完結したマンガの感想・レビュー16052件<<491492493494495>>水墨画×琴線に触れる再生の物語線は、僕を描く 堀内厚徳 砥上裕將兎来栄寿『ヒカルの碁』の序盤、空間に星を置き宇宙の創造に見立てて囲碁を表現したシーンにとても感銘を受けました。この『線は、僕を描く』の帯にある「それは、 “白”と“黒”で“宇宙”を描く芸術」というキャッチコピーはそれを想起させた、水墨画という物のイメージを大きく変える素敵なフレーズです。 メフィスト賞小説を原作とした本作は、水墨画をテーマに据えた上で一人の人間の悲しみの淵からの再生を描いていきます。恐らく水墨画に造詣が深いという読者もあまりいないでしょうから、面白い所を攻めたなと思います。 マンガとしては1話目を読んだ瞬間からとても惹かれました。まず、堀内厚徳さんの絵がスタイリッシュで素晴らしい。その上で、原作小説の面白さであるドラマも面白く、水墨画にまつわる知識も興味深く、総合してとても上質な読書体験を生み出してくれます。 メンターとなる湖山先生の言葉も深く沁みますし、着実に成長していく主人公の姿を心地良く見守ることができます。 実際に作中で描かれる水墨画を逐一ビジュアルで堪能できるのは、小説版にはないマンガ版の強みでしょう。姉弟子である千瑛には勿論一目惚れ。今後も推して行きます。ターゲット層が謎ではあるがNYANKEES 岡田淳司やむちゃノラ猫を、ヤンキーに見立てた勢力争い漫画…?ク〇ーズとかそういう感じかな? パラパラと読んでみたらけっこういい。野良猫=ガラが悪いというイメージそのまま利用できてて、所々というか基本的に笑えるシーン多めだし。なんと言っても猫が可愛い。あ~猫好きな人が描いてるんだなって。 チャトラ・ハチワレ・キジ・サバ・ミケ…など模様や種類によって丁寧に擬人化されてるのが楽しい。無毛もいいジャン!? まだ2巻までしか読んでないんだけど、もしかしてこれからマンチカンとかノルウェージャンとか出てくるの!??って思うとどんなヤンキーとして描かれるのか楽しみすぎて最後まで読むしかないかなと思ってる。弟の夫感想弟の夫 田亀源五郎名無し読みやすく良い漫画。 なかなかこういう話を表現して漫画にするのは難しそうな気がします。 LGBTの話だけど一人の人間のドラマとして読んでほしいですね…。 ゲイのキャラに対して娘はなんの偏見もなく接するんですけど、子どもから大人の過程で人間いつから偏見とか嫌悪を持ち始めるんでしょうか。刺してくる感じ真夏のデルタ 綿貫芳子やむちゃ外面いい子タイプ・優等生タイプ・お調子者のフリして気使うタイプ・相手の求める言葉がすぐわかるタイプには読んでてつらいのでは? 共感という気持ちもあれば、漫画ならではの爆発→一皮むける描写も「そんな簡単じゃねーよ」って思ったり。こういう漫画が若い人に流行るってことは、皆色々気を使って懸命に生きているんだなとほほえましくなりました。 読後感が素晴らしいです。 離島スローライフ×SFという不思議な組み合わせマグネット島通信 伊藤正臣sogor25翻訳家の本山田が移住してきたのは自然豊かな離島・磁辺島。彼が島で出会ったもの、それは島に流れる緩やかな時間、心優しい島民とのふれあい、空から降る謎の金属片、そして道端に置かれたネコの像に消えるお供え物…アレ、なんか変だぞ!? そんな自然豊かな島でのスローライフとちょっとだけ不思議なSFとの組み合わせ。それらが島の人々の人間関係、そして翻訳家である本山田というピースと組み合わさることで1つの大きな物語を生み出していく。 それでも作品全体からはほのぼのとした雰囲気が滲み出ている。伊藤正臣さんの絵柄も相まって、しっかりSF要素がありながら穏やかな空気感が広がる不思議な作品。 ちなみに単行本は新潮社のバンチコミックスから出版されていますが、元々はジヘンというWEBマンガ誌で掲載されていた作品。島の名前もここから来てるのかなーとかいろいろ思いを巡らせながら読んでも楽しい作品。 