完結したマンガの感想・レビュー16067件<<377378379380381>>クセになる1話完結オムニバスY氏の隣人 吉田ひろゆきhysyskよく引き合いに出されるのは『世にも奇妙な物語』とか『笑ゥせぇるすまん』とか星新一のショートショート、なんだけどこの例え若い人に通じるのか? 1話完結で、毎回違う主人公、徐々に脇役として馴染みのキャラクターが増えていく。基本的には普通で取り立てて特徴のない人か、要領が悪くいじめられがちの人が最終的にうまくいったり、うまくいきそうなところを欲をかいて失敗したり、単に嫌な目にあったりする話が多い。何事もプラスがあればマイナスがあり、利息がついたりもすることもある(作者は元銀行員)。 改めて読み返すと1巻の1話目だけが特殊で、何の仕掛けもなくいきなり植物になってしまう。文学的でいいなと思うんだけど、話を作りにくいのか受け入れられにくいのか、その後は不思議な道具の効果で不思議なことが起こる形式となる。明日から真面目に生きようという気持ちが湧き起こってくる名作。借金取りに追われることになった母娘アリスとアマリリス 小沢真理ジャム母娘の成長物語に違いないんだけど、自分だったらどこかのタイミングでくたばりそうだなってくらい過酷だった。お父さんが借金を作って一人で逃げちゃうんですよね…。そこから母娘は夜逃げして、転校して、寮付きのパチンコ屋で働き始めて、二人のことを誰も知らない街でひっそりと暮らし始めるんだけど、お母さんがお父さんの子供を身ごもってることが分かるんです。まだまだ借金取りに追われてるんですよ。過酷すぎる。 お母さんは子供の頃から超美人で親に護身術を習わされるくらいモテモテだったんだけど、高校時代に出会ったお父さんにお互い一目惚れして大学卒業してすぐ結婚した。本当は就職したい会社もあったけど、子供が出来たのが分かって諦めた過去がある。そういう選択をさせてしまったことを後悔させないよって、お父さんは言ってくれたのに…。腐らないで真面目に生きていく母娘が本当にえらい!表紙の可愛さとはギャップがある話でしたが、一気に読んじゃうくらい面白かったです。オリベはともだちオリベ 南Q太野愛オリベいいなあ、友達になりたいなあ。 淡々としていて、だらっとしてそうだけど節約家で料理上手で、死ぬほど性格いいとか面白いとかじゃないけど一緒にいたらすごく楽しそう。オリベと旅行いきたいな、オリベめちゃくちゃ早く寝そうだな、バイト先にちゃんとお土産買ってくんだろうなと読んだだけでもう友達になったような気がしました。 かき氷のエピソードがいちばん好きです。昔好きだったものに感動しなくなっちゃうの、寂しいよね。わかるよオリベ。 家族、友達、猫、モノ…何と相対しても距離感を見誤らず自分なりの体温で受け入れる姿がとてもかっこよいのです。なんだかんだでしっかりしてるよなあ、オリベ。尊敬しちゃう。 ほんとにオリベと友達な気がしていて、なんか連絡したくなっちゃったのでほんとの友達とか家族とかに連絡でもしてみよっかなと思いました。読んでスッキリし味わってスッキリしたくなる蕎麦漫画そばもん ニッポン蕎麦行脚 山本おさむ名無し蕎麦は和食の中での一料理として立場を確立はしている。 しかし和食について語り話題にする場では そこそこ以上の評価はあまりされていない気もする。 和食は美味しくてヘルシーで見た目も美しい、とか、 煮物や焼き物は素材の味を引き出している、とか、 天ぷら・寿司・鰻がいかに美味しいか、とか そういうことについて語ったものは多いが、 意外に蕎麦そのものについては熱く深くは 語られていない印象もある。 立ち食い店もあれば老舗名店もあるし、 家庭で普通に気軽に茹でたりもするし、 職人しか作れない手打ち蕎麦もあるし、 広くて深くて面白くて美味しい存在だと思うのだが、 一部の「通」と言われる人以外はあまり興味をひかないみたい。 