カラー絵の色使いも美しかったし、世阿弥の泣き顔も無茶苦茶良かったし、世阿弥が偉大な父にコンプレックスを抱いてるとこも、自分の容色が衰えていくことを嘆いてるとこも全部よかった…!
これはぜひ連載で見たい。
子供の頃のしなやかな身体や声を失い、20歳の自分にはもう美しさは残っていないと思い悩む世阿弥は、50を過ぎてもいまだに12、3歳の少女を演じて舞台に立っている父・観阿弥が目の前にいる事実を受け入れられずにいる。父親の美しさが圧倒的であればあるほど妬ましく、自分の醜さが情けない。そんな世阿弥の姿に、父は思うところがあり…という話でした。
その渦巻く感情が顔に溢れ出てしまっている様が、父をも唸らせるほど美しかったという事実に、本人は全く気づかないというオチには鳥肌が立ちました。しかしこの親子を描くのにこの1話だけでは短すぎる。再登場を期待するお便り、編集部に送らせていただきますよ!
能を大成した親子の物語———(ビッグコミックオリジナル2021年2号)