グランドジャンプの感想・レビュー146件<<34567>>震災後の「スカイハイ」天間荘の三姉妹 スカイハイ 高橋ツトムナベテツ想像を絶するような災害に遭った時、創作者はどんな言葉を紡ぐことが出来るのか。東日本大震災の後、多くのクリエイターが様々な表現で向き合いましたが、この物語もそんな状況と対峙した作品の一つです。 この作品の前に描かれた「ヒトヒトリフタリ」の基底に感じられたのは怒りと前に進む意思でしたが、本作はより深い哀しみと、前を向く希望でした。 作者の代表作の一つであるスカイハイシリーズの中で、本作は恐らく最も広範な読者に受け入れられる作品なのではないかと思います。 自分の好きな劇作家の鴻上尚史さんの文章に、「現実の出来事に対して、演劇は無力であり、涙の根元の原因を無くすことは出来ない。ただ、その涙をそっと拭うハンカチのような作品になれば幸いです」といった主旨の言葉があり、この作品にもそんな想いが感じられました。 災害で辛い気持ちを抱えている人の現実に、何か出来ることがあると思うほど傲慢ではありません。ただ、自分のいる所で日々出来ることをする。他者に想いを馳せる想像力のきっかけにとなる作品の一つなんじゃないかと思っています。びっくり!来世ではちゃんとします いつまちゃん大トロ友達にすすめられて読みました! 日本の若者の性の乱れが描かれていました。。バイト先のスーパーの厳しい店長(黒髪メガネ)白石店長はひとりぼっち 悠はな黒髪メガネの厳しい白石店長に、学生バイト君がスーパーでの業務について指導を受けるお話。『グランドジャンプ 2019 No.19』より3号連続掲載とのこと。 厳しい店長の可愛い一面を楽しむマンガとしても素晴らしいのだけど、グラジャンに掲載されているだけあって、**スーパーの店員さんのお仕事マンガとして面白かった**です。 他商品を買わせやすくするために行う値下げ「おとり」や、人間の視線の動きに合わせた陳列「Zの法則」など、スーパーが常日頃行っている工夫は勉強になりました。 作者のTwitterを見てたら、実際にスーパーで4年間バイトされていたとのことで納得しました。 https://twitter.com/yamader_7/status/1163070545891434497?s=20 1話ではバイト君が店長の首元にあるホクロに見とれてたけど、果たして次回以降どのように仲が進展するのか…!期待しています! 『グランドジャンプ 2019 No.19』 http://jumpbookstore.com/item/SHSA_ST01M02767101919_57.htmlモリタイシのエロい漫画なぁたんとご主人たま モリタイシ名無し2015年あたりのグラジャンに載っていた、ちょっとエロい読切。全40ページほどの内容で、デジタル限定の本とのこと。 彼女に振られたばかりの男が、道端で19歳の少女を拾って家に泊めてあげ、エロいことするっつー成年マンガでよくあるフォーマットだが、、 まぁ直接的なエロの見せ方はしてないので、成人向けに慣れている人には少しもの足りないかも。ただ「モリタイシの絵でエロいことしてる」ってのが重要なので、ファンであれば100円で買ってもお釣りがくるかと。 ちなみにドラゴンボール世代としては、なぁたんがノーパンで服をたくしあげるところでブルマと亀仙人っぽいな・・・と思ったり。 「祝いの席」「夜の世界」「女子会」の主役シャンパーニュ 長友健篩 城アラキmampuku漫画Timesに載ってそうな絵柄で、漫画Timesに載ってそうなウンチク話ですね。スパークリングワインだけに絞られたテーマはなかなかにニッチ。 同じグランドジャンプで連載のウンチク漫画「王様の仕立て屋」や、ワインを題材とした金字塔「神の雫」などと比べるのは流石に酷かもしれませんが、ややストーリーの粗が目立ちます。ただ、女の子に夢見がちなおじさんが書いた漫画って感じで女の子が可愛いです。