それは多分、見た目に地味だとか、 脂肪分とか糖分とかの判りやすく刺激的な美味さよりも、 風味や旨味といった感覚的な美味しさを味わう存在 だからかもしれない。 インパクトに欠けるから、ともいえるかも。 しかし「そばもん」を読めば、蕎麦をもっと知りたくなる。 食いたくなる。味わいたくなる。 そして知って食ってスッキリとなれる。 蕎麦なんて嫌いだ美味しくないし、という人や、 蕎麦なんて立ち食いでサッと安く喰えりゃいい、という人や、 逆に、いや蕎麦は美味しいよ最高だよ、という考えの人や、 それぞれの人達に 「え、そういう食べ方って美味しそうだね」 「そうか今度はそうやって味わってみよう」 と思わせる面白い話が満載されている。 家で茹でて食べる蕎麦をより美味く味わう方法。 多数ある蕎麦屋の中から自分の好みの店を探し出す方法。 手打ちにも機械打ちにも良さ悪さがあり夫々が存在する意義。 蕎麦がいかに日本各地に根付き発展し様々な形態に至ったか。 読んだら 「今日は蕎麦を食おうかな」 となり、食ったら 「明日は、今日と違う蕎麦も試してみようかな」 と、なってしまう漫画(笑)。 いろいろやばい漫画まんが倶楽部 さくらももこちゃんと☆せいやさまざまな著名漫画作品をさくらももこが好きなようにアレンジして描いている。中にはアレンジという枠から大きく外れ、原型を保ってないものも(ほとんどそうかも)。こういうのはパロディとは言ってはいけない気がする。 もしかしたら、さくらももこはONE PIECEやNARUTOなんて漫画は知らなくて、編集者が適当にもじったタイトルの響きからイメージして描いてるだけなのかも知れない。と思ってしまうほどいろいろひどかった。 コジコジ(作中ではゴシゴシ)はそんなに変わってない気がしたけど。 ただ、ウォン・リーをさがせはかなり好き。 しかし、さくらももこがこんなヤバい漫画を世に残していたとは知らなんだ。 本気かどうか知らないが、次回予告も載っていたけれど、続きはもう読めないと思うと、不思議と寂しくなるものですね。「カッコイイ」が詰まっていたコロコロの意欲作電人ファウスト 上山徹郎みど丸コロコロコミックを読み始めた頃には連載が終わってしまっていたのですが、お兄ちゃんがいる友だちの家にあったコロコロで読みました。その友だちに自慢というか、「このかっこよさが分かるオレはすごい」アピールをされた思い出が強烈に残ってます。 で、確かにカッコイイ! ロボットでありながらも軽口を忘れないハードボイルドなファウストと活発な少女留詩葉。彼女を狙う9体のロボットを退けながら囚われの父を追うという鉄板のバディSFなんですわ…。 「これが本当にコロコロコミックに…?」と今では思うようなタフな設定、キャラクターデザイン、ストーリーライン。当時もどんな話だったのかはあまり分かってなかった気がしますが、それでも子ども心に「カッコイイ」と思わせるすべてがそこにありました。 残念ながら打ち切りだったという話ですが、最終話のラストの見開きがすごくキレイで、完全版を開くたびにふたりの旅はこのあとどうなっていったんだろうと思いを馳せてしまいます。 いつか続きが読める日が来たら嬉しいな…。親目線で見るインターナショナルスクール庶民の娘ですがセレブ学校へ通っています 東條さち子たか※ネタバレを含むクチコミです。 愛を語るならば先ずはこれを読まれよ鉄門海上人伝 とみ新蔵かしこ愛と狂気は紙一重。ついそんなことを思ってしまいながら読み終わりました。村の荒くれ者がふとしたことで人を殺してしまい、惚れた女と泣く泣く別れ、仏門に入り、旅をする中で人々を助け、最後には即身仏になる…。なんとも激しい一生ですが、その昔に実在した人物なんですね。てっきりとみ新蔵先生の演出だと思っていた信じられない展開の数々が実話だとは。1970年に「週刊女性」で連載され、部数増加に貢献するほど人気だったということにも驚きましたが、当時の主婦の方々がハマった理由はなんとなく分かる気がします。