青年マンガの感想・レビュー15399件<<416417418419420>>普通ではない、普通になれない人間の物語ヒミズ 古谷実六文銭小生「稲中」も読んだことない勢だったので、 本作が世にいう「今までの古谷実とは違う」というのを先入観もなく読んだ。 そんで、読んだ感想だが、率直に言うとよくわからなかった。 主人公・住田が結局何をしたいのかわからず、周囲の人間、女子中学生・茶沢がなぜ彼に好意をよせ、友人・夜野はなぜ彼に尽くすのか、時折でる主人公にしか見えない化け物は何を象徴しているのか?など不明なまま4巻駆け抜けた。 自分の読解力がないだけかもですが…。 ただ登場人物たちの、何気ない瞬間にわきおこる殺意や欲の吐き出し方は、すごく唐突でこの表現には驚いた。 こういうのは衝動的で、細かい動機なんてないのか?と考えると、妙にリアルだと思う。 普通ではない、普通になれない少年・住田のどこまでも救いがない悲哀に満ちた物語。 なんとなくわからなかったが、読後もひっかかかるものがずっとあるので、時間をあけて何回か読み直したくなる魅力があると思います。これは…姫と忍 木原悠里子名無しこれがデビュー作って、いままで何をしていたんですかってくらいの完成度です…すごすぎる…上手すぎる…好きすぎる。 世にもドジなお姫様が主役、なんですがこのお姫様ただ者じゃなかった!! この読切ひとつに感動する要素いくつ入れるのってくらいずっと感動しっぱなし。内容だけでなく、背景作画とかコマ割り、描き込みのメリハリの付け方、世界観、お姫様の表情や挙動、ちっちゃい2人が動き回る可愛さ、全てが素晴らしい。愛している。 こんなこというの下品かなと思うんですけど、Twitterにあげたら30万いいねは堅いと思いますよ。奇想天外なストーリーと言えばいいのか...ゴッドサイダー セカンド 巻来功士マンガトリツカレ男ゴッドサイダーの時と同じく俺の読解力が低いので主人公の設定/血筋/親類/縁者を結局理解したとは言えない状態で読み終えた。 むしろ理解せずに勢いだけで16巻まで読ませることができる巻来功士はとんでもなくすごいのではないだろうか... ちなみゴッドサイダーからのキャラクターも登場しているが、いまいち関係性も理解できなかった。ゴッドサイダーとデビルサイダーとは別に北欧神話に出てくるロキの邪神軍まで出てきたことで余計わからなくなった。 内容をすごいわかりやすくすると、平凡な主人公が自分の宿命と知りゴッドサイダーとデビルサイダーの間でゆれながら仲間とともに戦う。物語は「ヨハネの黙示録」がベースとなり北欧神話/チベット仏教/八百万神などの世界の宗教がミックスされた独自の世界観を構築している。 少女から大人への成長NAGISA 村上もとか名無し表紙の雰囲気に惹かれて読んでみたが一度読むと最後まで読む手が止まらないほどに引き込まれた。 主人公の少女・なぎさが湘南を舞台にして様々な出会いと別れを繰り返しながら、大人の女性へと成長していく過程が描かれている。 少女の将来に思いをはせる光を感じる一面と、出会った人との別れから漂う哀愁の雰囲気のバランスが絶妙で、読後感が切なくも心地いい。 色んなジャンルの短編が収録されてるクリスマスプレゼントなんていらない 売野機子ウラオモテヤマネコカバーの表裏に描かれた漫画のタイトルが単行本全体のタイトルにもなっている面白い一冊です。自分は紙版で持っているのですが電子版だとカバー下の3,4ページ目はどう表示されているのかちょっと気になっています。短い話ですがこういう切ないキスシーンは売野機子先生らしいなと思います。全体的にラブは少なめな短編集ですがときめくシーンはたくさんあります!シュチュエーションが全く違う話ばかりなので読めば必ずお気に入りの話が見つかるはず。麻雀って人生そのものに感じる時があるから作品になるよね風牌にふかれて 能條純一名無し大好きな能條純一氏の麻雀漫画であるこの「風牌にふかれて」ですが、飄々として風の様に生きる主人公の麻雀を通しての出会いを題材にた物語です。同一作者のヒット漫画「哭きの竜」の姉妹編的な作品と捉えられますけど、並行して読むと、キャラは違うが容姿が同一な登場人物が被ってしまい混乱してしまいます。