ジェンダー観にうるさい人は嫌な顔をするかもしれませんが、私はこういうのこそフィクションの醍醐味だと思うので支持します面白い野球漫画プレイボール2 コージィ城倉 ちばあきおやまどのシリーズよりも面白い野球漫画です。 青春感じたい人はぜひ!! 面白い野球漫画プレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお名無し熱い野球漫画 リアルな趣向で青春が読み取れてすごく良いです。 ほかの野球漫画の中で1番面白いシリーズです! ちば先生の傑作プレイボール2 コージィ城倉 ちばあきおしん谷口、ガンバレ!!日本国民は全員読むべき作品東京核撃 細野史羽starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)核爆弾が東京で炸裂したときどうなるか、どうするかという話。 ヤマザキマリ先生の新作『オリンピア・キュクロス』を読もうとグランドジャンプをぱらぱらめくっていたら目に飛び込んできた東京での核爆発のシーン。 パッと手が止まって読み始め、引き込まれるのにそう時間はかからなかった。 壮絶である。 第一話→http://grandjump.shueisha.co.jp/manga/tokyo_kakugeki.html 子どもの頃、3年ほど広島県に住んでいたことがある。 わりと大きな小学校で1学年に5クラスあり、すべてのクラスの学級文庫には「はだしのゲン」が置いてあった。 転校してすぐの頃は馴染めなかったのでずっとはだしのゲンばかり読んでいた。 特別授業というものがあって広島市、原爆、戦争の歴史など学び、課外授業で広島平和記念資料館に行ったりして原爆の現実を肌で学んだ。 もう、二度と日本で核に怯えることはないと思い、自分の中ではファンタジー化していた部分もある。 そしてすっかりその脅威を忘れて安穏と生活していた。 しかし、その恐怖が呼び覚まされることになる。 そう、北朝鮮だ。 ミサイルが日本上空を通過した。 まさかと思っていたのに。 そしてJアラートの性能を知ることになった。 この漫画は、東京・永田町に核ミサイルが落ちたことを想定し、その時どこにいて、どの時間経過でどう行動すべきかが描かれている。 これを読んだらJアラートを「どうせまた誤作動でしょ」と切り捨てることなんて出来ようがない。 誤作動だったらそれで良し、まずは自衛のため行動に移すのみと具体的な危機感を持つことができた。 グロ描写もないので読みやすい。 僕は専門家でもなんでもないのでこの漫画がどの程度のシミュレーションの上で描かれていて情報がどの程度確実なものかなんて知らないけど、危機感を持てただけでもかなりの収穫だ。 おかげで生き延びる確率が格段に上がるはず。 あとは普段から自分で調べて行った先々で軽くでいいからシミュレーションして備えることだ。 「東京核撃」が「はだしのゲン」や「サバイバル」のように傑作になり人々に目に触れる機会が増えることを祈る。 いま、北朝鮮の核ミサイルの脅威にさらされている日本国民全員が読むべき漫画かもしれない。日本酒蘊蓄いっぽん!!~しあわせの日本酒~ 松本救助 増田晶文大トロ繊細で可愛らしい絵で日本酒の知識が身につく大好きな漫画だったんですが、終わっちゃってたんですね〜。 百貨店を舞台にして、売る人や作る人たちのドラマが描かれてて話も面白かったです。 サイゼに恨みはないが王様の仕立て屋~フィオリ・ディ・ジラソーレ~ 大河原遁mampuku イタリアを舞台とした、一話完結形式の紳士服漫画。よそ者ではぐれ者の主人公・織部が、他では引き受けてもらえないような難解な案件を高額報酬と引き換えに解決(納品)するという、最近だと闇医者漫画の「バカレイドッグス」なんかが近いかも。 シリーズ通算50巻到達らしいですが全然飽きがこない。スーツに関する蘊蓄がどれも面白く、普段スーツ着ない私でも一着欲しくなってしまいます(織部の仕立て屋にオーダーしたら100万は軽く超えそうなのでちょっと無理w)あと読んでるとマルゲリータ食べたくなりますね。