完結したマンガの感想・レビュー16067件<<378379380381382>>凸凹コンビの学園サスペンス・ミステリー&コメディボクとキミの二重探偵 辺天使 津田穂波名無し※ネタバレを含むクチコミです。下ネタだけどエロじゃないのがよい生徒会役員共 氏家ト全野愛日常系四コマ×下ネタはやっぱりいいですよね。エロじゃなくてちゃんと笑わせるための下ネタっていうのが好きです。 身長を気にするロリ系の子と天然で巨乳のお嬢様と一見真面目な生徒会長っていうかなり下手な記号的キャラクターだからこそ、淡々とした下ネタが際立つのかなあ…とちょっと分析してみたり。 水着回やお泊まり回なんてサービスイベントはあるけどギャグ漫画だし、激しめの下ネタでもみんな可愛いから爽やかでポップに読めちゃう。よくできてるなあ…。 下ネタの合間に挟まれる萩村の天才幼女っぷりが可愛い!ピノ読んだ感想ピノ:PINO 村上たかし名無しさすが村上たかし、こういう話ずるいのに描ききりますね…。 ロボットは心をもつ持たない論は度々やってる気がしますが傍にいる人間、そして話を読んでいる自分ら人間が一番心揺さぶられます。 特にピノが物理攻撃されて泣いてるわけじゃないのに目からオイル流してるのがずるいです。ずるい演出です…。読んだ衝撃・勢いでクチコミを書きました(男子も読んで!)運命を信じない彼が言うには おむ・ザ・ライスなかやまわたしは「少女マンガ」を読まないのですが、単純に 作者さんの名前「おむ・ザ・ライス」というワードに興味を引かれて手に取りました。 「ザ」ですよ!「The」! Omu 「the」 rice! 正直、トライガンのGUNG-HO-GUNS以外で聞いたことないですよ! ドミニク・ザ・サイクロプス グレイ・ザ・ナインライブズ オム・ザ・ライス ザジ・ザ・ビースト ニコラス・ザ・パニッシャー ほら!違和感ない! そんな、導入で手に取りましたが、少女マンガというカテゴリに収めておくには勿体無い作品です。 運命の赤い糸が見える主人公「藤(27)」と彼が密かに好いている大学の同期「ゆか(26)」 自分たちの赤い糸が繋がっていない事を知りながら、もがき苦しむ主人公 運命に抗う系が好きな男子にもめっちゃ刺さります 1話1話の締めのコマも話を濃縮したような良いコマで「くぅー!」とさせてくれます。 そんな物語が大きな動きを見せないわけがなく、5話で雰囲気が変わります。 6話目がちょっと読むのにひと呼吸いるぐらいドキドキしました。 こんな感情を味わったのは シグルイ の伊良子VS虎眼先生 以来かもしれません。 もうコレは見届けるしか無い!藤くんガンバレ! 男子も是非読んでくれ! ゆるく見えて本格的仕事マンガまんがの装丁屋さん 小石川ふにhysysk4コマだからほっこりドタバタしたやつかと思ったら、かなり細かくデザイン業の現場を描いてるものだった。しかも専門用語やマニアックなこだわりを笑いにする方向じゃなくて、装丁に関わる色んな人、漫画家がいて出版社があって編集者がいてその上司がいて…それぞれの仕事の仕方が複雑に絡み合う中で起こるトラブルや嬉しい出来事を丁寧に拾い上げている。 デザイナーが良いと思うものとクライアントが求めるもの、世間が評価するものはどうしてもズレる。そういう中で試行錯誤して合意形成していくところにデザイナーの腕の見せ所があるな、と身を引き締めました。 ちなみに書籍の装丁は数々の名作を手掛けているBALCOLONY.で、巻末に取材もあります。「戻りたくないけど懐かしい日々」は誰もが持っている。牛乳配達DIARY INA一平ちゃん漫画の制作自体がほぼ初めてかのような描写があったのですが、そうだとすればすごい漫画力を感じます。さすがはトーチ漫画賞大賞。 何気ない会話、消えたくなるほどいたたまれない失敗、個性的な同僚たち。 この漫画で起こっていることはそこらじゅうに転がってるような日常。だけどそれを漫画にして、読んだ誰かをクスッと笑わせたりするっていうことが、こういう才能によって生まれることが尊い。 「戻りたくないけど懐かしい日々」。 思い出すだけで胸が痛く苦しくなるけど、確かに今の自分の一部になってる出来事ってある。世良田波波さんの漫画がついに世界に羽ばたいた!!西岸良平名作集 西岸良平影絵が趣味めでたい! なんと目出鯛ことでしょう! 世良田波波さんの漫画がついに世界に羽ばたきました! 