あらすじ「出会った時から 飼うと決めた時から お前はもう家族だよ」 天才ピアニスト・神田冬樹の実力を、憎む男がいた。その男は、母親から猫を押しつけられ仕方なく猫用品を買いに行った店で偶然にも神田と出会ってしまう。初めて猫を飼うのだと男が話すとなんと神田は家に来ると言い出して!? 猫と猫とが結ぶ縁が、新たな物語を紡ぎ出してゆく。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
猫のふくまると、素敵なおじさまのお話。 ペットショップで売れ残っていた、ぶちゃいくな猫を、ダンディーなお紳士が買ってかえります。猫の気持ち、おじさまの気持ち、それぞれが描かれていて、どちらもキュンとします。 ふくまるはらこの幸せがつづくのか?と怖い気持ちもありつつ、おじさまと一緒にいられる幸せを噛みしめています。そしておじさまは、ふくまるに癒されていきます。 おじさまも、ふくまるも、幸せだけれど、どこか寂しさがつきまとっているのが切ないです。妻を亡くしたこと、ペットショップで見向きもされなかったこと、それぞれが抱えた寂しさのせいで、ふたりの関係がとても愛情深いものになり、ジーンときます。 おじさまの紳士っぷりは素敵ですし、亡き妻への思いや、ピアノへの向き合い方ど、猫との関係以外でも、気になることもたくさん。興味をもって読み進められました。 猫好きなひとはもちろん、私みたいなペットと無縁なひとでも楽しめる作品だと思います。