青年マンガの感想・レビュー15397件<<355356357358359>>父の死、そしてタコ潮風アンタレス 沼原望名無し何かのタイミングでこの表紙が目に入り、気になったので読んでみた。同人誌っぽい、と思ってたら本当に同人誌として描いたものらしい。 あとがきで作者がこの漫画を生み出すのに相当苦悩したことが記されている。勝手な想像だけど、自身の経験を元にしてるのかなと思った。 ストーリーとしては、何をするにも点数で評価してくるような厳しい父親に育てられた少年が、ある日、父が亡くなってもなんの感情も生まれてこなかったところから始まり、家のベランダに唐突に落ちてきた「タコ」と行動を共にすることで自身が抱えるトラウマや、父親に対しての思いと少しずつ向き合うというもの。 読み手としてはとにかく父親の愛情のない(しかし躾や成績に関してはものすごくこだわる)接し方には疑問しかなかった。ああいう親に育てられたらなんでも点数評価で考える人間が出来上がってしまう。不器用な人だったといえばそれで済む場合もあるみたいだけど、そういうのはあまり好きじゃない。 だけど、主人公が父親と最後に交わした言葉を考えると、彼の心に「後悔」の文字が浮かぶことは想像できるので、そのままにしておいたら駄目なやつだったんだな、と理解できます。 今は商業漫画家として活躍してるようなので、他の作品も読んでみたいですね。山田金鉄先生の商業デビュー前作品!ドラゴン×ラブコメの27ページ!ドラゴンファーム西東京 山田金鉄名無しあせとせっけんで山田金鉄先生という才能に出会ったので、それ以前の作品については全く知りませんでした。 先日たまたまこのドラゴンファーム西東京をAmazonで見かけたので読んでみたのですが、「はぁ〜〜〜!!ドラゴン描くのも上手いんだな…天才じゃん」という感想しかないです。 ドラゴンの描き込みと可愛らしいデフォルメが最高…! ちなみに自分は幼馴染という関係に全く萌えない人間なので、この話のラブコメには一切心ひかれませんでした。 あらためて、麻子さんと香太郎さんという素敵な2人を生み出してくださったことに感謝したいです。ありがてぇ〜🙏ALL OUT!!の雨瀬シオリ最新作ここは今から倫理です。 雨瀬シオリ名無し※ネタバレを含むクチコミです。「闇狩り師×キマイラ」コラボコミカライズ闇狩り師 キマイラ天龍変 夢枕獏 伊藤勢ANAGUMA伊藤勢作品を追いかけているなかで読みました。このマンガ版は『闇狩り師』シリーズ本編の10年前、若かりし頃の九十九乱蔵の活躍を描きます。 異国の地で強大な力を持った怪物を追い、その身一つで大立ち回り!ド派手なアクションと緻密な舞台描写はまるで豪華なハリウッド映画を見ているかのようなワクワク感があります。 自分は原作シリーズいずれも未読の状態でしたがとっても楽しめました。キャラクターのその後も気になって原作もポチッてしまったので、シリーズ入門にもピッタリなんじゃないでしょうか。パワフルな退魔ものです! あの「うちのクラスの女子がヤバい」作者の短編集制服ぬすまれた 衿沢世衣子さいろく「制服ぬすまれた」は1話目のタイトルでした。 「うちのクラスの女子がヤバい」で一躍衿沢世衣子(えりさわせいこ)先生の短編集。 ファンタジーだけどファンシーでミステリーっぽさもあって、展開も急なものが多いものの心がちょっと温まったりする不思議な空気感が素敵。 ありがちな形できれいに収めようとしてない(と思う)のもまた良い。警眼、最新話を読んで警眼ーケイガンー 早坂ガブ名無し※ネタバレを含むクチコミです。観阿弥と世阿弥という親子ぜあ 雨瀬シオリ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 家族の団らんのために密かに頑張るお父さんの話もろこしの夜 小田扉ぺそお父さんが家族に冷たくされる切ない話なのかな…とドキドキしながら読んでいたのですが、ほっこりする素敵な読切でした! 家族の会話が少ないことに悩むお父さんは、話題を降るも子どもたちはすげなく席を立ってしまう。 しかしトウモロコシが出た夜は、子どもたちも食卓をすぐに離れず食べながら他愛もないことを話してくれたことから、トウモロコシを頻繁に買って帰るように。 そのうち旬が過ぎてしまい頭を抱えるけれど、栗やカニ、みかんといった別の食材にシフトして家族の団らんは守られたのでした。 旬が終わってしまい、あちこち探し回った挙げ句に真空パックのトウモロコシを手にしたお父さんの「過ぎゆく季節にしがみついてどうする」というセリフが好きです。 「彼氏いたのか。今度連れてこいよ」っていうセリフからも、このお父さんの人柄が伝わってきますね。絶対いい人だ…!悪女だった女優 倉科遼 和気一作名無し子供の頃からの夢を叶えて国民的女優になるまでのサクセスストーリーというと聞こえがいいですが、主人公はかなりの策士なので悪女といった方がいいかもしれません…。20歳の時に共演者との嘘の熱愛疑惑を流されてしまい清純派のイメージを死守する手段として結婚したのには驚きましたが、これは大胆で面白い展開だと思いながら読みました。