全3巻読了エロイムエッサイム 我は求め訴えたり悪魔くん 水木しげるマウナケア鬼太郎シリーズに次ぐ、水木しげるの代表作といえばこれですね。ほかに貸本時代の作品集「水木しげる貸本傑作選 悪魔くん」というのもありまして、こちらはその後年に執筆されたもの。実はストーリーやテーマの部分では、前者の暗い雰囲気のほうに惹かれる部分が多いのです。しかし、やや一般的にアレンジされた後者のこちらを選んだのは、圧倒的な描写力、特に絵画的に描かれるようになった背景にシビれたから。貸本時代に比べて月日がたっているので、描写力が上がるのは当然なのかもしれませんが、この質感のある背景のド迫力は何なんでしょう。スクリーントーンを使わず(この時代にはなかった?)、描き込みだけで表現された濃淡。真骨頂である点描の美しさ。巨大な妖怪や異様にうねる蔓、異世界の風景などは匠の技の賜物です。それでいて、あのペーソス感のあるメインキャラと平行して存在しているからすごいよなあ。悪魔くんは千年にひとりの天才という設定ですけど、それは作者にもあてはまるというのは言い過ぎでしょうか。どこから読んでも楽しめるアフター0 Neo 岡崎二郎starstarstarstarstarひさぴよ岡崎二朗のSFショートショート「アフター0」の続きシリーズです。前シリーズと同様に一話完結の短編集なのでどこから読んでも楽しめます。 本当に一話一話の完成度が高いです。何となくですがアフター0よりもNeoの方がメッセージを向ける対象みたいなものが、より「大いなる存在」へと向かっているような気がしました。この連載の後、傑作「宇宙家族ノベヤマ」が生み出されることを思うと、今作との繋がりのようなものを感じてなりません。 短編は全部で20話近くあるので細かくは紹介しきれないですが、どれか1話だけを選べと言われたらNeo2巻に収録されている「再会」というお話です。 何度読んでもセンス・オブ・ワンダー(あえて、このフレーズ使います)を感じる一品。 科学や人類に関わるような大きなテーマがあるわけではなく、公園のベンチに座る普通の男女の意識を通して”見た世界”が描かれているだけです。にも関わらずヒトの持つ意識や記憶、時間の概念の広がりを最も感じたのがこのお話でした。有名な短編「ショートショートに花束を」より個人的に好きなお話です。 1巻には鉄腕アトムの誕生日を祝って描き下ろされた「鉄腕アトム2003」も収録されています。もちろん手塚プロ公認です。原作の魅力を存分に活かしながら現代的なSFのエッセンスを巧みに組み込んであり、アトムとサイボーグ009の良さをあわせたような、これまた傑作です。 岡崎作品といえば藤子・F・不二雄の影響を思い浮かびますが、手塚治虫への想いというのも強く持っていたんだなあと、あとがきを読んで改めて感じました。 ちなみに、単行本内のどこかに「ファミリーペットSUNちゃん!」のSUNちゃんが描かれてるらしいのですが、未だに見つけられず…。 もし見つけた人がいたら教えてほしいです。 子供のころに読んでトラウマになった骨少女 日野日出志マウナケアブタと呼ばれることに反発しダイエットを試み、痩せたものの逆に骨と皮ばかりになってしまった少女。やがて髪が抜け、肉がこそげ落ち、少女は文字どおり骨だけになって死亡。少女をいじめていた級友たちは祟りを恐れ、恐怖の日々をおくり…。子供のころに読んでトラウマになったなー、ってことしか思い浮かばない著者の、比較的最近の短編集がこれです。表題作の絵柄は以前と比べやや丸くなったような印象を受けますが、あいかわらず視覚的にグイグイとくる描写は健在。少女が骨だけになってからがその真骨頂で、おどろおどろした胸が苦しくなるような描写で、読む者の心にストレートな恐怖を植え付けてくれます。それにしても、単調で柔らか味たっぷりのキャラが崩れていくさまが、なぜこれほどまでに気持ち悪く思えるのか不思議。本短編集にはかなり昔の絵柄の作品も収められていて、わりとシャープなそれと比べてもはるかに凄惨な印象。現在の画風に至るまでにはどんな紆余曲折があったのか…。