これから読まれる方は、2作品を別々に読んだ方が良い事をお伝えさせて貰います。JIN-仁-を読まずして仁を語るなかれJIN―仁― 村上もとか名無し漫画をTVドラマにする際に、プロデューサーが原作にどんなアレンジを加えドラマ化するかを楽しみしている私ですが、この「JIN-仁-」に関してあえて勝敗を付けるならば、人物設定がシンプルであり分かり易く気軽に読める漫画の方に軍配を上げます。 南方先生もドラマに主演した大沢たかおさんみたいにカッコ良過ぎず、身近に感じられます。いずれにしろ抜群に面白い漫画である事は間違いないから読まない手はないですよ。ドラマを見ていたけど漫画は読んでいないというのはもったいないです。 ホストの熱い生き様がわかるホスト魂 松田康志 沖田龍児名無し夜の仕事であるホストの仕事の実態や苦労などか熱く描かれている漫画です。単純にホストと言うと、ただお酒を飲んで接待すれば良いというイメージだったのが、この作品を読んでみてアフターフォロー等も含めて誰でも出来るようなものではなくとても大変な仕事だということが分かりました。 ホストの仕事に興味ある人にオススメしたいですね。ミステリーなのか、本当の狂気なのか...狂室 フジツナ名無しイラストが好みだったので読んでみました。作品タイトルの「狂室」が、本筋としっくりくる作品です。 主人公はまともな思考を持っている一般人ですが、ヒロインや友人がサイコパスにしか見えません。死人が出ますが嫌悪感をもつようなグロテスクな描写はなく、ストーリーも分かりやすい漫画です。 ミステリーやホラーが好きな方にはお勧めです。主人公・公平の器の広さに脱帽です。ギラギラ 土田世紀 滝直毅名無し主人公・公平の器の広く、人の心理を読むことにたけた頭の良さが光るホストとしての活躍ぶりがとても頼もしくて、毎回とても楽しみに読みました。家庭のある公平ですが、こんな夫を持つ奥様がとてもうらやましくなるほどです。 道をそれた同僚に対しても、慈悲深さと相手の心の根をゆさぶる行動で軌道修正してあげる情が素敵です。 常連さんがいない時間に行きたい店、酔庵美味い話にゃ肴あり ラズウェル細木野愛酔庵ってすてきなお店ですよね。行きたいかと言われるとうーん、常連さん達がいない時間に行きたいかなあ。 あんな癖強め(とは言えマナーは割とちゃんとしてる…かな?)な常連さん達を適度にもてなし適度にあしらい、季節の美味しい料理を提供してくれるんだからいい店です。爬虫類のペット連れてっても怒らないし、煮汁とか持って帰らせてくれるし、ミカちゃんかわいいし。 常連さん達が癖強めになっちゃうのも、それでいてみんな仲良く呑んでるのも居心地がよくて気が利いているからなんだろうなあ…。 読めば読むほど酔庵に行きたいという感想しか出ません。 酒のほそ道の宗達はいろんなお店で呑んだり家呑みしたり多様な酒の楽しみ方を見せてくれますが こちらはひとつのお店に通う楽しさ、その中で季節を感じたり人間模様を観察したり…そんな楽しみ方を教えてくれます。 酔庵のマスターはラズウェル細木作品に出てくる登場人物の中で(珍しく…いや、唯一かも)人間的に好きです!!こんな刑事がいたらいい。赤ハナ刑事 松田一輝 小川酔生名無し人情刑事がおりなすヒューマンドラマ。 52歳の四方田が犯人を口説いて改心させる王道の話ですが絵柄もどこか懐かしく、犯人たちの哀しい事情も読んでいてほろりとします。 現実でもこういう刑事さんがいて欲しいな、実際にこういうお話とかあるのかな、と思いながら読みました。お酒に興味なくても面白いので読んでほしいまどろみバーメイド 早川パオstarstarstarstarstarnyae主要キャラの女性たちがもれなく美しいのは言わずもがな。 お酒に対する関心があるなしに関わらず、誰にでもオススメできる素晴らしい漫画です。 バーテンダーという仕事を知るのにこんなにいい本はないのではと思うほど、バーテンの仕事と業界のリアル、そして「女性が自立して仕事をするとぶつかる壁」がちゃんと描かれています。共感できる人多いと思う。 出てくるキャラたちはみな「プライドの塊」といった感じで、バーテンダーという仕事に人生賭けて向かい合ってます。キラキラしてるだけじゃない。