けれども2度目の結婚後に生まれた息子の薬物スキャンダルが原因で女優を一時的に引退し、更生させるまでの日々を感動のドキュメンタリーにして業界に復帰したのには流石にモヤモヤしました…。これを最後の山場にして「いい話」で終わるのはどうなんだろう。愛されたいからこそ、愛されることを諦めた“病みかわいい”メンヘラたちの物語。サブスク彼女 山本中学コニシ「繋がる個体」・「戯けてルネサンス」の山本中学先生の最新作。 ・あらすじ ちょっとメンヘラ気質の主人公のトモは、いつも男のエモい恋(感傷的な恋)に利用されてばかり。 自分の恋愛感情を男たちに搾取されることにうんざりしたトモは半ば自棄っぱちで月額定額制の彼女=サブスク彼女になることを決意。 もう恋愛なんかに振り回されないと決意したトモだったが、ずっと前からトモのことが好きだった高校時代の友人であるコースケと再会して・・・? ・推しポイントなど! 不器用で繊細な人間を描くことに定評がある山本先生の次なるテーマはなんと「メンヘラ」。 「男の人がエモいと感じる恋がキライ。」というキャッチコピーから始まる本作は、今流行りのこじらせ系の男女の悩みや葛藤をありありと生々しく、それでいてコミカルに描いている。 サブスクライブという今では当たり前となったサービスを恋愛に活かすアイディア、とにかくわかりみが深いキャラたちの心理描写が素晴らしい。 そしてなんといっても山本中学先生の描く女の子たちは相変わらず愛おしく、それでいてリアルに描かれているのがたまらない。 マンバさん主催のイベント「2020年オンラインマンガプレゼン大会」にて本作を紹介しているので、もっと具体的な内容が知りたい方はぜひそちらの動画をご覧になっていただけると幸いです。 https://www.youtube.com/watch?v=ZYK7RSvhwAQ&t=2763s&ab_channel=%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%90 描写力がすごい浜翔 HAMASHO! 白鳥貴久starstarstarstarstarひさぴよ1985年頃の静岡を舞台にした少年時代のノスタルジックなエピソードの数々。学校や帰り道での悪ふざけの流行だったり、当時の遊びが沢山出てくる。学校の先生も平気で生徒をブン殴る。70年代後半〜80年代前半生まれなら共感することの多い世代になると思う。 何気ない日常の話が多いが描写力がズバ抜けていて、泣かせる話もあったが転校してしまった女子と、別のチクリ女子の容姿が似過ぎで少し混乱してしまった。ちなみに、浜田省吾は出てこなかった。 1巻まで読了。すごいよかったマフィアとルアー TAGRO名無し時期を鑑みるとDON’T TRUST OVER 30が比較対象になるのだろうか。自分的にはこっち派。というか大満足の短編集だった。後書きまで含めて、最高だったド級編隊エグゼロスを読んでド級編隊エグゼロス きただりょうま名無し※ネタバレを含むクチコミです。 少年が始皇帝に仕えて戦士として戦う話キングダム 原泰久クロキ歴史を独自にアレンジしてダイナミックに改変しているので、歴史好きな自分としてもとても読み応えがあります。絵も美しい。老年下っ端ヤクザの生活ジジゴク 沖田次雄hysyskありそうでない(自分が知らないだけかも)年を取ったヤクザの日常を描いた作品。無年金だからシノギが必要なのだが、それらが絶妙にありそうな内容でギャグながらちょっと怖い。経理もしないといけないよね。。単にニッチを狙ってるのではなく、描きたいものがあるゆえの細かさな気がするし、他の作品も読みたい。ドラマ化とかされても良さそうな面白さ。 絵は独特で好きな感じだけど、キャラと背景がもっとはっきり分かれてると読みやすいのと、手描き文字がしっかり目に入ってくるともっとカタルシスがあったように思う。ドラマ楽しみその女、ジルバ 特別編 有間しのぶ名無し久しぶりに新作が読めて嬉しいです!ドラマが楽しみな気持ちが大きくなりました。欲を言えばこうして定期的にみんなの元気な顔を見れたら良いなと思います。 「お控えなすって!」からの「ふわっ」の流れ、良かった!絹のストッキング一度履いてみたい。 いい大学、いい人生とは…ペナルティスクール 山崎京 美愛hysysk箸の持ち方でペナルティを受けていたのが懐かしくなるくらいの超展開。ここでやっていければそもそもの目的である難関大学に行かずとも人生上手く渡り歩けそう。登場人物の知能が高くなければ成立しない設定の作品を描くには、それ以上の知能(もしくは狂気)が必要なのだということを身を持って教えてくれる。女性教師が転職して転職代理人として活躍する話エンゼルバンク ドラゴン桜外伝 三田紀房名無しタイトルがずっと気になっていたので読みました。 主人公が転職する際にコンサルタントに言われた「あなたの市場価値は相場が決める」という言葉はとても好きで印象に残ります。没入感が半端なかったフリージア 松本次郎かしこ一日中フリージアを読んでたら脳が疲れた…。でも途中でスーパーに行っても世界観が頭から離れなくて、現実でも敵討ち法が適用されている気がしながら夕飯を買ってました。