この恐怖表現方法の確立って、意外にもの凄いことなのかもしれません。これが令和の社会人ラブコメだおとななじみ 中原アヤsogor25小さい頃からお互いのことをよく知っている幼馴染。片方は地元のスーパーに就職、片方は会社を辞めて無職、そして今も隣どうしに住んでいる、そんな2人。 いろいろありながら社会人を続けてる2人だけど、お互いの距離感は付かず離れず。楓のほうはハルを想い続けてるけど、ハルのほうの気持ちは全然分からない。もちろん楓のことを気に入ってはいるんだけど、それが幼馴染としてなのか、それ以上なのか、もしかしたらいろいろ通り越して家族に近い感覚なのかもしれない。そんな2人も24歳、意を決してハルとの距離を縮めようとする楓の不器用な恋物語。 …それを、ラブ3割、コメディ7割でお送りする作品。実写にしたらめちゃくちゃシリアスな恋愛ドラマになりそうな作品だけど、それを細かいセリフや表情などでなるだけ明るい作品に仕上げることで、大人にも入り込みやすいラブコメになっているし、素直に楓のことを応援したくなる、そんな作品。 1巻まで読了絶対バレてはいけない「同居生活」ペコロス シバユウスケあうしぃ@カワイイマンガ高校生と小学生の「青田姉妹」×こちらも高校生と小学生の「菜原姉弟」。幼馴染の両家は、ある秘密を抱えていた。一見隣同士の二つの家。しかし実は、二つの家は中で繋がっていた! 両親が揃って旅行中の両家は、子供達だけで共同生活を送っている、というお話。 この物語を面白くしているのは、その同居生活を「絶対誰にも知られてはいけない」という鉄の掟。そのためにわざわざ回りくどいことをしたり、友達を家に呼ぶかどうかの攻防戦が繰り広げられたり、というシチュエーションコメディが展開され、ゆるい雰囲気の中でのドタバタ劇がかわいくも可笑しい。 個性豊かなカワイイ女の子の集団に振り回される、一人男の子の菜原蕗の存在もまたかわいらしい。彼をめぐる恋愛地獄絵図(笑)と、彼の小さな恋の行方を愛でつつ、あまり深く考えずに楽しみたい漫画。 そして表紙や扉等、ポップなデザインも目に楽しい! ノリというかテンションというかテンポというか、すごい好き菫画報 小原愼司地獄の田中すみれの無茶苦茶加減というのか、そういうのがすごい好きだったな たまにSFっぽい展開になるけど、特にそういうことは気にしないでぶん殴って解決するみたいな感じっていうのかな、ああいうノリというかテンションというか、すごい好きだった閉鎖的な田舎町で紡がれる、少女たちの恋と青春水野と茶山 西尾雄太名無しこの話は、水野と茶山という2人の女子高生のガールズラブストーリーなのですが、水野はスクールカーストの上部にいて、一方茶山は少し暗くておとなしい性格で、陰湿ないじめを受けている。 そんな2人は交際を公にできるはずもなく、誰にも知られずに逢瀬を重ねるのであった… 閉鎖的な田舎の高校が舞台で、まだ親元にいて自由がきかずにキリキリとした空気が漂います。 2人の恋も、そんな鬱屈した気持ちを発散するように割とディープです。 家族問題や人間関係に悩んで傷つきながら、ふたりの関係性も変化をしてゆきそうですね。 痛々しさもあるけど、目が離せない魅力があるマンガです。 作品に潜む父親の偉大な愛花と頬 イトイ圭せのおです( ˘ω˘ )※ネタバレを含むクチコミです。 むちゃくちゃ好きだけどすぐ終わってしまった。Wrestling with もも子 徳弘正也starstarstarstar_borderstar_borderマンガトリツカレ男やっと仲間を集めてこれから面白くなりそうなところで終わったのがすげー残念。 レスリングはすごい面白いスポーツだと思っているがマンガだといまいち主役がやるスポーツではない扱いを受けている。主人公がやっている感じだと川崎のぼるの「アニマル1」や「がっぷ力丸」「弾丸タックル」ぐらいしかパッと思い出せない。 