まず劇画タッチで描かれる鉄門海上人が男らしくてカッコいい。あと惚れた男が僧侶になった女の心情を綺麗事ばかりじゃなく描いてるところがいい。私も「こんなのもらったってどうしようもないんじゃ!」と思いましたもんね。いやでも二人の愛は本物です。最後にはこんな成就の仕方があるのかと感動しました。ヒナまつり完結しましたねヒナまつり 大武政夫みつを※ネタバレを含むクチコミです。藤田節炸裂邪眼は月輪に飛ぶ 藤田和日郎neko※ネタバレを含むクチコミです。 青臭く大人になり切れないダークヒーローARAGO 新井隆広neko※ネタバレを含むクチコミです。可愛い好きな子がめがねを忘れた 藤近小梅neko三重さんが可愛い、それに尽きます。 小村君が良いヤツじゃなったら、どうすんだ? と心配になります。 心の汚れ切った大人には眩しすぎる二人です。 さっさと爆発しろ! そうだ、文房具屋さんに行こうきまじめ姫と文房具王子 藤原嗚呼子まさお読んだ感想は文字が多い!! でも同じくらいに懐かしい気持ちになった。 37才の自分には、昔のCompusノートやオモチャみたいな筆箱は響くものがありました。何とも何とも懐かしい気持ちになる漫画です。最近は「文房具屋さん」をみなくなってきて、あの甘い消しゴムの匂いや、鉛筆の匂いが恋しくなりました。そんな気持ちになる漫画です。 明日2巻発売っぽい極東事変 大上明久利さいろく戦後の日本のドヤ街を舞台としたアクション。 GHQとゲリラとの戦い(少なくとも1巻では)なのだが、影ではユニット731での人体実験を重ねた結果生まれた生体兵器たちが暗躍する物騒な社会。 そんな中でいいヤツを貫き通す主人公には結構好感が持てる。 最初のうちはキャラ設定と構成どうなるんだろうと思ってたけどキャラも割と良い感じにどんどん出てくるし、この2人のバディは最後まで見届けたい。 あと背景も含め描き込み度が(ペンのタッチのせいか?)結構頑張っているなーって感じで特徴的。 局長かわいいよ局長。BLUE GIANT SUPREMEの最新話について語ろうBLUE GIANT SUPREME 石塚真一 NUMBER8名無し※ネタバレを含むクチコミです。中央線を舞台にした出会いと別れのオムニバス #1巻応援中央線沿線少女 riokasogor25吉祥寺や三鷹など、JR中央本線の各駅を舞台にしたオムニバス作品。吉祥寺の駅前の風景や三鷹の太宰治ゆかりの地など、各駅それぞれの風景が描かれ、その中で様々な登場人物の多種多様な感情が描かれる。タイトルに"少女"と入ってるけど社会人が主人公の話もあり、物語は本当にバリエーション豊か。 オムニバス作品ながら1話ごとの起承転結が丁寧に描かれ、なおかつ結末まで辿り着いたあとに強く余韻が残るような幕引きをしている作品が多いのが印象的。 また、1巻の時点で甲府まで足を伸ばしていたりして、都会から郊外まで様々な舞台の様子を楽しめるのも魅力の1つ。 1巻まで読了。 剣と魔法の世界に存在する知られざる”ブラック職場”…! #1巻応援教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです タナカトモ 夏川優希sogor25剣と魔法の世界に存在する知られざるブラック職場、それは"教会"…この教会の神官ユリウスは、日々強制転送されてくる勇者たちの死体の蘇生、教会の管理、更には蘇生費の徴収など、それら全ての業務をなんとワンオペで行っていたのだ!ここに知られざる神官の過酷な勤務実態が明らかになる! という、"RPGで主人公たちが全滅したときに戻される教会がもしワンオペで運営されてたら?"という切り口で描かれるファンタジーコメディ。 着想の切れ味の鋭さも素晴らしいんだけど、異常な頻度で死んで転送されてくる勇者、蘇生費を踏み倒そうとする輩、どこからともなくトラブルを運んでくるヤバい勇者、そして労働条件的にも金銭的にも限界に近づいた結果良からぬ方向に足を踏み出そうとする神官ユリウスと、コメディとしてのキャラの配置が上手くて、タイトルだけの一発ネタでは終わらせない地力を感じる。