世良田波波ってだれ? って人は、いますぐツイッターの世良田さんのアカウントまでいって『きみは、ぼくの東京だったな』という14Pの漫画を読みましょう! 読んでいただければ、どうして西岸良平の短編集に、このことを買いているのかが何となくわかっていただけるかと思います。 世良田さんは無名ながらアックスで細々と活動を続けておられて、もう7、8年になるでしょうか。寡作ながらコツコツと息の長い作家さんで、まだ単行本は出ていません。おそらく今回の件をきっかけに、まずはアックスへの仁義を立てて、青林工藝舎から過去作を集めた初の短編集がでるような気がします。そのあとは、やっぱりトーチでしょうか。まあ、筋金入りの寡作家なので、また沈黙してしまうかもしれません。でも、とにかく、こんなに目出鯛ことはありません。 久しぶりに世良田さんの漫画を読んだら、西岸良平の漫画を思い出しました。比較的最近では『岡崎に捧ぐ』の山本さほなどもそうですが、極端にデフォルメ化された人物が特徴的ですよね。そして特に世良田さんと西岸を結びつけるのは背景への眼差しだと思います。背景への優しい眼差しがあるような気がするんです。お二人とも、背景を人物と同程度に描き込む。背景と人物のタッチがまったく同じなんです。それ故に人物は背景に溶け込んで、背景はただ背景にとどまらず、パースや遠近感を捨てて、コマの平面上に殺到しようとしてくる。背景が後方に逃げていくのではなくて、コマの前面にわらわらと押し寄せてくるのです。語弊を恐れずに言えば、小学生の夏休みの宿題の絵のような気合いの入り様とでも言いますか、おもちゃ箱をひっくり返したようなゴチャゴチャした手触り感覚を平面であるところの漫画に憶えるんですね。これは凄いことだと思います。 今回、世良田さんの短編が深い共感を呼んでいるのは、この背景への優しい眼差しがあるからなのかもしれません。だって、この背景の街々は、私たちが暮らしている街でもあるんですから。あるいは西岸良平の背景に感じる郷愁もそうです。みんな、いっせいに盛り上がれ! このコマの前面に! たーたんって名前からして憎めない感じするたーたん 西炯子Pom 思春期真っ只中の鈴と、父たーたん(敦)。 たーたん昔、犯罪を犯した友人から鈴を預かってくれって言われて育ててるけど、鈴には15年間そのこと言えず今に至っている。 鈴も、とても可愛くなり元気でたーたん思いの素敵な子。 たーたん職場でモテモテだし、お人好しだし、何か憎めない人。 ずーっとモヤモヤ抱えて生きているたーたん。鈴に伝えられる日は来るのかなあ。 言わないと苦しいし言っても苦しいだろうし、、どうなるのかなって思ってます。殺戮マシーン、一般人になる? #1巻応援そのへんのアクタ 稲井カオルあうしぃ@カワイイマンガこの作品を稲井カオル先生の前作『うたかたダイアログ』で例えると、 「片野さんは心が生まれたばかりのロボットみたいなことを言う……その内『これが…ナミダ…?』とか言いそう」 と言う宇多川さんのセリフ。これを全編に渡って繰り広げる感じになる。 地球外生命体の襲来で滅びそうになりながら、何となく滅びなかった世界で、最前線で戦った英雄・芥は次第に煙たがられ、緊張感の無い鳥取部隊に左遷される。 14歳から7年間、戦い以外を切り捨てて戦闘マシーンとして、英雄とした生きた芥は、ゆるい鳥取で気持ちを持て余す。 人間らしい感情や常識の無い芥が、色々教えられて新しい自分の在り方を探していく物語になるのだが、その物語は決して一筋縄には描かれない。 普通、可愛い子供や仲間、美しい光景などとの出会いで、人間らしい情緒や愛情を取り戻していきそうなものだが、芥が出会うのは、生意気なガキンチョに、ちょっとズレた感じの女性副隊長・百福。年長の隊員・古賀がツッコみ切れない程の、百福&芥のボケに継ぐボケ。更には生意気なガキンチョの遊びや語彙を、貪欲に吸収する芥。 結果、彼が獲得する新たな感情は、人間らしいと言うより……? 結構真剣な話や、「深いい」話もしつつ、様々なズレと畳みかける細かなボケに含み笑いが止まらない感じは『うたかたダイアログ』と同様。結果なんだか不思議な読後感のこの作品、是非人類と共にグダグダと続いていって欲しい!変わる気持ちとクズ賛歌あげくの果てのカノン 米代恭漫画を読む女S※ネタバレを含むクチコミです。 泡のような愛の物語集 ~その愛は祈りだね~殻都市の夢 鬼頭莫宏影絵が趣味舞台は近未来の都市か、もしくは、誰からも忘れ去られた過去の都市か。 