じゃあレスリングの人気がないかというとそうでもなく、少年誌だと廃部寸前の相撲部を再建する為の仲間集めをする際には登場する確率は高く重要な位置をしめていて「うっちゃれ五所瓦」の「関内孝之」/「火ノ丸相撲」の「國崎千比路」などの主人公の大事な仲間であり、物語上重要なキャラクターであることは多い。「1・2の三四郎」の「西上 馬之助」もやっていたし「帯をギュッとね!」「オッス!少林寺」「そばっかす! 」で取り上げられたりもしている。 俺は相撲マンガや柔道マンガのようにレスリングマンガがもっと出てほしいとずっと思ってるよ...にがくてあまいのは行為ではなく心理にがくてあまい 小林ユミヲ名無しにがくて美味い、と にがくてあまい、は違うものだと思う。 この漫画「にがくてあまい」に例えて言えば にがくて美味い、は、そのまんまBLでありゲイの味覚だと思う。 にがいのが美味いんだよ禁断の味で、というか、 ゲイとしてストレートに味わう快楽の味というか。 自分はゲイでもないしBL信者でもないので想像だが。 にがくてあまい、はBLでありゲイである男が 自分がゲイであることを自覚した上でそれでも 生きていくことで感じる心理的な味の事だと思う。 くどいようだが自分はゲイじゃないので想像だけれども 世の中に数多あるBLやらゲイやらの漫画は にがいのがうまい、を描いている「だけ」だと思う。 にがくてあまい、を描こうとするなら ゲイの心理にもう一歩、踏み込まなければ描けない。 この漫画「にがくてあまい」が凄いのは ゲイである渚の心理にも「だけ」でないレベルで 踏み込んでいるし、 同様に親子関係や仕事関係で屈折したものがあった マキの心理にも踏み込んでいく。 漫画家をめざし渚の兄と関わったミナミの心理にも踏み込む。 踏み込んで初めて見出せる「あまい」を見せてくれている。 単にイケメンのゲイとアラサー女の同居コメディではない。 ゲイという一般人がしらない禁断の味をあまいといっている わけでもない。 ゲイを切り口やとっかかりにして、 人の心や生き方に踏み込んでいくことでみつけられる 「にがくてあまい」を表現しているのだと思う。 さらに凄いのは、そうやってズカズカと渚やマキの 心に踏み込んだ上で、時によっては 単にイケメンのゲイとアラサー女の同居コメディとして 平気で渚やマキの心も 「踏み荒らしまくったりもする」 のだ。まあ主にギャグ回のオチとしてだけれども。 「人の不幸は蜜の味」という言葉もあるが、 唐突に無慈悲な面白コメディとしてソッチ方向に 舵を切って「笑えるにがくてあまい味」を 味あわせてくれたりもする。 そう思う。 くどいようだが自分はゲイではないので想像だけれども。醜い人間が見たい時に読む漫画地獄星レミナ 伊藤潤二名無しホラーと言うよりスペクタクルロマン。 謎の惑星が地球を襲い、その惑星を宇宙に引き寄せた博士とその娘に責任があるとして殺害しようとする人々から逃げ回るという話。 命の危険が及ぶと自分が生き残るためにとことん醜い姿を晒す人間たち。 最愛の人を失いながらもなんとか逃げ回るうちに、惑星レミナも地球へ接近してくる。そして惑星レミナの実態とは…!? こんな絶望的なことある?という展開でも、伊藤潤二の手にかかればコメディを読んでいる気分に。 惑星レミナに高速回転された地球の周りを、風にのって世界一周してしまう時の景色は壮観。いや高速回転てなんだよ、という感じでしょうが、ベローンてされてクルーーッとなるんですよ、これが。 ゴッサムを守るのはジョーカー…!!バットマン:ホワイトナイト ショーン・マーフィー マット・ホリングスワース 秋友克也ANAGUMAバットマン最大の宿敵といえば犯罪のカリスマ、ジョーカーです。 狂人である彼が正気を取り戻した時、ゴッサムに何が起こるのか、バットマンは彼を裁けるのか?という「もしも」を描いたシリーズ。 単に善悪の設定を入れ換えただけでなく、ブルース・ウェインという上流階級と、社会的弱者ジャック・ネイピアという対立構造を描くなど、現代のアメリカ社会を背景にしたテーマ構成が秀逸で、説得力があります。 