物と一緒にため息吐いちゃうこともあるかもしれません。 ところが、彼女が殺そうとしている「巨人」の正体が明らかになった瞬間、一気に空気が変わります。これまでバーバラにしか見えていなかった巨人や、妖精の世界の真実が理解できてしまったとき、彼女に抱いていた印象は180度変わるはず。 誰もがどこかで味わったことのある青春の辛さが滲んでくる、苦みに満ちた作品なのは間違いないと思います。それでも読み終えた頃にはフッと優しい気持ちになれる、素敵な作品です。ドンデン返しと爽やかなエンディングを読んで味わってほしいです。優しくて切ない天才の短編集さよなら、またね。 優あうしぃ@カワイイマンガこの短編集は、オールカラーである……水彩タッチのとても淡く、優しい色彩と、繊細な描線。 「萌え」という言葉にある程度、揶揄が込められているとすれば、優先生の描く造形は、「萌え」に水彩的な「優しさ」を加えて、誰も揶揄する気になれない程にまで美しく、愛らしく突き詰めた芸術品だ……控えめに言って天才だ、と思っている。 『おおかみこどもの雨と雪』『五時間目の戦争』も美しかったが、優先生の本質はカラーにある……と私が思い込んでいるのは、私がはじめて触れた先生の作品が、この短編集『さよなら、またね。』の表題作だったからだろう。 『季刊GERATINE』というカラー漫画雑誌の2010年秋号に掲載されたこの作品。いつ単行本になるのか……と思っていたら、2017年まで待つことになる。 表題作を始めとして、優しい雰囲気の中に描かれるのは、残酷な状況が多い。もう取り戻せない物、気づいた時には失われている恋、否応ない別れ……余りにも切なくて、私は表題作でいつも手が止まってしまう。 この年、優先生は亡くなられ、もうこの様な作品達は生み出されない……という事情を差し引いても尚、この切ない天才の、決して色褪せない作品に、是非一度触れてみていただきたい。まずはこの短編集がいいだろう。そして『五時間目の戦争』を是非。 ①さよなら、またね。 七年ぶりに化けて出た元クラスメートは、生まれ変わるから挨拶に来た、と言う。 ②なくしたことば 自分を模したAIを載せたサイボーグが、眠りから覚めない……何の夢を見てる? ③はるのはな 遠く離れた兄と妹。レシーバーで偶々の交信。人の体でない兄が向かうのは……。 ④なつのいと 先生は私の名を間違える。私とよく似た、婚約者の名前と。 ⑤おかえりなさい 田舎に帰省する姉は、いつも明るい。俺が望んだのと、違う。 ⑥猫の日 飼い猫を助けてくれた級友に、つい暗い本音を話してしまう。彼の反応は……? ⑦きずあと 切りすぎた前髪を、男の子に見せに行く。彼のせいで、残った痕を、苦しい初恋を。 マンガ自体も面白いが勉強になる公家侍秘録 高瀬理恵starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男江戸時代後期の京都が舞台で日野西家の心優しき当主・晴季と食いしん坊姫・薫子に仕える青侍の天野守武の三人が中心に物語が進む。主人公は天野守武で青侍とは別に日野西家に代々伝わる宝刀『粟田口久国』を守る《刀守り》の役目があった。刀守りとしての仕事もあり、貧乏公家を支える仕事や同じ「守り仲間」の話など話数が短いのでテンポよく読めるしので全く飽きなかった。あと薫子が食う甘味がどれもむちゃくちゃうまそう 公家の言葉や文化なども細かく紹介されてたので公家のことを知るいい機会だった。 「刀守り」という仕事は実際にあったのかなかったのかが最後までわからんかった。個人的には存在して現代まで生き残っていて欲しい職業だし、これからどんどん新しい《○○守り》が出てきて後の世の中に一つでも多く残して欲しいものだ。 全然話は変わるけど、この作者のマンガが好きで20年以上読んでいて、小学館新人コミック大賞・1993年度前期一般部門受賞作【上意】や文藝春秋増刊のも持ってる。 いつでも読めるところに置いておきたいかもがんばらなくても死なない 竹内絢香名無しけっこう「分かっちゃいるけど出来てない」ことがたくさん書いてありました。 私はそこまで無理して頑張ってる日々は送ってないですが、人と自分を比べたり、少しの失敗で必要以上に自分を責めたり、他人の目線を気にしすぎたりは、やめたいなーと思ってました。なので挙げられてる項目が、どれが刺さってくるかは人によって違うと思います。 いちばん共感したというか「ほんとそれ」って思ったのは、片付けとかがどうしても出来ない時、考え方を変えてやってみるか、それでもダメなら「寝よう!」というやつ。笑 多少の家事を放って寝ても、死なないですもんね。 定期的にパラパラっと読み直したくなるなと思いました。 