RPGをプレイしたことのある人なら親しみやすい世界観も魅力的な作品。 1巻まで読了。一瞬で読み終わるし満足度が高い天獄の島 落合裕介hysysk死刑制度がなくなり、島流しが極刑となった日本が舞台。主人公は殺された家族の仇を取るためにわざと罪を犯してこの島に乗り込む。凶悪犯だらけの島なので、当然ハードなサバイバル生活が待っている…という設定にまず惹かれるし、実際面白い。 その後この島に隠された秘密や、主人公の家族殺害の真実が明らかになるのだが、展開がよくできていて一気に読んでしまった。サバイバルのところがもっと長くても良かったと思う。Season 2も読みたい。JT=ジャパニーズ・トライバルセブン☆スターJT 柳内大樹名無しセブン☆スター第3章。前作「SEVEN☆STAR MEN SOUL」で、単身英国に渡りギャング集団とドンパチを経験してきた美船敏郎が、オードリーを連れて日本に帰国。あっという間に集結するセブン☆スターの面々たち。美船がいない2年間に築地は移転し、街は変わり出していた…。美船がエディーンで戦った意味を第3部にどうやって繋げるのか気になる所。タイトルがの「JT」も気になるところだが、これはJTお墨付きになったわけでなくJT=ジャパニーズ・トライバルの略らしい。(トライバルってなんだ?) あと、タクボンと三船の顔似すぎ… ここで終わりなのが切ないなあ。マイ ベイカー らくだPom 2巻で終わりなのか。もっと読みたかった! パン屋さんって職業は小さい頃憧れたな。 この漫画に出てくるパンも美味しそうだし、パン屋さんの中での恋愛模様も素敵でした。 こんな恋愛も若かりし頃、憧れたような。。 北くんの不器用な感じに美々子が包まれる大きな大きな安心感。 いい関係の二人だなぁ。 とにかくほっこり。癒された。 今まで読んだデザイン漫画でベストデザインノイロハ 藤原嗚呼子hysyskデザイナーが主役となるとどうしても仕事とか業界が話の中心になるし、それでいいんだけど、この作品はちょっと違う。踏み込み方がデザイナーの生き方そのもので、具体的に今まで出会ったデザイナーの顔が思い浮かぶようなリアリティがある。いやあびっくりしました。アフォーダンスとかランドスケープデザインみたいな大きなデザインの話をしているのも良い。 全人類に読んで欲しい点として、デザイナーは1話に出てくるようにクライアントからパクリみたいなことをお願いされたりするんで、作った人だけを責めないでそれを指示した人、決定した人の存在や業界の構造にも目を向けてね、というのがあります。作っちゃう凄い人たち怪盗レシピ 若林健次名無し味わった料理を再現するとなると当然だが 味覚や料理知識・経験・技術がいずれもハイレベルで 備わっていないと出来ないわけで、 チェーン店のメニューから老舗名店の味まで そっくり再現してしまうトモくんチュウさんは とてつもなく凄い人だと思った。 きっちりと同じ原材料を使って作るわけではないので、 あくまでもそっくりな味にする、ということだろうけれど、 それでも凄いというか、むしろそれのほうが凄いかも。 それと自分がこの漫画を読んで好印象を強く感じた点が二点。 一つは、各有名店の味をあっさりと再現して見せながらも、 トモくんやチュウさんに、けして素になった料理を軽んじたり、 こんなのたいした料理じゃないから、みたいな 自惚れているとか奢っているとかの感じが全く無いこと。 それぞれの素メニューを尊重しつつ、 味の再現のチャレンジを真剣に楽しんでいる感じがイイです。 もう一つはSガキヤのラーメンの話。 漫画の中でチュウさんが 「中部・東海の中高生の誰もが青春を 共に過ごしたソウルフードよ!」 と言っていますが、私も東海地方出身なので まさに同感。 