葬送のコンチェルト

台湾の葬儀がわかる物語 #1巻応援

葬送のコンチェルト 串山大 韋離若明
兎来栄寿
兎来栄寿

台湾の作者によって描かれた、台湾の葬儀社を舞台にした作品です。美しい表紙絵に惹かれながら手に取りました。 先日も『葬儀屋タケコ~あなたの最期、叶えます【電子単行本版】』のクチコミを書きましたし、『おくりびと』以降は葬儀にまつわる職業を描いた作品も一際増えた印象です。 ただ所変われば品変わるという言葉の通りで、隣国でかつ同じ島国である台湾ですが日本とは違うところがいくつもありとても興味深いです。 ・葬儀屋が特殊清掃も兼ねる ・台湾ならではの風水を意識した墓作りとその職人 ・遺族に代わって泣く仕事「孝女白琴(こうじょはくきん)」 ・スイカに顔を描いて水中に投げる「西瓜招魂」 ・死者の足元で紙幣を燃やしてあの世への旅費とする「脚尾銭」 などなど…… この辺は国ごとにかなり事情も違いそうなので、他国ではどのようにしているのか気になります。 物語としてもターミナルケアを受ける少女や、とある理由で心中しようとした男の子たちなど生死にまつわる上質な人間ドラマが繰り広げられていき、沁みます。 余談ですが、ちょくちょく出てくる「紅豆車輪餅」、日本ではいわゆる大判焼きや今川焼き、回転焼きなど地方によってさまざまな呼ばれ方がされる仮称ベイクドモチョチョは台湾にもあるんですね。お餅が入っているのはとても美味しそうで、台湾に行く機会があれば食べてみたいです。

あつあつ!スタグル旅

FC東京サポーター名物「蝗活」がまさかの漫画化!!?!?

あつあつ!スタグル旅 能田達規
mampuku
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「蝗」、それは、アウェー遠征ではスタジアムの出店のみならず道中のグルメを持ち前の食欲と動員力で食い尽くす、FC東京サポーターにつけられた異名である。 「蝗が来るときは倍の量を用意すべし。“『FC東京さんが来るからいつもより多めに用意しておくか』の倍”だ」 そんなFC東京サポーターが「蝗」として恐れられるようになった裏には、とある悲しい歴史があった。 かつて東京の本拠地・味の素スタジアムには数万人にのぼる来場者を満足させるだけのスタジアムグルメが長い間存在しなかった。周辺にもKFCやすき家などがあるばかりで、満足感と、何より「特別感」が皆無だった。時々使用される旧国立競技場はこれに輪をかけて悲惨だった。結果として、サポーターたちの持て余した食欲の矛先はアウェー遠征へと向かうこととなる。 かたや軍隊のごとく統率され試合前から大声で応援歌を歌う浦和レッズのようなサポーターとは対称的に、ビールや弁当を買い込んでお祭り気分で観戦を楽しむ東京人のスタイルもまた「蝗化」に拍車をかけた。 湘南のビール、千葉の焼きソーセージ、鳥栖のミンチ天etc……行く先々で名物グルメを品切れ続出に追い込みながら全国を食い荒らしまわり、その様子はハッシュタグ「#蝗活」をつけてSNSを賑わせた。 ちなみに今では味の素スタジアムのグルメも強化され、場外には毎試合ケータリングカーが所狭しと並ぶようになったが、アウェー戦での「蝗活」は変わらず続いている。 そんなサポーターたちにとって待ちに待ったJリーグの新シーズンがついに昨日開幕した。それにほぼタイミングを同じくして「蝗活」を題材にした漫画がスタートした。北は北海道コンサドーレ札幌、南はサガン鳥栖まで、現地に行きたくなっちゃうグルメ漫画になることに期待せずにはいられない。

東京カンナビス特区 大麻王と呼ばれた男

大麻を売って家族を守れ

東京カンナビス特区 大麻王と呼ばれた男 稲井雄人
六文銭
六文銭

主人公・千東森生(ちとうもりお)は学生時代に植物を専門していたこともあって花屋を経営するも、あまりうまくいかず家計は火の車状態。 ある日同窓会で、大学時代の友人・加賀山と出会い、金策に苦しんでいる千東をみかねて大麻の栽培を勧めてくる。 当然、犯罪であるから一度は断るも、そんな折に千東の妻が車の事故に会い入院費や壊れた車の買い替えなどで必要な出費に迫られて、ついに大麻の栽培に手を出してしまう。 元々、植物を育てることに才能があった千東は大麻でもその能力を発揮。 抜群の効き目から、高値にも関わらず、どんどん売れる。 しかし、彼のつくった大麻が広まると、今度は反社の人間に目をつけられてしまい・・・という展開。 ただの一般人でも、一度悪に手を出すと、どんどんぬかるみにハマって、抜け出せなくなっていく感じが怖くもあり刺激的です。 特に反社の人間から何をされても、自分も捕まってしまうから警察などの公権力に頼れない感じが絶望そのもの。 だからこそ、自分の力で何とかするしかないのですが、元々気弱だった千東が腹くくって反社の人間たちと対峙する姿にはグッときます。 家族を守るため、父親としてやるべきときはやるんです(まぁ犯罪なんですけど) ずっと反社の連中に追い回されたり、抵抗して殺して?しまったりピンチな状態が続いているんですけど、ここからタイトルにある「大麻王」にどうなっていくのか? 予測ができない感じで、今後が楽しみな作品です。 余談ですが、『銭麻』という作品でも大麻を売っていましたし、捕まっている人も多いし、大麻、密かにブームなのかな。(ダメ、ゼッタイ)