あらすじ「ふくまるは私の一番なんだから」神田のふくまるを思う温かい気持ちが、ふたりの心を包んでいく。神田家に帰って来た息子の星鳴が出したバンド加入の結論は…!? ふくまる、恐怖のワクチン接種で病院へ。おびえるふくまるの前に現れたのは…!? そして、2週間ぶりにマリンと自宅に戻って来た日比野。神田へのお礼に頭を悩ます…。「ふくまるもパパさんが一番にゃー!」猫との日々が、皆の心を温かく癒していく。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
猫のふくまると、素敵なおじさまのお話。 ペットショップで売れ残っていた、ぶちゃいくな猫を、ダンディーなお紳士が買ってかえります。猫の気持ち、おじさまの気持ち、それぞれが描かれていて、どちらもキュンとします。 ふくまるはらこの幸せがつづくのか?と怖い気持ちもありつつ、おじさまと一緒にいられる幸せを噛みしめています。そしておじさまは、ふくまるに癒されていきます。 おじさまも、ふくまるも、幸せだけれど、どこか寂しさがつきまとっているのが切ないです。妻を亡くしたこと、ペットショップで見向きもされなかったこと、それぞれが抱えた寂しさのせいで、ふたりの関係がとても愛情深いものになり、ジーンときます。 おじさまの紳士っぷりは素敵ですし、亡き妻への思いや、ピアノへの向き合い方ど、猫との関係以外でも、気になることもたくさん。興味をもって読み進められました。 猫好きなひとはもちろん、私みたいなペットと無縁なひとでも楽しめる作品だと思います。