この外殻都市は、都市の上に都市を重ねる形で成長を続けている。いったい、いつ造られたのかさえ定かではない。下部階層の劣化は激しく、このグラスを伏せたような形の殻構造がなければ、上部階層の安定はおぼつかない。いや、古い下部階層では、その殻構造の強度さえ低下している。 白を基調としたコマに、淡々として、きわめて抑制的なモノローグをそえて展開される七つの愛の物語。それは愛の物語であり、同時に、消えていってしまうものへの祈りの物語でもあると思う。 愛は、その形を定義づけた瞬間にも、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように、たちまち立ち消えてしまう。その一瞬一瞬を描くことに注がれた『殻都市の夢』には、痛々しい描写こそ数あれども、そこには不思議と慈しみの表情がある。それは消えていってしまうものへの祈りの態度であると思う。愛が、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように消えてしまっても、そこに愛があったことは永遠に変えられない。もはや触れることができず、干渉することができず、だからこそ永遠に不変のかつてそこにあった愛。それは消えてしまうのではなく、そこにずっと在り続ける、私たちが祈ることさえ忘れなければ。 川の水の流れるように、つぎつぎと積み重なる殻都市、あるいは私たちの記憶。その絶え間のない流れは、目に触れた先から流れ去っていってしまう。でも、いつかの川のせせらぎが陽光をきらきら反射させていたのを私はいまも憶えている。見せておきたい景色が、ひとつ、ふたつ、と募ってゆく。それをいつか誰かに話し聞かせたいと思っている、祈りのように。そして、モノローグはようやくセリフへと変わる。 これから話すのは いつか存在した 今では存在すら忘れられた都市 ひたすら上へ上へと積みあがっていった都市 目的もわからず 理由も定かではなく その行為に没頭した都市 そんな 都市の抱いた 夢の残滓の こと そんな 人々の 物語おもしろそうな新連載!龍神かごめちゃん龍神かごめちゃん 松尾あきstarstarstarstarstar_borderかしこまじめっぽい小学生男子が橋の下で出会った女の子は…実は龍神様!ひょんな流れで一緒に暮らすことに!ちなみに二人っきりではなくイケイケなお姉ちゃんもいます。ふとしたキャラクターの表情がかわいいです。こんな話だったんだD・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~ 桂正和hysysk小学生の我々をさんざん悩ませた電影少女(当時のみんなの言うことを信じるなら読んでる人はいなかったはず)が終わって、何かまた同じようなのが始まったぞ、と思ったのを覚えているが、改めて読むと全然違う。SFバトル漫画だったんじゃん! 作者のアメコミ趣味や鳥山明との交友関係など、大人になった今なら彼らがやりたかったことが何となく分かる気がする。残念ながら唐突に終わってしまう感は否めないけど、意欲的な作品だったと思います。これ(とSHADOW LADY)があってのI”s<アイズ>。 水族館部で出会ったふたりの女の子熱帯魚は雪に焦がれる 萩埜まことANAGUMA東京から愛媛に転校してきた小夏ちゃん。見知らぬ土地での暮らしに不安を抱えていた彼女ですが、水族館部(!)の小雪先輩に声をかけられ徐々に仲良くなっていくことに…。 誰も知らない町にひとりで越してきた小夏ちゃんと、容姿端麗成績優秀完璧超人…と周囲から少し距離を取られている小雪先輩。それぞれの「ひとりぼっち」を抱えていました。両方ともひとりぼっちだったからこそ、ちょっとしたことで不安になったり、嬉しくなったり…。毎話巨大な感情が行き来するのでドキドキが忙しい。じっくりと時間をかけながら、お互いがかけがえのない存在になっていくようすが描かれるのが本作の最大の魅力です。 のんびりした時間の流れや、ふたりを取り巻く優しい人たちとの交流にも心温まります。愛媛弁もなごむ。出てくる生き物もみんなカワイイ。自分のイチオシはハマチです。 読んでるとほわほわしてくること間違いなし! そして水族館部、実在するというのもびっくり。1巻に取材先の高校の情報があるので気になる方はチェックしてみてはいかがでしょう。