心が健康なときに読んでください殺人犯の正体 鍋島雅治 岩田和久野愛読んで気分がよくなるわけがないとわかっていても読みたくなってしまうこの手の作品。 実在した凶悪殺人犯を淡々と記録しています。 ひとくちに凶悪犯と言っても、人間性のかけらもないような悪魔から不幸な生い立ちゆえに殺人を犯してしまった者まで様々です。 月並みな感想にはなりますが、どれも実際に起こった事件だと思うと暗澹たる気持ちになります。 たまたま自分は安全な場所で普通の思想で育っただけで、何かひとつでも欠けていたらそっち側になってしまうこともあるのかもしれないな…と恐ろしくなります。 有名な事件ばかりなので知っている方も多いでしょうが、読んだ後に事件について調べるとより暗澹たる気持ちになりますね…。 確かに。。#1巻応援がんばらなくても死なない 竹内絢香Pom 自分でも気づかないうちに頑張ってしまう時、頑張りすぎてしまう時ってあるけど、(少なくとも自分はある)この本はそんな時に読みたくなる。 共感する所も沢山あった。 確かに、がんばらなくても死なないよなぁ。 この本を読んでそう思った。 世界中の戦士がやってくるアパート三丁目雑兵物語 グレゴリウス山田ななし十三世紀のハローワークとか竜と勇者と配達人の作品ということで買ったけど長らく積んでいたやつ。 日本の足軽を始めとして、ドイツのチュートン騎士団とかイスラームのアサシン、アステカのポチテカ、北欧のヴァイキングなどなど、大量の「戦士の女の子」が主人公が大家を務めるアパートにやってくるゆる〜い話。 ノリはゆるいけど、歴史的情報は細かく描かれていて好きな人にはたまらないと思う。 ヴァイキングの兜にツノは後世の創作で実際には無いって初めて知った。思えば幸村先生の私物にもツノはなかったと気づき興奮した。 https://natalie.mu/comic/news/333910子供の人生選択…その時母に出来る事おおかみこどもの雨と雪 貞本義行 細田守 優あうしぃ@カワイイマンガ恋した人は、狼男でした……やがて二人の間に姉弟の「おおかみこども」が産まれるが、母子を残して狼男は死んでしまう。人の世界に組み込まれず孤立する母子。生活に限界を感じた母は、ある決断をする。 □□□□□ 物語は、狼と人間の姿を行き来する子供達の成長を追い、人か狼かの生き方を選択するまでを追う。 性格、好奇心、本能……それぞれの人生選択は、丁寧に二人の性質を追う事で、意外なようでいて納得のいく必然性をもって描き出される。そして二人を庇護してきた母の苦労を丹念に描く事で、人生を選んだ子供に最早何もできない苦しみと、懸命の祈りが胸に迫る。 幼い二人の表情の豊かさに癒された後で、生き方を違えた二人の表情の対比に驚かされる。最後まで読み終わった後に、姉弟の最初を見返すと、ひどく懐かしい感じがする。こんなにも遠くに来てしまったのかと。 同名映画のコミカライズである本作が初単行本となった、優先生。感情の描き方の強さと複雑さに、心を動かされる。笑顔、泣き顔の表情一つひとつが強力で、表情につられて貰い泣きする場面が本当に多く、人前でおいそれと読めない感じがする。 (映画版を観ていない感想です) 体格差70cmの巨人BL、まさかの僧侶枠でアニメ化www巨人族の花嫁【単行本版特典ペーパー付き】 ITKZ天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。ぶたぶたさんに抱きしめられたいぶたぶたの休日 安武わたる 矢崎存美 メイブルウ野愛『ぶたぶた』を読み終えたばかりだけど、再びぶたぶたさんに会いたくなってこちらも読んでみた。 やっぱりぶたぶたさんは素敵なひとだ…!! かわいいぶたさんが当たり前のように喋りだす故、初めて会うひと達は驚きペースを乱される。そして、まんまるの目に見つめられてついつい心を開いてしまう。占い師も刑事も天職。 『ぶたぶた』とくらべるとこちらはちょっと重たいお話もあるので、ぶたぶたさんの可愛さに癒されながらも自分の人生を見つめ直してしまうような力もあった。 何者かになりたい気持ち、自分の人生の主人公は自分だという気持ち、いつの間にか忘れてしまった気持ちをぶたぶたさんが呼び起こしてくれるはず。戦士に愛を…戦士に愛を 三浦秀雄名無し人造人(じんぞうじん)という戦争のために人が作り上げた人造人間が主人公。人間に迫害され対立しているディストピア感あふれる世界で、主人公は生きるために人間側の兵士として、戦い続けるというストーリーです。人造人間からの視点などはブレードランナーやターミネーターを彷彿とさせます。人造人、機械兵、再活性化などの難しい世界観と荒削りな作画ですが、戦場の臨場感は抜群で先の展開が気になる面白さがあります。