サ○ゼリヤのじゃなくてちゃんとした美味しいやつ。いろんな意味でおいしい展開不倫食堂 山口譲司名無し飯を食うところもうまそうだが、行く先々で出会う女性との一夜もそんなうまい話があるかと羨ましいものばかり。いい話っぽくまとまっているので、いわゆるエロ漫画とも違う品がある気もしないでもない。マンガ的感動に涙するプレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお影絵が趣味コージィ城倉がおそろしく優れた漫画家および漫画原作者であり、その両端の活動を、誰もがその早すぎる自死を惜しんでやまない天才漫画家の大名作を継ぐという史上もっとも美しい形で引き受けたことへの敬意をまず述べておきたいのですが、この際そんなことはどうでもよくて(ぜんぜんよくない! ほんとうにありがとう! コージィ城倉)、じつに38年の時を超えて、谷口が、丸井が、五十嵐が、ほかにも愛おしいすべてのキャラクターたちが、コマのなかでバットを振り、白球を投げる、もうそれだけで涙がはらはらと頬をつたって止まらないのです。 これが映画だったらどうか、小説だったらどうか、あるいは、大友克洋の出現以降おそろしいまでの発展を遂げた現代のマンガだったどうか。どれをとってもこの感動は生まれないと思うのです。白と黒の線とコマで描かれた「記号」の集積物としてのマンガ、このもっとも基本的であり、もっとも美しくもあるマンガ本来のスタイル、これだからこそ為しえた奇跡だと思うのです。手塚治虫いらい編み出され共有されてきたマンガ的記号、この幾ばくかの記号のうち、ちばあきおが好んで使用したものをコージィ城倉が受け借りてここに再現する、これをマンガ的感動と言わないで何と言えばいいのでしょうか。 ちばあきおの名作『プレイボール』の続編をコージィ城倉が描くプレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお名無しちばあきおの代表作『プレイボール』の続編。『プレイボール』は作者の体調不良により最後の夏大会を前にして完結。その後、急逝により物語はそこで終わってしまっていた。それをコージィ城倉がちばあきおの画風と作風を再現しながら続きを描いている。 1話目には導入もなく、『プレイボール』の最終話からそのまま読める。この構成から、「新作」ではなく「続編」であるという、コージィ城倉の意気込みが伝わってくる。 谷口のスパルタも、丸井の谷口への深い愛も、田所さんの面倒見の良さも健在。好きだった『プレイボール』が復活したようで嬉しい。ちばあきおが描ききれなかった谷口たちの最後の大会の行く末を見守りたい。長崎尚志と猿渡哲也のタッグで新連載ZIG ジグ 猿渡哲也 長崎尚志地獄の田中『MASTERキートン』の長崎尚志と『TOUGH』の猿渡哲也がタッグを組んでグランドジャンプで新連載が始まった。テーマはテロリストとの戦いだと思うが結構大きい話になっていきそう。楽しみこの絵との相性ギャルソン 城アラキ ホリエリュウちゆう城アラキ先生の物語にホリエリュウ先生の絵のタッチが他の作品とはまた違った雰囲気、印象をもたらす1冊。しっかし、この方向の話考えさせたら城アラキ先生強いですね♪バーテンダーやってると必読感あるもの。 『鉄血のブサー』村上もとか グランドジャンプNo.14(2017年)鉄血のブサー 村上もとか地獄の田中あらすじは「戦後、米軍占領下の沖縄。鍛えた空手の技を武器に闇世界で米兵を倒し続ける少年だが、ある日「拳聖」と呼ばれる老人と出会い?」というもの。 沖縄戦の終盤、洞窟に追い詰められた少年と少女とその祖母のシーンから始まるんだがショッキングだった。どうやらその少年がこの話の重要人物になるらしい。 今回掲載されている前半は、たぶん少年の導き手となる船越義珍の登場と紹介、そして少年がやや屈折して成長してしまった姿を描いている。秋本治のスーパー西部劇BLACK TIGER ブラックティガー 秋本治地獄の田中こち亀を連載終了してから4作品を発表した。