女の子がたくさん出てくるけど、それぞれただの仲良しというだけではなく、ぶつかったりしながら色んなかたちで刺激しあえる良い関係なのが、読んでて飽きない理由でもあると思います。 これ読んで、フレアバーテンダーのYouTube動画とか見るようになりました。 これがちばてつや賞 大賞の実力!DESERVE TO LIVE わらいガため名無し今週のヤンマガに載っていたのをたまたま読んだだけですが、読みはじめて一瞬で夢中になって最後まで読み切れました。「これがちばてつや賞で大賞を取る実力か…」と鳥肌が立つ思いです。 「命の大切さ」という、言葉にすれば簡単だけど、それってどういうことなのかを漫画として最高なかたちで伝えている作品だと思います。 1人でも多くの人に読んでほしい。なんという世界観蜘蛛の糸 平口広美名無し率直に、すごいものを見たなという感じです。正直最初は、低俗なエログロ漫画だと思っていましたが、しばらくすると、ページをめくる手が止まらない自分がいました。単なるエログロではなく、何か得体のしれない真理(しんり)みたいなものが見え隠れするんですよね。作者の意図するところは結局最後まで分かりませんでしたが、読後は非常に爽快な気持ちです。「病んどるなあ」で始まるがらんどう 篠原とおるマンガトリツカレ男針、指圧、漢方を得意とする主人公がいろんな病気の患者を治療していく下町っぽい人情ドラマ。篠原とおるの漫画って女性主人公ばかりだとおもったけどこれはおっさんだった いい話もありいきなり終わる話もありよくわかんない展開の話ありだがそんなに難しい話でもないので寝る前に読むのにはよかった。 篠原とおるの漫画を最近読んでるが内容が娯楽って感じがしてすごいいい 日本酒の世界夏子の酒 尾瀬あきら小暮お酒自体好きではあったものの、独特の風味や匂いが合わず中々好きになれなかった日本酒。ですが、この作品を吟醸酒作りに人生を賭け取り組んでいる人達の熱い思いがあることを知りました。そして日本人でありながら日本酒に関する知識が無い事にも気付かされましたが、単に日本酒のうんちくを語るのではなく、主人公の佐伯夏子が出会う試練を通して教えられるので、嫌味がないので受け入れる事が出来ます。日本酒を飲んでみたくなる「夏子の酒」悪くないです。若きアスリートと料理ブロガー親父のドラマアスメシ 見原由真 小川錦starstarstarstarstarひさぴよ現代のアスリートにとって、「食」はパフォーマンスを左右する重要な要素であり、普段の体作りがいかに大切かよく分かるマンガ。 的確な栄養学に基づいた内容で、レシピも詳しく書かれている。 いかにもお昼のN○K番組とかで放送してそうな内容なのだけど、父と娘の二人三脚のドラマがとても良い感じで、話に入り込みやすかった。 作画の見原由真さんの画も、真っ直ぐで健康的な感じで、ドンピシャだと思う。 試合などの実践シーンはもっとあるかと思ったが、意外と控えめで、日常生活の描写が中心だった。幕末史の入門としてオススメの漫画お~い!竜馬 小山ゆう 武田鉄矢くまぞう幕末史を題材とした漫画はたくさんあってどれから読もうか迷いますよね。もし自分が子どもや歴史苦手な人にオススメするとしたら「お~い!竜馬」を推したいと思います。 ”武田鉄矢史観”とも言うべき、驚異的に分かりやいストーリーに加え、小山ゆうの描く偉人たちの人間臭いこと! 細かい史実や、内容の正確など二の次で良いと言わんばかりの人物像のオンパレードですが、歴史に興味を持つ取っ掛かりとしては、これくらいで丁度いいのです。 大クセのある武田鉄矢、小山ゆうの思想が強いので、幕末のイメージが固定化されないよう注意が必要です。 「お~い!竜馬」を読み終わった後は、他の幕末作品(壬生義士伝や風雲児たち)を読むとバランスが取れると思います。 現実と将来。#1巻応援ひとりでしにたい カレー沢薫 ドネリー美咲Pom 将来を見ているかの様な作品でした。 孤独死って、ニュースなどでは取り上げられているけれど、私自身今生きている上でチラッと話すこと考えることはあっても、死に対して真剣に向き合い考えたことはなかった。 最後まで読みやすく描かれてるけどリアルすぎて、怖くなったり。 でも、勉強になってます。 