市民の味方として声を上げた「ホワイトナイト」が現れたことで、法に縛られずに暴力を振るう「ダークナイト」とビランの違いはどこにあるのかという問題が浮き彫りになり、バットマンのフォロワーとして声援を送っていた読者の心も揺さぶられることに。 アルフレッドが病に倒れたことで深まるブルースの孤独、何時ジョーカーに戻るかわからない不安を抱えたジャックの葛藤…。 「ふたりのヒーロー」が悩み、傷つき、それでも戦うようすには胸が熱くなること必至です。 シリーズのヴィランも総登場するほか、ジョーカーを付け狙う黒幕ネオ・ジョーカーの設計などオタクが喜ぶ要素もタップリ。 特にクライマックスのバトルは『スパイダーバース』的なお祭り感があってテンション爆上がり。 映画になってくれ…!! 設定の奇抜さだけではない上質なエンタメに仕上がっているので、バットマンを読んだことがない人にこそ読んでほしい一作です!読んでみた交響詩篇エウレカセブン 片岡人生 BONESマウナケアナルホド、こんな話でしたか。この作品は、アニメがオリジナル。私が過去に雑誌の仕事をしていたころ、宣伝マンの方に熱心に勧められたことで、記憶に残っているタイトルでした。それを今なぜ引っ張り出してきたか。それは、パチスロで出てるからなのです。ご存知の方も多いとは思いますが、パチスロ版は現在大人気の機種。ただし『あしたのジョー』や『リングにかけろ1』、『エヴァンゲリオン』などならばわかりますが、こちらは一般ウケしなかったアニメということもあり、内容がまったくわからない。打っていていまひとつ演出の意味が不明で気になっていたんです。コーラリアンって何?とか、キャラクター設定とか。英雄を父に持ちながらも、平凡な日常から連れ出してくれる”波”を待つ少年・レントンと、軍を脱走しゲリラ組織ゲッコーステイトを率いるホランド、そして謎の美少女エウレカ。演出から類推はできるものの、セリフの重要度など深い内容がわかって、ずいぶんパチスロも楽しめるようになったかな、と思います。無論、勝てばの話ですが。嫌味を感じない楽しい京都はらへりあらたの京都めし 魚田南名無し作者の魚田南先生は実際に京都府の隅っこのほうの 出身のようで、実体験をもとにした 「京都に憧れる京都人」を描いたみたい。 なぜか漫画の中ではムーミンが型崩れしたような「アラタ」 というキャラで登場してくる。 アラタは京都の北の山の上にある美術学校の生徒。 美味しいものを食べたい、出来れば女子大生らしくオシャレに。 幸いにして愉快な仲間とオシャレで美味しい店で 色々な料理を楽しみ味わう機会に恵まれるのだが・・ この漫画の良いなと思った点は、 「どう、これってオシャレでしょ」という ハナにつく嫌味を感じる展開がないところ。 なにせ京都だし、まして美術大学の女子大生。 私が今まで抱いていた京都や女子大生のイメージからすると 「これが京都のオシャレどすえ」という話が出てくるのかと思った。 「涙を流しながらぶぶ漬けを食うハメに」 みたいなシーンが出てきたりするのかと想像していた。 実際、オシャレな店でコジャレた料理を食べるシーン は多かったし、よくある 「貧乏学生が安居酒屋で飲んだくれる」という 基本は貧乏、みたいな話とは大分違ってはいたけれども。 けれどアラタのノリなのかホントの京都のノリなのか、 仲間とクダケタ京都弁で好き勝手言い合いながら食事をする シーンからは嫌味は感じられない。 京都って美味しい食べ物があって楽しい人達がいるんだな、 と思わせてくれる漫画だった。 ・・それが正しいのか誤解なのかまではわからんが 漫画として楽しく読めたのだからOK(笑)。 作風や絵柄に付いては読んだ人で好みがわかれるだろうな、 と思う部分はあった。 全体的には絵もストーリーも綺麗で、ちゃんと 漫画的に面白く描いている部分もあって私好みだ。 だが、料理とかはあまり食欲をそそらない。 なぜだろう? 細い線(フリーハンド中心?)で細かく書き込んでいるし、 料理や食器が微妙に重なった構図とか、 色々とこっているな、と思ったくらいなのだが。 出てくる料理が馴染みの無いものが多いので 味が想像できないからだろうか? 