青年マンガの感想・レビュー15413件<<526527528529530>>「生きる意志」とは何か?サンクチュアリ 池上遼一 史村翔ヒロシ(漫学)圧倒的な熱量を持って「生きる意志」を徹底的に問うてくる人生のバイブル。フランクルの「夜と霧」に「人生というのは結局、人生の意味の問題に正しく答えること、人生が各人に課する使命を果たすこと、日々の務めを行うことに対する責任を担うことに他ならない」という一文があるが、まさにそれを体現した漢達の物語と言える。文部科学省は一刻も早く同作を高校の教科書に採択してください。現代でも江戸でも猫は人間と一緒差配さん 塩川桐子名無し試し読みしていい感じ、と思ったらどうぞそのまま一巻読んでください! 間違いないです。 お江戸の猫漫画! 差配さん(猫)がメインで動くんですがいろんな人間いろんな猫がそれぞれ気ままに生活して動き回ります。 絵がいい、すごくいい。猫の絵もそうですが江戸時代の人間描写もうまい。 江戸×猫漫画たまらん…!!働くことの意味土星マンション 岩岡ヒサエナベテツどこか懐かしさを感じさせるタイトルだなあと、読み始める前は思ったりもしました。読み始めて、岩岡先生の優しさと激しさを感じました。 柔らかなタッチで描かれる登場人物は、皆自分の職務に誇りを持ち、日々を懸命に生きています(それは劇中で影を下ろす人物でさえも)。 この作品は、全うに生きること、仕事というのは誰かと繋がっていること、社会にいる人間は決して一人ではないということを教えてくれます。 SFとしても、人間賛歌としても素晴らしい。未読の方は是非読んで欲しい作品の一つです。ものすごい情報量と心理戦サマヨイザクラ 郷田マモラhysysk裁判員制度によって裁判員に選ばれたフリーターが、それをきっかけに救われようとする話。登場人物のキャラが立っていて、それぞれにポジショントークを繰り広げる。 大きなテーマとしては「集団の悪」対「個人の善」があり、読んでいく中でどちらの立場にも「それもそうだな〜」となって、選択することの難しさを実感する。一体善と悪を分けるのは何なのか。皆の感情か、「これくらいの犯罪ならこれくらいの罰ね」と量刑表に従うのか、自分の信念を貫くのか。 話の成り行き自体はやや現実味がないが、ニュースなどで日々取り上げられる事件や社会問題が詰め込まれており、ひとつの制度からさまざまな立場の感情を描き分け、ここまで膨らませられるのはすごい力だと思う。 これ生きるがテーマの話だと思います死役所 あずみきしむ以前きゃりーぱみゅぱみゅさんのツイートを見て読み始めたマンガ。 みんな死ぬし、役所にくるみんな死んでるのでどの話もかなり重いのですが、死ぬ話を書くと必然的に生きる話を書いてることになる気がします。どの人も必死に生きた人生の話が描かれてる気がして、私の場合ですがボロッボロに泣きました。特に漫才の二人組の話とか泣きました。死んだままの姿で役所にくるので映像化とかメディア化された場合グロいじゃん!と言われて敬遠されそうなのですが、漫画ではそこまで写実的に描かれてはいません。 読む人選ぶのかもしれませんが泣くので読んでみて…こ、これは…ずるい漫画だ!殺し屋Sのゆらぎ 舟本絵理歌名無しずるい!惚れたら殺せなくなる! 可愛いのが悪い! Sがワタワタしてるのがたまりません。 殺し屋ものなのにぽわ〜〜っとしてしまう!ずるい!共感はするがドン引きが勝る、子供な大人の浮気ストーリー恋のツキ 新田章mampukuイマイチ共感はできないけどなんかリアル感ある浮気女の話です。 泡沫に夢見てうっかりみすみす手の内にあったはずの幸せを自らフイにしてしまい、転げ落ちる様子をせせら笑いながら楽しめる漫画です。