あらすじ「僕、神田冬樹っていいます。あなたは?」「私は鈴音。柊鈴音だよ」昔を思い出す神田。自分自身を前に進めるために、義父に会いに向かう。「私はね、冬樹君がいるだけで十分幸せなんだ」神田は4匹の飼い猫に無事会うことができるのか!? 「みんにゃのパパさん良い人にゃ!」猫との新しい出会いが、皆の心を優しくあたためる。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
猫のふくまると、素敵なおじさまのお話。 ペットショップで売れ残っていた、ぶちゃいくな猫を、ダンディーなお紳士が買ってかえります。猫の気持ち、おじさまの気持ち、それぞれが描かれていて、どちらもキュンとします。 ふくまるはらこの幸せがつづくのか?と怖い気持ちもありつつ、おじさまと一緒にいられる幸せを噛みしめています。そしておじさまは、ふくまるに癒されていきます。 おじさまも、ふくまるも、幸せだけれど、どこか寂しさがつきまとっているのが切ないです。妻を亡くしたこと、ペットショップで見向きもされなかったこと、それぞれが抱えた寂しさのせいで、ふたりの関係がとても愛情深いものになり、ジーンときます。 おじさまの紳士っぷりは素敵ですし、亡き妻への思いや、ピアノへの向き合い方ど、猫との関係以外でも、気になることもたくさん。興味をもって読み進められました。 猫好きなひとはもちろん、私みたいなペットと無縁なひとでも楽しめる作品だと思います。