金剛寺さんは面倒臭いを語るッ‼金剛寺さんは面倒臭い とよ田みのるエビフライエフェクトあまりにも最新話(2020年1月号)の内容が衝撃的すぎたので、クチコミスレッドを立ててしまいました… もう頭に浮かんだワードをただ打ち込んだり、思ったことを書き留めるメモにしてもいいと思います 金剛寺さんよ、永遠(とわ)に続け…ケルトモチーフのポリスアクションファンタジーARAGO 新井隆広ANAGUMA兄と両親の命を奪った連続殺人鬼「パッチマン」への復讐を果たしたアラゴ。超常の力を用いてロンドンにはびこる怪事件に挑むスコットランドヤードの警官となった彼だがパッチマンの影はいまだ顕在で…というのが大筋の流れ。 徹頭徹尾王道のダークファンタジーです。 復讐譚が好きな人にはまず読んでほしいですがやはり『ARAGO』の魅力はファンタジックな怪異アクション!西洋のオカルト、伝説、モンスターがわちゃわちゃ出てきます。 メインのモチーフがブリューナクを始めとするケルト神話なのもちょっと珍しくて楽しいです。イギリスっぽいし。あまり聞き馴染みのないファンタジーアイテムが登場するだけでもテンション上がりますよ。 あとセスくんっていう敵なのか味方なのかどっちなんだいっていう好きな人にはたまらんタイプのキャラが出てくるので二面性に弱い人も『ARAGO』、要チェックです。 なぜ買ったのか思い出せない短編集マフィアとルアー TAGROトーマス主に2000年前後に描かれた作品を集めた短編集。 誰かにすすめられたのか、どっかでおすすめされてたのか、全然思い出せないけど何故か持っていた。 いろんなシチュエーションで若い男女の深かったり浅かったりする関わりが描かれています。 学生時代とは違う苦くて痛い青春の思い出があるような人に読んでみてもらいたい。わたしも10代後半から20代前半くらいまでの根拠のない無敵感のことを思い出して呼吸困難になるなど…。 同人誌として描かれた作品もあるので、商業誌を通して描かれてないという意味で「そのとき描きたいものを描いた」度が高いんじゃないかなと思います。 いちばん好きなのは「トラベリングムード」 いちばん好きじゃないのは「6年1組」 です。記憶よりもきつかった幕張 木多康昭hysyskジャンプ+にもないのにKindle Unlimitedで全部読める!となって懐かしさで読んだが、今の感覚からするとかなり厳しいと言わざるを得ない。 連載当時を思い出してみると自分は小学生で、近所の少し年上の友達に『行け!稲中卓球部』を読ませてもらっていたのでそれのパクリだと思っていた。それは小学生ゆえの知識のなさからくるものなのだけど、意外とその感覚は長く引き継がれてしまうものだ。 鈴木智恵子や奈良の母親いじりみたいのは当時もレベル低いと思っていたけど、ああいう毒舌・下ネタ・内輪ネタ、つまりは「ぶっちゃけ」が笑いになる時代だった。今だと事前に摘み取られるか、先鋭化して一部の集団にのみ支持されるようなものになるのだろう。そういう意味で貴重な記録だし、読みながら何が変わって、何が変わらないのかを確認することができる。【速報】マガポケでヤバい漫画始まるシュート!の世界にゴン中山が転生してしまった件 大島司 外池達宏 中山雅史名無しゴンだけにゴンッて。やかましいわwww 主人公たちも謎すぎる!ミステリー&コメディ #1巻応援ボクとキミの二重探偵 辺天使 津田穂波nyae※ネタバレを含むクチコミです。受け継がれる「二十面相」…少女と怪盗の絆二十面相の娘 小原愼司みど丸深夜アニメを見始めたばかりの当時、スタイリッシュな画面と「伝説の怪盗の娘」という主人公像に一瞬で虜になりました。いいアニメだった…。 その流れで原作も手に取りまして、結構キャラクターの設定とかが違うな〜と思いながら読んでいました。両方履修して見比べると楽しい作品だと思います。 伝説の怪盗と、彼が見出したひとりの少女…。 この設定だけでいけるひとはいけると思うのですが、改めて読み返すと、二十面相とチコが一緒に過ごした話数は少ししか無いのが意外でした。 どこまでも掴みどころがないままの二十面相に、それでも否応なく惹かれてしまう…。多くを描かないからこそ、彼を捜し続けるチコの気持ちを追体験できたのかな、と思います。 終盤にかけ巨大な陰謀が明らかになり物語の緊迫感は増していきます。そこに頼れる「おじさん」は居ません。