ふとした瞬間の幸せを後先考えず全力で追いかけるあまり右往左往するさまや、彼氏への不満をさも言い訳がましく漏らすさまは、某大学アメフト監督や大学広報などと同レベルの危機管理能力だなと感じます。 純真無垢だった浮気相手の高校生、すごく可愛くて良いやつなんですが、ワコの毒牙にかかって汚されていくのがなんとも… これはただのアイドルものなのか、それとも…絶対零度アイドル ハナツカシオリsogor25SF世界では古より用いられてきた"コールドスリープ"という舞台装置。これを短期間の"タイムリープ"の道具として利用したのが「君は春に目を醒ます」ならば、擬似的な"不老不死の秘薬"として用いてるのがこの「絶対零度アイドル」という作品。 コールドスリープで眠る間は歳を取らない、ならばアイドルに活動期以外に眠ってもらい若い状態を長く保たせよう、という恐ろしい着眼点の作品。しかし1巻の段階ではSF要素よりもアイドルの活動が物語の中心。というか、現段階で既にある登場人物の思惑のようなものが見せられるんだけど、その上でアイドルの魅力を魅せることに重点が置かれているような気がする。これは果たして何を意味するのか。 私にはこの作品、「取っ掛かりはSFっぽいけど実はストレートなアイドルものなんですよー」という顔をしておいて、最後の最後にとてつもないちゃぶ台返しを用意している、そんな気がしてならない。これは1巻から追って置かないと勿体無い。 1巻まで読了。元南極観測隊の小学館社員にインタビューしてみた。南極に行ってみ隊! 秀良子nyae観測隊って何する人か細かいことは知らないけどなんかペンギンとかオーロラとかロマンあるよね〜てなことを考える人は多いのでは。 著者の秀良子先生が打ち合わせで南極観測隊に興味があると話したところ、なんと小学館の社員に経験者が…!そんなことあるのかと思ったら本当だった! その詳細が実に面白い。 募集要項はPC作業ができればOKくらいの感じだったのに、実際は山岳のプロ並みの経験が必要だった。にもかかわらず、採用。さすが小学館ですね。 オーロラが出すぎて飽きるとか、季節を意識するためにお花見したり鯉のぼり飾ったりという話がリアル。1年という期限付きなら、行ってみたいと思いますよね。 (お給料どのくらいもらえるのかなー…)読むのがつらいトランスジッター -歪な外側- 咲次朗名無し「異性化」という突発的な症状で身体の性別が変わってしまう。のは、「個人差あり〼」と同じ、なんだけど…1巻を読んだ限り救いがなくて、読むのが辛くなる場面が多々ありますね。きっとそれは主人公が異性愛か同性愛かにもよるのでしょうが、多感な思春期であることもかなり重要な要素ではないでしょうか。学校で標的になるのは必然ですし、主人公の人格形成にどんな影響があるのか、どうなってしまうんだろうと考えるとやってられないです。 秀逸なヒューマンドラマの漫画短編集漫画短編集「メイドインバイバイ」 studio chavo名無しちばてつや賞大賞や新人コミックオーディション大賞が気になり購入。自力が強烈。人間交差点のようなドラマチックな漫画が好きな層向け。2つの「迎えを待つ話」待ちぼうけブルース nohoあきら1本目のお話は、主人公が見知らぬ男性に充電器を借りる話。 2本めは設定がガラリと変わり、犬の獣人っぽい学者が白亜紀の地球を訪れる話。 「充電切れで待つ」と「白亜紀で待つ」は、どちらも主人公が誰かが迎えに来るのを待っているというシチュエーションは共通しているけれど、日本の日常とSFもの、全く違うジャンルを描けるのがすごい。 ただ正直なところ、別にお話自体はそれほど面白くなかった(特に2本め)。 1本目の「充電切れで待つ」は、広い世界にいた女性が狭い世間を体験する日常を切り取った小話としてありかなと思う。 だけど2本めの「白亜紀で待つ」は、最後のコマのナレーションで無理やりオチをつけてる感じでほんとに面白くない。 