ちなみに、巻数が14巻となってますが、実質は4.5巻くらいのボリュームです。3巻まではコミックスが出ていて、途中から分冊による販売に移行したためだと思われます。 幽白〜レベルE時代の冨樫義博について先生白書 味野くにおななし※ネタバレを含むクチコミです。ぶたぶたさんのタクシー乗りたいぶたぶた 安武わたる 矢崎存美 メイブルウ野愛表紙のかわいいぶたさんは、山崎ぶたぶたさんという男性です。ショップ店員だったり、シェフだったり、タクシー運転手だったり、真っ当に働く善良な社会人なのです。 というとめちゃくちゃファンタジックで他にもうさぎさんとかねこさんとか出てきそうですが、ぶたぶたさん以外は普通の人間しかいない世界のお話です。 このぶたぶたさんがとても真面目で優しい方なんです。人を責めたりもしない、説教じみたことを言うわけでもない、ただそっと寄り添ってくれるような方。 まんまるの目にぶたさんのお鼻がついているだけなのに、優しく微笑んでいたり心配そうに見つめていたりするのが伝わってくるのです。 その姿が今まで出会った優しい人たちの顔と重なるような気がして、心がほんのりあたたかくなります。 仕事や人間関係に疲れたときに読んでみると気持ちが穏やかになること間違いなしです。 駅の売店で牛乳飲んでるぶたぶたさん、かわいすぎる…!ひやしあめがむちゃくちゃうまそうナマの京都 グレゴリ青山マンガトリツカレ男関西では「ひやしあめ」というのは一般的だそうだが俺は関東に住んでいるので「ひやしあめ」と言うのはほとんど見たことがない。「ひやしあめ」はたまにみかける面白缶ジュースのひとつという印象も強いがこのマンガ内に登場するコラムにある「ひやしあめ」はむちゃくちゃうまそうだった。 ひやしあめの話はともかく、グレゴリ青山が若いころバイトした料亭のエピソードや先祖代々京都に住んでいるので先祖が「応仁の乱」あたりでおこしたしくじりを大正時代まで言われるとか中々クレイジーなエピソードが多く面白い。 コラム内に登場した近畿地方の謎CMに興味湧いたので調べた 岩田呉服店 https://www.youtube.com/watch?v=ktQzEZzTgo0 西村の衛生ボーロ https://youtu.be/TkO_dKybaFY 亀岡山田木材経営団地 https://www.youtube.com/watch?v=PB9mWPevo_4 100日後に金の雨は降るだろうか?100日後に打ち切られる漫画家 浦田カズヒロ野愛100日後フォーマットは流行りものとして消費されながらもなんやかんや定着しそうな気がしないでもない。プロレス界でいうレインメーカー式○○みたいな感じ。 ひとりの漫画家が初連載を持ち、100日後に打ち切りになるというストーリー。 タイトルを見れば今後何が起こるのかは全てわかるのに、読み進めるほどカエル先生に愛着やら親近感やらが芽生えてしまう。連載終わるな!人気出ろ!アンケート出すよ!なんて思ってしまう。 そして、結論がわかっているからこそ、何故そうなったかが気になってどんどん読んでしまう。倒叙式のミステリーや推理小説に近い楽しみ方ができる。 100日後フォーマット凄いなあという話に終始してしまったけれども、漫画家が漫画家を描くという面白さも確かにある。どこまでがリアルなの?実体験なの?と、どうしても作者とカエル先生を重ねてしまう。 果たしてカエル先生は100日後に訪れる打ち切りを回避し出版業界に金の雨を降らすことができるのでしょうか。ぜひ読んでみてください。 無事打ち切られますので。華やかな世界を舞台にしたスポ根ヘアデザイン道まゆ子の季節 柴田あや子名無し10代の頃に雑誌の連載で読んでいました。新人の美容師・まゆ子が才能を見い出され、苦難をいくつも乗り越えながら世界的なヘアドレッサーへの道を駆け上がっていくストーリーです。 当時はヘアメイク関連のアーチストが今のようにポピュラーな存在ではなかったので、自分とは縁のない華やかな世界の物語と思っていましたが、ストーリーはスポ根の王道のような感じで読みやすいです。絵柄やファッションに時代を感じるものの、展開が早くスリリングで、一気に読み返してしまいました!ドラマ化したら見てみたい!はぴナビ! 石田衣良 みづき水脈名無し作者名に石田衣良さんの文字を見つけたので読んでみました。 主人公はマスコミを目指し就活を始めた水越千晴ちゃんです。 就職氷河期でコネもなしって、今年大学4年生のうちの子供と重なるところがありました。そのため、私は現代日本におけるの就活の実情について興味深く読みましたが、それだけでなく、主人公の千晴が就活をとおしていろいろな経験をしていく過程で考えさせられる事が多くありました。 