戦国の世を、義を貫いて駆け抜けた軍神・上杉謙信。毘沙門天の化身とされる名将中の名将は、実は、女だった――― 時は享禄二年、1529年。越後の春日山城城主・長尾為景の第3子が誕生する。不甲斐ない嫡男・晴景に代わる後継ぎとして期待された赤子は、しかし女児だった。失望する為景だったが、すぐに決意を新たにする。「この子を、姫武将として育てる」「名を虎千代とする」と―― 強い父、やさしい母、穏やかな兄、健気な姉に囲まれ、小さな山城でお転婆に育つ虎千代。その双肩に背負う運命の重さを、未だ知るよしもなく……。東村アキコが挑む本格大河ロマン、越後の虎、女・上杉謙信の一代記がいま、始まる!!
魔女と呼ばれる女達だけで暮らす森。彼女達と人間との間には戦いが絶えることがなかった。魔女は人に疎まれ、攻め滅ぼされんとしていた。だがある日、世界のすべては様相を変えようとしていた。その日。“黒き森の魔女”ハリガンのもとに、ひとりの男が天より落ちてきたその日から!