作画に関して、やけにケモノっぽいヒトの絵がうまいと思ったら「となりの妖怪さん」の作者だと知り納得。 あんなに面白い日常ファンタジー漫画を描けるnoho先生の読切にしては、納得の行かないお話だった。超ニッチだけど興味深い漫画修理もん研究室 寺沢大介名無しなおしもん研究室読了! その通り修理する漫画。 まず東京大学の絵で「卓上大学」(通称、ちゃぶだい)ってとこが面白い。 漆を塗って茶碗を元に戻したり、椅子戻したり超ニッチなんだけど割と勉強になる。古ければ受け継がれない限り、もしくは調べない限り知らないことってたくさんあるので。 古いものを知り、直すのは素敵なことかもと思える漫画。 身近に感じすぎるファンタジーモノヴィーヴル洋裁店~キヌヨとハリエット~ 和田隆志名無しファンタジーだと没入するまでに時間がかかるけれど、この本即世界観に浸れる。 洋裁店の話なので、記事もファンタジーなドラゴン皮とかそういう架空の素材! それでも不思議と違和感なく読めるから不思議。 多分ファンタジーのキャラクター(ドラゴンとかマンドレイクとか)を読み手が大体は知ってるからでしょうか。 ハリネズミのキャラも話もどこか絵本っぽい… 素敵です。ロードバイクの波、きてる…!かもめ☆チャンス 玉井雪雄名無し木阿弥ストラットの絵が好きだったのですが、これも面白い!絵もうますぎる 弱虫ペダルでバイク始める若い人も増えた気がしますが、大人が(しかも中年が)ツーリングの横をバイクで走るのを見る機会増えた気が! これはロードバイクの波、きてるのでは!? これは普通の信金サラリーマンが走る漫画なのでアウトドアだけど漫画も読むって人におすすめ 雰囲気が好き~幽麗塔 乃木坂太郎やむちゃ昭和29年の神戸、曰くのある古い時計塔を舞台に繰り広げられるサスペンスホラー。今で言うニートの主人公がなんやかんやあって謎の美青年の世話になり、一緒に宝の眠る塔に挑むことになるという話。 少し昔、くらいの時代設定が物語としてちょうど良い読みやすさなんです。あと主人公の好感度の低さが新鮮だし、塔の持ち主丸部の狂人ぽさも心惹かれるものがあります。 その塔は、 明日の希望を刻む。 昨日の怨念を刻む。 人の心を切り刻む。 ↑(裏表紙より) 江戸時代の検屍の漫画江戸の検屍官 高瀬理恵 川田弥一郎starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男江戸時代の検屍の本「無冤録述」を元に検死をする漫画。 無冤録述が思ってたより科学的だったし、江戸時代の文化もわかって面白い 絵が上手く丁寧書かれている分だけ、取り調べや死体が妙に怖いときがある この作者が書く漫画はどれも、色々小ネタがあって好きだな。「公家侍秘録」もよかった。 ボルダリング愛がすごい、美少女小寺さんのぼる小寺さん 珈琲名無し映画化の知らせを機に、ウェブで公開されてたので初めの方だけ読んでみました。 スポ根部活マンガかと思いきや、無口でミステリアスな小寺さんの意外とほっこりする日常を見つめるような内容でした。 小寺さんのボルダリングに対するひたすら真っ直ぐな姿勢と素直な性格により、学校に行く意義を見いだせない子に、学校へ行ってみようかなと思わせるなど、本人が気づかないところで沢山の人に影響を与えてるみたいです。 こんな可愛いくて良い子、演じるキャストはプレッシャーですね。離島漫画にハズレなしマグネット島通信 伊藤正臣むお願いだから3巻まとめて買って読んで欲しい! 離島漫画の最初ってちょっと負の感情から始まると思うんですよ。 辛いとかモヤモヤした心情から始まって、離島に行って何かが変わると予感させる。実際変わるんですよ! 読んでて島の海辺の描写に癒されるし、どこかにあるであろう知らない土地に思いを馳せることができる。 