就活中の方はもちろんのこと、その親にとっても大変関心が高く読める漫画だと思います。もちろんストーリー自体がすごく面白いので、就活に関係ない方にもおすすめです。 これドラマ化したら絶対に面白いはず!と思ってしまいました。 衝撃のラスト!漂流くん 森もり子 トミムラコタ名無しかくれんぼしたまま20年が経ってしまったという、まあありがちな設定ですが・・。そこにはいろんな、物語があり、妙に心を揺さぶられます。そんな中迎える衝撃のラスト!これはグッドエンディング?それともバッドエンディング?いったい何エンディングになるんでしょうね………。世界で戦うのが夢のまた夢だった時代の熱い話Jドリーム 完全燃焼編 塀内夏子名無しJリーグ黎明期の、プロ自体が珍しかった時代、世界で戦うのが夢のまた夢だった時代に、世界で戦う主人公を中心とした架空の話です。架空の話ですが、きちんと取材していて、作者がどれだけサッカーが好きなのかがわかります。困難を押しのけて、みんなで一つになって戦って目的を達成する、という少年漫画の王道中の王道ですが、女性の作家でここまで少年の気持ちがわかるのか、といい意味で驚きでした。日本のサッカー関係者が世界で戦うぞ、と熱い気持ちを持っていた時代の息吹を感じさせてくれます。お寺さんを身近に感じられるきっといつかは幸福寺 ありま猛名無しお寺さんを題材とした漫画はちょっと珍しくて、興味を持って読んでみました。住職さんの役目や跡取り問題、檀家さんや他のお寺さんとの付き合いの難しさなど、普段なかなか知ることのない世界を垣間見ることができて、期待以上に面白かったです。お寺さんがテーマとは言え、真面目でシリアスな作品ではなく、基本的にはユーモアと人情味溢れたストーリーなので、さらっと読めるも気に入りました。幸福寺の住職ファミリーのやり取りも可笑しくて、喧嘩もあるけれどお互いを理解してサポートし合う関係にほっこりしたり、周囲の人々へ暖かく手を差し伸べるシーンに思わずほろっとしたり、上手に読み手の気持ち満たしてしてくれる作品です。読み終えた後には、お寺さんの存在が身近に感じられました。全2巻ですが、ぜひ続きも描いて欲しいです。 その昔存在した名ハード「ドリームキャスト」を語る漫画!ドリームキャストファン烈伝 徳光康之名無しSEGAが最後に世に送り出した家庭用のゲームハード「ドリームキャスト」のコアなファンを描いた作品です。 私も相当なドリキャスファンですが、作者のSEGAとドリキャスに対する熱意がビシビシ伝わってきます。 相当マニアックなネタを詰め込んでいる作品であり、SEGAファンとドリキャスファンはあっという間に読みきってしまうでしょう。 ゲームが好きな人には是非一読して欲しい熱き物語です。舟の上で漂い暮らす男のお話。舟に棲む つげ忠男名無しつげ忠男さんの作品は前から興味があったけれど、読むのは初めてでした。主人公は、小説家で、家族はジーンズショップを経営しています。主人公は、稼ぎの少ない冴えないおじさんとして描かれていますが、作者自身もジーンズショップを経営していたというので、自身を投影した主人公なのでしょうか。 そんな主人公が、趣味の川釣りがこうじて、おんぼろの小さな舟を買うのですが、家族はちょっと呆れ気味。それでも自分で舟を改造して屋根などを作り、昔の日本にいた、舟に住む人々のような暮らしを思い浮かべながら、週のうち何日か楽しむようになります。 そこで、漁師などいろいろな人と関わるのですが、川を流れてくる人間ではない何かと遭遇したりして、ちょっと不気味でもあります。設定は現代なのですが、浮世離れした世界に引き込まれていくような感覚があります。 作者の兄である、つげ義春の作品が好きな方にもおすすめです。<<9091929394>>
ジャンプ+にもないのにKindle Unlimitedで全部読める!となって懐かしさで読んだが、今の感覚からするとかなり厳しいと言わざるを得ない。 連載当時を思い出してみると自分は小学生で、近所の少し年上の友達に『行け!稲中卓球部』を読ませてもらっていたのでそれのパクリだと思っていた。それは小学生ゆえの知識のなさからくるものなのだけど、意外とその感覚は長く引き継がれてしまうものだ。 鈴木智恵子や奈良の母親いじりみたいのは当時もレベル低いと思っていたけど、ああいう毒舌・下ネタ・内輪ネタ、つまりは「ぶっちゃけ」が笑いになる時代だった。今だと事前に摘み取られるか、先鋭化して一部の集団にのみ支持されるようなものになるのだろう。そういう意味で貴重な記録だし、読みながら何が変わって、何が変わらないのかを確認することができる。