ただし、あくまでも青春時代の思い出補正があるから 美味しく感じる味であり、だれもが食べて絶賛するような 味では無いと思っています。 ところが名古屋飯が話題になったアタリからか、 Sガキヤのラーメンをやたらと絶賛する食レポとか 多いんですよね。 そういう絶賛食レポとか見るたびに、 なーんか違うんだよなーという想いを感じて いたんですよね。 この漫画のSガキヤ回は、そんな私の想いを ジャストミートした内容でした。 (残念ながら恋バナ的思い出はSガキヤには私はありませんが) 多分、作者の若林先生もそこまで考えて Sガキヤ回のオチを描いてはいないでしょうけれど、 自分としては、あーSガキヤのラーメンを美味いと思う 中部東海の中高生達の心理までもしっかり再現しているなあ、 と感じて嬉しくなってしまいました(笑)。 村上たかし先生、渾身のコミカライズ!後妻業の女 村上たかし 黒川博行 鶴橋康夫starstarstarstarstarひさぴよ村上たかし先生の作品には珍しく、”悪人”が主役の作品。 というのも黒川博行の原作小説を映画化した「後妻業の女」をコミカライズした作品なのです。村上先生にとって、初めてのコミカライズということで、映画を漫画に落とし込むのにだいぶ苦労されたそうです。※あとがきより 主役の「小夜子」のイメージは、良くも悪くも映画版の大竹しのぶの印象がありましたが、漫画の方が小夜子という人間の業が表現されているように感じがして私は好きです。 村上先生の画なので、根っからの悪人に見えなくて、どこか良い人感が出ちゃってるのは否めないですが…。 物語については、文句なしに面白いので説明不要ですね。 1巻完結でコンパクトにまとまっている漫画ですので手に取りやすいです。 ぜひプロの後妻業の”業”を感じてみて下さい。 また、巻末には2016年7月の「ビッグオリジナル すし増刊」に掲載された「寿司とポップコーン」という読切が収録されています。村上先生のお祖母さまの思い出を描いた作品で、こちらも良い作品でした。己の情けなさを味わえる漫画は良い漫画アキオ… 村上たかしstarstarstarstarstarひさぴよアキオは冴えない中年でありながら、年下の美人妻と結婚し、愛娘と何不自由なく幸せに暮らしていた。しかしそこへ妻の元カレが現れ、とてつもなく辛い現実を突きつけられ…。 ここまで男としての情けなさを味わえる漫画はそうないと思います。「最強伝説 黒沢」とまた違う情けなさと言いますか。主人公アキオの泣きっぷりがもう凄いの何の。読んでるこちらまで、泣きたくなるような気持ちになります。 相対する妻と元カレは、容姿も性格も恵まれており、アキオが身を引くしか無い状況へと追い込まれ、もう感情をどこへ持っていったら良いのやら…。 そして、同級生で探偵の”広瀬”と再会し、物語は一段と面白くなっていきます。アキオの決断が思いもよらない状況をつくり、最後まで目が離せないストーリーになってます。<<377378379380381>>
よく引き合いに出されるのは『世にも奇妙な物語』とか『笑ゥせぇるすまん』とか星新一のショートショート、なんだけどこの例え若い人に通じるのか? 1話完結で、毎回違う主人公、徐々に脇役として馴染みのキャラクターが増えていく。基本的には普通で取り立てて特徴のない人か、要領が悪くいじめられがちの人が最終的にうまくいったり、うまくいきそうなところを欲をかいて失敗したり、単に嫌な目にあったりする話が多い。何事もプラスがあればマイナスがあり、利息がついたりもすることもある(作者は元銀行員)。 改めて読み返すと1巻の1話目だけが特殊で、何の仕掛けもなくいきなり植物になってしまう。文学的でいいなと思うんだけど、話を作りにくいのか受け入れられにくいのか、その後は不思議な道具の効果で不思議なことが起こる形式となる。明日から真面目に生きようという気持ちが湧き起こってくる名作。