この漫画もすごいよかったです。心が晴れるみたい。 ほっこり離島田舎SF、、、とでも言いましょうか。ジャンルが難しい! 読了!最高にいい気分になりました。 めっちゃいいじゃん二鳥翠 黒谷知也作品集 黒谷知也hysysk『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』より古い原稿、選から漏れた作品が収録されているとのことだけど、私はこっちの方が好き。この絵柄で少し不思議なことが起こる話だと、やはり黒田硫黄を思い起こしてしまうが、全然ネガティブな意味でなく、むしろ作者の幅というか奥深さが垣間見れて良かった。魂は救われるのか?アガペー 真鍋昌平hysyskどうだろう。自意識をこじらせたような人達が沢山出てくるので、とても身につまされる。人と人が互いにずれを感じながら、見下したり、利用したり、それでも一緒にいて何とかやっている。それが救いといえば救いかもしれない。分かりやすい救いはない。思い詰めていることを、一笑に付された時、怒るのか、「ああ、考え過ぎだった」と気付いて少し前向きになれるのか。暗く静かな気分になりたい時に読む。絶滅危惧種みたいなサラリーマン漫画商人道 細野不二彦starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男内容はあらすじに書いてある通りの今ではほとんど見ない若手ながら24時間働くモウレツ型社員が主人公。主人公は苦難の結果によりただ成功するのではなく、「現実は非情だ」「不条理なことだらけだ」の印象が強い。もっといろんなパターンの仕事が見たかった。 主人公の目標である熊代常務に肩入れしてしまう。昔勤めていた会社の営業部長がこんな感じでその当時付き合わされる方は大変だけど今思うと良い思い出になってる。 掲載雑誌休刊で続きが読めないのが残念竜神伝説 横山光輝starstarstarstarstarマンガトリツカレ男横山光輝の作品が好きだから「これほど面白そうなところで終わった漫画も少ないんじゃない?」と思ってしまう。 時代背景は応仁あたりの戦国時代で落ち武者狩りに主人公が追われるところが始まる。琵琶湖を根城とする龍神組の頭目 幻也斉と水に潜れる亀甲船のようなものでこれから天下統一を始めようというところで終わる。最後は亀甲船で水に潜るところで終わってるせいか、成功せずに沈んで完結という見方もできてしまうがせっかく面白いので続いて欲しかった。またはリメイクとかして欲しい 好きだ!生足ショートボブかわい子ちゃん望月ミネタロウ 短編集 ショート・ボム! 望月ミネタロウBOMこの作者のショートボブ女子をこれでもかと味わいたいなら読むしかない。読まないという選択肢はない。 ズボラでいつもお金がなくて飢えてる女の子がいた。 その子はショートボブとミニスカート、リュック姿がよく似合う最高にキュートな女の子。 お金のためなら多少の無理はいとわない。 バイトに受かるために全裸にオーバーオールを着るところや、ゲイカップルの仲直りに使われるところ、所持金500円なのにやけ酒して道端で寝てしまう迂闊なところも全部推せる。 しまいにはお寿司の広告を切り抜いて寿司食べたい欲を満たそうとしてる!!もう好きだ!!結婚してくれ!!<<526527528529530>>
圧倒的な熱量を持って「生きる意志」を徹底的に問うてくる人生のバイブル。フランクルの「夜と霧」に「人生というのは結局、人生の意味の問題に正しく答えること、人生が各人に課する使命を果たすこと、日々の務めを行うことに対する責任を担うことに他ならない」という一文があるが、まさにそれを体現した漢達の物語と言える。文部科学省は一刻も早く同作を高校の教科書に採択してください。