京都の織物問屋に就職したものの、社長の一人娘の駆け落ち事件に巻き込まれ、会社に居づらくなった若者は“東京”を目指す。憧れの“マンガの世界”へ飛び込むべく…! 谷口ジロー自伝風、愛の連作!! ▼第1章/冬の動物園▼第2章/始まりの春▼第3章/裸婦を描く▼第4章/兄が来た▼第5章/長い休日▼第6章/星に願いを▼第7章/冬の陽だまり ●主な登場人物/浜口(京都から漫画家を目指して上京した青年) ●あらすじ/昭和41年12月。高卒後、鳥取から京都の織物問屋に就職した浜口は、休日となると動物園へスケッチに行く日々。社長宅にある蔵を改築した建物に下宿している彼が、ある日スケッチから帰宅すると、先輩社員たちが社長の娘・綾子の噂をしていた。2年前に結婚したものの、自らの浮気が原因で出戻ってきたという彼女。その翌日から社長の言いつけで、綾子の外出時には社員の誰かが監視のため付き添うことになり…(第1話)。●本巻の特徴/今、ヨーロッパで最も注目を集める“マンガ家”谷口ジローが、自らの青春の日々と重ねあわせて描く自伝風・愛の連作。●その他の登場人物/近藤史郎(浜口がアシスタントに入った漫画家)、森脇(近藤のチーフアシスタント)、藤田(近藤のアシスタント。人見知りで大人しい)、東野(「少年ホリデー」の近藤担当編集者。女性)、田村(浜口の元同級生で友人。仕事の新聞配達先の縁で、浜口を近藤に紹介した)
転校で七年ぶりに故郷へ戻ってきた動物好きの主人公・神宮マサト。幼馴染みの女子高生・ヒトミをデートに誘い、訪れた動物園で二人は人間の顔が付いた動物に突如襲われてしまう… 逃げ惑うマサトとヒトミ。しかし、それは彼らが思いがけない世界に放り出される序章に過ぎなかった――――!! 動物が人類に反旗を翻す戦慄のアニマル・パニック・ホラー、堂々開園。
上野原動物園のペンギン舎の中では、ペンギンたちが可愛い動きで客を楽しませていた。そこへ閉園のアナウンスが流れ、さっきまで演技していたペンギンたちは一斉に帰りだす。中途採用でこの動物園へやって来たギンペーは、もっと客を楽しませるために毎日リハーサルしようとペンギンたちに提案する。しかし、ペンギンたちは勤務時間外に働くのを嫌がり帰ってしまう。
レッサーパンダのウンチはいいニオイ!? チンパンジーはおふとんをかけて寝る!? ハシビロコウはおじぎをする!? 亡くなった動物は獣医が解剖したり剥製や標本にするって知ってた? 動物たちのウンチはどうやって処理してるの? 猛獣はいつから直でふれあえなくなるの? 動物園で働いていた獣医さんがコッソリ教える、 かわいい動物園の動物たちの知らないお話がたくさん!
斜陽の極楽島動物園。不幸が続いて動物はメスばかりに。その上、園長の怪しい研究で動物は夜になると女の子の姿に! 飼育員の種田くんは夜な夜なけもっ娘たちと…!?
日本最北の動物園が廃園の危機に─―。そんなどん底の状態から理想の動物園を目指し、立ち上がった飼育員たち!進化し続ける「旭川市旭山動物園」が、入場者数日本一になるまでの、汗と涙の復活再生物語!
文芸部に所属する高校2年生の宍戸牙王(ししどがおう)は、部活仲間の日辻萌衣(ひつじめい)に片想い中。ところがある日、メイが部活にぱったり顔を見せなくなる。心配した牙王は放課後、メイを尾行するのだが、向かった先は……動物園!?実は、メイの正体は動物園の園長だったのだ!!マメジカ、ダチョウ、カバ、ライオン、アビシニアコロブス、ゾウ。個性豊かな動物たちに見守られながら(?)牙王とメイの恋が走りだす――!?
タイトルの「冬の動物園」から冬の時期に読むのにぴったりな短編集をイメージしていたところ、まさかの漫画家マンガでした。しかも谷口ジロー先生ご自身の自伝風というそれはそれですごく興味がそそられる内容でとても面白かったです。 主人公は高校を卒業してから京都にある小さな織物問屋に就職しますが、着物の図案がやりたかったのに希望の仕事が出来ないこともあり、友人の紹介で上京し漫画家のアシスタントを始めます。冬の動物園が出てくるのが1話目の京都時代だけなので、もしかしたら最初は読切のつもりだったのかもしれません。2話目から漫画家マンガになっていきますが、大人しい性格の主人公なのでまんが道のような若き漫画家青年の苦悩というより、その時代の空気感が描かれているといった方がいいかもしれません。 しかし病気の少女と出会って彼女の為にデビュー作を描き上げようとするところから熱い展開になっていきます。普通ならベタすぎるシュチュエーションですが谷口ジロー先生の作品には誠実さがあるので感動せずにはいられません。