掲載されている各店の料理のお値段などからすると 思ったより安い。 なので京都に行く機会があれば是非食べてみたいが なんせ京都は遠いから、当分は漫画を読んで 想像して楽しむだけだな。 一巻を読んで東京タラレバ娘 シーズン2 東村アキコ大トロ前作はそんなにハマらなかったのですが、シーズン2は主人公に共感できるところもあり夢中で読みました。 ボーイズバーなるものがあるのを初めて知ったので今度行ってみようと思います。利権を賭けてイタリアのマフィアと日本のヤクザがサッカーで対決するお話極道イレブン 望月三起也マウナケアサッカーW杯を観ていて、今さらながら刺青を入れてる選手が増えてることに気付きました。プロレスならまだしも、接触の多い競技だし、免疫のないお国柄の選手だと威圧されないのか? だったら本物でもいいじゃん、と紹介するのが本作。横浜の利権を賭けてイタリアのマフィアと日本のヤクザがサッカーで対決するというお話です。サッカー通で知られる著者だけに、こんなタイトルでも実は正統派サッカー漫画では、と思ったらとんでもない。ヤクザ側のエースこそ元本職ですが、他はチンピラの寄せ集めチーム。レッドカードをエロ写真にすり替えるなんて序の口、ビー玉で目つぶし、ラインズマンの肩を脱臼させ旗をあげさせなくする、などまともなプレーはほとんどなし。無邪気でえげつなくてハードボイルド、というごった煮感がたまりません。勝つためには何でもする、この強い精神力、まさか日本代表への提言…ではないですよね。ちなみに同著者の作品で『騒世紀』という女子サッカー漫画もありますが、こちらもなでしこにはマネしてほしくないです。完結だと…プレイボーイ侍 原克玄さいろくめちゃくちゃ面白いのに。。。続き読みたい。。 明日から世界中がヤリマンだらけになるのではないかと思うぐらい天谷さんの言葉にはチカラがある。 稲が途中からチョイチョイ可愛く見えてきて自分がダメなのがわかる、そんなマンガ。 読めばわかる。 実話といえどもフィクションの典型例か呪魔の奪衣婆 杉原那月 日向名無し※ネタバレを含むクチコミです。一筋縄ではいかない百合作品ヴァンピアーズ アキリsogor25前作「ストレッチ」では直球ではなく仄かに百合を醸し出すという変化球を描いていたアキリさんの新作。百合としてはかなり直球になったけども、作品としてはより一層一筋縄ではいかない感じに。 吸血鬼・アリアはどこか抜けた感じがありながらもミステリアスな雰囲気。そして彼女に恋する一花は表情豊かで、コメディとして見ても放つ言葉やモノローグがキレッキレ。物語としても話のテンポが素晴らしく良く、それでこれだけキャラの魅力があるんだから面白くない訳がない。 そしてきっと、軽い気持ちで読み始めた読者たちをいろんな沼に沈めていくことでしょう。 1巻まで読了。<<491492493494495>>
『ヒカルの碁』の序盤、空間に星を置き宇宙の創造に見立てて囲碁を表現したシーンにとても感銘を受けました。この『線は、僕を描く』の帯にある「それは、 “白”と“黒”で“宇宙”を描く芸術」というキャッチコピーはそれを想起させた、水墨画という物のイメージを大きく変える素敵なフレーズです。 メフィスト賞小説を原作とした本作は、水墨画をテーマに据えた上で一人の人間の悲しみの淵からの再生を描いていきます。恐らく水墨画に造詣が深いという読者もあまりいないでしょうから、面白い所を攻めたなと思います。 マンガとしては1話目を読んだ瞬間からとても惹かれました。まず、堀内厚徳さんの絵がスタイリッシュで素晴らしい。その上で、原作小説の面白さであるドラマも面白く、水墨画にまつわる知識も興味深く、総合してとても上質な読書体験を生み出してくれます。 メンターとなる湖山先生の言葉も深く沁みますし、着実に成長していく主人公の姿を心地良く見守ることができます。 実際に作中で描かれる水墨画を逐一ビジュアルで堪能できるのは、小説版にはないマンガ版の強みでしょう。姉弟子である千瑛には勿論一目惚れ。今後も推して行きます。