女性を主人公にしてる所も、今後の日本を表しているかの様に思いました。 これは最高に熱い漫画家マンガだ…!描かないマンガ家 えりちんかしこ漫画専門学校に通っている渡部勇大(26歳)こと、描かない漫画家・器根田刃(きねだ・やいば)先生が主人公。とにかく言い訳ばかりして描かない!のですが、漫画愛は人一倍ある厄介な男です。しかし悪い奴ではないので友達は多いし、なぜか才能ある女性漫画家にもモテたりします。実は中盤から主人公以外は学校を卒業してどんどん漫画家として活躍していくので、そこから漫画家マンガとして熱い展開になっていきます。例えば20代前半で連載デビューすることの苦労だとか、6500万部売れた少女漫画家とか(ちなみに6500万部はキングダムレベルです)、ネタが細かくて面白いんです。キャラも個性的な人ばかりなので笑いっぱなしだし、脇役達にもラストがちゃんとあるのがすごくいい。肝心の器根田刃先生が漫画を描いたのか?描かなかったのか?はとても大事なところなのでネタバレはしないことにします。全7巻あっという間なのでぜひ読んでみて下さい!2巻も最高でした!ワンナイト・モーニング 奥山ケニチnyae1巻に出てきたカップルのその後や過去編が読めたり、ほっこりもあればエロも満載で最高でした〜!クリスマスのホットケーキの回の、ラッキースケベのど定番みたいなのもなんだかんだ好きなんですよね。今から3巻待ち遠しくて震えます。 なかでもお昼にお茶漬け食べる桃川くんが、今まであまり出てこなかったタイプの男子だったので印象に残りました。鬼ちゃんとのその後…描いてくれますよね…ッ しかし何より衝撃的だったのが、あとがきページに描かれた作者の自画像です。良いとか悪いとかではなく、とにかく衝撃的でした。 リアリティのある恋愛事情先輩のカノジョ 完全版 成田マナブ 神津しおん名無し「先輩の彼女」に当たるIT企業の受付嬢女性が、性行為をしている姿を敢えて後輩に見せつけることで、性欲を誘っている素振りには、思わず興奮してしまいました。大人の女性にある包容力の高さと職場の人間関係が複雑に絡み合うため、なかなか後輩が訊きにくいという事情も、現実的にありそうで、面白かったです。天才を描く漫画は面白いダブル 野田彩子名無しいろんなところで面白いと聞くし、まだ2巻までしか出てないのに1巻まるごと無料で読めるなんてすごいと思ってとりあえず1巻だけ読んでみました。 もっと演劇業界のエグいところを掘り下げるような、読むのに気力と体力を使う話かと勝手にイメージしていましたが、違いました。 簡単にいうと、役者として(人としても?)一心同体になってしまっている多家良と友仁の関係性が、多家良をメジャーな役者として売り出すことでどう変化していくのかがにとにかく気になるストーリー。 1巻ではやはり友仁の力を借りることでドラマ撮影を成功させ、その事実をマネージャーさんも目の当たりにしている。そしてこの本のタイトルは「ダブル」。きっとそう簡単に2人が別々になることはないだろうと予想してます。 はたから見れば多家良が「天才」のように見えますが、友仁も多家良とは違う方面の「天才」だと思ってます。 近いうちに紙で2巻まで買ってきます。<<416417418419420>>
小生「稲中」も読んだことない勢だったので、 本作が世にいう「今までの古谷実とは違う」というのを先入観もなく読んだ。 そんで、読んだ感想だが、率直に言うとよくわからなかった。 主人公・住田が結局何をしたいのかわからず、周囲の人間、女子中学生・茶沢がなぜ彼に好意をよせ、友人・夜野はなぜ彼に尽くすのか、時折でる主人公にしか見えない化け物は何を象徴しているのか?など不明なまま4巻駆け抜けた。 自分の読解力がないだけかもですが…。 ただ登場人物たちの、何気ない瞬間にわきおこる殺意や欲の吐き出し方は、すごく唐突でこの表現には驚いた。 こういうのは衝動的で、細かい動機なんてないのか?と考えると、妙にリアルだと思う。 普通ではない、普通になれない少年・住田のどこまでも救いがない悲哀に満ちた物語。 なんとなくわからなかったが、読後もひっかかかるものがずっとあるので、時間をあけて何回か読み直したくなる魅力があると思います。