グランドジャンプではアクションの派手な西部劇。 ブラックティガーっていう腕利きの賞金稼ぎの話で、銃撃戦だけじゃなくて銃自体の絵もさすが上手い。不倫×グルメ!不倫食堂 山口譲司まーくんタイトルを見ただけでは、グルメ要素低めと思っていましたが、ほぼグルメ漫画、ときどき不倫です。主人公が出張先のグルメを食べるんですが、あまり東京住みでは知らないようなものを食べるので、こんなものが有名なんだと知れて、どこか旅行に行きたくなります。不倫するのも地方の女性なんですが、訛っている地方の女性もいいなぁ・・・と思っちゃいますね。 七三太朗インタビュー グランドジャンプ 2017年 14号プレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお地獄の田中ちばあきおの弟で原作者の七三太朗のインタビューが掲載されている。ちばあきおとどういう風にマンガを作っていたかとかちばてつやとちばあきおの間にライバル意識はあったのか?とかちばてつやからだと聞けない話で面白かった。『ピノ』村上たかし グランドジャンプ2017年No.14 ピノ 村上たかし名無しおばあさんの介護をしているピノの動きがコミカルで面白かった。 認知症気味のおばあさんがピノを孫と勘違いしているところは少し泣きそうになる… 女好きのする女イノサン Rougeルージュ 坂本眞一名無し「残酷でぐろい」をこんなに美しい絵で描かれてしまうと途端に芸術を見ている気になりますね。 気持ち悪がられるかなぁと思いつつ友達にイノサンを薦めますが、この世界観にすぐ惹かれてしまう人が多いです。そして、マリーちゃんのファンになる子がかなり多いです。男らしい潔い性格とやや壊れた人格、なんといってもヴィジュアルがかっこよすぎますよね。ロングの巻き毛に刈上げのツーブロックはマリーちゃんしか似合わないはず。 ちばてつやへのインタビュー、グランドジャンプ2017年No.13プレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお地獄の田中「プレイボール2」が始まってちばてつやへのインタビューが今回のグラジャンに掲載されている。 「プレイボール2」をどう思っているかと、ちばあきおの人となり、ちばあきおを漫画家としてどう思うかなどが語られていて面白かった。 ニッチな医療モノっておもしろいし勉強になるラジエーションハウス 横幕智裕 モリタイシひろりんぬ放射線技師にスポットを当てた医療漫画。 外科医とか救急救命とかが漫画でも多いし派手で人気で、もちろんそれはそれでおもしろいのだけど、こういうニッチな部分を描いた漫画って、新鮮で面白いのはもちろん、知らないことがいっぱい書いてあっておもしろい。同じ方向性だと麻酔科医ハナとかも好き。 とりあえず乳がん検診の際には自分の乳腺濃度を聞こうと思いました。<<34567>>
想像を絶するような災害に遭った時、創作者はどんな言葉を紡ぐことが出来るのか。東日本大震災の後、多くのクリエイターが様々な表現で向き合いましたが、この物語もそんな状況と対峙した作品の一つです。 この作品の前に描かれた「ヒトヒトリフタリ」の基底に感じられたのは怒りと前に進む意思でしたが、本作はより深い哀しみと、前を向く希望でした。 作者の代表作の一つであるスカイハイシリーズの中で、本作は恐らく最も広範な読者に受け入れられる作品なのではないかと思います。 自分の好きな劇作家の鴻上尚史さんの文章に、「現実の出来事に対して、演劇は無力であり、涙の根元の原因を無くすことは出来ない。ただ、その涙をそっと拭うハンカチのような作品になれば幸いです」といった主旨の言葉があり、この作品にもそんな想いが感じられました。 災害で辛い気持ちを抱えている人の現実に、何か出来ることがあると思うほど傲慢ではありません。ただ、自分のいる所で日々出来ることをする。他者に想いを馳せる想像力のきっかけにとなる作品の一つなんじゃないかと思っています。