一度読んだくらいじゃストーリーを把握できないけど、没入感は半端なかったです。主人公の叶ヒロシがすごくいいキャラクターだったから、幽霊殺しの時みたいなカッコいい戦闘シーンがもっと見たかったけど、そこはストーリーの本質ではないということなんでしょうね…。ケイコのこととオチには上手くハメられました。面白かったです!! 食を制す者は天下を制す飯盛り侍 やまだ浩一 井川公彦starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男「信長のシェフ」の感じには近いがタイムスリップはしておらず「飯が人間を作る」を信条にした足軽・弥八が食事で全てを解決していく。ただうまい飯を作って終わりではなく物事の根幹まで解決していき、同時にいろんな武将に使えながら出世もしていく。最初の九州の龍造寺だったが毛利家に仕官していた。食の蘊蓄と戦国時代のエピソードや戦と人情話がいい感じで組み合わさっており実はかなりの名作なのではと思ってる。第一部完らしいので第二部を待ってます!!樋口一葉の心の内を描いた傑作短編闇の瞬き~樋口一葉、奇跡の14か月間~ 杉本亜未starstarstarstarstarひさぴよ2014年のモーニング9号に掲載された樋口一葉の短編読み切り。「奇跡の14ヶ月」と言われた、最も華々しかった時期を描いた作品で、年に1回は読み返しているほど好きな読切です。 教科書的な一葉像ではなく、一葉自身が抱える心の葛藤を全面に表現していて、静かで暗い雰囲気ながらとても気迫の込もった作品です。この物語に描かれている一葉こそが、本当の人物像だったのかもしれない、とまで思えてしまうのです。 電子書籍ストアでは165円、杉本亜未先生のnote上では100円で購入できます。 https://note.com/amiscake/n/ne10eb9400342電子書籍版で買うか迷うわかめとなみとむげんのものがたり リトルサンダー名無し電子版の購入を検討している人向けのクチコミ。 電子版を試し読みした時に、画面がモアレだらけに感じたのだが、紙版の書籍を読んだところ、紙でも同じ柄で表現されていた。 つまりトーンがそのまま再現されていただけで勘違いしていたのだが、電子版だけで判断すると勘違いする可能性があるな、と思った。他サイトのレビューでは、「文字が潰れている」との指摘(ちなみに☆1つ)を見かけたが、自分の環境/ebookjapanビューアではそのような現象は確認できなかったことを付け加えておく。 電子版の購入を検討している方は、とりあえず購入先のストアで試し読みをして確認すると良いと思う。 ただ、特別の理由がなければ、電子版より紙版を選択した方が良いかもしれない。 紙版については、サイズもデカくて重い(本棚の収納問題もある)のだが、紙でなければ体感できないような仕掛けがこの本にはある。 もの以上の価値があるおもたせしました。 うめ野愛美味しいものをお届けに行くだけならこんなにおもしろい漫画にはなってない。 誰と何を食べるか、何のお酒を合わせるか、どんなお話をするのか、そこまで揃って「おもたせ」であるという美学を感じる。 和服をモダンに着こなし、文学と美味しいものに対する愛と知識に溢れた寅子の存在が魅力的なので、ついつい一緒におもたせを食べたくなってしまうんだろうなあ。 歴史的資料なんてものはうちにはないけど、寅子とお酒を酌み交わしたい! 美味しいものの情報も簡単に調べられるし、対面でものをお届けしたりするのも難しい今日この頃だけど、素敵な文化はなくならないでほしいなあ。最終回可愛そうにね、元気くん 古宮海名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<355356357358359>>
何かのタイミングでこの表紙が目に入り、気になったので読んでみた。同人誌っぽい、と思ってたら本当に同人誌として描いたものらしい。 あとがきで作者がこの漫画を生み出すのに相当苦悩したことが記されている。勝手な想像だけど、自身の経験を元にしてるのかなと思った。 ストーリーとしては、何をするにも点数で評価してくるような厳しい父親に育てられた少年が、ある日、父が亡くなってもなんの感情も生まれてこなかったところから始まり、家のベランダに唐突に落ちてきた「タコ」と行動を共にすることで自身が抱えるトラウマや、父親に対しての思いと少しずつ向き合うというもの。 読み手としてはとにかく父親の愛情のない(しかし躾や成績に関してはものすごくこだわる)接し方には疑問しかなかった。ああいう親に育てられたらなんでも点数評価で考える人間が出来上がってしまう。不器用な人だったといえばそれで済む場合もあるみたいだけど、そういうのはあまり好きじゃない。 だけど、主人公が父親と最後に交わした言葉を考えると、彼の心に「後悔」の文字が浮かぶことは想像できるので、そのままにしておいたら駄目なやつだったんだな、と理解できます。 今は商業漫画家として活躍してるようなので、他の作品も読んでみたいですね。