チコがひとりで「二十面相の娘」として立ち向かうしかないのです。 その責を果たそうとするチコの姿と最後の決断、最高にシビれるので、「本物を超える」瞬間が好きなひとには絶対に読んでほしいですね…。「巨人を殺す」と決めた少女の話I KILL GIANTS ケンニイムラ ジョーケリー 柳亨英ANAGUMAロングアイランドに暮らすバーバラはクラスでも浮いていて、家族とも良好な関係を築けていない小学生。その原因は彼女の言動にあります。バーバラの生きる目的はひとつ。「巨人を殺す」こと。 「中二病女子の成長物語」というコピーが付いていたようですが、バーバラの行動はたしかに「中二病」的です。自分がもし多感な時期に『進撃の巨人』にドハマリしていたら…とか想像してしまった。 誰にも理解されないからと自分の世界に閉じこもり、どこか他者を見下しているかのように振る舞い、挙げ句唯一の友人ソフィアも傷つけてしまいます。はっきり言ってバーバラは感じの良いキャラクターではありません。 「一体この子は何と戦っているつもりなんだ…」と冷めた気持ちで作中の人物と一緒にため息吐いちゃうこともあるかもしれません。 ところが、彼女が殺そうとしている「巨人」の正体が明らかになった瞬間、一気に空気が変わります。これまでバーバラにしか見えていなかった巨人や、妖精の世界の真実が理解できてしまったとき、彼女に抱いていた印象は180度変わるはず。 誰もがどこかで味わったことのある青春の辛さが滲んでくる、苦みに満ちた作品なのは間違いないと思います。それでも読み終えた頃にはフッと優しい気持ちになれる、素敵な作品です。ドンデン返しと爽やかなエンディングを読んで味わってほしいです。 短編が良いと大体作家との相性が良いと思うの巻帰ってきたサチコさん 朔ユキ蔵六文銭『ハクバノ王子サマ』から、作家:朔ユキ蔵に興味をもち、本作にたどり着きましたが、やっぱりいいですね。 どうしてもエロスを感じさせる作家さんなのですが、書誌内容にあるようにこの作品はどれも「別れと再会」をテーマにしていたようで、エロスは影を潜めております。 とにかく作者特有の、どこか影があって物悲しいキャラクター描写が、テーマとマッチしてグッドなんですよ。 表題作の「帰ってきたサチコさん」が個人的にツボでした。 過去にタイムスリップして帰ってきたサチコが断片的に語られる構成で、これが一見ストーリーをわかりにくくしているのですが、パズルのピースがおさまった瞬間の感動たるや最高なんです。 70年位前にタイムスリップして、戻れないからと、その時代で結婚し所帯をもってしまうサチコ。 そこからなんやかやでその時代に10年ほど過ごし、ひょんなことで再び現代に戻ってくるのですが、過去に残した夫を探して再会するという流れ。 あの時代から別れたサチコを現代待って、年老いた夫の変わらぬ想いに、思わず涙です。 それ以外の短編も、作者の個性とも言えるピカリと光った「別れ」と「再会」の表現が、最後までどう転ぶのかドキドキさせてくれます。 短編集が好きな作家は大体、どの作品も相性合いそうだと思うので、 作家を知るきっかけになりそうです。 初期のオットセイの形がアレだった!?やる気まんまん 横山まさみち 牛次郎名無し1977年から2003年まで日刊ゲンダイで連載されていた擬チン官能漫画。 ふと、これまで読んだことのなかった、単行本1巻から読んでみようと手にとって驚いたのだが、あのオットセイは、最初からあのコミカルな形ではなく、初期の頃は普通のオットセイとして描かれていたというのを、今更ながら知った。 やるまん復活を報じたゲンダイの記事に理由が書いてあったのだが、 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/info/275039 要は、当時の表現規制に対応するため、苦肉の策で男性器を動物に見立てることで生まれたアイデアだったらしい。 やるまん以前は少女マンガを数多く描かれてきた横山まさみち氏だったが、「エロは描かない」と言いつつも、結局、一番の長寿連載となってしまったというのは、何とも業の深さを感じさせる話だ。 ちなみに記事の中で「43年前の“幻の第1回”を発掘」とあるが、電子版「やる気まんまん」の1話「セックス・ファイト」に普通に収録されていたので、そこまで幻というわけでもなかった。<<378379380381382>>
※ネタバレを含むクチコミです。